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「パレートの法則」の欠点
「パレートの法則」のことを知っている人は多いだろう。いわゆる顧客の約20%によって売上の80%が占められているという法則である。企業等によっては多少の違いはあれど、実際だいたいこのくらいの比率になることが知られている。そして、この「パレートの法則」によって「新規顧客よりも既存顧客を大切にすべきだ」という主張が日本でも最近は主流になってきているようだ。新規顧客を獲得するためのコストよりも既存顧客からの売上を上げる方がコストがかからないからというのが主な理由だ。
この理論は、多くの市場が成熟化し人口が今後も減少し続けることが確定している日本企業にとって重要な理論となった。日本市場においては他国よりも新規顧客獲得は難しくなる。そのような環境下に目を付け、CRMを導入し顧客ロイヤリティを向上させることで売上を可能な限り維持しようという主張がCRMベンダーからなされるようになった。実際、近年日本企業の多くがCRMを導入し試行錯誤を続けている。
しかし、この理論とCRMによって顧客ロイヤリティを向上させることが本当に良い施策なのだろうか?