ネットショップ担当者フォーラム

スマホECで買い物する消費者はアプリ派、それともブラウザ派? ニールセン調査

8 years 9ヶ月 ago

ニールセンが公表した2016年のPCとスマートフォンの利用実態調査レポート「Digital Trends 2016」によると、2016年第4四半期(10月から12月)におけるスマートフォン(スマホ)からのインターネット利用者数は前年同期比約13%増の5897万人だった。増加率は鈍化したものの、利用者の実数は同約656万人の増加。

スマホ上でのアプリとブラウザの利用状況を見てみると、アプリの利用者数は5812万人、ブラウザは5574万人と大きな差はない。

ただ、1人当たりの利用時間はアプリがブラウザの約5倍、1日当たりの利用回数はアプリがブラウザの2.5倍だった。

「ECで使うアプリは1つだけ」が61%

「旅行」「グルメ」「EC」などカテゴリーごとに1つのサービスしか使わないユーザーの割合を見ると、「EC」はアプリが61%、ブラウザは30%。

アプリユーザーは1つのサービスのみを使う傾向が強いことが示された。「新聞社系ニュース」もアプリの数値がブラウザの約2倍に達している。

ニールセンが公表した2016年のPCとスマートフォンの利用実態調査レポート「Digital Trends 2016」 アプリしか使わないユーザーの割合など

カテゴリーごと1サービスのみの利用者割合(2016年10月)

サービスカテゴリーごとのアプリとブラウザの利用割合は、「オークション・フリマ」「SNS」はアプリの利用時間が長いユーザーの割合が多い。「新聞社系ニュース」「旅行」「グルメ」はブラウザが中心となっている。

「EC」はブラウザのヘビーユーザー(利用時間シェア90%以上)の割合が41%を占めているが、アプリのヘービーユーザーも34%に達している。全体ではブラウザ派とアプリ派はほぼ半々だった。

ニールセンが公表した2016年のPCとスマートフォンの利用実態調査レポート「Digital Trends 2016」 アプリとブラウザの利用時間の割合

ブラウザ・アプリ利用時間のシェア別利用者割合(2016年10月)

ニールセンのエグゼクティブアナリスト・中村義哉氏のコメント

消費者が様々な生活の場面で、スマートフォンをどのように使いこなしているのか、企業がその利用動向をしっかりと理解しなければならないタイミングになったと言えます。例えば、本レポートが明らかにしているように、「カテゴリーによっては、アプリではなくブラウザを中心に利用している人が多い」といった動向を把握することで、最適な形でユーザーに情報を届けることが可能となります。また、アプリが利用されている場合でも、「各カテゴリーで1つのアプリしか使わない人が多い」といったことを理解することで、自社のアプリ戦略を、今後どうするべきか具体的に考えるきっかけとすることができるでしょう。さらには、上記のような基本的な利用動向に加え、例えばグルメ情報であれば、レストランを探す場面で、いつ、どこで、ブラウザからどのように情報取得をしているのか、より具体的な行動に結び付けて理解していくことが、マーケティングの効果を最大化する上で重要な視点であると思います。

調査概要

「Digital Trends 2016」は、国内4万人以上のオンライン視聴者パネルからデータを収集して作成されるPC版インターネット視聴率情報「Nielsen NetView」や、国内8000人(iOS、Android各4000人)の調査協力モニターから取得するアクセスログ情報を元に作成さる「Nielsen Mobile NetView」のデータを元に作成されている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

カード情報など約72万件が漏えいか。決済代行のGPOペイメントゲートウェイ

8 years 9ヶ月 ago

GMOペイメントゲートウェイが運営を受託している2つのサイトが外部から不正アクセスを受け、セキュリティコードを含むカード情報71万9830件が漏えいした可能性があることがわかった。

使用していたアプリケーションワークフレームに外部から悪意あるプログラムが仕込まれたことが原因。

不正アクセスを受けたのは、東京都の「東京都税 クレジットカードお支払いサイト」と独立行政法人住宅金融支援機構の「団体信用生命保険特約料クレジットカード支払いサイト」の2サイト。

東京都税のサイトからは67万6290件のカード情報(カード番号、有効期限)、住宅金融支援機構のサイトからは4万3540件のカード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコード、カード払い申込日、住所、氏名、電話番号、生年月日)が流出した可能性がある。一部顧客のメールアドレスやサービス加入日なども漏洩したとみられる。

3月10日時点で該当2サイト以外について、GMOペイメントゲートウェイのサービスで同様の問題は発生していないとしている。

アプリケーションフレームワークである「Apache Struts2」の脆弱性を突かれた。「Apache Struts」 は、Apache Software Foundationが提供するJavaのウェブアプリケーションを作成するためのソフトウェアフレームワーク。リモートで任意のコードが実行される脆弱性が存在し、第三者によってサーバ上で悪意あるコードを実行された可能性があるという。

3月8日に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「Apache Struts2」の脆弱性について公表。「Apache Struts2」の脆弱性は、攻撃者が「Apache Struts2」に悪意あるリクエストを送信することで、遠隔からサーバ上にて任意のコードが実行される可能性があるというもの。

