UXスコアとは何か?スコアの定義からGoogleアナリティクスでの計測方法まで(後編)

UXスコアを計測するための具体的な手順について説明します。Googleアナリティクスを導入しているWeb担当者なら、明日からすぐに実践可能!
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※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。
UXスコアの運用方法

ネットイヤーグループの山田です。
前回記事「UXスコアとは何か?」に引き続き、今回はその運用方法についてご紹介いたします。本記事では「NPS」をUXスコアとし、その取り組み事例をご紹介したいと思います。

NPSを計測するためのツールは多種多様

NPSの調査方法には、リレーショナル調査とトランザクション調査の2つの手法があるという事は前回の記事でお伝えしましたが、今回はトランザクション調査を行うための具体的方法についての説明です。
まず気になる運用ツールですが、NPS専用ツールとしては、NPS Pro、Qualtrics XM、またNPS形式の設問がテンプレート化されたアンケ―ツールとしてはSarveyMonkey、
その他Web接客ツールとしてNPS用フォーマットを有したKARTEなどのツールもあります。
これらは、NPS計測用にパッケージ化されたクラウドサービスですので、ユーザーに掲示するアンケートフォームや様々なグラフを使った集計結果のダッシュボードなどが最初から用意されています。もちろん、通常の顧客満足度(C-SAT)や独自の評価指標を採用する場合は、前述の専用ツールではなく一般的なアンケ―トツールなどでも良いでしょう。
そのような有料アンケートツールの利用ももちろん可能ですが、今回はそれらのツールは活用せず、Googleアナリティクス(無償版)とデータポータルを活用した運用方法のご紹介です。

Googleアナリティクスとデータポータルを使ったUXスコア基盤の構築

さて、Webサービスやアプリを評価する上でGoogleアナリティクス(以下、GA)などのアクセス解析ツールは無くてはならないものです。「DataSign Report」の調査結果によると、国内上場企業のうち90%以上が自社のWebサイトにGAを導入しています(2021年7月時点)。
ご承知の通り、GAはサイトやアプリ利用者の属性や行動パターンなどを細かく調べることはできますが、ユーザーに直接問うためのアンケートなどの機能は有していません。
もし、あなたの会社のWebサイトにおいて、既にGAを導入しているのであれば、ここにNPS形式のアンケートフォームを実装し、そのスコアをGAのイベント値として計測して下さい。それにより、GA内にスコアデータを蓄積することができます。あとはデータポータルでダッシュボードレポートを作成することで、トランザクション調査のレポート基盤ができます。

ではここからは、実際にGA無償版とデータポータルを使って、NPSのトランザクションレポート画面を作成するための具体的方法についてご紹介します。

1.サイト内にアンケート画面を実装

まずは、サイト内にJavascriptを記述し、上図のような11段階のアンケートをポップアップ形式もしくはモーダル表示させます。
表示するページはトップページなど直接ユーザーがランディングするページは避け、何かサイト内でのアクションが完了したページ(資料請求完了ページ、FAQの個別アンサーのページなど)やマイページ内など、ユーザーがある程度サイト内を回遊した後のタイミングで閲覧するような下層ページが良いでしょう。また、読み物コンテンツなどの場合は、特定のエリアまでスクロールさせたタイミングで表示させるような工夫も重要です。
アンケートフォーム内の各スコアのボタンには、GAのイベントとして計測するためのIDを設定します。11段階のアンケートの選択ボタンに対して、それぞれIDを「q-btn00」~「q-btn10」と付与します。この際、0~9までの数字は「00」「01」など、頭に「0」を付けた2桁数字にすることがポイントです(データポータルでのグラフの表示上の問題です)。

2.GTM(Googleタグマネージャー)でのタグ実装

アンケートの実装ができたら、今度はそれをNPSとして計測するためのGTMでの設定です。変数はユーザー定義変数で新規に「正規表現の表」を設定します。
0~6を批判者、7~8を中立者、9~10を推奨者とGAで判定するために、本記事では入力変数を{{Click ID}}とし、正規表現の表を以下のように設定しました。
ここでは、変数名を「NPS計測用変数」としています。

次にトリガーはアンケートボタンのクリック要素に対して設定し、タグはトラッキングタイプ「イベント」で新規作成します。
カテゴリを「NPS」、アクションを先程設定した{{NPS計測用変数}}、ラベルを{{Click ID}}と設定することで、GAのイベントとして以下のように取得する事が可能になります。

イベント カテゴリNPS
イベント アクションpromoter|passive|detractor
イベント ラベルq-btn00~q-btn10

 

3.GAの設定とデータポータルレポート作成

ここまで出来ると、あとはGA管理画面での設定とデータポータルでのレポート作成のみです。GAでは目標設定を3つ行います。
1.NPS推奨者:イベントカテゴリ「NPS]、かつイベントアクション「promoter」
2.NPS批判者:イベントカテゴリ「NPS]、かつイベントアクション「detractor」
3.NPS回答者:イベントカテゴリ「NPS]

これらの目標設定を行うことで、データポータル内でNPSを計算するための計算フィールドを使うことができます。
仮にそれぞれの目標を「目標1」「目標2」「目標3」で設定した場合、データポータル上では、以下の計算式でNPSを算出することができます。

(Goal 1 (Goal 1 Completions)-Goal 2 (Goal 2 Completions))/Goal 3 (Goal 3 Completions)

ダッシュボードの作成にあたって、推奨者・中立者・批判者のそれぞれを抽出するための「イベントアクション」、個別のスコアを抽出するための「イベントラベル」が使用できますので、それらを使って最適なレポートを作ることができます。

参考までに、弊社内でデモ用に作成したレポートはこちらになります。
NPS属性を円グラフや日別推移の折れ線グラフなどで表現することで、全体感や日々の変化などを捉えることができますので、参考にしてください。

UXスコアをGoogleアナリティクスで計測する最大のメリット

前述の通り、UXスコアを計測するためのツールとしては様々ありますが、Googleアナリティクスを使う最大のメリットは、各スコアや[批判者][中立者][推奨者]に対してのドリルダウン分析ができることです。
例えば、批判者については、そのユーザー群の行動をGAの行動ログから分析し、「推奨者」の行動と比較することで、何故批判するのかを明らかにすることが出来ますし、滞在時間が長いユーザーはそれが「批判者」なのか「推奨者」なのかを判定することが出来るため、また離脱率の多さは、良いユーザー体験に基づくものか、悪い体験に基づくものかを理解する事が可能になるのです。
これは、本記事の前編で言及した「UXアプローチから得た仮説の何故?」を検証するために非常に有効な方法と言えるでしょう。

まとめ

今回UXスコアを運用する方法としてに、Googleアナリティクスとデータポータルを使った設定方法について、お伝えしました。
この方法により、高価なアンケートツールなどを使用する必要がなくなるほか、GAのログデータと連携できることで、ログの定量分析から出てきた仮説を定性的なアンケートで
検証する事が可能になります。UXを定量評価したいとお考えのWEB担当者は、是非本記事を参考に自社サイトでお試しいただければ幸いです。
もし、実装方法などについてご不明な点がありましたら弊社担当までお問い合わせください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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