「フェイクニュース」見破る自信があるのは約3割。騙されても気付いていない?【MMD研調べ】
MMD研究所は、「フェイクニュースに関する年代別意識調査」の結果を発表した。7月に実施した「ニュースに関する意識調査」全年代版において、フェイクニュースに関する調査もあわせて実施したもの。18歳~69歳のスマートフォン所有者1,533人を対象に、テスティーが提供するスマートフォンアンケートアプリにて共同調査を行っている。
「フェイクニュース」の認知度は8割超、実際の接触経験は3人に1人
フェイクニュースとは「あたかも本当のことのように、SNSなどに投稿される虚偽・デタラメな情報」だ。
まず「“フェイクニュース”という言葉を知っているか」を聞くと、「知っている」「聞いたことがある」の合計は85.8%。同様の中高生対象調査では84.6%で、ほぼ同じ。改めて年代別に見ても、とくに大きな差はないが、若年層とシルバー層が、壮年層に比べて認知度が高い。
続いて、「実際にフェイクニュースを見たことがあるか」を聞くと、「見たことがある」34.4%、「見たことがない」65.6%で、3人に1人が接触経験があった。なお3月の中高生対象の調査では「見たことがある」43.0%で、全体的に数値が低い。そこで年代別に見てみると、「見たことがある」という回答がもっとも高かったのは20代(n=306)45.1%、もっとも低かったのは、認知がもっとも高かった60代(n=217)21.7%だった。
フェイクニュースに騙された経験、7割が「騙されたことはない」
そこで「フェイクニュースを見たことがある」と回答した527人に、「フェイクニュースに騙された経験があるかどうか」を聞くと、「騙されたことがある」29.6%、「騙されたことはない」70.4%で、自分は騙されたことはないとした人が多数派だ。年代別で見ると、「騙されたことがある」としたのは、20代(n=138)37.7%がもっとも高かった。
さらに「騙された経験がある」と回答した156人に、「フェイクニュースを拡散した経験があるかどうか」を聞くと、「RTやイイネなどをして拡散してしまったことがある」「SNSで拡散はしなかったが、友人や家族に話してしまったことがある」を合わせて44.2%が拡散してしまったと回答した。3月の中高生対象の調査結果(61.0%)を大きく下回っている。
フェイクニュースを見破る自信があるのは約3割、中高生より大幅減少
最後に、今後フェイクニュースを見破れる自信があるかどうか聞いてみると、「自信がある」「やや自信がある」を合わせて見破る自信があると回答したのは30.1%、「自信がない」「やや自信がない」を合わせて見破る自信がないと回答したのは69.9%となり、約7割の人がフェイクニュースを見破る自信がないという結果となった。全体では中高生の47.0%より16.9ポイント上昇している。年代別に詳細に見ると、年代が上がるほど「見破る自信がない」が高くなる。逆に10代(n=199)43.7%は、「もっとも自信がある」と回答している。
これらの結果からはいろいろな推察が可能だが、「高い年齢層は、フェイクニュースという言葉は知っていても、見破る自信はない。実際に接触した際に気付いていない」という可能性がある一方、10代の中高生も「見破る自信はあるとしつつ、実際には騙されていることも多い」かもしれない。
具体的なフェイクニュースの例
実際にどんなフェイクニュースを見たか、自由記述での回答例をいくつか抜粋する。やはり、突発的な事故・災害、あるいは政治的な話題にまつわるフェイクニュースが多いようだ。
- 「地震直後に動物園からライオンが脱走したという嘘のSNSの拡散によって一部の人が避難をやめてしまい、被害が多くなったこと(10代女性)」
- 「ロンドン時計塔がデジタル式になった(20代男性)」
- 「根拠なき事実あきらかな嘘リベラル記事、加工画像付きニュース、事故の犠牲者人数など(30代男性)」
- 「相撲の問題があったときに理事長の辞任など嘘のネタなど(40代男性)」
- 「震災のときに石油プラントが爆発したというニュースをTwitterで見た(40代女性)」
- 「政治家の発言がマスコミ関係者により切り貼りされ、あたかもそれが世論の論調かのように報道されていた。キャスター、ゲスト等もその方向で一貫して、批判がなく、見ていて幼稚さを感じた(40代女性)」
- 「富士山にイスラムの礼拝所がある(50代女性)」
- 「浜崎あゆみの激太り写真の加工。その他事件、株価の偽情報(50代女性)」
- 「小人数のデモなどを、何倍もの人数や規模を大きくして報道している(60代男性)」
調査概要
- 【調査対象】18歳から69歳のスマートフォンを所有する男女
- 【調査期間】2019年5月8日~10日
- 【有効回答】1,533人
- 【調査方法】インターネット調査
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