GMOペイメントゲートウェイが運営を受託していたサイトが不正アクセスを受けカード情報が漏えい

GMO-PGのトップページにはお詫び文が掲載されている(画像は編集部がキャプチャ)

GMO-PGのセキュリティ対応

GMO-PGは、JCB・American Express・Discover・MasterCard・VISAの国際クレジットカードブランド5社が共同で策定したクレジット業界におけるグローバルセキュリティ基準「PCIDSS」に準拠。ほかには、情報セキュリティ管理のグローバル・スタンダード基準とされる第三者認証基準のISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証基準である国際規格ISO/IEC 27001:2013(国内規格JIS Q 27001:2014)の認証などを取得している。

なお、経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)が2017年3月にまとめた「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」では、PSP(Payment Service Provider、決済代行業者)については、「カード会社(イシュアー・アクワイアラー)及びPSPについてはPCIDSS準拠を求めることとする」と規定している。

不正アクセス発覚の経緯

2017年3月9日の午後6時、IPAが公表した「Apache Struts2の脆弱性対策について(CVE-2017-5638)(S2-045)」、および一般社団法人 JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT)の「Apache Struts2の脆弱性 (S2-045) に関する注意喚起」の情報に基づき、GMOペイメントゲートウェイのシステムへの影響を調査。3月10日未明に2サイトへの不正アクセスの可能性を確認した。

カード情報が流出した顧客への対応は、クレジットカード会社と協議して進めていく方針。再発防止策を検討するため、3月10日にセキュリティ専門会社によるシステム調査を開始した。警察への捜査協力も行うとしている。

決済代行会社やプラットフォーム提供会社など、EC支援企業による過去の情報漏えい事故では、2011年にASJの決済代行サービス「ASJペイメント」においてクレジットカード利用客のカード情報が漏えい。

また、2016年にはパイプドビッツが提供しているECプラットフォーム「スパイラルEC」や、カゴヤ・ジャパンのデータベースサーバーからカード情報が流出している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

15年以上の通販ノウハウを活用したECソリューション「RetailCube」は何がすごい? | 『ヨドバシ.com大躍進の舞台裏 ネット通販11社の成功法則+関連サービス260まとめ』ダイジェスト

8 years 9ヶ月 ago

SI・受託開発などを手がけるTISは2015年10月から、EC事業立ち上げ支援ソリューション「RetailCube(リテールキューブ)」の提供を開始した。

「RetailCube」は、15年以上にわたって培った通販企業、家電メーカー、製造メーカー、百貨店、中小流通事業者などでのECサイト構築技術や業務ノウハウをもとに提供するトータルソリューションで、すでに多くの導入事例も出てきているという。

サービスの特徴や今後の展開について、デジタルインテグレーション事業部デジタルインテグレーション第2部主査の山本豪氏に聞いた。 写真◎小松正樹

長年の通販サイト運用の知見を活かし、サイト構築後もアドバイス

ECサイトを新たに構築したり、サイトをリニューアルする際、多くの会社ではなんとなく必要な機能からパッケージベンダー選び、パッケージベンダーの提案を基にサイトを作りがちです。ただ、本当に重要なのはECサイトを構築、リニューアルすることで何を実現するかです。

当社では、その企業の経営課題や運営していく上で達成すべき目的を事前にしっかりと打ち合わせを実施。企業が設定した目的に対してECサイトをどう活用したらいいかを検討した後に、パッケージをどのようにカスタマイズをすればいいのかを提案することにしています。

こうした企業の目的を重視した提案は、当社が過去からのさまざまなECパッケージでの構築経験に加えて、スクラッチでの大型システムを構築してきたからこそ、可能なアプローチだといえます。

また、長年多くの通販サイトの運用を見てきた我々の知見を活かし、サイト運営中にもさまざまなアドバイスを行うことができます。単に作っただけで終わりにならず、成長させていくことがサービスの最大の特徴と言えます。

ネット通販売り上げが年間10億円~100億円を目指している企業が対象

ECサイト構築サービス「RetailCube」では「BRAIN」「BASIC」「ADVANCE」の3つのサービスに大別できます。

ECサイト構築サービス「RetailCube」では「BRAIN」「BASIC」「ADVANCE」の3つのサービスに大別できる。構築前の検討が成功を左右します。お客さまの今の課題に応えます。
RetailCubeの概要

想定しているお客さまは、ネット通販売り上げが年間10億円~100億円を目指している企業。今後、費用対効果を高めつつ売上や会員数を伸ばしていこうとする企業にとって最適なサービスだと考えています。

最近では特にメーカーからの引き合いが多くなっています。メーカーの場合、既存の流通網との関係がある中で、EC事業をどこまで大きくしていくかについて、事前にしっかりと確認した上でECサイトを作らなければならないため、当社のサービスがよく合うのだと考えられます。

数よりも質の高いサービスを提供し続けられる会社に

「RetailCube」は現在、連携先を拡大させています。たとえばサイト内検索の専門会社であれば、その技術についてさらに機能改善を進めることができますが、当社が同じレベルでやろうとすると価格的になかなか対抗できず、結果、クライアントの負担になってしまいます。

