Webプッシュ通知で変わるダイレクトマーケティングとマーケティングオートメーション
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[転載元]Webプッシュ通知で変わるダイレクトマーケティングとマーケティングオートメーション|DML
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※本ページの記事は[転載元]からの抜粋です
Webプッシュ通知(ブラウザプッシュ通知)の概要
Webプッシュ通知(ブラウザプッシュ通知)とは
2015年中旬頃から登場した、アプリではなくWeb(ブラウザ)からプッシュ通知を送信する仕組みです。スマートフォンはもちろん、PCにもプッシュ通知を送信することができます。
著者はこの仕組みがダイレクトマーケティングの1つの手段として今後拡大すると期待しており、今回記事を書かせていただきました。この記事では、Webプッシュ通知の位置づけ・有用性、各社サービスの比較、マーケティングオートメーションとの関係性について解説します。
Webプッシュ通知の位置づけ
以下はリードナーチャリングとリードジェネレーションの事例と手法で紹介した、リードジェネレーション~ナーチャリングのステップをまとめた図です。ターゲットフェーズごとに、利用されるコンタクトチャネルを記載しています。この記事では、ユーザーを【PHASE3】までシフトさせることで、メールアドレス等の個人情報を取得することができ、コンタクトチャネルの選択肢が増えることを解説しました。
画像を見る: リードナーチャリングとリードジェネレーションの概要
しかし、個人情報の取得ハードルは高く、「潜在顧客」になるまでにかなりの数が脱落します。そこで「未開拓ユーザー(PHASE1)」と「潜在顧客(PHASE3)」の間に「つながりユーザー(PHASE2)」というフェーズを提唱しました。Webプッシュ通知は、「つながりユーザー」を作り、関係構築するために有効なコンタクトチャネルと考えています。
Webプッシュ通知の導入方法と表示内容、メールとの比較
Webプッシュ通知の導入方法
Webプッシュ通知の導入には「WebサイトにURLリンク設置」「WebサイトにJavaScriptタグ設置」のいずれかが必要であり、利用するサービスにより異なります。
URLリンクの場合は、ユーザーがオプトイン用のバナー画像などのリンクをクリック、遷移先Webサイトでプッシュ通知を許可することで、プッシュ通知の送信対象となります。JavaScriptタグの場合は、URLリンクと同様のこともできますが、サイト訪問時にポップアップを表示して許可を得ることができるサービスもあります。どちらの場合も、ユーザーは個人情報を入力することなく、企業からの通知を受け取ることができます。
以下は、株式会社シロクが提供するURLリンク設置型Webプッシュ通知「プッシュさん」の導入フローです(フローというか、リンクを設置するのみです)。
下のキャプチャはPC、スマートフォンそれぞれのWebプッシュ通知の表示例です。画像+タイトルテキスト+数行のテキストを送信できます。クリックすると設定したWebページに遷移します。Webプッシュ通知を送信した際に端末の電源をOFFにしていた場合も通知がストックされ、次回起動時に通知が表示されることが特長です。
Webプッシュ通知とメールの比較
同じような用途となるメールとWebプッシュ通知の機能を比較しました。注目すべきは「Webページ誘導率」です。メールの場合は、メールの「メール開封 → リンクのクリック」の2ステップでWebページに遷移しますが、Webプッシュ通知の場合は「通知のクリックのみ」の1ステップでWebページに誘導することが可能となり、そのため、メールよりも効率良くWebページに誘導できます。
メールの開封率、リンクのCTRは著者が運用しているメルマガの実績を記載、Webプッシュ通知のリンクのCTRは株式会社シロク様より頂戴した事例を記載しております。
Webプッシュ通知の使い方の注意点と各社サービスの比較
クリエイティブ自体の表現力は低い、目的はあくまでWebページ誘導
プッシュ通知は短文のテキストとアイコン画像しか送れません。ユーザーがクリック(タップ)したくなるようなメッセージを作りましょう。目的はあくまでWebページの誘導です。
プッシュ通知は短文のテキストとアイコン画像しか送れません。ユーザーがクリック(タップ)したくなるようなメッセージを作りましょう。目的はあくまでWebページの誘導です。
一斉メール配信みたいな使い方はしないで欲しい
