RIAシステム 構築ガイド Essential
RIAコンソーシアムが発行する、RIAの普及促進や開発に関するガイドライン『RIAシステム 構築ガイド』の2007年版である『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』をWeb担向けに特別にオンラインで公開するコーナー。
経済効果も見えたからこそ
RIAは、時代とともに中身が変わっていく言葉です。この言葉が最初に生まれた当時は、主に Flash技術による直感的な操作性を持ったWebアプリケーションを指していましたが、最近では単純なHTMLで実装される際の「制限」や「非直感的な」操作感を排除する方向性を持つもの全てを指すようになってきています。二年ほど前までは「リッチクライアント」という名称で呼ばれていたものでさえ、最近では「RIA」と呼ばれてきています。
「RIA」という言葉は、「Broadmoorホテル」の予約画面の登場から語られ始めたように思います。まだネットワークインフラがそれほど速くない時代に、予約をするために何度も画面が切り替わり、そのたびにイライラしていたユーザーを救うために開発された「アプリケーション」です。日付指定と部屋選択と決済という3つの機能を、1つの画面で行い、利用者の思考の流れを妨げないというというコンセプトで開発されています。
次に有名なのは、「CameraFinder(iokio/現Visokio)」でしょう。デジカメを選ぶ際に、実際の店舗に行って見て回れるようにしつつ、さらにリアルの店舗よりも商品の絞り込みを簡単にしてくれたサイトです。在庫をすべて表示しつつ、価格や画素数など主なスペックの値をスライダーバーによって絞り込んでいくことが可能です。システムと対話しながら商品選択をしていくプロセスが生まれました。
更に、「mini」のサイトでは車体の色などをカスタマイズし、自分用に保存でき、それを友人に見せたり、その情報を元に発注できる仕組みを実装しています。自分の好みを明確にしていきつつ、購買に持っていく動機付けの領域まで入り込んだと言えます。
その後も、さまざまなRIAが現れましたが、特筆すべきは「PIP(Person in Presentation)」です。どんなサービスであろうと、窓口で受ける担当者の対応が的確であれば、それに勝るものありません。PIPは、ユーザーの反応によって、的確な質問を返したり、説明の必要な場面ではちゃんと聴かせるように語ったりできるように、ビデオ映像とアプリケーションを融合させたものです。
注意していただきたいのは、これらのRIAシステムは単に見栄えを良くしたものではないということです。収益の詳細情報はどの企業も出しませんが、ホテルや車の予約は予想を遥かに超えるものであり、PIPを用いた個人情報入力での離脱率の低さはかなりのものだと言われています。
この記事は、RIAコンソーシアムが発行した『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。※掲載されている内容は2007年5月発行時点のデータに基づいています。
RIAコンソーシアムの活動記録とも言える本ガイドは、RIAの普及促進、開発に関するガイドライン、課題解決などについて、マネージメント、ユーザーインタフェース、テクノロジーの3つの視点からみた、それぞれのテーマについてまとめています。
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