そのため、今後も専門の技術を持つ企業と連携しながら、さらにいいものをクライアントに提供できればと考えています。

当社のサービスは、サイトを作ってそれでおしまいではなく、1社1社と議論をしながら一緒になってEC事業を成長させていくサービスです。

そのため、ECサイト構築市場のシェアを大きく獲得することはなかなか難しいとは思いますが、導入していただいた会社にとって満足いただき、質の高いECサイト構築サービスといえばTISといわれるような存在になっていければと考えています。(談)

関連リンク
ネットショップ担当者フォーラム編集部

物流は「安さ」それとも「サービス」重視? マーケティング視点で考える物流の考え方 | いつも.のECコンサルタントが明かす、売り上げアップにつながるEC最新情報

8 years 9ヶ月 ago

みなさまこんにちは。株式会社いつも.のコンサルタントです。物流費について今回はお話させて頂きます。

物流費というと、ルーティーンワークという事から多くの企業では削減すべきコストと捉らえ、可能な限り削減すべきものとして考えられがちです。しかし、見方を変えると顧客の満足度を向上させるためのサービス費、マーケティング費として捉えることもできます

代表的な2つの考え方とそれぞれの特徴についてご紹介しましょう。御社の戦略に合った物流の考え方があれば是非その運用方法について参考にしてみて下さい。

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スピード・価格重視の物流

EC物流において大きく2つある考え方のうち1つは、物流費を運営コストの一部と捉え、削減した分は販売価格に還元して少しでも早く・安く商品をお届けしようと考える『スピード・価格重視の考え方』です。

大規模小売店や大手EC企業などによく見られるこの考え方では、受注スルー率(商品を受注してから出荷するまでの人の手間をオートメーションで省く比率)を最大限高めてコストを抑える事が重要となります。

そのため企業によってはバックヤードを省略化する目的で、決済方法を最小限に絞り込み、注文ごとの特別な要望、エンドユーザーの自由記入はできるだけ入らないようにしてバックヤード業務の効率化を図ります。そのため、エンドユーザーにとっては多少オーダーの自由が制限される傾向にありますが、バックヤード業務を簡略化した結果、お買い求めやすく、最高のスピードで商品を提供する事をサービス価値と捉えています。

この方法はマーケティングとバックヤードがお互いを熟知し、綿密に連携する必要があります。

どれかが欠けると「商品力がない」「対応が悪い」だけのお店となってしまいます。「お買い求めやすい商品」「対応が早い」お店となるためには、マーケティングとIT部門、物流部門で連携した業務構築が必要となり、多くの企業では長期間におよぶ開発のための人材育成、IT投資のコストが必要となります。この部分を委託先の物流会社やシステム会社に求めても、取り引きの範囲外として扱われてしまい何も提供されない事がほとんどです。

サービス重視の物流

対して2つ目の考え方は、『サービス重視の考え方』です。

『サービス重視型』は、物流費をマーケティング費用の一部と捉え、バックヤードに費用をかける事で店舗および商品の価値を向上させようという『品質・サービス重視』の考え方です。

ある企業では、稼働日を増やして土日出荷に対応し、17時までの注文を当日に出荷しています。また、注文自由記入欄では配送方法や梱包方法など様々なリクエストにも幅広く対応をしています。また、無料で返品や交換にも対応しています。前述のパターンの2倍は手間をかけています。

このようなサービスを提供することは、受注・出荷処理のオペレーションが煩雑となり、そこに関わる人の人件費および物流費は増大します。しかし、それをサービスと捉えているため、結果として店舗や商品の価値が向上すれば良いのです。

こういった企業の場合、上の事柄に加えて更にオリジナル資材やノベルティを多数利用している事がほとんどです。これにもまた費用が発生しますが、同じく必要な販促費として捉えています。

ただし物流費を闇雲に多くかければ良いわけではありません。エンドユーザー目線で高品質なサービスを提供するための戦略を持った上で重要な業務に費用をかける事が大切です。例えばターゲットが主婦層でダンボールの廃棄が手間と考えている場合、資材は高価なダンボールよりも廉価な袋タイプの物の方が喜ばれる場合もあります。

良かれと思ったノベルティが全く使用されておらず無駄に廃棄されている場合もあります。顧客ニーズを超えるために重要なサービスを選択し、そこに重点的に費用をかけることで初めて店舗、商品の価値は向上します。

加えて高品質をうたう場合、ミスに対しても厳しい評価がなされるようになります。複数の資材やノベルティを注文毎に使い分けて、さらに運送会社の荷物受付寸前までオーダーを受け付ける、等はサービス品質を向上させると同時にバックヤードは煩雑になり、繁忙になります。

その状況でミスなく業務を行うためには、業務の仕組み化、システム化が必ず必要となります。ECはオーダーに対して、商品、資材、帳票類(納品書/指示書/送り状など)、ノベルティを正確に引き当てる事がバックヤード最低限の基本業務です。

これを自動化する事はミスをなくす事につながり、高品質なサービスを維持し、+@の施策に人の手を更に加えられます。これには「カート(モール)/受注管理システム/WMS(倉庫管理システム)/基幹システム」全ての緻密な連携が必要となり、複数のシステムをまたいだ大規模なシステム開発が必要となります。

潤沢な資本力があれば実現も可能ですが、多くの企業ではシステム投資が行えず、最終的には人のノウハウに頼ったアナログな運用を行う事になることになります。

このような受注体制や物流サービスを委託で実現しようとしても、物流会社やマーケティング会社、システム会社単体では解決しない場合がほとんどです。ECの一部を理解しているだけでは実現でず、ECのマーケティングからバックヤードまで全ての理解がないと実現ができません。物流を会社全体として見れるかどうかがカギとなってくるでしょう。

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
安さ重視?サービス重視?物流費の考え方について(2007/03/09)

株式会社いつも.