敢えて厳しく言うと、クリックされないプッシュ通知はユーザーの行動を妨げるだけの無駄なものです。メールよりもCTRを厳しくウォッチしてください。現在はWebプッシュ通知をマーケティングの手段として取り入れている企業は少ないですが、今後増えると予想しています。
そうなった時にユーザーは多くの企業からプッシュ通知を受け取ります。全く興味のない情報が多数届いた場合、ユーザーはプッシュ通知自体に嫌気が差すでしょう。
Webプッシュ通知は強力なダイレクトマーケティングの手段に今後なり得ます。ただし、それは企業側の使い方次第です。マーケターにとって、ユーザーにダイレクトにリーチできるコンタクトチャネルが増える機会はそうそうありません。この機会を本当に無駄にしないで欲しいと思っています。
テーマが絞り込んであるWebサイトなら良いですが、複数のテーマや商材を扱うWebサイトなら「ユーザーがWebページの何のコンテンツに興味を持ってプッシュ通知を許可したか」を把握できる環境を整え、その上で自社のマーケティングにWebプッシュ通知を取り入れてください。
届けるコンテンツはユーザーの興味に合わせてパーソナライズした内容が好ましく、企業側で送信の頻度をコントロールすることや、ユーザー側で送信頻度がコントロールできることも重要です。ここは後述のマーケティングオートメーションに期待しています。
Webプッシュ通知の各社サービス比較
まだまだ提供企業が少ないWebプッシュ通知ですが、各社サービスの比較資料を株式会社シロク様(Webプッシュ通知サービス「プッシュさん」を提供)より頂戴しましたので紹介します。無料で利用できるサービスも多いため、各サービスの違いを理解するには、実際の管理画面を触っていただくのが1番良いと思います。
マーケティングオートメーション×DMP×Webプッシュ通知
マーケティングオートメーションとDMPの得意領域
DMPの市場規模と課題とマーケティングオートメーションでは、以下のように解説しました。
→ 相性が良い
- DMP:データを蓄積・セグメント化することが得意なシステム
- マーケティングオートメーション:マーケティングのアクションが集約されたプラットフォーム
図にすると以下のようなイメージです。
Webプッシュ通知が加われば、マーケティングオートメーションは強力になる
Webプッシュ通知はマーケティングオートメーションと組み合わせると非常に面白くなります。
これまで、個人情報を取得していないユーザーに対して行えるアクションは、広告配信くらいでした。Webプッシュ通知がマーケティングオートメーションに加われば、このユーザーに対しても企業側から継続的にアプローチすることが可能です(プッシュ通知のパーミッションを得る必要はある)。
マーケティングオートメーションはマーケティングのアクションが集約されたプラットフォームです。メールに関しては、ステップメール(シナリオ配信)、セグメント配信などが行えます。最近はDMPとの連携も進み、個人情報取得済みの顧客や見込顧客だけでなく、Webサイト来訪者のデータが取得できるツールもあります。
画像を見る: Webプッシュ通知が加わったマーケティングオートメーション
DMPから得たオーディエンス情報や自社のデータをもとに、セグメント化したデータをWebプッシュ通知に活用すれば、パーソナライズしたプッシュ通知を送ることができます。これは非常に強力なダイレクトマーケティングの手段です。
Webプッシュ通知のクリエイティブは簡単に作成できるため、案内したいWebページの数に比例して送信数(アクションの頻度)が増えます。そして、コンタクトチャネルの数やアクションの頻度が増えるほど、マーケティングオートメーションのニーズは高まります。
クライアントがMAツールに期待するのは「どんなアクションができるか」です。個人情報を聴取していないユーザーに対して、ダイレクトにアプローチできるWebプッシュ通知は、今後ダイレクトマーケティングの強力な手段となるでしょう。そして、これを好機と捉えたMAツールの中にも組み込まれていくと予想しています。
本記事の内容含む、デジタルマーケティングラボの内容をまとめた本を書きました。
『アドテクノロジーの教科書』 概要・目次はこちら
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■デジタルマーケティングラボ(DML)■
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[運営者]広瀬信輔(株式会社マクロミル/株式会社イノ・コード 所属)
[著 書]『アドテクノロジーの教科書』
[元記事]Webプッシュ通知で変わるダイレクトマーケティングとマーケティングオートメーション
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