ネクステッジ電通とは
有園:株式会社ネクステッジ電通の代表取締役社長COO、杉浦友彦さんをお招きして、お話を伺います。さっそくですが、ネクステッジ電通の設立は、2013年の5月ですよね。
杉浦:設立は5月ですが、本格的な営業開始は10月です。会社登記は2013年5月23日で、それと同時にプレスリリースを発表しました。そこから四か月は採用などの準備期間にあてて、大きく動きだしたのが10月からです。
有園:単刀直入に伺いますが、ちょうど1年ほど経過して、どうですか?
杉浦:駆け抜けている、突っ走っている感じですかね。
有園:きっと、すごく忙しいんだろうなって思っているんですが。
杉浦:ほどほどです(笑)
有園:御社のことを、まだ詳しくは、ご存じない方もいらっしゃると思うので、何をされているのか、簡単にご説明いただけますか。
杉浦:キーワードとしては、パフォーマンスマーケティングの会社と定義をしています。欧米で、そのまま直訳すると、業績マーケティングとか言われることもありますが、基本的には成果を出すための、成果に直結するためのマーケティングを行っている会社です。これって、いままでのダイレクトマーケティングが進化した形になっているかと思うのですが、明確なKPI、成果を定めて、そこに対してPDCAを回し、KPIを改善していくところに立脚したエージェンシーです。当り前のように聞こえるかもしれませんが、数値の明確な目標や、売り上げをいくら上げるのか、何件獲得するのかといったことに対して、あらゆる手段を尽くして数字を追いかけることを生業にしています。欧米だと、パフォーマンスエージェンシーと言えば、それだけで一つの業態があります。でも、日本だと、まだ、そこまで一般的に言われる言葉ではありません。いまは、デジタルパフォーマンスエージェンシーという言葉をつかうことが多いです。手段としてデジタルを使っています。そのほうが、改善のサイクルも回しやすいですし、成果も可視化しやすいので、まずはデジタルに軸足を置いています。広義な意味でいくと、あらゆる手段を講じて成果を上げていくところに立脚した事業を展開しています。
有園:そうすると、パフォーマンスメディアとよく呼ばれる分野を主に扱っていらっしゃるということで、よろしいでしょうか。
杉浦:はい。手段として、運用型のデジタル広告と呼ばれるような、リスティング広告、ディスプレイ広告、Facebook広告などが主になります。その周辺にある、バナーやランディングページなどのクリエイティブ、SEO、テクノロジーの導入や実装などが、どんどんくっついている感じです。
広告とテクノロジジー
有園:いま、テクノロジーの導入が話に出ましたが、ここ2年、3年の業界の動きとして、たとえば、サイバーエージェントでは、アドテク本部を設立しました。アドテク本部で、テクノロジーや社内ツールなどの開発をしていると思われます。ネクステッジ電通でも、アドテクといった部分は、エンジニアを抱えて自社開発しているのでしょうか?
杉浦:自社開発しており、強化しているところでもあります。我々の場合、プロダクトセールスではなく、個々のクライアント向けに、オーダーメイドでカスタマイズすることが前提でテクノロジーを導入することが多いです。
有園:ソリューションを提供しているということでしょうか。
杉浦:完全にそうです。特に大型のお客さまの場合、既存のツールだけだと、痒いところに手が届かないような場合が多いので、そこを自社開発で補完します。レポーティングや入稿、定型の入札等、運用者のルーチン業務を自動化するようなこともありますし、タグのカスタマイズ、AdWords Scriptを活用した運用の高度化なども含まれますね。テクノロジー活用の目的の1つは、コンサルタントの負担となっているルーチン業務を合理化し、考える仕事、より付加価値の高い仕事にパワーを割けるようにすること。加えて、人では不可能な大量かつリアルタイムの処理をテクノロジーによって代替し、運用自体を高度化することです。
有園:私の印象では、業界内でのネクステッジ電通の存在感が急激に高まっている。いろいろなところで名前を聞くようになりましたので、社員数も売り上げもかなり伸びていっているということですよね。
杉浦:そうですね。お陰さまで。
有園:じつは、ここ1年ぐらいの間ですが、電通のイメージが変わったという話を何度か耳にしたことがあります。マス広告の会社だと思っていたのですがデジタル広告でも真のリーダーになりつつあるのではないか、というような話を聞きました。電通というか、そこで指しているのは、ネクステッジ電通なのです。それで今回はお話しをさせて頂きたいと思ってお伺いしました。
さて、売り上げもかなり伸びているということですが、ほとんどがリスティング広告ですか。
杉浦:今はリスティング広告の比重は大きいですね。売り上げでいうと、SEMとDSPを含むディスプレイ広告が中心になります。それ以外にも、フィーベースのコンサルティング仕事や、コンテンツ制作やSEOの受注も増えています。
有園:1年で急成長されたわけですね。
ネクステッジ電通の強み
杉浦:会社設立の背景にも関わるのですが、ネクステッジ電通は、まったく新しい会社というわけではありません。もともと、電通のなかで5年から6年くらい、この領域を深掘りしてやっていたチームが母体となっています。そういった意味で、営業面でも、ノウハウ面でも、過去の蓄積がかなりありました。そこを別会社の形にして、もっと機動的に拡大していこう、もっとスピーディに経営していこうという主旨がありました。そういう意味では、ゼロからスタートかというと、そうではありません。
ネクステッジ電通の設立経緯
有園:電通のなかで「ネクステッジ電通が必要だよね」って話になったのだと思いますが、なにがきっかけで、どういう経緯があったのでしょうか。
杉浦:お客さまのマーケティング環境がデジタル化していくなかで、KPIをきちんと追いかけてPDCAを回して成果を上げることに対して、お客さまの需要が、ものすごく高まっていました。でも、総合代理店のような大きな組織には、細かい運用や、リアルタイムで、デイリー、ウィークリー、マンスリーでレポートを出してチューニングしていくといった文化が馴染みにくい部分が、どうしてもあって。
有園:デイリーで運用するとか、ウィークリーでお客さまのところへ行って報告するとかが馴染みにくいというのは、重要なポイントですね。
杉浦:いままでの、いわゆるマス広告主体のキャンペーンのサイクルとは違います。総合代理店の過去50年、100年の歴史から考えると、見るデータも違います。パネルベースの調査があって、そこからターゲット分析をして、渾身のクリエイティブをつくって、三か月間回してキャンペーンを検証してといったのが、通常の広告コミュニケーションのサイクルです。一方、デジタルの運用型広告だと、デイリーのオペレーションは当り前です。でも、それを、いままでの総合代理店の社内に抱えて急拡大することは、人材確保の問題や、文化の浸透といったところで、なかなか競合他社のスピードにはついていけない面がある。それで、外に出して、もっとスピードを上げていく、体制を拡大していくという選択肢をとったわけです。
有園:僕が外から見ていると「かなり尖がっていたんだろうな、杉浦さん」というイメージなんですよ。
杉浦:尖がっていたかは分かりませんが(笑)異質ではあったと思います。17年間ずっとデジタルを追いかけている、デジタルネイティブなんで。
1クリック10円なんて仕事ができるかよ!
