広がりを見せる位置情報サービスの今後

ジオフェンシングとソーシャル機能とを連携させたサービスをご紹介します。
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スマートフォンをはじめ、モバイル端末の普及に伴いインターネットの世界でも注目されているものの一つが「位置情報」系サービス。ソーシャルメディアの台頭もあいまってFoursquareやFacebookのチェックインクーポンなど、国内でも既に多くの企業が位置情報と連動したサービスやキャンペーンなどを展開し始めています。今回はその中でも『ジオフェンシング』について着目してみたいと思います。Wikipediaを参考にその定義を説明すると、ジオフェンシングとは「実際の地図(地域)上にバーチャルな境界線を設けていく技術」ということになります。

この境界線とは様々な形で設定する事が可能で、例えば「このエリアはある特定の人が所有する地域です」といったことを定義付けそこへ人(物)が入った・出たなどを即座に判別し予め設定したアクションを返していくことが可能となります。この技術を用いると以下のような事が可能になります。(一部wikiより抜粋)

  • 子どもがある特定のエリアから離れると、親の携帯電話にアラートが送られる
  • 自動車や自転車が盗難にあったことを(勝手にエリアから出た事を)通知する
  • 動物が自分の農園に入ってきたことを農場主に通知する
  • 観光で某所に訪れた際に、名所に近づくと名所案内やPRポイントの動画などが送られてくる
  • 自宅に来る予定の友人が駅に到着したことを通知する
  • 事故多発地域に近づいた事を告知する

このジオフェンシングの考えとソーシャル性の高い機能(サービス)とを連携させたサービスが今後どんどん登場してくると考えられます。以下に2つ、実際にあるサービスを紹介します。

Neer

Neerは、限られた特定のグループ(家族や友人など)だけに位置情報を共有する為の無料のAppです。予めどの場所をポイントにするのか決定し(学校、職場、駅、空港など)、その場所に入った・出たという情報が自動で設定したメンバーに配信されるというサービスです。例えば主婦の方で子供が学校を出た、夫が会社を出たといった際に家族で携帯電話で連絡を取り合ったりされる方は多いと思います。それをわざわざ行わず、自動で相手の位置を把握できるというものですね。

ラスベガスのハードロック・ホテル・アンド・カジノの画期的なジオアプリ『KickBuck』

このアプリは、元々キックバック・モバイルという会社が開発したシステムで、これを2011年4月にラスベガスのホテル&カジノ「ハードロック・ホテル・アンド・カジノ」が導入しサービス展開をしている形になります。ラスベガスのカジノに行かれた事のある方なら想像できると思いますが、特に週末など人でごった返すカジノ場ではドリンクの注文にも一苦労するはず。それが、このサービスを活用すればスマートフォン経由で飲食物の注文をするだけで、出来上がった注文がサーバを介して自分の所まで運ばれてくるというものです。ここにも、ジオフェンシングの考えが反映されています。KickBuckはハードロックホテルの提供する10か所の会場で利用ができ、カジノだけでなくプールやルームサービスとしてでも利用が可能です。

利用は至ってシンプルで、無料アプリをダウンロードしクレジットカード情報を登録するだけで簡単に利用できます。登録されるとKickbackがGPS技術により、10のどのエリア(店舗・部屋)に顧客がいるかを特定し、訪問先の店舗のメニューをプッシュ通知により告知します。利用者にとってみれば、わざわざバーカウンターに行く事なく、(指定エリア内であれば)どこからでも注文をすることが可能となります。一方、ホテル側としてはこれまで以上のマーケティングの好機会を手にすることになります。スマートフォンというユーザーに最も身近なデバイスとPOPシステムを連動させることで、極端に言えば利用額の大きい(頻度の高い)顧客の購買履歴などの追跡も可能となる訳です。つまりはCRMの強化がより強固となっていくわけです。実際にホテル側としては顧客の好みや消費傾向を把握しジオロケーションの情報を元にした飲み物のキャンペーンなどの展開も考えているそうです。

~最後に~

位置情報連動サービスは、ともするとプライバシーの侵害やコミュニケーション不和を生む負の可能性も孕んでいます。ネガティブな見方も多く、使い方を誤ると迷惑であったり危険なサービスとなってしまう場合も事実あるかと考えられます。実際に、最近はジオ系サービスにおけるプライバシーの問題がニュースでも取り立たされていますね。ですが、筆者は個人的にはこの機能の拡大により授かれる恩恵の方が大きいような気がしています。例えば、ジオ系サービスにより、子供を危険から回避する事が本当に可能になるでしょうし、ペットが行方不明になって悲しむ飼い主もきっと減るでしょう。馴染みのない観光地へ赴いた際に、"もっと他のユーザーはこんな場所にも行ってるよ"とレコメンドしてもらえる機能があれば、その旅行はより豊かな旅になるでしょうし、想像もしていなかった新たな発見に沢山出会えるでしょう。

また先にも述べた通り、サービスを提供する側にとってはターゲットユーザーのリアルな消費パターンや趣向性などを取得する事が一層可能となり、よりリアルタイムなCRM活動を行う事も実現可能です。自社のブランドと親和性が高い潜在顧客に対し、店舗の近くを通った際にタイムセールスをプッシュしブランドへの気づきや購買キッカケを与えていく・・そんなマーケティング手法が当たり前になる日も近い将来に訪れるであろうと考えています。

 

■本コラムの元記事はこちら
広がりを見せる位置情報サービスの今後

 

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