1万円で真似できる“戦略的サイト運用術” - 小さく作って速く改善

作りながら要件を固めて選ぶ(続き)

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作りながら要件を固めて選ぶ(続き)

チェック 1. 製品ごとの違いを表にする

検索や問い合わせで候補CMSをリストアップし、予算や情報の豊富さ、サポート体制やシステム環境などの観点で絞り込んでいく。そして、それぞれの公式サイトにアクセスし、開発者/販売会社が主張するその製品の特徴や機能一覧を確認する。

各ベンダーは、自社製品が他社の製品とどう違うのかを意識しているはずなので、他と違う点を効果的に把握できる。たとえば、「メニューは5階層までネストできます」と書いてある製品があるということは、逆にいうと、それができない製品があるということだ。

よくある共通の機能を比べても選定のヒントは得られないため、このような「違い」にフォーカスして要求機能一覧と製品別の対応表を作り、随時埋めていく。

ポイント
  • ないものはねだらない
  • 製品ごとの違いを浮き彫りにすれば選定がスムーズになる

チェック 2. CMSで実際にサイトを作ってみて評価する

こうして選定に残ったCMSのそれぞれについて、お試し用のアカウントを申請したり、無料版をダウンロードしてテスト環境にインストールしたりすることで、ダミーサイトを構築できる状態にする。低予算の場合は、無料で評価ができないようなCMSは対象から外したほうが良い。

たとえば「Web担当者Forum」は、10種類以上のオープンソースCMSをインストールして試した結果、初めに主要な候補として考えていた製品とは異なるCMSを採用することになったそうだ。筆者もオープンソースの場合は5種類以上試すようにしている。

コストをかけてベンダーにデモ用サイト構築を発注したこともある。百聞は一見に如かず。実際に使ってみると、同じ機能でも実は思想や使い勝手が異なることがわかるだろう。また、手を動かして体験することで、要件そのものも精緻化されていくものだ。

a.どの程度作り込むべき?

メニュー設定、ページ作成・修正・削除、レビューなど、構築と運用に必要となる一通りの機能を使ってみよう。仕様書を読み込んだり問い合わせたりするなど、深入りする必要はない。少し調べてもわからないようなら、できないのと同じだ。調べるのが大変だと、導入後にもっと苦労することになる。

  • テンプレート ―― 提供されているテンプレートのなかからもっともイメージに近いものを選ぶだけで十分。ただし、色やレイアウト、メニューやページ別の個別指定など、何をどう変更できるのかを把握するのが重要だ。同じ「テンプレート」という呼び名でも、細かい自由度や使い勝手は製品によって異なる。

  • メニュー ―― 第一階層のグローバルメニューはすべて設定しよう。数や文字の長さによって不具合が出ないかのテストになる。下層のメニューは一個所だけでも良いので、末端の深いページまで作成する。メニューの作成手順、どんな設定ができるのか、階層の制限、サイト上でメニューがどのように表示されるのか、などを理解しよう。

  • 付属機能 ―― 安価なCMSの場合、「お問い合わせフォーム」「ソーシャルボタン」「新着リンク生成」「RSSフィード」のようなサイト構築で必要となる各種機能を無料で組み込めることが多い。どんな機能があるのか調べ、サイトに導入するとどんなメリットがあるのか想像してみよう。イメージできないなら、組み込んで実際に使ってみれば良い。最初は想定していなかった機能でも、サイトの目的に合いそうなら要件に追加してしまおう。

b.CMSのお試しにかけるべき工数は?

慣れないと大変だとは思うが、CMSは1つ2つで決めるのではなく、少なくとも3~5種類ぐらいは試してみることをお勧めする

最初のうちは、1つのCMSで試しに構築してみるだけで5~8時間程度かかるかもしれない。何度か試しているうちに慣れていくとは思うが、たとえば5つのCMSを評価するのならば、延べ30時間程度は覚悟しておいたほうがいいだろう。インストールや設定には技術的な知識が必要になるので、エンジニアの力を借りると良い。

c.要求事項をそぎ落とす

このようにサイトをラフに作り、一通り運用してみても必要にならなかったような機能は、必要ないということだ。思い切って機能要件から外すか、重要度を下げてしまおう。

逆に、表には入っていないが必要だとわかった機能があれば、表に加えて、候補に残っている各製品の対応状況を調べていく。

d.数年後の課題を想像する

このようにして細かい違いを浮き彫りにしつつ、要件の精度を高めていく。これで構築時の課題はクリアできるが、実際のところCMSは導入よりも運用する期間のほうが長い。そのため、「何年も使い続けられるか」「コンテンツが増えても問題ないか」を評価する必要がある。

そこで、数年後にサイトやその運用方法がどうなっているかを想像してみよう。

  • 数年後を見据えた要件の例 その1

    コツコツと運営を続ける結果、それなりにコンテンツが蓄積されているだろう。ただし、新しいコンテンツにアクセスが集中してしまい、古いコンテンツが埋もれていくのは残念だ。少ない予算を工夫して地道に制作したコンテンツなのだから、末長く読まれて、さらにサイトのゴール達成に貢献してほしい。解決策に関しては、わかる範囲でかまわない。課題と方針が明確になっていれば、詳しい人から的確なアドバイスが得られるだろう。

    • 方針 ―― ナビゲーションを工夫することで、古くなっても価値があるコンテンツへのアクセスが持続するようにしたい。

    • 解決策 ―― ブログのように時系列で記事へのリンクを並べるだけでなく、検索やタグ、カテゴリ別の階層型メニューのような多様なナビゲーションを提供したzenbackなどを活用して関連記事へのリンクを自動更新したい。

  • 数年後を見据えた要件の例 その2

    内容に応じたテーマ別メニューを作るとして、コンテンツが少ないうちは大きく分類しておかないと、クリックしたのにコンテンツが少なく落胆してしまうだろう。逆にコンテンツが増えたときは、同じカテゴリのなかに記事が多すぎると記事が埋もれて探せなくなってしまう。

    • 方針 ―― サイトの成長に合わせて、分類の粒度や体系を進化させたい。

    • 解決策 ―― URLを変えずにメニューを変えられるCMSを選ぶ。

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