有園:僕自身の経験を少し話しますと、10年ほど前の2004年頃はオーバーチュアという会社にいて、総合代理店さんの担当でした。当時、電通とも調査の仕事で関わったことがあり、一緒に仕事をすることもありました。総合広告代理店さんに対して「リスティング広告を拡販してください」というのが僕の仕事でしたが、総合広告代理店の人に説明してもなかなか理解してもらえない状況が続きました。あるとき、打ち合わせに行くと会議室に通されて、当時は社内で煙草を吸うことができた時代なのですが、担当者がいてスパーっと煙草を吸いながら「お前ら何しにきたんだっけ?」という雰囲気に包まれたことがあって。決して口ではそんなヒドイことは言わないですけど、そんな雰囲気があって(笑)で、実際に言われた言葉でいまでも覚えていることがあります。それを言った人が、いまどこで何をしているかは知りませんが「え?1クリック10円?そんな仕事できるかよ」と。どこの総合広告代理店さんだったかは伏せておきますけど。
杉浦:すごい発言ですね。
有園:ちょっと事情があって口論になった打ち合わせだったのです。「え?1クリック10円?そんな仕事できるかよ。俺たちが年間いくら売っているのか知っているか?」と言われました。それくらい、リスティング広告は相手にしてもらえない時代がありました。そんな時代なので、よくケンカみたいことをしていたのです。こっちもリスティング広告を売るために必死でしたから。もちろん、そういう本気のやり取りを通して、総合広告代理店さん、とくに、電通と博報堂にはたくさんのことを教えてもらい、苦労もしたけどその分だけ感謝もしています。
それが変わったんですよね。5年くらい前からですかね、状況がコロッと変わったというか、時代が変わったのか、僕の話を聞いてもらえるようになりました。電通や博報堂に呼ばれて、勉強会をおこなったりセミナーで話したりすることも増えて、総合広告代理店さんも、だいぶ状況が変わったなって有り難く思っています。
電通が運用型広告をやる
有園:実は僕、ネクステッジ電通には勝手に期待しているんです。
杉浦:ありがとうございます。
有園:「電通の中で運用型広告をやるんだ!」と意思表明した感じですよね。社内でやるのは難しいけれど、別会社でやるんだと。それって、僕が総合広告代理店さんにリスティング広告を苦労して売っていたころに比べると、隔世の感があります。理解してくれる人が増えることは、個人的にも嬉しいです。今後あらゆる広告が運用型広告になっていく流れからいくと、アメリカで最近でてきたプログラマティックTVで、AudienceXpress(http://www.audiencexpress.com/)という会社があります。AudienceXpressが、プログラマティックTVのプラットフォームを提供し始めていて、DSP/DMPを提供しているTURN社(http://www.turn.com/)もAudienceXpressとパートナーシップを結んだという発表がありました。ちなみに、TURN社は電通ともパートナーシップを結んだと発表されたばかりですね。このAudienceXpressやTURN社のように、徐々に、テレビのバイイングにも運用型広告に近い仕組みが入り始めているようです。あくまでアメリカの話でまだまだ初期段階ですし、RTB(real-time bidding)ではないようですけど。
杉浦:なるほど。当然、そういう流れになるでしょうね。
メディアの環境や電通の今後
有園:このようなことが起きているなかで、杉浦さんは、どういう風に、この先を見ていますか?電通の第四代、代表取締役社長に吉田秀雄という方がいます。たしか、43歳で代表取締役社長に就任しています。
杉浦:そっかあ。4つしか変わらないじゃないですか。
有園:代表取締役社長に就任したのが1947年(昭和22年)で、戦後の混乱の時期でもあり、その頃のテレビの市場は新興で、吉田秀雄が作ったようなものだと思うんです。彼一人ではないと思いますが、市場を自分で作ったので、電通がリードして作ったことで、テレビの市場を圧倒的に押さえることになったんだろうな、と思います。そうすると、これからの次の時代のルールも主導して作る人がマーケットの主導権を握っていくという考え方もあるだろうと。そういう意味では、吉田秀雄は40代で社長になり、いまの時代に電通本体で40代の社長が誕生することは難しいと思いますが、40代という世代がアクティブに次のマーケットを作っていくべきだと思っています。そういったアナロジーで、ネクステッジ電通の社長である杉浦さんは、だいたい40代ですし、今後を、どのように見ているのかなと思いまして。
杉浦:それは、メディアの環境の話ですか?
