ヤマト運輸は4月1日から新サービス「クロネコDM便」「ネコポス」「宅急便コンパクト」の提供を開始した。それぞれのサービスの特徴、通販事業者からの反響、今後の展開について法人営業部ECソリューション課の中西優マネージャーに聞いた。
メール便と比べると価格は上がるが、それ以上の価値を提供できる
――新サービスについて、通販・EC事業者からの反応はいかがでしょうか。
まず、「宅急便コンパクト」ですが、専用資材のなかに納まれば、宅急便の品質で、かついままでよりも安く送ることができるため、このサービスに適した商材を販売している通販・EC事業者は興味を持っていただいています。
自宅のポストに投函する新サービス「ネコポス」に関しては、従来のメール便に比べ、価格が上がってしまうという印象を持たれているお客さまがいらっしゃいます。ただ、メール便はカタログやDMを送ることを前提にしていたため、「宅急便+1日」という配送スピードであり、投函完了メールを受取人にお知らせするといった機能はありませんでした。「ネコポス」は通販の荷物を中心として「モノ」を送ることを前提としているため、宅急便と同じ全国翌日のスピードで、投函完了メールを送ったり、荷物の追跡をより細かくできるようにしています。そのため、通販・EC事業者からは期待の声を多くいただいています。
これまでは、メール便の安価な料金に魅力を感じながらも、翌日配達のスピード配送や情報提供の面から、宅急便を利用いただいていたお客さまが相当数あった。そうしたなか、今回の新サービスは、スピード・情報・料金すべての面で利用しやすいサービスになっています。
――メール便を廃止したことで、他社に乗り換えるような動きは出てきていますか。
当然、他社サービスに切り替えるお客さまもいらっしゃると思います。しかし、メール便を利用いただいていたお客さまの多くは、引き続きクロネコDM便を利用するものと考えています。「宅急便コンパクト」と「ネコポス」も自信をもって提供できるサービスですので、お客さまには、いままで以上にヤマト運輸のサービスを使っていただけると考えています。
――新サービスの料金について、通販・EC事業者に対する価格があまり表に出ていません。可能であれば教えていただけますか。
通販・EC事業者に関してはすべて相対での契約になります。出荷個数だけではなく、場所や条件などによっても大きく異なるため、具体的な数字を出すことは難しいです。
ただ、個人のサービスの料金を比べてみると、宅急便の60サイズが756円(税込)~に対し、宅急便コンパクトは594円(税込)。また最大割引時で宅急便コンパクトは354円(税込)でのご利用が可能になります。法人のお客さまも条件次第で利用しやすい価格で提供できると考えております
「ネコポス」に関しては、月間100個発送する事業者で200円台半ばというのは発表しています。さらに出荷個数が多い通販・EC事業者は個別に相談いただきたいと思います。
ヤマト運輸法人営業部 ECソリューション課の中西優マネージャー
今後高まる投函ニーズに応える新たなサービスを検討
――フリマやオークション向けにはメルカリとの連携も発表されました。
フリマ市場は、スマホによる手軽な取引ができるようになり拡大を続けていますが、物流の面ではなかなかお手伝いができていない状況でした。物流の部分は旧来からのアナログな方法で足を引っ張っているような状況でしたので、これをどうにか変えたいと以前から考えていました。今回、「ネコポス」をはじめとした宅急便・宅急便コンパクトを使うことで、送り状の記入に関する手間をなくし、より簡単に配送できるようにしました。
――今後の展開として考えていることがあれば、教えてください。
今回の新サービスの提供で終わりではなく、消費者のニーズに合った新サービスの開発を今後も行っていきたいと考えています。「ネコポス」は、郵便受けに投函されたことがメールで通知されるため、何度も郵便受けを見に行くようなストレスがなくなります。そのため、消費者の感覚が変わり、いままでの投函サービスとは異なる、あらたな投函ニーズが出てくると考えられます。通販・EC事業者のニーズも今後さらに変わってくると考えられるので、こうしたニーズを捉えたサービスを増やしていきたい。
また、近年のライフスタイルの多様化で、不在の割合が高くなることが考えられます。現在展開中のコンビニ受け取りやヤマトの営業所での受け取りサービスをはじめ、受け取りの場所を増やすことも検討し、購入者がストレスなく、気持ちよく商品を受け取れる配送サービスの拡充も進めていきます。
配送以外の分野でも、通販事業者に対するサービスを拡充していきます。ヤマトグループでは、システムについてはヤマトシステム開発が提供し、決済はヤマトフィナンシャル、物流アウトソーシングはヤマトロジスティクスが提供するなど、各会社で通販事業者に対して提案を行ってきました。こうしたサービスを串刺しで1つのパッケージとして提供する「YES」(Yamato EC Solutions)を提案できるようになりました。この春からさらに提案を強化していきたいと思っています。ヤマトグループは宅急便で取引している通販事業者が、こうしたソリューションサービスのメインターゲットだと考えています。あらゆる規模の通販事業者が、大手通販事業者並みのスピードと品質を実現し、より商売を拡大できるようなサービスを提供していきたいと考えています。
通販・EC事業者に関係するヤマト運輸の配送サービスとその内容
対面お届け 非対面お届け 商品名 宅急便 宅急便コンパクト
【NEW 15.4】 ネコポス
【NEW 15.4】 クロネコDM便
【NEW 15.4】 クロネコメール便
【廃止 15.4】 サイズ規定 3辺合計
160cm以内 専用資材規格内
①薄型専用BOX
34.0×24.8cm
厚さ規定なし
②専用BOX
25.0×20.0×5.0cm 角形A4サイズ
(31.2×22.8cm以内)
厚さ2.5cm以内
※23.0×11.5cm未満は不可 3辺合計60cm以内
(最長34cm、厚さ2cmまで)
※23.0×11.5cm未満は不可 3辺合計60cm以内
(最長34cm、厚さ2cmまで)
※14.0×9.0cm未満は不可 重量制限 25kg以内 制限なし 1kg以内 1kg以内 1kg以内 時間帯お届け あり あり なし なし なし 追跡情報
サービス あり あり あり あり あり その他 ─ 宅急便で利用できる
クール、超速、着払い、コレクトなどに対応していない 配達完了後、メールを差出人、受取人に配信 速達サービス、封入、封筒などのオプション利用可 速達サービス、封入、封筒などのオプション利用可 運賃(税込) 756円~
地帯別・サイズ別 594円~
地帯別・サイズ別
別途、専用BOX代の
65円が必要 ~378円
※契約済取引サイトはサイトが設定した料金 ~164円 厚さ1cmまで82円
厚さ2cmまで164円 割引 (個人)
メンバー割 ▲10%
持込割 ▲100円
(法人)
顧客相対 (個人)
メンバー割 最大▲15%
持込割 ▲100円
デジタル割 ▲50円
(法人)
顧客相対 顧客相対 顧客相対 顧客相対
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オリジナル記事:ヤマト運輸の新サービス「ネコポス」「宅急便コンパクト」の詳細と反響を担当者に聞いてみた | 単発記事 | ネットショップ担当者フォーラム
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