衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

必須2目標設定を行うこと

必須2目標設定を行うこと

Eコマースサイトの「購入」のように明確な目標がないサイトでも、目標設定を行っておこう。

設定していないことによるデメリット

目標設定をしないとどれだけもったいないかをまず説明しよう。図3はレポートの左側に表示されている主要なレポート群のメニューだ。

図3:メニュー群

目標設定をしていないと、主要なレポートである「ユーザー」「集客」「行動」「コンバージョン」の4つ(図3赤枠部分)のグループの一翼を担う「コンバージョン」セクション(図3青枠部分)が有効にならない

さらに、他の多くのレポート群でも表示される「目標セット1」といった指標グループ(図4青枠部分)が有効にならない。指標グループとは複数の指標群をまとめてレポート下部の一覧表示部で見ることができる機能で、目標設定されていればこの指標グループが出現し、選択・表示できる。

たとえば、図4の[集客]>[すべてのトラフィック]レポートで、「目標セット1」指標グループを選択した場合の表示例は図5のとおりとなり、サイトの成果であるコンバージョン率をトラフィック別に見ることができる

図4:[集客]>[すべてのトラフィック]レポートの指標グループ
図5:[集客]>[すべてのトラフィック]レポートで、「目標セット1」指標グループを選択した画面

しかし、目標設定していなければ、成果をトラフィック別に見ることができないので、集客チャネルの評価が難しくなる。

目標はビューの設定項目の1つで、元データを特別に加工するわけでもなく、追加で重要なデータ集計をしてくれるので、手を付けていないビューを新規に作っていなくても無害だ。かつ、トラッキングコードのカスタマイズとかも必要なく、管理画面で簡単な設定を行えば、それ以降の集計から反映してくれる

ただし、過去にさかのぼって集計し直してくれることはないので、もしまだ目標設定を行っていないのであれば、それこそ今すぐに実行してほしい作業だ。

なぜ必要なのか?

そもそもWeb解析を行う目的は、Webサイトの利用状況を把握してそれを改善活動に生かすということに尽きる。目標や目的のないサイトがもしあるなら、Webサイトの利用状況を把握しても「ページビューが多いからよかった」とかいうだけの自己満足で終わってしまう。フィードバックを改善に生かせない計測は時間の無駄だ。

どんなサイトでも何らかの目的があるはずで、それを計数評価できるようにしておくのが原則だ。目標設定は数値で表すことのできる何らかの評価軸(KPI)をあらかじめ決めておくということ。そしてその評価軸に対して具体的な目標数値を定めて管理するのが一般的だ。

Eコマースサイトであれば、売上目標がこれこれで、だから投資はこれこれという具合に事業を行うはずだ。Eコマースサイトのように明確な目標が指定しにくいサイトでも、この作業をしておけば、関係者間で評価軸がぶれて不毛な議論になるようなこともないだろう。

もちろんサイトの成長に応じて、評価軸が変化していくことがあるだろう。それはそのときで、新しい評価軸を追加していけばよいし、そもそも目標は複数あっても良いのだ。また特定のページを閲覧したときしか目標に設定できないわけでもない。

目標設定の方法

目標設定の方法に関しては、こちらの記事を参照してほしい(こちらでも、当時のGoogleアナリティクスでは、ビューのことを「プロファイル」と称していたが、現在は「ビュー」という言葉が使われているので、そこだけ読み替えてほしい)。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

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