有園:メディアの環境や電通は今後どう、ビジネスをしていくべきかを伺えれば。立場的に話せないこともたくさんあるとは思うのですが、あえて、聞いてみたいと思っています。
杉浦:メディア環境については、電通の広告ビジネス全体でいくと、テレビがいつの段階で、どういうスピードで、どう変わっていくのかは、生活者の視聴態度に大きく依存するというか、左右されると思います。テレビというビジネスについて、そこまで勉強もしていないので、僕に語る資格はないのですが、マスメディアとウェブサイトの統合分析や、最終的には売り上げに、どのくらい寄与できるかといったことに携わる機会が多いなかで言うと、いまだにテレビは圧倒的なパワーをもったメディアであることは事実です。現状、多くの企業にとって、テレビは外せないメディアであり、広告手段でもあります。それが、テレビを見ない世代、YouTubeなどの動画を見ている世代が消費の中心になっていくなかで、当然、世代が変わればジワジワと、いまよりもテレビのパワーは相対的に落ちていくリスクに晒されているとは思います。ただ、日本の場合、アメリカとは環境が大きく違い、アメリカは、多チャンネルで、ケーブルテレビで、コンテンツとチャネル、ディストリビューションが分断されているなかで、コンテンツのコングロマリットが、比較的メディアニュートラル、チャネルニュートラルなスタンスを取っているのかと思います。コンテンツを配信していく、ケーブルテレビにも出す、YouTubeにも出すと、しがらみのない環境で進化しています。チャネルの多様化は、アメリカの方がはるかに進みやすいです。一方、日本の場合、地上波のテレビ局が圧倒的なコンテンツプロバイダーであり、有限な電波を利用する権利も持っており、多チャンネル化が進むスピードは非常に遅いです。過去10年、20年を見ても、地上波のパワーが圧倒的です。マスコンテンツ、マスメディアのパワーが圧倒的という流れが続いています。いまだに、最高益を出しているキー局もあります。5年、10年で、業界が崩れるといったスピード感ではないと思っています。私は、意外とテレビの未来についてはポジティブです。いまも見逃し視聴の話や、ネットにもコンテンツを出していくといったところには、着々と手を打ち始めていますし。
有園:見逃し視聴って、この前、民放連の会長が発表された、見逃したテレビ番組をインターネット上で、無料で視聴できるという話でしょうか。
杉浦:そうです。CMモデルをバンドルした形で。そういった流れなど、ジワジワと新しい視聴スタイルが提唱されています。テレビは、リビングで見るものとは限らず、スマホやタブレットでも見るなど、ユーザのコンテンツの視聴スタイルにアジャストしていけば、コンテンツのパワーは、そんな簡単には崩れないと思っています。ただ、そこに差し込まれる広告が、どう差し込まれていくのか、プログラマティックなのか、ターゲティングなのか、アドレサブルでターゲティングが可能なのか、枠でしか買えないのかといったビジネスモデルは、これから作っていくことではあります。いまの運用型広告の世界に代表されるような、ターゲティングが可能で、運用が可能で、成果が見える化されていて、それを基にチューニングを繰り返していくところの、データドリブンな、広告の配信、出稿の流れは、不可逆的なもの、止められないものだと思います。ある日、突然、今日から広告がクリックできない、出稿できない、ターゲティングができなくなってマスの枠でしか買えないということにはなりません。そこが逆行することは考えづらいです。メディア環境がデジタルでITである限りは、そこをブレークスルーするプレイヤーは出てくると思うので。そこが不可逆的な流れである限りは、それに備えるスタンスです。別に、それが3年後なのか10年後なのか20年後なのかは分かりませんが、主従が逆転するというか、電通のような会社、少なくともお客さまの期待に応え続ける会社は、あらゆる手段を使ってやっていくので、避けては通れません。トップレベルの知見とやり方を磨いておかないとダメですよね。そこの競争力は担保するってことには、こだわっています。
データドリブンなマーケティングの方向へ進む
有園:不可逆的にデータドリブンなマーケティングの方向に進み、テレビも見逃し視聴に対応するような形で、ネットにコンテンツが出ていきます。徐々に、スマートテレビになっていくと思います。いま、スマートテレビとしてインターネットにつないでいるのが20パーセントくらいと聞いています。私見ですが、2020年の東京オリンピックのときにはテレビを新しく買う人も増え、そのときにはスマートテレビしか売っていないような状況になるので、スマートテレビが日本の50パーセントくらいの家庭に入っているのではないかと思っています。そうなると、テレビというものが、これまでの放送波表示用端末ではなく、ディスプレイとしての役割を担うようになります。YouTubeを見たり、Huluを見たり、ついでに地上波も見ることができるってことになると、キー局を中心にコンテンツのパワーが強いといっても分散しますよね。
杉浦:はい、そうなるかと思います。
有園:結局、いままでテレビが強かった理由は、独占的にリーチを稼げるメディアだったからではないかと考えています。いまもそうですが、それが崩れる瞬間がくるかもしれないとしたら、スマートテレビ化されてチャネルが分散化したときでしょうか。テレビを見ながらアプリも使えるしゲームで遊べるってことが普通になってしまうとどうなるんだろうか、と。アテンションエコノミーという話が昔ありました。御社だと秋山隆平さんの『情報大爆発―コミュニケーション・デザインはどう変わるか』とか。「情報化時代」から「情報過剰時代」になって情報の価値が暴落し始めている、という話。
杉浦:はいはい。
有園:『情報大爆発―コミュニケーション・デザインはどう変わるか』にも書いてありますが、アテンションがとれるから価値があったというところが崩れ始めるような気もしていて。次のビジネスモデルとしてテレビ番組の見逃し視聴をネットでやると、どうなるのかなと。リニアなテレビ放送時と同じCMを流すのか、それとも異なる広告主のCMをネットの見逃し視聴では流すのか、タイムの番組はどうなるのでしょうか、とか、考えなければならないことがたくさんありそうですよね。きっと、いまの40代前後の方々がそのビジネスを作っていくことになるんだろうなと思っています。
杉浦:そうですね。
有園:杉浦さんの答えは、そのような変化に備えていくスタンスなのかなと思ったのですが。
手段では領域をきらない、普遍的なパフォーマンスマーケティング
