国際カンファレンス「ad:tech(アドテック)Sanfrancisco」参加報告
4月21日から4月23日まで、米国サンフランシスコにおいてインタラクティブマーケティングの国際カンファレンス「ad:tech(アドテック)Sanfrancisco」が開催された。
ad-techは、すでにニューヨーク・ロンドン、シドニーなど世界11都市で開催されている。代理店、広告主、メディア、ソリューション事業者が対等に行うディスカッションを重視し、インタラクティブマーケティングの課題と業界最先端の手法を学び合う「Education」(教育)を掲げた国際会議として知られているが、開催地域によって、その特徴は異なっている。
ad:tech サンフランシスコの特徴について、ad:tech globalのバイス・プレジデントであるドン・ノックス氏は次のように語った。
「サンフランシスコでは、シリコンバレーが近いという地域性からテクノロジー系の話題が多い。ad:techの中でも、最も新しい動きが起きる場所である
」
その発言のとおり、今回のad:tech サンフランシスコでは、新しい試みがいくつか始まった。デジタルマーケティングの主役になるだろうモバイルをテーマに絞った「Mobile Mix」、検索マーケティングをテーマとし、かつて競合であったSMXカンファレンスとの共催。特に新しいのが「ad:space」という試みである。これは中小規模のウェブメディアや広告主が、Google AdSenseなどのコンテンツ連動型広告を駆使して、最大限広告効果を得る手法をカンファレンスやエキシビションで学び、共有するといったことが狙いである。
今回、全体を通してのテーマは「トランスフォーメーション」(変革、転換)であった。デジタル技術がマーケティングにおける定義をすべて変えていっている現状が捉えられている。
基調講演に立った「Wikipedia」の創設者ジミー・ウェールズ氏は、消費者のリテラシーが向上している現在、消費者作成コンテンツを上手に取り入れることで企業のブランド向上にもつなげられることを、実例で示しながら語った。
会場には、隣同士に座った人同士など、お互いの仕事、業界について語り合う「ネットワーキング」の場が設けられている。ad:techの最大の魅力は、この「ネットワーキング」である。ad:tech自体が業界トップクラスのスピーカーや識者、同業種の他参加者たちと人脈を深める格好の場所であるためだ。そして毎晩、様々な出展企業によって開かれているパーティに参加することで、最新の情報を得ることが非常に重要である。ad:tech参加者に対して行ったアンケートでも、参加理由の上位に必ず挙がるのが、「ネットワーキング」であるという。
9月2日、9月3日にはad:tech Tokyoが日本において初めて開催される。海外、国内問わず業界のトップクラスの人材が、真剣に業界動向を語り合う場として日本の広告業界に与えるインパクトは大きい。日本でどのような「ネットワーキング」が展開されるか、期待したい。
ad:tech
http://www.ad-tech.com/
ad:tech Tokyo(2009年9月2日~3日に開催)
http://www.ad-tech.com/tokyo/japanese/adtech_tokyo.aspx
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