Web文章実践講座(第5回)交通アクセスをブラッシュアップ
「Web文章実践講座」では、主に文章の観点からウェブサイトのコンテンツをよりよくするコツを解説します。第5回は、会社や店舗への「交通アクセス」のブラッシュアップ方法です。自分たちにとっては当たり前でも、はじめての人にとっては不慣れな場所。ていねいな説明とわかりやすい地図で、利用者の迷いや不安を取り除きましょう。
交通アクセスの目的は「長く感じる道を、短く感じてもらうこと」
多くの人が、はじめて通る道は長く感じるといいます。会社や店舗にいたるまでの充分な情報をホームページで提供することは、「長く感じる道を、短く感じてもらうこと」が目的です。電車やバスなどの公共交通機関を利用したアクセス方法と、端的でわかりやすい道順の説明を加えましょう。
電車は特に、次の点を心がけましょう。
- 徒歩圏内の駅が複数あれば、それぞれをきちんと書いておく
- 何番出口からが近いのかを示しておく
都営新宿線「小川町駅」B6出口より徒歩2分
東京メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」B6出口より徒歩2分
東京メトロ丸ノ内線「淡路町駅」A6出口より徒歩3分
JR山手線「神田駅」北口より徒歩7分
宿泊施設や観光施設、郊外の会社やお店などは、次の点もカバーしましょう。
- 高速道路ICや主要幹線道路からの距離、所要時間、駐車場の有無
(もしなければ、近隣のパーキングの案内) - バス利用について、駅などの乗り場、付近の降り場、所要時間、料金
さまざまなアクセス手段がある場合は、それらをまとめた概念図を提供するのもよい方法です。テキストによる個別の説明の前に、利用者はまず「自分はどの手段が使えるのか、便利なのか」が知りたいからです。
住所をテキストとして含めておこう
最近ではスマートフォンの利用者が急増しており、地図アプリに住所を入れ、検索するユーザーが多いものです。このような利用シーンでは、住所がテキストとして提供されていないと(ロゴなどと組み合わせた画像だけが表示されている場合は)、コピー&ペーストができず、いちいち入力する手間が生まれてしまいます。
番地や号、ビル名や階数を省略している場合も要注意です。実際に足を運ぼうとしている人が、正確な場所がわからないのでほかの情報を調べたり、付近を歩きまわって探す必要があるからです。
したがって、交通アクセスには次の情報も含めておくのが親切です。
- 住所のテキスト
- 住所を省略せずに、番地や号、ビル名や階数も
Googleマップなど(埋め込み型の地図)の是非
ここ数年で、Googleマップなどの地図を埋め込む方法が一般的になりましたが、いくつか注意が必要です。
まず、ズーム操作によってかなり正確な地図が表示できるとしても、敷地の入り口はどこか、建物の入り口はどこかは、場合によってはわからないことです。広い道路に面しているところが入り口だろうと思って足を運んでみると「実は違った」という経験は、だれにでもあるでしょう。
そのビルに会社がある人にとっては通い慣れた道でも、はじめての人には未知の道。交通アクセスのページでていねいに説明しておくとよろこばれるでしょう。
こういった場合、次のようなかんたんな説明を地図の下に加えておくとよいでしょう。
ロフトの左側、線路沿いの小道を真っすぐ進んだところにビルの入り口がございます。
右側の広い道路のほうには入り口がございませんので、ご注意ください。
Googleマップではなく(または、あわせて)、案内図のようなざっくりとした地図を掲載するのもよい方法です。最寄り駅から最低限必要なルート、通りの名前、何番目の道でどちらに曲がるか、風景のなかで目立つ建物(コンビニ、ガソリンスタンド、ホテル)などを示すだけで、充分な案内図ができあがります。
みんビズはGoogleマップのルート表示にも対応
みんビズは、Googleマップの埋め込みに対応しているのはもちろん、ルート表示機能がかんたんにつけられます。Googleマップを本格的に使いこなすにはいろいろと知識を要しますが、ルート表示機能をつけるだけでも、利用者が現在地から目的地までのルートを確認でき、便利です。
まとめ
交通アクセスは「実際に足を運ぶ人」、しかも「はじめて足を運ぶ人」の気持ちになって、提供する情報を考えることが大切。交通アクセスを充実させ、迷いや不安を先まわりで取り除いてあげることが、とても重要です。
電車、バス、車などでのアクセスの可能性と、情報提供の必要性を考えましょう。また、住所のテキストを、番地や号、ビル名や階数も省略せずに含めておくと、スマートフォンの地図アプリで検索しやすくなります。
地図についても、Googleマップなどを埋め込むだけでなく、案内図を提供できないかどうか、もしむずかしいとしても、テキストによるかんたんな説明を含めておくなど、ひと工夫するとよいでしょう。
次回は、利用者と会社や店舗をつなぐ大切なコンテンツである「お問い合わせ」のブラッシュアップ方法を解説します。(第6回につづく)
このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。
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