CX・DX時代のコーポレートサイトの役割を再定義! 最新Webリニューアルトレンドと成功する進め方
国産のクラウド型エンタープライズCMS「Connecty CMS on Demand(CMSオンデマンド)」を提供するコネクティは、CMSの提供・基盤構築から、サイトリニューアル、Web運用を通じたデジタルマーケティングまでトータルで支援する。BtoCではポッカサッポロやサーモス、ドトールコーヒー、BtoBでは寺岡精工やサンゲツ、DICなど、有名企業のコーポレートサイトリニューアルを数々手がけてきた(コネクティのリニューアル事例はこちら)。
「デジタルマーケターズサミット 2020 Summer」のセッションでは、コネクティの服部氏が、コーポレートサイトリニューアルプロジェクトを進める際に、何を重視して、何から始めればよいのか、成功のための勘所を説明。さらに、昨今のWebリニューアルのトレンドやグーグルの新しいサイト評価指標「Google Core Web Vitals」についても解説した。
コーポレートサイトのリニューアルで大事なことと進め方
コネクティがWebリニューアルを支援するにあたり、初めに状況を整理するために使うのが以下の図だ。
この図は、大きく3つのステップに分けて考える。
ステップ ① KGIの設定
ステップ1として、まずリニューアル後のサイトの大きな役割、すなわちKGI(Key Goal Indicator:最終目標)を設定する。コーポレートサイトの役割は下記2つに大別できる。
- コーポレートブランディングのためのサイト
- 製品・サービスのプロモーションのためのサイト
この2つではリニューアルの方向性がまったく異なる。そのため、目標はどちらなのか、またはどちらの方がより近いのか、あるいは「現状はブランディングサイトなのでプロモーションにリニューアルしたい」ということなのか、KGIをきちんと定義する必要がある(服部氏)
ステップ ② KSF(CSF)の整理
ステップ2では、主要な課題を整理する。具体的には下記の5つの分野で、それぞれにどのような課題があるかを洗い出す。
- デザイン
- 設計/UX
- コンテンツ
- 運用
- 基盤/仕組み
よく挙がるのは、例えば以下のような課題だ。
- デザインが古くなった(1)
- スマホ対応ができていない(2)
- 導線が分かりにくい(2)
- カタログの情報しか記載されていないなど、コンテンツの情報量が不足している(3)
- 社内のリソースが不足していてタイムリーに更新できない(4)
- 基盤においてWebガバナンスの仕組みがない(5)
- セキュリティの対応ができていない(5)
- 問い合わせフォームが使いにくい(5)
- インフラそのものが古くなった(5)
- ユーザー動向が分からない(5)
こういった個々の課題は、KSF(Key Success Factor:主要成功要因)やCSF(Critical Success Factor:重要成功要因)と呼ばれる。
ステップ ③ KPIの設定
ステップ2で洗い出した課題をどのように改善するか数値に落とし込む。これが、KPI(Key Performance Indicator:重要経営指標)の設定である。
服部氏がこの3ステップの中で最も重要だと述べるのは、①のKGIの設定だ。まず最終的な目標をしっかりと定めてから、現状の課題はどこか、どう改善するかという順番で進めていく。ただし、「場合によっては、目標が定まっていないが課題は明確だというケースもある。その場合は、ステップ通りの順番ではなく、まず課題を5つの分野ごとに整理し、優先順位をつけて、最終的にKGIにたどりつくこともある」と服部氏はいう。
いずれにしろ、「何が目的のサイトなのか」「どこに問題があるのか」「その部分をどう変えればいいのか」「変えたことでどういう成果を獲得するのか」を、最初にきちんと文書に残し、関係者全員で共有するのが大事だ。そうでないと、何のためにリニューアルしているかがブレてしまい、「個々の課題は解決できたが、根本的にうまくいったのかわからない」ということになりかねない(服部氏)
コーポレートサイトリニューアルの大局的なトレンド
続いて服部氏は、現在のコーポ―レートサイトリニューアルのトレンドについて、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と「CX(コーポレートトランスフォーメーション)」の2つのキーワードをあげた。
キーワード ① DX(デジタルトランスフォーメーション)
1つ目のトレンドは「DX(デジタルトランスフォーメーション)」だ。洗い出した課題を解決する方法としてデジタル技術を取り込みたいという企業が増えている。運用面の業務改善のためにツールを入れようとする例として、例えば以下のようなケースがある。
- 今まで一人でサイトを更新していて大変だったので、複数の人がサイト更新できる仕組みとしてCMSを入れたい
- グローバル全体で業務分担したいので、それが容易になるクラウドサービスのCMSを使いたい
- サイト分析をバラバラにやっていたが、共通CMSで統合の仕組みを入れたい
- CRMと連携して業務をさらに改善したい
また、ユーザーに対する情報提供プロセス改善のためにツールを入れるケースもある。例えば、以下のようなものだ。
- 一方通行で情報提供していたが、インタラクティブに情報提供したい
- 文字だけでなく動画を使いたい
- チャットツールを使ってリアルタイムにコミュニケーションしたい
