このページは、外部サイト
ikedanoriyuki.jp | Tribal Media House, Inc. の情報をRSSフィード経由で取得して表示しているため、記事の一部分しか表示されていなかったり、画像などが正しく表示されなかったり、オリジナル記事が意図したデザインと異なっていたりする場合があります。
完全な状態のオリジナル記事は 「
『老後難民』 本当は定年後にいったいいくら必要なのか?」 からご覧ください。
フィデリティ退職・投資教育研究所では、このままだと、将来、退職後に十分な準備をせず、大変なことになってしまう高齢者が相当数発生してしまうことに危機感を頂き、退職後の生活資金を計画的に準備するよう、積極的な啓蒙活動を行っています。
このPR活動をトライバルメディアハウスとブルーカレント・ジャパンでご支援させて頂いているんですが、6月22日に、いよいよ待望の本が出版されます!その名も、
● 『老後難民』 50代夫婦の生き残り術(フィデリティ退職・投資教育研究所所長 野尻哲史著・講談社+α新書)
以前、「ぼくたち・わたしたちの老後のリアル」でもご紹介した『退職金は何もしないと消えていく』 『なぜ女性は老後資金を準備できないのか』の続編、というか総まとめのような本です。
国連の定義では、総人口のうち65歳以上の人々が占める割合が20%を超えると「超高齢社会」と定義されます(高齢化社会でも高齢社会でもなく超高齢社会)。すでに日本は22%強です。2012年には団塊第一世代が65歳になって年金の満額受給世代となります。
その後、現役世代の現象もあいまって2030年には65歳以上人口は31.8%にまで上昇することが予想されています。今後、間違いなく高齢になっていくことだけで生活に困難を抱え、「医」食住にまつわる様々な問題が噴出するようになる。
適切な医療を受けられる病院が減少して「医療難民」になる。独居老人が増えて十分な介護を受けられない「介護難民」が続出する。終の棲家が見つけられずによりよい施設を求めてさまよい歩く「介護施設難民」が増える、などなど、まさに「老後難民時代」の到来が予想されるのです。
これは、決して他人事じゃありません・・・。この本は2010年2月に1万人を対象にして実施されたサラリーマン1万人アンケートの結果がベースになっています。この調査のサマリーを下記にまとめると・・・
- 自分の老後生活は今の生活よりも悪くなる:49.5%
- 自分の老後は今の高齢者よりも悪くなる:70%
- 公的年金では安心できない:88.9%
- 公的年金からの給付だけではかなり生活が苦しくなる水準だと思う+公的年金からの給付だけでは生活できない水準だと思う:84.6%
- 退職後の生活で心配なことは生活費が足りなくなること:57.8%
- 退職後の生活用としている準備資金「0円」が44.3%!
などがあります。
※フィデリティ退職・投資教育研究所レポート「不安なのに準備できない」サラリーマン1万人アンケート:4割が “老後難民” 予備軍(PDF)
※スネをかじってる場合じゃない!? 50代の会社員、4人に1人が退職後の備え「ゼロ円」(Yahoo!ニュース)
驚くのはこれだけではありません。
サラリーマン1万人調査でも、退職後の生活資金に必要な生活資金は、多くの人たちが、公的年金以外で3,000万円と認識(予想)しています。これは、退職後は、家のローンも終わっているし、食べるものも少なくなるし、付き合いの交際費なども減るから、いまの生活費の半分くらいの金額で生活できる、との認識によるものみたいなんですが、実際の退職後の生活費用を調べると、どうやら毎月の生活費は現役時代の半分にまでは減らず、50代のときの生活費の約70%くらいで推移するようなんです(医療費が現役時代の4倍に増えることと、一度慣れてしまった生活レベルを下げることはなかなかできないらしい)。
現在の日本人男性の平均寿命は79.19歳(世界第3位)、日本人女性の平均寿命は85.99歳(世界第1位)。仮に60歳まで生きた場合の平均余命は男性が22.4年(つまり82.4歳まで生きる)、女性が27.9年(つまり87.9歳まで生きる)です。これで計算すると、60歳からの生活資金は、どう考えても1億円くらいは必要です。
※仮に50代のときの毎月の生活費が50万円だったとすると、その70%で35万円。35万円×25年=1億500万円。
でも、多くの人たちは、退職後の資金は3,000万円で良いと思っているのです(アンケート回答者が退職金を除いて3,000万円と回答しているのか否かは不明)。
大企業に勤務していて、これから転職する予定がなく、生涯勤めることができた人は、退職金の平均額2,200万円をゲットすることができます。自分で3,000万円準備できれば、退職金と合わせて5,000万円強。これを60歳以降も投資をしながら生活をしていけば(公的年金が現状どおり運用されていれば)十分生涯を送れるという試算になります。
でも、現在大企業に勤めていない人やこれから転職をする予定がある人などは、退職金の分も自分で準備しなければなりません。さらに、将来のことを考えると、どう考えても現状どおり公的年金が運用されている可能性は高そうにない。自分の身を守るのは、自分しかいないのです。
ちょっと話があっちこっち行っちゃいましたが、まとめると、
- 仮に50代の生活費が50万円だったとすると退職後の生活資金はその70%に当たる35万円
- 60歳からの余命が約25~30年間だとすると退職後の生活資金はおよそ1億2千万円程度必要
- 公的年金が現状どおり支給されれば(夫婦で)月額23万円程度(標準金額)なので65歳~85歳の20年で約5,500万円が支給される
- 残りの6,500万円をどう準備するか(大企業で勤続35年or公務員であれば退職金が2,000万円程度あるから残4,500万円、退職金がない人は6,500万円を準備する必要あり)
- 気が遠くなるような金額だが、60歳までに少しずつでも資産運用をしておけば、決して不可能な金額ではない(35歳から始めるなら、月3万円くらいの積立投信で結構な金額が準備できてしまう。退職金がない人はもっと準備しないとキツイ)
- 60~75歳までは運用しながら使う年代、75歳~90歳は厳格に管理しながら使う時代とする(60歳以降も75歳くらいまでは全ての資産を切り崩さず、運用しながら計画的に使っていくことが鍵)
という感じになります。
とにかく、漠然と「なんとかなるだろ」と思っていることが一番危ない!いやはや、自分自身も貯金しない&資産運用あんまりしないタイプなんですが、この話をフィデリティ退職・投資教育研究所の野尻所長から教えてもらったときは背筋が凍りましたよ。
ということで、退職金が無い僕は、まずは月々3~5万円くらいの積立投信でもやってみようかな・・・と真剣に考えているのでした。
<関連書籍>
● 『退職金は何もしないと消えていく』(野尻哲史著・講談社+α新書)
● 『なぜ女性は老後資金を準備できないか』(野尻哲史著・講談社+α新書)
『老後難民』という言葉が注目され、一人でも多くの人たちが自身の老後について考え、準備してくれることを祈っています。