杉浦:そこの流れは当然あるなかで、ネクステッジ電通が追いかけている領域は普遍的で、手段はどうなっても対応できる、どちらかというとメンタリティに近いようなものです。データを可視化し、分析し、新しい手段を常にキャッチアップしながら、トライして、改善して、マーケティングの精度を高めていく姿勢。そんなメンタリティをコアにしています。どうなっても良い部分しか追いかけていません。その意味で、今は、その手段との1つとして、リスティング広告がもっとも効果的、効率的で、シャープにチューニングができる、ということです。そこでのターゲティングや施策改善のノウハウは今後、スマートテレビに配信される広告、デジタルサイネージ、アプリ、オウンドメディアなどの領域にも応用可能です。手段では領域をきっていないのが、我々のスタンスです。なにより、そこで鍛えられた人材こそが、次の広告・マーケティング業界における主役になっていくと信じています。
有園:ネクステッジ電通は、どこに向かっていくのでしょうか。たとえば、ネット専業代理店に対抗していくのでしょうか。
杉浦:もちろん、期待される部分としては、あると思っています。ただ、ネット専業代理店に比べると、長期目線で成果を上げる方法を研究開発しながら磨いていくところが、我々の特徴的なスタンスです。いまのデジタルの運用型広告だけで解決できるとは思っていないので、いかに電通がもっている資産や強み、専門性を掛け算していくかにこだわっています。長期目線と掛け算が、専業代理店とのポジションの違いかなと。真剣に次のデジタルのマーケティングを追求しているお客さまと、ガッチリご一緒するような仕事のやり方です。お客さまと同じ目線で次のマーケティングを作り上げた結果に数字がついきますので。売上の規模は、求めるものではなくて物差しみたいなものですかね。
電通が抱える問題
有園:話せないかもしれませんが、これまで「電通に問題がある」という思いもあったはずだと思うのですが、そのあたりはいかがですか。
杉浦:過去の成功体験や守るものがあるぶん、大きく舵は取りづらくなります。それは、電通に限らず大会社のジレンマだと思います。その中で日々、変化して、ビジネス自体のパラダイムや価値観も変わろうとしていて電通本体では速やかに動かせないようなビジネスについて、外に出してやることは理にかなっているので、そこに着実に対応していくのは電通の凄い部分かなと。以前、EvernoteのCEOが100年続く会社を分析したら、80パーセントが日本企業だったと言っていましたが、100年続く会社というのはなんだかんだで浄化作用が働いていて、正しい方向に向かおうとする力だったり、そういう信念を持っている人間だったり、それを応援する人や組織が存在すると思うんです。そうじゃないと続かないので。だから、そこはあまり悲観していません。逆に、いまの電通のエネルギーの良い部分を、どう巻き込んで、デジタルネイティブの視点で変えていくかですね。仕事自体は、やりがいがありますし、お客さまのためにも、広告業界のためにも大きな意味があると思っています。
有園:電通に問題がありますか?というのも意地悪な聞き方でした。ところで、私がいつもスゴイなって思うことがあります。電通も博報堂も懐が深いですよね。たとえば、クリエイターと呼ばれる方の中には、けっこう変な人もいますよね。突拍子もないことを言い出したり、尖がったことを言ったり。そうした、いろいろな意見を吸収できるだけの包容力があるというか。新卒が生意気なことを言っても、筋が通ったよい意見は尊重されるじゃないですか。でも、他の会社では、部長が意見を言うと周りの人は何も言わなくなるような打ち合わせを見かけることもあります。上の人が何か言って、下の人から反対意見が普通にでる。それが、普通なのが広告業界というか。電通や博報堂のフラットなとてもよい文化だと思っています。
杉浦:そうだと思います。
有園:その辺は、他の業界や会社とだいぶ違うところもある。いろいろな人を許容できるっていうなかで、電通はネクステッジ電通を作って次に備えています。これも、懐の深い会社だからできることなのかなと。
杉浦:普通はやらせてもらえないですよね。
「日本の広告業界をどうするべきか」という視点で物を考える
有園:電通の人と仕事をしていて、他の代理店と一番違うなって感じるところがあります。競合他社の動きを気にするのは普通のことなので、博報堂やサイバーエージェントは「電通どうしているんだろう」と気にして、電通も「博報堂はどうしているだろう」「サイバーエージェントはどうしているだろう」と気にされていると思います。ただ、電通には、他社を気にする一方で、「日本の広告業界って、どうあるべきなんだろう」あるいは「日本はどうあるべきか」と考えている人がいます。そうしたことを考えているのは、圧倒的に電通の方に多いんです。他社で「日本の広告業界をどうするべきか」という視点で発想されている方はあまり多くないと思っています。
日本の広告業界における課題
有園:比較的、電通の方は、そうした意識があって。運用型広告とマス広告を、どうマージして、よりレベルの高い広告を日本でどのように提供していくかといった視点をお持ちである、電通の杉浦さんへ最後に伺います。今後、日本の広告業界における課題とは、なんだと思われますか?デジタルに立脚している杉浦さんの視点では、どう見えているのでしょうか?
杉浦:いろいろなところで分断が起きていることが課題です。私がやっている、デジタルのパフォーマンス領域と、電通がメインでやってきたマス寄りのマーケティングの世界が分断されているがゆえに、お客さまの課題解決に結び付かないことが多いのです。マスは電通だけど、デジタルはネット専業ってことになっていたり。クリエイティブひとつとっても、プロフェッショナルな人間がデジタルな世界に流れ込んでいるとも言えませんし、分析に関しては近づき始めたかもしれませんが、世界が分断されていて融合されていないのは、お客さまのためになりません。主従みたいな関係になっているのも課題です。主が広告主の広告宣伝部で、デジタルは運用に求められれば子会社がやればいいみたいな話になることも。そこには、対応面の違いが存在して、川上、川下という区分けで語られたり。細部に習熟した、データドリブンなマーケティングを極めている人間が、もっと業界の主役になっていく、少なくとも、それだけが偉いわけではありませんが、マスメディアのビックアイディアを作れるクリエイターと並び立つくらいの、精度を担保できるマーケッターが活躍して主役にならないと、日本のマーケティングは進化しないと思います。ざっくりしたマーケティングの域をでないと。欧米は、もっと進んでいます。デジタルマーケッターの地位の高さ、経営トップからの注目度も違います。日本も、それを是正しないと遅れをとりますね。
有園:これまで、ビックアイディアを作るのをクリエイターやマーケッターが主導してきたところに、データに基づいてマーケティングをする機能が、もっと強くならないといけないということでしょうか?
杉浦:そうですね。
有園:それって、そっくりそのまま電通の中で起こっていることでしょうか?
