2024年・イメージが悪化した不祥事、“隠蔽体質”“誠意が感じられない”と非難された企業1位は?【広報会議調べ】
宣伝会議が発行する広報・メディア対応の専門誌『広報会議』は、「不祥事ランキング2024」を発表した。全国1000人の20~60代男女が、「イメージが悪化した出来事」を回答。詳細は『広報会議』2025年1月号(2024年11月29日発売)に掲載されている。
ランキング上位に対して“隠蔽体質で、危機管理意識が無い”との指摘が相次ぐ
この調査では、2024年1月~10月に発覚した企業や自治体、団体などの不祥事13件(編集部が専門家の意見をもとに選定)のうち、著しくイメージダウンした出来事を上位3例まで選択してもらった。その結果、1位は「小林製薬、紅麹関連製品による健康被害」37.5%が最多。以下「宝塚歌劇団員死亡問題、パワハラ認め遺族側に謝罪」34.3%、「ドラマ『セクシー田中さん』原作改変めぐる一連の問題」28.9%が続いた。
例年の1位は、投票が過半数を占めることも多く、前年2023年の1位「ビッグモーター、保険金不正請求問題」も45.5%とほぼ半数。一方今年は比較的票が分散し、その内容も健康被害、パワハラと死亡事故、テレビ局と原作者の対立、認証試験不正、学生による犯罪動画の拡散など、不祥事の内容も幅広かった。
1位の小林製薬に対しては、「死者が何人も出ているのに原因究明が遅かったしトップの謝罪も誠意が感じられなかった」「健康被害をすぐに報告しなかったのが隠蔽体質な企業だと感じた」といった厳しい意見が相次いだ。2位の宝塚歌劇団には「劇団側のコメントが二転三転して、劇団のイメージがさらに悪くなった」、3位のドラマ『セクシー田中さん』原作改変問題には「全く説明責任が果たせておらず、うやむや」といった声があり、全般的に“企業の隠蔽体質”“危機管理意識の無さ”が指摘されている。
1位 小林製薬、紅麹関連製品による健康被害(37.5%)
2位 宝塚歌劇団員死亡問題、パワハラ認め遺族側に謝罪(34.3%)
3位 ドラマ『セクシー田中さん』原作改変めぐる一連の問題(28.9%)
4位 トヨタなど自動車業界で認証試験における不正発覚の連鎖(11.6%)
5位 神戸大、非公認バドミントン同好会「旅館破壊」動画拡散(10.6%)
6位 羽田空港における日本航空機と海上保安庁機の衝突事故(10.3%)
7位 いなば食品、新入社員の寮の「ボロ家」騒動など内部告発相次ぐ(9.9%)
8位 損保大手4社カルテル問題、課徴金20億円(8.7%)
9位 日産自動車に下請法違反で勧告、30億円の不当な減額要求(5.5%)
10位 鉄道各社の車両、輪軸の組み立てで検査データ改ざん(4.4%)
なお過去の同一調査のランキング結果1位は以下のとおり。
2023年 ビッグモーター、保険金不正請求問題(45.5%)
2022年 園児送迎バスに置き去り、熱中症で死亡(32.5%)
2021年 名古屋市長、金メダルを噛み批判が殺到(31.0%)
2020年 河井克行、案里両議員を逮捕 参院選買収疑いで(29.5%)
2019年 かんぽ生命・ゆうちょ銀行で不適切販売が発覚(48.7%)
2018年 日大アメフット部 悪質タックル問題(58.1%)
2017年 豊田真由子氏が元秘書に暴言「このハゲー!」(51.8%)
2016年 舛添要一・前東京都知事の政治資金問題(39.1%)
2015年 旭化成建材・三井不動産「傾きマンション」(67.2%)
2014年 理化学研究所・小保方晴子氏の不正論文
調査概要
- 【調査対象】広報会議編集部が危機管理の専門家の意見をもとに選定した、13件の企業・団体に関する不祥事(2024年1月~10月までに発覚)
- 【調査方法】インターネットリサーチ(任意で3つまで「イメージが悪化した」項目を選択)
- 【調査期間】2024年11月5日~7日
- 【有効回答数】1000(20~60代男女)
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