Eコマースビジネス支援に特化し、成功に必要なコンサルティング、集客、構築・制作、販売、CRM、物流、カスタマー対応までを一社完結で提供。

現在、国内最大規模となる7700社以上の企業(2016年6月時点)とサポート実績があります。約4年前から米国Eコマースの成功事例や情報を研究する専門部署(EC未来研究所)を設け、情報収集と発信を実施。そこから日本流のスマートフォン、ソーシャル、O2O、フルフィルメント、CRMなどのコンサルティングも提供している。

株式会社いつも.

越境EC「やってみたい」が67%、EC関係者の海外向け通販志向が上昇中【eBay調査】

8 years 9ヶ月 ago

イーベイ・ジャパンが実施した国内EC事業者の越境ECに関する意識調査「国内のEC出店者におけるECの海外展開意向」によると、7割近くのEC事業者が越境ECに意欲的だった。回答者の42.1%が越境ECモールに「出店してみたい」を選択。「やや出店してみたい」と回答した25.1%と合わせ、67.2%が出店に前向きな意向を示している。

越境ECの意向度(「出店してみたい」「やや出店してみたい」の合計割合)は2014年が51.4%、2015年55.5%と横ばいだったが、2016年は67.2%と大幅に向上。特に「出店してみたい」と回答した割合が大きく伸びた。

イーベイ・ジャパンは国内EC事業者の越境ECに関する意識調査「国内のEC出店者におけるECの海外展開意向」を実施

越境ECへの抵抗が和らぐ

越境ECへの抵抗度は前年より5.2ポイント下がっており、越境ECの浸透が進んでいる事が読み取れる。

イーベイ・ジャパンは国内EC事業者の越境ECに関する意識調査「国内のEC出店者におけるECの海外展開意向」を実施

越境ECモールに出店している事業者に対して「出品/出店の際の越境ECサイト決定基準」を聞いたところ、上位から「ユーザーとして利用した事がある」「知名度が高い」「信頼性が高い」「利用者が多い」「出店数・出品数が多い」と続いた。

また、eBayのブランドイメージについては、上位から「知名度が高い」「利用者が多い」「ユーザーとして利用した事がある」「店舗数・出品数が多い」「商品の売れ行きが良い」という結果だった。

調査方法は、ECサイトの出店に業務として携わっている全国の20~59歳の男女412人を対象にアンケートを実施した。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

あの老舗通販「日本直販」がLINEをECに活用、チャットbotで商品提案も

8 years 9ヶ月 ago

トランスコスモスが運営する老舗通販ブランド「日本直販」は3月8日、LINE@アカウントを開設した。若年層に対するプロモーションの接点を増やすのが狙い。

チャットbotを利用してキャンペーンの告知や商品レコメンド、ECサイトへの誘導などを行う。将来はLINEトークの画面上でチャットを通じて消費行動を引き起こす「LINEコマース」をめざす。

「日本直販」は近年、テレビや新聞などマス媒体を中心に低単価商品を販売することで若年層の獲得に力を注いでいる。ただ、メルマガ開封率が停滞していたことから、新たな集客ツールとしてLINEを活用。消費者との新たな接点の創出を急ぐ。

3月8日からLINE@アカウントの開設を記念し、「LINEお楽しみ袋」をWebサイト限定で販売している。

トランスコスモスが運営する通販ブランド「日本直販」でLINEグッズを販売

LINEキャラクターグッズを販売(画像はイメージ)

チャットbotでキャンペーンの告知や商品のレコメンドなどを行う。例えば、ユーザーがトーク画面上に「おすすめ」と投稿すると、「商品ランキングはこちら」というコメントと共ににURLを表示(3/9時点)。顧客との新たなコミュニケーションツールとして「チャットしたくなるLINE@アカウント」をめざしているという。

チャットに人工知能ではなくbotを採用したのは、「IT化が進んだ購買プロセスの中で、少しでも人間性を顧客に感じてほしいという、電話によるコミュニケーションを主軸としてきた老舗通販ブランドとしてのこだわりから」と説明。

「人工知能を搭載せずにどこまで自然なトークができるのか」という挑戦を掲げている。

トランスコスモスは2012年12月、民事再生法の適用を申請していた総通から「日本直販」を譲り受けた。2015年には通販事業をトランスコスモス本体に吸収合併した。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

