“富裕層”って年収いくらから? 経営者が一気に増える年収ラインが判明【博報堂調べ】
博報堂の「博報堂富裕層マーケティングラボ(HAML)」は、「新富裕層調査2025」を実施した。2024年5月に公開した「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」の発展版として、世帯年収3,000万円以上の高所得世帯の対象者を拡充し、調査している。
インカムリッチとは「世帯年収1,500万円以上の“所得富裕層”」、ウェルスリッチとは「金融資産1億円以上の“資産富裕層”」のことだ。本調査では、インカムリッチとウェルスリッチの境目や、職業属性、キャリアや生活意識について調べている。
「世帯年収3,000万円以上」が高収入層と資産富裕層の境界線

まず、インカムリッチの世帯年収別に「金融資産1億円以上(資産富裕層)」の割合を見ると、世帯年収3,000万円以上では51.6%、世帯年収5,000万円以上では68.6%にのぼった。「世帯年収1,500万円以上」とは差が見られ、インカムリッチは「世帯年収3,000万円以上」を境にウェルスリッチ化することが明らかになった。
なお、世帯年収5,000万円以上では「金融資産5億円以上」の割合も50.7%にのぼっており、「超富裕層」世帯が半数を超える結果となった。

また、世帯年収別の職業属性を見ると、「会社経営者・役員」の割合は世帯年収3,000万円以上で18.0%、同5,000万円以上で20.9%と、こちらも「世帯年収3,000万円以上」を境に急増する傾向が見られた。

キャリア意識について見ると、「常に新しい知識や経験を追い求め、自分を成長させ続けたい」では世帯年収3,000万円以上が57.6%で最も高く、同5,000万円以上ではやや低下する傾向が見られた。一方で、「仕事を通じて、高い社会的地位やステータスを手に入れたい」では同3,000万円以上、同5,000万円以上が同程度となった。
お金持ちほど「オルタナティブ資産」や「現物資産」を保有?

続いて、保有している資産について世帯年収別で見ると、世帯年収3,000万円以上では「アクティブファンド」(20.9%)や「REIT」(20.7%)などの投資信託や、「仮想通貨・暗号資産」(21.8%)といったオルタナティブ資産の保有率が高かった。
一方で、世帯年収5,000万円以上では、「FX」(28.2%)や「社債」(22.9%)に加え、「金」(21.0%)や「時計・宝飾」(23.5%)、「アート」(16.8%)など現物資産へと投資対象が拡大していく傾向が見られた。なお、「株式」や「NISA」の保有率はインカムリッチ全体で高かった。


消費・生活意識について見ると、「タイムパフォーマンス(タイパ)を重視した生活をしたい」「自身の健康や心の豊かさのためにお金をかけている」では、いずれも世帯年収に比例して高まる傾向が見られた。
一方で、「夫婦・パートナーと協力して、家事や育児を分担すべきだ」は世帯年収が高いほど低下する傾向に。「家事代行や育児サポートの外注サービスは積極的に利用するべきだ」という意識は世帯年収3,000万円を境に高まり、富裕層の「家事・育児の外注志向」がうかがえた。
調査概要
- 【調査期間】2025年3月14日〜3月25日
- 【調査対象】全国の20〜69歳の男女3,512名(うち世帯年収1,500万円以上:2,009名/3,000万円以上:609名/5,000万円以上:209名)
- 【調査方法】インターネット調査
- 【調査地域】全国
- 【調査機関】QO
- 【備考】本調査では「インカムリッチ」と「ウェルスリッチ」の境となる世帯年収等、インカムリッチの中でも「世帯年収」による特徴の分析を強化することを目的に高年収世帯の対象者を拡充。実際の人口構成に基づきウェイトバック集計を実施。
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