杉浦:けっこうなスピードで起こっていると思います。
有園:電通に、コミュニケーションデザインセンター(CDC)というのがありますよね。外から見ていると、そこにいる人たちって、すごそうなんですよ。そこで有名なCMをつくったりしているんですよね?あと、統合データ・ソリューションセンター(IDSC)ができましたよね。そこにいる人たちも、すごそうです。CDCとIDSCって、電通のクリエイティブ側の頭脳とデータ側の頭脳の両輪なんじゃないかと勝手に思っています。IDSCの流れをくむ形でネクステッジ電通があるのかなと。
杉浦:そうですね。一緒に仕事をすることはドンドン増えてきた感じです。
日本の広告業界で求められるのは「コンサルティング力」
有園:ちなみに、僕が考える日本の広告業界の課題は、あるいは、広告代理店の課題ですが、コンサルティング力だと思っています。運用型広告が出てくると、効果が下がった理由(上がった理由)を説明しなくてはならなくなります。ロジカルに説明しなくてはならない。改善案を提案する必要があります。でも、マス広告は、そういうことを日常的には要求されてこなかったと思います。コンサルティングを、きちっとする必要がありませんでした。マス広告ってそういう商品だから。でも、運用型広告が出てきて、テレビも含めて仮にスマート広告になって、テレビCMがオーディエンスターゲティングできることになったら、コンサルティング力を高めないと対応できなくなってくるかと。
杉浦:はい、その流れはあるかと思います。
有園:これから5年から6年は、コンサルティング力の有無が問題になると思います。これは、ネット専業の広告代理店においても同様です。単なるバナー広告のメニューを売っているだけでは通用しなくなりつつある。DSP/SSP/RTBの時代になり、かつ、DMPも登場し、Facebookの広告などもそうですが、運用型広告になっていく。また、デバイスもPC、スマホ、タブレット、スマートテレビ、ウエアラブルデバイス、自動運転車などと広がっていく。そのことで、必要になるのが、コンサルティング能力だと思っています。たとえば、DMPを真面目に導入しようと思うと、最低限の技術的な理解とコンサルティング能力が必須になりますしね。
杉浦:欧米に比べると、広告主と代理店の関係は違うかもしれませんが、コンサルティング能力が今にも増して必要になるのは確かだと思います。マーケティング環境も複雑化しているので、いままでどおり、CMと良いクリエイティブを用意して、ウェブはこのセオリーでSEMとSEOをといった話では通用しなくなっています。複雑化するメディア環境のなかでも、いかに芯の部分を抜き出して最適に組み合わせることができるか、ちゃんとしたコース料理にして出さないと、お客さまも納得しない。単品売りでメニューを売って稼げる時代は終わりに近づきつつある印象です
有園:そうなんですよね。
杉浦:僕らにとっては、そこは逆にチャンスだと思っています。実際に運用するのはリスティング広告だったとしても、我々のPDCAのやり方は多くの専業代理店とは似て非なるものと自負しています。リスティング広告の細かい各論の話だけではなく、全体の大きな戦略とブリッジした形で的確に説明して、そっちに、お客さまと一緒に向かっていく、発展させていく方向で、施策を細かくやるっていうよりは全体の大きな戦略に向かっていけるかどうかが、すごく重要だと思っています。ネクステッジ電通のやり方は、その違いが外から分かりにくいかもしれませんが、コンサルティング能力を高めることはポイントだと思います。なぜなら、環境が複雑化しているからです。お客さまからも、明解な説明や方向付けが求められています。いままでだと、インプレション、CTR、CVR、CPAみたいな。「コンバージョンが下がりました、なぜならCVRが下がったからです」みたいな話が、よくあったじゃないですか(笑)
有園:いまでもありますよ(笑)
杉浦:「CPAが高騰したのは、CVRが下がったからです」とかって、結局、何も言っていないのに等しいです。コンサルティングのできる人を何人育てることができるのか。それが勝負ですね。
有園:ありがとうございました。
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対談者プロフィール
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株式会社ネクステッジ電通
代表取締役社長 COO
杉浦 友彦 Sugiura Tomohiko
慶応義塾大学経済学部卒業後、1998年電通入社。2009年コロンビア大学ビジネススクール通信情報研究所(CITI)客員研究員。デジタル・マーケティング経験15年。電通フューズ、電通イーマーケティングワンなど専門会社の立ち上げに参画し、Webコンサルティングおよび、オンライン広告のROIマネジメント業務を担当。主にEコマース
、金融・保険サービスの顧客獲得支援や、IT、自動車業界向けのeマーケティング戦略立案・PDCA運用業務に携わる。併せて、マス広告×Web統合分析のメソッド開発や、オンライン広告プランニング最適化、アトリビューション分析等、独自のデジタル・マーケティング最適化ツール開発を主導。電通のデジタル・ビジネス局、ダイレクトマーケティング・ビジネス局を経て、2013年パフォーマンスマーケティング専門会社「(株)ネクステッジ電通」を立ち上げ。
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![]() | 【アトリくんの視点】 常にナンバーワンを求められる電通という企業の挟持を垣間見ることができ、思わずアトリの背筋もピンと伸びました! スマートテレビに代表されるような環境の変化によってすべての広告が運用型に変わりつつある時代に合わせ、日本の運用型広告を牽引する存在としてのネクステッジ電通のみなさんの視点の高さを感じました!杉浦さん、貴重なお話ありがとうございました! |
あなたの会社はきちんと利益を管理していますか? ネットショップは売り上げに焦点を当てて運営している企業が多く、利益をきちんと管理しているネットショップはそう多くはありません。売り上げ重視のため売上高は大きくなっているけど、ふたを開けてみたら赤字経営。倒産したネットショップは珍しくありません。EC事業者のみなさん、「利益の管理」という言葉を聞いてどのようなことを思い浮かべますか? ネットショップだけに特別な“何か”が存在するわけではありません。
今回は売り上げアップだけに着目する店舗から脱却するための数字管理を説明します。ポイントを押さえながらネットショップを運営することで、ネットショップの成長性・収益性・安全性(企業体力)を高めることができます。
利益管理に着目して店舗運営をするためのポイントを3つご紹介する前に、少し損益計算について少しご説明を。利益と名がつく項目は大きく5つです。
売上総利益(売上高-売上原価)、営業利益(売上総利益-販売費管理費)、経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)、税金等調整前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)、当期純利益(税金等調整前当期純利益-税)です。
どの利益に着目するのか? によって視野が変わることを押さえておきましょう。たとえば、最後の当期純利益に着目すると、日本の法人税の税率は高いので外国へ本社を移転するなどという話はよく聞きますよね。
ネットショップで見るべき数字で重要な順に挙げると、売り上げ、仕入れ、在庫、販売管理費となります。売り上げ目標を立てているネットショップはたくさんありますが、その売り上げ目標の根拠を語れるネットショップはほぼ皆無です。