東日本大震災で廃業寸前、ピンチをチャンスに変えた加工品会社の復興ストーリー

8 years 9ヶ月 ago

東日本大震災直後、廃業寸前に追い込まれたある加工食品会社が新たな一歩を4月に踏み出そうとしている。岩手県大船渡市に本社を置く水産加工会社「及川冷蔵」。従業員を全員解雇し廃業を覚悟したあのときから6年がたった。「けっぱれ岩手」――こうした言葉に後押しされ事業再生にまい進、ネット販売などを通じて事業再生を成し遂げた「及川冷蔵」の復興ストーリーに迫る。 ※楽天さんの紹介を受け、楽天カンファレンス仙台で取材し、記事にしました。

「楽天市場」のお客さまから、励ましの手紙やメールをいくつも貰ったんですよ。わざわざ会社まで足を運んで激励してくださった方までいて。うちの店のことをそこまで思ってくれる方がいるなら、再開しなくてはいけないと思いました。

津波で工場は全壊し、販売するものがなくなった。廃業を覚悟した。だが、震災後、楽天市場で常連客だった方たちから励ましの声がいくつも届いた。だから事業を再開した――こう振り返るのは、海産物の加工と販売を手がける及川冷蔵の及川廣章社長。

及川冷蔵の及川廣章社長
及川冷蔵株式会社 社長の及川廣章氏

文化2年(西暦1805年)の創業。主力事業は、イクラやサンマなど海産物を一次加工して全国の食品会社への卸売り。直販を始めたのは2000年3月。「楽天市場」に出店し、「及川屋」の屋号で海産物の加工品のECをスタートした。

当時はインターネットで食品を買う消費者は少なかった。だが、EC市場拡大の時流に乗って売上高は右肩上がりで伸びた。震災前、EC事業の年商は最高で約1億6000万円に達していた。

震災前の及川冷蔵
震災前の及川冷蔵

2棟の自社工場が全壊し廃業も覚悟

EC事業が順調に成長していた2011年3月11日、東日本大震災と直後の津波で2棟の自社工場がほぼ全壊した。ECを含む全ての事業が休業に追い込まれた。及川社長は、3月末に約50人いた従業員全員を解雇する決断を下した。

震災直後の及川冷蔵
震災直後の及川冷蔵
震災直後の及川冷蔵
震災直後の及川冷蔵
震災直後の及川冷蔵
震災後、地元の漁港での水揚げの見通しが立たたない状況が続く。廃業を決断する水産加工業者も増えていった。「廃業が頭をよぎった」(及川社長)。

自社工場の全壊、従業員の解雇。事業を再開できる状況ではない。だが、廃業の決断を下すことはなかった。

長年培ってきた及川冷蔵の伝統と歴史に誇りがありますし、お客さまや従業員のためにも、なんとしても再開したいという想いがありました。

こうした想いが及川社長を突き動かし、「震災後1年以内に事業を再開する」と決心した。

そして、震災から半年後の2011年9月。工場などの設備がなくても製造できる商品として、サンマやイワシ、イカなどの天日干しを作り、卸売を再開。解雇した従業員約15人を呼び戻した。

復旧工事が始まった頃の及川冷蔵
復旧工事が始まった頃の及川冷蔵
天日干しの作業の様子
天日干しの作業の様子

商売人魂でEC再開を決意

震災から3年が経過した2014年。工場の再建と従業員の再雇用が徐々に進む。卸売事業は回復の兆しが見え始めていた。だが、経営課題は山積みの状態。ECを再開するメドは立たなかったという。

こうした状況下、EC再開の決断を後押ししたのは、震災後に顧客から届いた激励の手紙やメールだった。

再開に向けて取り組んでおられるとホームページで拝見しました。先週思い立って岩手に出向きました。1日は釜石で民家の泥とがれき出し、もう1日は大船渡で仮設を2か所訪問し、おばあちゃんたちと時間を過ごさせていただきました。何もお手伝いできませんが、1日も早い復旧、復興を願っています。
この度の震災は、東北地方に実家のアル私にとっても大きなショックでした。決して人ごとではなく今でも衝撃的な映像を見ると涙が出てきます。そんな中でも懸命にがんばる皆さまのすがたに、かえって私がなぐさめられています。困難なことも多いと思いますが、またショッピングが可能となったらぜひ利用させていただきますので、がんばってください。月並みなことしか書けず、申し訳ありません。
及川屋さんにはいつも美味しい海産物を送っていただいております。どうしておられるか案じておりましたが、ようやく御社のサイト改装中のお知らせを見つけ、なにはともあれ安心しました。こちらで何かお役にたてることはありませんか? 震災から時間が経ってしまいましたが、まだご不自由にされているものが少なくないと思います。何かご不足なものなど、少しでもおやくにたてるようなことがあれば、遠慮なくお申し付けください。お忙しいと存じますのでご用命以外のお礼メールなどは不要です。
及川屋さん 今回の震災では被害を受けられたことと思い、お見舞い申し上げます。店長の及川典子さんをはじめ、みなさまのご無事をお祈りします。あの塩いくらの味が忘れられませんので、再起を願うのみです。お手伝いできることならご連絡ください。PCでよければ予備機をお送りできますので必要ならご連絡ください。
及川屋に届いた激励のメールの一部

手紙やメールをくださった方々は、「楽天市場」店で普通に買い物をしてくださっていたお客さま。個人的にやり取りしていたわけではありません。それなのに手紙をくれたり、会社まで足を運んでくださったりした。

