企業のWeb担当者大調査2008――あなたの会社は平均以上?

予算は50万円未満が7割、コストと人材不足が課題に/あなたの会社は平均以上? Web担大調査2008

TEXT:編集部 協力:インプレスR&D インターネットメディア総合研究所

2007年に引き続き、インプレスR&D インターネットメディア総合研究所は日本企業のWeb担当者2000サンプルを対象とした全国調査を行った(詳しい調査概要はこちら)。調査結果をもとに、企業のウェブサイトの活用実態を明らかにしていく。その中であなたの会社の位置が見えてくるはずだ。

Web担当者にとってもっとも気になるのはやはり予算だ。Webサイトを運用するためのインフラやコンテンツ制作のための費用、その後の解析やマーケティングの費用などである。また、予算を組んだうえで実感を得ているWebサイトの効果やその後の対策に関して、気になるところを確認したい。

Webサイトの予算は50万円未満
予算を確保していない企業も半数を超える

Webサイトの年間の予算は「50万円未満」が43%で最も高く、次いで「10万年未満」が25%で続いている(図1)。企業規模の影響が大きく反映される項目ではあるが、平均で7割弱はWebサイトに対する予算は50万円未満となっている。また、グラフには記載されていないが、Webサイトに関する予算そのものを確保していない企業が全体の半数以上に上っている。

図1 Webサイトの年間コスト
図1 Webサイトの年間コスト(クリックで画像を拡大)
Copyright © 2008 impress R&D All rights reserved.

さて、その予算の内訳だが「インフラ、レンタルサーバー等」の足回り部分で26%、次いで「制作」が24%となりここまででちょうど全体の半数を占める(図2)。「管理、運用」が20%で続くが、サイトの構築や管理での費用が大半を占めており、その後のPDCAサイクルのCやAにあたるマーケティングやアクセス解析の数値は低い。また、100人以上の規模では「その他」が大幅に増加している。

図2 Webサイトに関する予算の内訳
図2 Webサイトに関する予算の内訳
Copyright © 2008 impress R&D All rights reserved.

Webサイトに感じるのは売上アップと宣伝、広報効果
一方で効果を感じていない企業が3割

Webサイトに対して現在感じている効果を図3に示す。「売上に対する直接効果」が4割弱で最も高く、次いで「宣伝・広報効果、ブランド認知」が3割強となる。Webサイトを活用することでこれら効果が期待できるとしている一方で、「特に感じている効果/期待する効果はない」が3割弱と若干高いことにも注目したい。Webサイトを開設しているが思った効果が得られておらず、苦悩している様子がうかがえる。

図3 Webサイトに感じる効果(複数回答)
図3 Webサイトに感じる効果(複数回答)
Copyright © 2008 impress R&D All rights reserved.

Webサイトを活用することで今後さらに期待される効果に関してでは、現在感じている効果同様、売上効果や宣伝・広報、ブランド認知の比率が高く、他を大きく引き離している(図4)。

図4 今後さらに期待されるWebサイトの効果(複数回答)
図4 今後さらに期待されるWebサイトの効果(複数回答)
Copyright © 2008 impress R&D All rights reserved.

Webサイトの効果を測定する際の判定指標となっているものは、「商品・サービスの販売額や成約数」が35%で最も高く、一般的な指標として認知されている「PV(ページビュー数)」の34%を初めて上回った(図5)。ただし「PV(ページビュー数)」は100人以上の企業に限定しても4割弱と高い比率を占めており、規模に関係なく多くの企業で基本的な判定指標に利用されていることがわかる。
その一方で、Webサイトの効果測定に対する指標に関して「特にない」が3割弱を占め、感じている効果がないことや効果を測定する指標を用いていないことはWeb担当者にとって危機的な状況だと言えるのではないだろうか。

図5 Webサイトの効果の判定指標(複数回答)
図5 Webサイトの効果の判定指標(複数回答)
Copyright © 2008 impress R&D All rights reserved.

今後、取り組みたい施策は広告対策による露出のアップ
次いでユーザビリィティ

Webサイトの管理や、運用にあたり今後投資対効果を期待して取り組んでいきたい対策をみると、「アクセス数向上・集客のための広告対策、ネット上の露出アップ」が36%で高く、次いで、「商品情報などコンテンツ増強のためのデータベース構築」や「ユーザビリティ(操作性)やアクセシビリティ、ウェブデザインの向上」が2割強である(図6)。取り組みたい技術や対策が多岐にわたる一方で、「特に取り組みたい対策はない」も28%存在している。

図6 今後取り組みたい対策(複数回答)
図6 今後取り組みたい対策(複数回答)
Copyright © 2008 impress R&D All rights reserved.

Webサイト活用の際の課題はコストと人材不足

Webサイト活用の際に障害となっている項目では「専任の人材を置く余裕がない」が50%と半数を超えている(図7)。100人以上の企業に限定してもその比率は高く、規模に関係なく多くの企業において障害となっていることがうかがえる。また、100人以上の規模では「担当者が不足している」が47%を占め、上記の内容を含めコストと人材不足がWebサイト活用における大きな障害となっている。

図7 Webサイトの活用の際の障害(複数回答)
図7 Webサイトの活用の際の障害(複数回答)
Copyright © 2008 impress R&D All rights reserved.
[特集]あなたの会社は平均以上?Web担当者大調査

この調査結果は、『インターネット白書2008』よりも詳細な分析データを掲載した『インターネット白書2008 リサーチャー/アナリスト向け特別調査報告書』シリーズの企業ウェブサイト編から抜粋したものである。Web担当者Forumでは昨年「2000人の独自調査データに見る日本のWeb担当者とサイト運営」として大規模な調査データを紹介する特集記事を掲載した。今回はその2008年版の調査結果となっている。

調査概要はこちら →調査報告書の詳しい内容はこちら

用語集
Web担当者 / アクセシビリティ / アクセス解析 / インターネット白書 / ページビュー / ユーザビリティ / 予算 / 市場動向 / 調査データ
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

アップロード
手元のPCなどの機器から、ネットワークを介して、別のPCやファイルサーバー、ウェ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]