そこでまずは見るべき数値の1つ「売り上げ目標」についてご説明を。
ネットショップは「なぜその売り上げ目標なのか?」を説明できるようになることがまず、利益をきちんと管理するための最初のスタートとなります。主な売り上げ目標の根拠例を挙げてみます。
そこで、売り上げ目標を作る1つのたとえを示してみましょう。
などの予測をして絞り込んでいくと、大まかな市場規模(売り上げの可能性)が予測できます。現実的には、今年の実績から●●%アップするぞ! といった売り上げ目標にするというのもありだと思います。
ほとんどのネットショップは売り上げ目標だけを設定して走り出してしまいます。ここでもう一歩踏みとどまりましょう。
仕入れ額や在庫額、販売管理費の目標とた立てると、各利益項目の目標まで計算できるようになります。
毎月月末で締めるとき、最初に見るべき数字は利益ですよ。各利益項目を最初に見る癖をつけましょう。
利益項目の次に見るのは、運転資金の増減です(売り上げはその次くらいの重要度です)。
運転資金は、売上金の回収と支払いの間に立て替えるお金のこと。支払いを立て替えている間、ほとんど商品は在庫となります。運転資金を増やすのは、売上金の回収を早めるか、支払いを遅らせるか、在庫を減らすかのどれかになります。
ネットショップの経営で重要視されることは、資金をうまく回転させることです。その回転を持続させるには、“適切な”運転資金を確保しなければなりません。
運転資金は機能的な観測で用意するのではなく、不測の事態にも耐えることを考えておくことが必要です。常に運転資金に注視し、運転資金に対する銀行預金残高がどれくらいあるのか? を年頭に入れて仕事をすることが求められます。
銀行残高と運転資金の差は、フリーキャッシュフローの「営業キャッシュフロー」という言葉で表現されます。誤解を恐れず乱暴にざくっと解釈すると、結局のところは「ネットショップの商売でお金がいくら増えたのか? 」という金額です。銀行残高から運転資金を引いた差額(ネットショップの運転で儲かったお金)となります。
まずは、「自分のネットショップで運転資金がいくら必要なのか? 」という数字を把握しないと、いくら儲かったのかがわからないのです。
「運転資金」の増減に注意しながら、回収、支払いなどのサイクルを回していくことが、ネットショップの運営に求められます。
新商品を販売すると、ライバル店は「そのお店で売れている」と見るやすぐに似たようなことをしてくるのがネットショップの世界です。ライバル店が増えて価格競争になると、商品単価を下げる、つまり利益率を落とさなければ売れなくなってきます。価格競争の始まりです。
ここで大事なのは、売れるかどうかで頑張るのではなく、利益が確保できるかどうかで考えましょう。競争が激しくなり「売り上げが減ってきた!」と感じる前に、「競争で利益が減ってきた!」と感じることができるかどうかの判断が必要です。それができるネットショップの数値管理です。
ネットショップの利益が確保できるかどうかを重視するので、販売している商品の利益が減ってきたら撤退タイミング、と思うくらいがちょうど良いです。
一度利益が落ちてきた商品で利益が確保できるようにするのと、新商品で利益を作るのとでは、どちらが効率的であるかを考えることも重要です。
利益を減らさない工夫は、一般的には新商品に切り替えるかリニューアル、リパックしたり、ネーミングを変えるといった方法で販売価格を維持するという調整を行います。
ライバル会社の商品開発スピードがより速く進化しているという認識を持ち、対策を練りながら自社の商品開発や販売に取り組めば、一定の期間利益は減らさないといったこともできるようになるでしょう。
また、販売商品の切り口(便益や活用シーン)を変えて新しいマーケットに商品を投入することも検討してみましょう。マーケットが変われば新商品となります。お客さまにとってはとても新鮮な商品となるのです。
このように利益に関係する数字を常に見る癖をつけましょう。ネットショップを運営する視点ではとても大切なことです。
一般財団法人日本電子商取引事業振興財団(J-FEC)のお知らせ
一般財団法人日本電子商取引事業振興財団(J-FEC)は11月15日(土)に定例会(場所は東京都・東大病院)を開催します。講演者とテーマは……
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オリジナル記事:ネットショップ運営は売り上げよりも利益を見ろ! 利益管理に強いECサイトになる3つのポイント | 現役EC経営者・担当者が指南する、J-FECの成功を目指すネットショップ運営塾 | ネットショップ担当者フォーラム
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来春に始まる食品の新たな機能性表示制度を見据え、日本健康・栄養食品協会(日健栄協)は10月30日、新制度活用を目指す企業を支援するプランを発表した。単独での機能性評価が困難な企業を対象に、コンサルティングを行うもの。企業の新制度活用を後押しし、健康食品業界全体の底上げを図る。
業界8団体で構成する健康食品産業協議会(関口洋一会長)の要請を受けて決めた。協会では、早ければ年内、遅くとも1月には、支援体制の構築に向けた準備室を立ち上げる。
支援事業は、「機能性評価」「安全性評価」「容器表示の確認」で構成する。協会は2011年度に消費者庁の委託事業として「食品の機能性評価モデル事業」を行ったほか、毎年、独自に機能性評価事業を継続。これまで11成分の機能性を評価してきた。「機能性評価」では、そのノウハウを活かし、「システマティック・レビュー」を請け負う。
「システマティック・レビュー」は、機能性評価事業を行ってきた「機能性評価委員会」(座長=金澤一彦東京大学名誉教授)が担当。コンサルを依頼した企業にも参加してもらい、共同作業をすることで企業のレベルアップを図る。委員会には新たにメンバーの追加も検討し、案件ごとに作業部会を立ち上げて評価を行う。規制改革会議委員の森下竜一大阪大学教授らが所属する抗加齢医学会との連携も視野に入れる。
「安全性評価」では、協会が運用する品質規格「JHFA規格」を基に、機能性関与成分の規格を策定する。また、「GMP認定制度」や「安全性自主点検認証制度」を活用し、製造管理や食経験、原料の基原保証、医薬品等との相互作用の確認を行う。「容器表示」も有識者による委員会を組織し、表示の合法性や妥当性を見る。
支援を受ける企業には、基本的に機能性、安全性、容器表示の3つの要件を満たすことを求める。ただ、すでにGMPやJHFA規格を取得する企業の場合は、コンサル費用から減額する。
費用は明らかにしていないが、「機能性評価事業」では、1成分あたり300万円前後の費用がかかっているという。これに人件費などを上乗せした金額を想定するが、収集した論文の数によっても費用が変わるとみられる。会員と非会員も区別し、「2倍ほど金額が変わるのが(従来の各事業の)通例」(下田理事長)とする。
協会と共同で評価を行ったことについて、パッケージに表示することにも「消費者の目安になり、他社と差別化も図れるのでした方が良いのでは」(同)と積極的な姿勢を示している。
新事業について全国消費者団体連絡会(消団連=事務局・東京都千代田区、河野康子事務局長)やFoodCommunicationCompass(フーコム=事務局・同、松永和紀代表)など消費者団体への事前説明を行っており、「(パッケージに)分かるように表示して欲しい。不適切な事業者の排除もしっており行って欲しいと言われている」(同)としている。