「パソコンがないと再開できないでしょ」というメッセージとともに、パソコンやプリンターが送られてきたこともありました。本当に嬉しかったですし、なんとしても再開しなくてはいけないと思いました。

リピーターだった顧客からは、及川屋の商品が買えなくなることを惜しむ声が寄せられた。こうした顧客からの声が、会社復興に向かって全身全霊を注ぐ及川社長の原動力となった。

ほぼ復旧した及川冷蔵
ほぼ復旧した及川冷蔵

この地域は定期的に大きな津波がきます。1896年の「明治三陸大津波」のとき、私の先祖は曾祖父を除いて皆、亡くなった。そのときも、曾祖父はお客さまに支えられて事業を再開したと聞いています。

うちの商品を美味しいと言ってくれる方が1人でもいるなら、どんなことがあっても続けていくのが商売人だろうと思っています。

顧客からの励ましの声を力に変え、及川屋は2015年11月に「楽天市場」店を再開した。

秋鮭一番!極上「いくら」の及川屋(楽天市場)
秋鮭一番!極上「いくら」の及川屋(楽天市場)

震災後、地域復興を第一優先とするため、ごく一部を除き取扱商品は地元漁港で水揚げされた魚介類に限定した。仕入れできる食材の範囲は狭まる。他の地域から仕入れる方が安いケースもある。だが、他の地域からの仕入れには頼らない。

「地元の食材を最も美味しい旬の時期に、新鮮なまま加工することで差別化できる」(及川社長)。ピンチをチャンスにする逆転の発想。地域商材に限定することによるメリットに商機を見出した。

いくらの製造風景
いくらの製造風景

2017年4月にリアル店舗をオープン

今では、工場の生産体制が震災前の約8割まで戻り、従業員の多くを呼び戻した。

及川屋は2017年4月、大船渡市内に新しくできる商店街に直営店をオープンする。「ここからギアチェンジをしたい」(及川社長)。これまでは卸事業が主体だったが、リアル店舗と通販の小売事業を本格的に展開する決断を下した。

ネットショップはお客さまと対面こそしませんが、商品の魅力をしっかり伝え、丁寧に接客することが大切だという点ではリアル店舗の商売と本質的には変わらないと思っています。

ネットかリアルかを問わず、これからもお客さまとしっかり向き合っていきたいです。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

後追い施策でアフィリエイターとの関係性を深めるコツ[ メールのコツとレビューコンテストのススメ] | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座

8 years 9ヶ月 ago

アフィリエイター向けのイベントに出展したり開催したりしても、イベント当日だけを頑張り過ぎて、事後の後追いがまったくできていない……といったケースも目立ちます。「商品を体験してほしい」「ユーザーの意見を直接聞いてみたい」ということが目的ならそれでも良いのですが、せっかくなら提携・稼働といった効果も期待したいものです。

そのためには開催後のフォローアップが欠かせません。今回はリアルイベントの効果を最大化する、開催後のフォローアップについてお伝えします。

イベントは事前準備から後追い施策までがセット

はじめに、イベント開催の効果をどう測るかについて、独自の目標を持っておくと良いでしょう。例えばこんな目標を立てるのはいかがでしょうか?

アフィリエイター向けイベントの目(例)
  • 参加者のうち○人が提携した(大型イベントで、未提携者を提携にする場合)
  • 参加者のうち○人が商品レビューコンテストにエントリーしてくれた
  • 参加者の紹介記事が○本集まった

提携・稼働数については、イベントの規模によって上下します。ASP主催のイベントの場合は、あらかじめ来場予定者数を確認しておくとよいでしょう。

イベント単体で直接的な売上効果を期待したいところですが、残念ながらイベント当日だけでは大きな結果は期待できません。リアルイベントの効果は、事前準備と後追い施策がセットになって実感できるものです。

イベント後に何もしなければ積極的な稼働は進みません。つまり、せっかくイベント開催しても、開催後に記事掲載まで至らないこともあるのです。

後追い施策① メール

まずやるべきは「来場御礼メール」。イベント終了後の翌営業日に来場者へお礼のメールを一斉送信しましょう。開催当日の企画内容を振り返りつつ、「皆さまのおかげでさまざまなご意見やアイデアを得ることができました。ありがとうございました」と伝えましょう。

稼働率をアップさせたいなら

さらに、来場者限定で報酬アップキャンペーンを実施する場合は、期間と報酬率を再度案内し、

「報酬アップ期間内に、ぜひ記事掲載にご協力をよろしくお願いします」

と伝えましょう。また、

「○月○日までに商品レビューコンテストに応募頂いた方には、参加賞として○○をプレゼント」

「○月○日までに紹介記事のURLをこちらのアドレスにお送りいただくと、○○をプレゼントします!」

商品提供などのプレゼントが可能なら、さらに効果的です。期日を定めて記事掲載を促すことをおすすめします。

提携数をアップさせたいなら

大型の展示会形式イベントでは、未提携アフィリエイターとコミュニケーションを取っている場合もあります。未提携アフィリエイターには、ブースに立ち寄ってもらった御礼とあわせて、自社プログラムとの提携をお願いしましょう。