コネクティではこうした企業のDX基盤として活用可能なクラウドCMSを提供している事も説明された(コネクティのクラウドCMS)。
キーワード ② CX(コーポレートトランスフォーメーション)
CXと聞くと、とっさに「カスタマーエクスペリエンス」を思い浮かべるかもしれないが、ここで言うCXとは「コーポレートトランスフォーメーション」のことで、企業の抜本的なフィロソフィーや組織戦略の改革を指す言葉だ。
例えば、「Webの担当が一人で大変」という問題は、一見、複数の人が使えるツールを入れることで解決するように思えるが、実際はそれだけでは解決しないケースがある。複数で分担する組織体制ができていなければ、結局のところうまく運用が回らないからだ。
また、「コンテンツが不足している」という課題にしても、「情報を持っている部署がどのように情報を渡してくれるのか」「どのタイミングで誰がサイトに反映させるのか」などの部分はツールだけでは解決しない。
さらに、顧客と双方向のコミュニケーションがしたいという場合、単にチャットツールを入れれば目的を達成できるとは限らず、企業と顧客との関係性を再構築することも重要だ。
このように、業務の再定義や組織変革、評価体制の変革など、企業自体の抜本的な改革まで視野に入れたリニューアルプロジェクトでないと、最終的なゴールであるKGIが達成できない。このような企業変革のことをCX(コーポレートトランスフォーメーション)と呼ぶ。
特に最近は、新型コロナウイルスによって世の中ががらっと変わり、企業は今まで通りのビジネスができない。その時に、ビジネスの仕組みだけを変えるのではなく、そもそもの企業のあり方や組織戦略を変えなければうまくいかない。また、サイトの目的が変わるのであれば、企業とお客様の関係性も一から考え直し、変える必要がある(服部氏)
グーグルの新しい評価指標「Google Core Web Vitals」
一方、WebサイトのデザインやUXといった戦術的なトレンドにも大きな動きがある。グーグルが、検索順位のガイドラインとして、2021年から「Google Core Web Vitals」という新しい評価指標を使うと発表しているのだ。
これまでもグーグルのガイドラインはいくつか示されていた。
- 検索に対する親和性を示す「Need Met」
- ページの品質を示す「Page Quality」
- サイトの信頼性を示す「Site Trust」
しかし、ユーザビリティについては、重要であるとされてはいたものの、明文化はされていなかった。「Google Core Web Vitals」では、これを3つの指標で数値化する。
- LCP:最も大きなコンテンツが表示されるまでの時間
- FID:画面内操作が動作するまでの時間
- CLS:レイアウトが崩れたり、異なるレイアウトが表示される回数
従来から、評価指標としてモバイルフレンドリー化やHTTPS化が検索順位に影響していたが、さらにUXに関しても評価が指標化され、数値化されたということだ。
近年のコーポレートサイトリニューアルにおいては、「デザインがよくなればいい」という単純なリニューアルではなく、CX/DXまで考えたリニューアルがトレンドになっている。UXについても、評価指標とKPIが明文化された「Google Core Web Vitals」を意識することが重要だ。
なおコネクティでは、「どれぐらい既存サイトがGoogle Core Web Vitalsでの評価が得られるか?」という診断も無料で行い、コーポレートサイトリニューアルに関する課題を提案してくれるサービスを提供し始めている。是非関心ある企業はコネクティに相談を入れてほしい。
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リニューアルプロジェクトを進めるうえで大事なこと
過去に多かった、ただ「デザインを格好よくしたい」というリニューアルの場合は、パートナーとして一緒にプロジェクトを進めていくのは主にデザイン会社だった。もちろん、今でもデザインはWebサイトにとって大事だが、CXやDXまで広げて考える必要があるこれからの時代は、デザイン会社以外のパートナーも検討するべきだろう。
例えば、企業の抜本的改革ならコンサルティングファームに頼む必要があるだろうし、DXであればツール選定やシステム構築を伴うためSIerの力を借りなくてはならない。これらすべてを自社で完遂できる企業は少なく、どこに依頼すればよいか選定するだけでもなかなか大変だろう。
「ツール提供、基盤構築、デザインなどのリニューアル作業、その後の運用まで統合的に支援するデジタル戦略の総合パートナー企業を選ぶのがお勧めだ」と服部氏は述べ、「それを実現しているのがコネクティだ」と強調した。
最後に服部氏は、メール配信システムを中心とするマーケティングコミュニケーションシステム「WEBCAS(ウェブキャス)」を提供するAZIAとの提携について基本合意したことを説明し、「本提携が進めば、コネクティは、従来コネクティが得意としてきたCMSやWebサイト上の施策提案に留まらず、AZIAの事業領域であるメールやLINEなどのダイレクトコミュニケーションも加えた、企業における、総合的なデジタルコミュニケーションの最適化をプラニングできる会社になる。是非今後サイトリニューアルや、デジタルプラットフォームに関する再構築を検討している企業はコネクティに相談をしてほしい」とアピールして講演を終えた。
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