消費者庁による食品の機能性表示制度(新制度)の検討を前に、日健栄協では、自らを第三者機関とする機能性の認証制度構想を発表していた。今回の支援策は「第三者認証ではない」(下田智久理事長)とするが、「認証」から「コンサル」に形を変えてはいるものの、協会の認証ビジネスへの固執がにじむ。
新制度は、企業の自己責任で表示を行うもの。機能性評価を外部に依頼することもできるが、最終的な責任は製品の販売者である企業が負うことを基本としている。
評価の責任の所在について、この日の会見で健康食品産業協議会の関口洋一会長は“コンサルティングであること”を何度も強調。機能性評価も依頼する企業との共同作業で行い、企業側の責任で表示を行うとした。
とはいえ、コンサルしたことの責任は残る。協会では弁護士と相談しつつ、契約書を作成するとしている。ただ、事業上の責任論はクリアできても、仮に協会が関わった評価にミソがつけば“業界最大規模の団体”として、健食業界をけん引する立場にある協会の見識を問われかねない危ないビジネスとも感じる。
業界関係者の中には「企業単独で評価するのが難しい中小もいる。専門の試験受託機関からすると、一つの試験で数千万円の売り上げになるトクホ関連試験と比べ、『システマティック・レビュー(SR)』は金にならず、やりたがらない」との声も聞かれる。その意味で、協会の新事業は意味があるのかもしれない。ただ、実際にビジネスとして成立するかも不透明だ。
新制度では、企業が機能性などに関する科学的根拠の情報を消費者庁に届け出、これを公開する必要がある。
協会に高い金を払っても、これが公開され、他社に利用される可能性もある。これには「例えばSRの際、収集した論文から"なぜ除外したか、なぜ採用したか"といった理由が開示されないのであれば、他社が真似たとしてもその理由が説明できないなど優位性は保てる。開示情報がどこまでなのか、消費者庁のガイドライン待ち」(日健栄協)とする。
また、同じ原料を使った機能性評価をコンサルした場合、先行する企業の費用負担が大きくなる。追随する企業に有利に働き、協会も2社目からはコストをかけずに評価できることになる。これには「理想は、複数社が申し合わせて同原料に対して依頼してもらうこと。悩ましい問題だが、今後考えていく」(同)とする。
健康食品産業協議会の要請を受けて行い、消費者団体にも根回しするなど支援策の発表は慎重に進めた。ただ、ガイドラインを待っての発表でも遅くなかったのではないか。「お金はとるが、責任はとらない」。そんな支援策に、新制度への便乗ビジネスとの声が聞こえてきそうだ。
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オリジナル記事:新機能性表示制度の活用目指す企業にコンサルティング支援を提供へ、日本健康・栄養食品協会 | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム
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300店以上の海外セレクトショップの洋服などが購入できるECプラットフォーム運営のFarfetch(ファーフェッチ)が日本市場に進出したことがわかった。すでに日本語対応した「Farfetch」の運営を開始。日本法人も2014年8月に設立し、カスタマーや物流業務の人材募集も始めている。
ファーフェッチはイギリス発の、ファッションセレクトショップのオンラインプラットフォームを運営する外資企業。直近の売上高は2億7500万ドルで、前年比100%増という成長を遂げている。
2008年にサービスを開始し、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンパウロなどにオフィスを拡大。世界中の海外セレクトショップと提携し、1000以上の海外ブランドをECで世界各国の消費者に販売している。
「FARFETCH」は自社で在庫を抱えず、注文が入ると世界中の提携したセレクトショップが直接商品を購入者に届けるのが特徴。「DHL Express」または「UPS」といった国際配送で世界各国の消費者に商品を配送している。

似たようなセレクトショップのプラットフォームを展開している「ZOZOTOWN」は、日本のセレクトショップを集めているのに対し、「FARFETCH」は海外のセレクトショップが参画。スタートトゥデイは一部自社で在庫を抱えているが、「FARFETCH」は在庫を抱えずプラットフォーム事業に徹している。
日本語版の「FARFETCH」は、世界のセレクトショップが扱うアパレルなどを日本の消費者に販売。同時に、日本のセレクトショップへ「FARFETCH」への参画を募り、欧州や米国など世界各国に“日本発”アパレルブランドの販売を手掛ける。
直近ではシリーズDラウンドで6600万ドルの資金を独立系投資会社から調達。新市場として掲げるロシア、日本、中国へのオムニチャネル機能の導入、現地語サイトの開発促進などの投資に充てる方針を示していた。
日本法人は「Farfetch Japan株式会社」で、本社は東京都品川区に置いている。設立は2014年8月。すでにカスタマーサービスや物流といった責任者の募集を始めている。
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オリジナル記事:海外セレクトショップのアパレルが購入できるECサイトのFarfetch、日本市場に進出 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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登場キャラクター
こうていさん 両親の金婚式のお祝い品を探している。

商品カテゴリを、「何となく」の商品くくりで分けているお店は意外と多いものですが、ネットショップにおける商品のカテゴリ分けは、単なる分類ではいけません。「ユーザーが最も必要とする切り口」からカテゴリを決めましょう。
例えば、あなたが風邪をひいて実店舗の薬局に入ったとします。商品コーナーが「錠剤」「粉薬」や、「武田薬品」「ファイザー」で分かれていたら、おそらく「風邪薬はどれ?」と混乱してしまうことでしょう。この場合は、明らかに「風邪薬」「頭痛薬」などの「用途別」(病気別)の分類が最も求められていたということです。風邪薬の中でも、さらに「せき」「鼻水」「熱」などと細分化されていれば、もっと選びやすいでしょう。
このように、ショップで扱っている商品が最も求められる切り口で、まず商品カテゴリを決めましょう。ただ、いろいろな探し方があるので、それ以外の切り口も漏らさないように網羅しておくことが大切です。
例えば、ワインショップの来店客が「生まれ年のワイン」を探しているのに、ナビゲーションが「産地別」だけだったり、サッカーショップの来店客が、「子供用のスパイク」を探しているのに、ナビゲーションが大人向けを前提にした商品カテゴリだけだったりしたらどうなるでしょうか。おそらく、その店での購入を早々にあきらめて、ほかの店に移ってしまいますよね。当然、購入率は下がります。実店舗と違い、違う店に一瞬で移動できますし、ほかにもお店がたくさんあることは知っていますから、よほどのことがない限り問い合わせたりもしないでしょう。
取り扱っている商品なのに「見つけられなかった」という理由で売り逃すのは、もったいなさの極みです。絶対に避けなければなりません。
だから、あらゆる需要(探し方)をカバーできるように、商品から連想されるさまざまな角度からナビゲーションを構築しましょう。来店客は自分の興味にぴったりくるナビゲーションを見つけられれば、「ここにありそうだ」と思い、しばらく滞在して商品を探してくれるものです。
