ネイティブ広告はストーリーと伝え方が鍵 ~OMMA Native会議レポート | ネットPR.JP

ネットPR.JP - 2014年7月9日(水) 10:02
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ネイティブ広告に関する業界会議「OMMA Native」がニューヨーク市で2014年5月19日に開催され、メディア関係者がネイティブ広告の現状や将来像、課題などについて議論した。ブランドおよびメディアを代表してSAPニューヨーク・タイムズがそれぞれ基調講演を行い、デジタル時代の新しい広告およびマーケティング手法としてネイティブ広告に期待する一方で、ネイティブ広告は何を伝えるか、つまりそのストーリーと、それをどのように伝えるかが重要と強調した。基調講演の概要を報告する。

問題だらけのマーケティング

「なぜいまネイティブ広告なのか」

業務用ソフトウェア大手SAPのマーケティングとコンテンツ戦略担当バイスプレジデントのマイケル・ブレナー氏(肩書は当時のもの)は、基調講演の冒頭、来場者にこう問いかけた。

SAPのバイスプレジデント(当時)、マイケル・ブレナー氏

SAPのバイスプレジデント(当時)、マイケル・ブレナー氏

ブレナー氏によると、企業のマーケティング活動は、そのほとんどが非効率で期待された成果をあげていない。モバイルやソーシャルメディア普及によって消費者をとりまく環境が激変したにもかかわらず、企業あるいはブランドが、以前と同じ方法で消費者に接していることが要因だ。平均的消費者は1日あたり5000件ものマーケティング・メッセージを受け取っており、それを嫌う消費者の手で、ダイレクトメールの44%、電子メールの90%は開封もされずに廃棄または削除されている。テレビ視聴時には86%の人がコマーシャルを飛ばしているという。

さらに驚きは、こうしたマーケティング・メッセージを含む「(消費者にとっての)外的刺激」の増加によって、消費者の集中力持続時間が、この10年で格段に短くなったということだ。ブレナー氏が紹介した米国バイオテクノロジー情報センターの調査結果によると、集中力の平均持続時間は2000年の12秒から2013年には8秒に短縮し、「いまや金魚の9秒よりも短い」。

消費者の集中力持続時間は、2000年の12秒から2013年には8秒に短縮した。資料提供:マイケル・ブレナー氏

消費者の集中力持続時間は、2000年の12秒から2013年には8秒に短縮した。資料提供:マイケル・ブレナー氏

ブレナー氏は、企業が消費者に接する方法に改善点があるのはもちろん、企業が伝えたいメッセージと、消費者が受け取りたい情報との間に大きな隔たりがあると指摘。ここで冒頭の質問に戻り、その隔たりを埋める手法の一つがコンテンツマーケティングであり、そのコンテンツ戦略に基づくネイティブ広告であると説明した。

出版社の思考で行動

SAPでは、自社のコンテンツを数年前に調査した結果、その98%が自社製品の紹介や宣伝だった一方で、顧客や潜在顧客から寄せられる質問や疑問の大半は「クラウド電算ソフトウェアとは何か?」「ビッグデータとは何で、それが事業になぜ役立つのか」といった、SAP製品とは異なるIT業界一般に関する内容だった。そこで、潜在顧客のニーズに応えて興味や関心を引くために、コンテンツマーケティングに取り組むことにした。

企業は「出版社のように」行動する必要がある。資料提供:マイケル・ブレナー氏

企業は「出版社のように」行動する必要がある。資料提供:マイケル・ブレナー氏

ブレナー氏によると、コンテンツマーケティングとは「潜在顧客が欲するコンテンツを作成し、それを見つけて共有してもらい、(企業との)対話を通じて見込み顧客を獲得し、売上につなげること」。そのためには、コンテンツ制作側の企業が「出版社のように行動する」必要があるという。

顧客エンゲージメントを向上

SAPがコンテンツマーケティングの一環として、まず取り組んだのが、ブログ「ビジネス・イノベーション(Business Innovation)」の開設だ。ブレナー氏によると、このブログはソフトウェア購入を検討中の潜在顧客の質問に回答し、関心を引くことが目的で、編集ルールの一つが「SAP製品を宣伝しないこと」だった。

ブレナー氏はほかにも、SAPのネイティブ広告の例として、フォーブス誌やビジネス・インサイダー誌での取り組みを紹介。ビジネス・インサイダー誌では、SAPがスポンサーとなり技術系情報サイトの「フューチャー・オブ・ビジネス(Future of Business)」を2012年に立ち上げた。サイトで取り上げるトピックは、「読者が何に興味を持っているか」を基準にビジネス・インサイダー誌の編集者と協議して決定。技術動向を客観的視点で伝えるため、競合他社の製品を取り上げることもある。サイト訪問者の平均滞在時間は3分で、ソーシャルメディアで共有される記事の数も多く、潜在顧客へのリーチという点でこのサイトは効果的だったという。

ソーシャルメディア情報サイトのマッシャブルとは、読者の技術系の質問に同誌記者が回答する質疑応答型サイト「テクノロジー・オフィス・アワー(Technology Office Hour)」の開設で協力した。ブレナー氏によると、このサイトのポストあたりページビュー数は、マッシャブルのほかの記事の平均の4倍に相当する2万件を超え、ソーシャルメディアでの共有件数は3倍の3000件を記録した。

テクノロジー・オフィス・アワーは、オーディエンスのエンゲージメント向上に効果的だった。資料提供:マイケル・ブレナー氏

テクノロジー・オフィス・アワーは、オーディエンスのエンゲージメント向上に効果的だった。資料提供:マイケル・ブレナー氏

ストーリーがそのままブランド価値に

ブレナー氏は、コンテンツマーケティングのキーワードとして、消費者中心型、ビジュアルを利用したストーリー展開、企業と出版社のパートナーシップなどを紹介。また、コンテンツマーケティング強化に取り組む企業がメディアを買収するニュースも、今後は増えると予想した。

同氏は、「コンテンツマーケティングを成功させる唯一の方法は、素晴らしいストーリーを受け手の感情に訴える方法で伝えること」と強調。来場者の質問を受け、「SAPにとっては、顧客が持つ既存の企業イメージを『革新的企業』に生まれ変わらせるためにコンテンツマーケティングが有効だった。(SAPと違い)ブランド価値がまだ確立していない中小企業は、伝えるストーリーがそのままブランド価値のプラットフォームになる。中小企業こそコンテンツマーケティングに力を入れるべき」「デジタル技術やデータ解析にも精通した、優れたストーリーテラーに対する企業の需要は大きい。SAPでも、そういった人材の確保に力を入れている」と語った。

>>次ページ「ネイティブ広告の過去と未来

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