ASPから提供された参加者一覧リストからURLを確認し、自社にマッチするアフィリエイターに個別に連絡を取るとより効果的です。

「ギフト商材を紹介しているあなたのブログで、ぜひ弊社の商品をご紹介ください!」

「○日までに提携していただいた方には、特別な情報をお送りします」

といった感じでアプローチしてみましょう。

後追いメールのポイントは“個別感”

イベントで大切なのは、「アフィリエイターと個別のリレーションを強化すること」イベントで出会ったアフィリエイターが、後に集客に貢献してくれることもあるので、開催後に継続してコミュニケーションを取らないのは非常にもったいないことです。

リアルイベント開催後は、アフィリエイターとはメールのやり取りが中心となります。

リレーションを強化したいアフィリエイターに対して商品の提供や貸し出しを行ったり、招待による直接商談や店舗来場企画をしたりといった、さらなる成果につなげるための関係性作りが何より重要です。

メールをイベント後に数回送信する……と言っても、毎回同じ内容をコピーしたようなメールでは、アフィリエイターに飽きられてしまいます。

一度は対面したことのあるアフィリエイターへ送信するので、可能であれば1人ひとり、顔を思い出しながら、イベント当日にお話しした内容を振り返りつつ「あなた宛に、あなたのために」が伝わるような文面にすることを意識するとよいでしょう。

「記事を拝見させていただきました。弊社の○○をご紹介いただき、ありがとうございます!引き続き、○○をよろしくお願いします」

イベントに来場してくださった○○様にだけ、先行でお知らせします」

「○○様に特別なお知らせです。先日イベントでお伝えした商品が、いよいよ明日から発売開始となります!」

このように、個別感のあるメールを送信したいものですね。「この広告主からメールが来たら必ず開封して読もう」といった結び付きを作るためにも、イベント終了後もアフィリエイターに対して有益な情報を提供していきましょう。

もちろん、すべてをオリジナルで対応するのは大変です。ですが、冒頭にブログやサイトの感想を数行書いて、「以下は皆様と共通のご案内となりますが、ぜひご一読ください」と添えるだけでも、「この広告主は、私のサイトをわざわざ見てから連絡をくれている」という印象を持ってもらうことができます。

個人で活動しているアフィリエイターの特徴として、広告主から評価されていると感じることはとても喜ばれます。参加者全員に個別対応をすることが理想ですが、参加人数が多い場合は、特に関係強化をしたいアフィリエイターだけでも対応してはいかがでしょうか。

後追い施策② 商品レビューコンテスト

ただやみくもに「ご紹介をお願いします!」とメールを送信しても、掲載はなかなか進みません。そこでぜひ企画してほしいのが、イベント参加者限定の「商品レビューコンテスト」です。

展示品の中から好きな商品を選んでもらい、アフィリエイターのサイトやブログで紹介記事を書いてもらいます。広告主はフォームやメールで応募を受け付け、期間内に投稿された記事の中から、優れたレビューに対して受賞者を決定します。受付期間は、最低でも1か月間は設けると良いでしょう。

リンクシェアが昨年実施した「健康・オーガニックフェア 2016商品レビューコンテスト」の様子。

「この商品レビューがすばらしい」「見込み客にとって参考になる」といった基準で審査し、例えば1位~10位までの上位10人に賞金をプレゼント……といった形でアフィリエイターを表彰します。参加者同士競い合ってもらうことで、記事を書くためのモチベーションにしてもらうのです。

可能であればただ受賞者を表彰するのではなく、「商品の特徴を捉えていて、分りやすくご紹介いただけた」「商品写真を多数枚掲載していて、使用感がイメージできた」「広告主の紹介ページにない新しい提案があった」など、受賞理由をそえて評価することを心がけましょう。

◇◇◇

アフィリエイターのやる気をアップさせるのは報酬・賞金はもちろんですが、「広告主からの評価」も大きく関わります。 優れた商品レビューは1記事からの送客数そのものは多くなくても、商品に興味を持った優良な見込み客の誘導が期待できます。

開催後に記事を書くモチベーションを高めるためにも、事後企画として、商品レビューコンテストを盛り込むことをおすすめします。

鈴木 珠世

鈴木 珠世

コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさに目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

鈴木 珠世

ヤマトヤマトの1週間【今週のネッ担人気記事ランキング】 | 週間人気記事ランキング

8 years 9ヶ月 ago

TOP10記事中、5記事がヤマト運輸関連という1週間でした。そんな中、2位に入ったのがヤフー小澤氏。eコマース革命の第2章は“お得革命”。ソフトバンクとYahoo!ショッピングの連動などに注力していくと語りました。

  1. 政府はヤマト運輸の配送問題をどう考えているか。国交省大臣の見解は?