たまひよの内祝 http://shop.benesse.ne.jp/gift/
出産内祝い、結婚内祝いなどギフト別にページが用意されている。
水着屋 http://www.rakuten.ne.jp/gold/mizugi/
競泳選手向け、ジム・プール向けなど目的別に整理されている。
ユーザー側の需要をよく理解していれば、「気の利いた」ナビゲーションを作ることができます。ここでは、ユーザーの気持ちを知って、ナビゲーションに生かすための方法を案内します。
例えば、Webサイトに設置しているアクセス解析を見て、どんな検索キーワードで来店しているかを確認してみましょう。「初心者用」というキーワードでの来店が意外と多ければ、そこから想像を膨らませて、「初心者向け」「入門セット」といったナビゲーションを作るのもいいでしょう。
あるいは、コツ24で案内した「自店舗の客層」を思い浮かべてみてもいいですね。客層の1つに「単身者の社会人」があれば、「忙しい朝」「たくさんあっても食べきれない」などのシーンが想像できます。そこからどんなナビゲーションが有効か自然と答えが出るはずです。
身近な人の力を借りるのもいいでしょう。家族や友人など、気兼ねなく話のできる人に、実際にお店で商品を買うシミュレーションをしてもらうのです。「○○があった方がわかりやすい」とか、「この商品がここにあるとはわからなかった」など、他人の目の感想を聞くことで、勝手がわかっている自店のナビゲーションでも、改善の余地を見いだすことができるでしょう。
売り手都合だけでページを作っていても、支持されるお店は作れません。ここで案内した方法を参考に、ぜひ「ユーザーの気持ちを想像する習慣」を身につけてください。

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オリジナル記事:わかりやすいカテゴリと買いやすいナビゲーションを作ろう | マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営 | ネットショップ担当者フォーラム
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ブログ更新のお休みのご連絡。11/13〜14に伊ミラノで開催されるSMX Milan 2014に参加するため、今週残りはブログ更新しません。また来週!
- 【ブログ読者へのご連絡】今週(11/13・11/14)のブログ更新について -
Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki
SemTechBiz 2014 カンファレンスのセッションレポートの第2弾。スピーカーはビル・スロースキ氏。テキストを対象にしていた以前のSEOからエンティティが加わった現在のSEOへ。エンティティの監査とエンティティの最適化が重要になってくる。
- SEOはテキストの最適化からエンティティの最適化へ at #SemTechBiz 2014 -
Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki
2014年11月11日(火)19:10-20:40、かるぽーと 第2学習室(9F)でWCK x CSS Nite「10倍ラクするIllustrator仕事術」を開催しました。

11月11日、定期通販事業者支援を行うテモナ株式会社とスタークス株式会社は、提供している定期通販支援サービス「たまごリピート」において、扱っている定期注文の内容調査の結果を発表した。対象期間は2009年9月~2014年10月、対象注文数は166万8,001件。
調査によると、全定期注文のうち女性が113万4,275人、男性が22万5,505人、性別無回答が30万8,221人。無回答者を除外して比較すると男性16.6%、女性が83.4%となった。
また、継続回数10回以上、20回以上、30回以上という条件で比較したところ、継続回数が増えるにつれて男女の比率が1:4、1:3、1:2と縮まり、男性の継続率の高さを示す結果となった。

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オリジナル記事:定期注文購入者の男女比率はおよそ1:5 たまごリピート定期注文調査 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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コンサルティングサービスなどのスカイライトコンサルティングと子会社のシンクエージェントが共同実施した「買物におけるスマホ利用実態調査_詳細レポート」によると、最も利用するECサイトは「楽天市場」と「アマゾン」でそれぞれ7割を超えていることがわかった。3番目に多いのはヤフーショッピングだった。
「あなたがネットショッピング時によく使うサイトは次のうちどれですか」と、あらかじめ用意した複数の項目に消費者が回答。「楽天市場」は75.3%、「アマゾン」は72.1%で、「ヤフーショッピング」が23.6%で続いた。
その次に多かったのは「ヤフオク!で14.6%」。「リアルでよく買う店のECサイト」は5.6%だった。

目立った傾向としては、未婚男性の8割以上が「アマゾン」を、子供を持つ女性の8割以上が「楽天市場」を利用している。
ECで利用する端末を聞いたところ、全体ではパソコンが78.2%、スマートフォンは19.0%だった。スマホでECを利用するのは女性の比率が高く、男性の12.9%に対し、約2倍となる24.7%だった。特に未婚女性や小さい子供を持つ既婚女性のスマホショッピング率が高い。

パソコンの利用率は年齢が増えるごとに上昇する一方、年齢が若いほどスマホによるネットショッピング利用率が高く、10~20歳代は32.9%にのぼった。
ここ1~2年間での買い物の仕方の変化も質問。「ネットで調べてから買うようになった」が最も多く39.3%が回答した。「お店で買うのと同じ感覚でスマートフォンやパソコンでも買うようになった」と回答した人は2割。

ネットショッピングの利用頻度は、月1回以上の利用が全体の68.8%。子供を持つ既婚女性の利用頻度が高く、78.2%が月1回以上利用すると回答した。
調査概要は以下の通り。
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オリジナル記事:7割以上の消費者が楽天・アマゾンで買い物をする、その次に多いのが約2割でヤフー | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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日本のセレクトショップにとって、「ZOZOTOWN」は店舗に訪れることができない消費者への販路の1つとなっている。
「FARFETCH」は日本のセレクトショップの参画を募り、海外ユーザーへ“日本発”のアパレル商材を販売できるようにする。IT投資ができない、ECのノウハウがない、海外ECへの障壁が高い、といったことから海外展開を断念していたセレクトショップにとって、「FARFETCH」も魅力的な売り場になるかもしれない。
日本には楽天など海外ユーザーへ商品を販売するプラットフォームはあるが、セレクトショップの利用は進んでいないのが実情。「FARFETCH」は日本ブランドの海外展開という意味では魅力的な販路だが、その一方で、「ZOZO」など日本のプラットフォーマーも負けずに、日本企業の海外展開を後押しできる魅力的な売り場になってほしい。