    tweet27はてなブックマークに追加

    石井啓一国土交通大臣「末端の物流業者にとっては相当の負担がかかっていたのではないかと思います」

    2017/3/8
  2. ヤフー小澤氏が語る「Yahoo!ショッピング2017年の戦略」と「2016年の振り返り」

    tweet102はてなブックマークに追加

    小澤氏はこう言う。「ソフトバンクとヤフーは本当にECへ力を入れていく。これに気付いたショップは勝てる」

    2017/3/6
  3. ヤマト運輸のサービス見直しに石原経済再生相が言及「荷主に優越的地位がある印象」

    tweet10はてなブックマークに追加

    3月に入り、石井啓一国土交通大臣、石原伸晃経済再生担当相と、政府の閣僚が「ヤマト運輸のサービス見直し」に言及している

    2017/3/9
  4. ヤマト運輸、単価下落で「儲からない」。宅急便取扱数は過去最高ペースも喜べない理由

    ヤマトホールディングスは2017年3月期に過去実績を大きく上回る18億7000万個の宅急便取扱個数を見込む

    2017/3/7
  5. 再配達を1割削減した「ウケトル」はパンク寸前の宅配業界を救うか

    宅配荷物の追跡・再配達依頼アプリ「ウケトル」を利用すると不在配達は約10%減る

    2017/3/9
  6. ネットショップ始めたけど「全っ然売れへんねん!」【オカンでもわかるWeb集客の基礎】

    オカンのネットショップ開店!「サイトを知ってもらうにはどうしたらいいの?」(連載第1回)

    2017/3/8
  7. サイト開設から半年で売上1億円突破の秘訣は「原体験から生まれたコンセプト」にあり

    韓国ファッションECサイト「HANILOOK」の成長の秘訣に迫る

    2017/3/7
  8. なぜヤマト運輸は荷受量の抑制を検討するのか? 理由は「人手不足」「労働環境の悪化」

    ヤマト運輸では、人手不足とネット販売市場の拡大などでドライバーの長時間労働など労働環境が悪化する状況にある

    2017/3/3
  9. 「ツケ払い」が好調? スタートトゥデイが1年半ぶりにテレビCMを開始したワケ

    注文日から最大2か月後の支払いが可能な決済サービス「ツケ払い」の認知度を高め、会員獲得や流通額の拡大を図る

    2017/3/8
  10. 楽天スーパーセールで売り上げを伸ばすために有効な5つの施策とは?

    イベントページの制作、メルマガなどでの事前告知、セールの目玉商品の打ち出しなど基本的な施策が重要

    2017/3/6

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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ヤマト運輸のサービス見直し、再配達問題……配送に対する消費者のホンネは?

8 years 9ヶ月 ago

大手配送会社のドライバー不足などにともなう配送料値上げの動きなど、宅配サービスが曲がり角を迎えている。配送現場の負担を大きく軽減する「再配達の削減」には、消費者の協力も欠かせない。

どうすれば消費者は再配達削減に協力してくれるのか。2016年に消費者庁が公表した「平成27年度消費者意識基本調査」から、配送サービスに対する消費者のホンネを探る。

「値引きしてもらえるなら再配達にならないよう気をつける」は約2割

宅配便の再配達を削減するための取組として協力できることを聞いたところ、「配送日、時間帯を指定する」が87.9%と最も高い。

次に「在宅確認のために業者から直前の配送通知(電話・電子メールなど)を行うサービスがあれば積極的に利用する」(39.9%)、「都合が悪くなった際には変更の連絡をする」(39.4%)、 「コンビニや駅、配送センターなどでの受取を利用する」(20.5%)と続いた。

「1回の配達で済んだ場合、料金を安くする、ポイントを付与するなどの特典を付けるサービスがあれば、再配達にならないように気を付ける」を選択したのは20.1%。

消費者の約5人に1人は、値引きやポイント付与などのメリットがあれば、再配達の削減に協力的であることが示された。

一方、「自分が再配達削減のために協力できる取組はない」と回答した人は2.5%にとどまった。

2016年に消費者庁が公表した「平成27年度消費者意識基本調査」から、配送サービスに対する消費者のホンネを探る

再配達を削減するための取組として協力できること

「追加料金がかかるなら最速で受け取らなくてもよい」は約6割

宅配を最速のタイミングで受け取る場合の追加料金に対する意識を聞いたところ、「追加料金がかかるなら、最速のタイミングで受け取らなくてもよい」と回答した人の割合は60.8%だった。

「品目や状況によって使い分けたい」は32.8%、「追加料金がかかっても最速のタイミングで受け取りたい」は5.4%となっている。

2016年に消費者庁が公表した「平成27年度消費者意識基本調査」から、配送サービスに対する消費者のホンネを探る

最速のタイミングと追加料金との選択

調査概要

  • 母集団:全国の満15歳以上の日本国籍を有する者
  • 標本数:10,000人
  • 地点数:400地点(376市区町村)
  • 抽出法:層化2段無作為抽出法
  • 調査時期:2015年11月5日~11月29日
  • 調査方法:訪問留置・訪問回収法(調査員が調査票を配布、回収する方法)
  • 調査実施委託機関:一般社団法人新情報センター

 

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

再配達を1割削減した「ウケトル」はパンク寸前の宅配業界を救うか

8 years 9ヶ月 ago

宅配荷物の追跡や再配達を依頼できるアプリ「ウケトル」を提供しているウケトルは3月8日、アプリの利用によって不在配達率が約1割減ったと発表した。

10万人を超えるアプリユーザーを抱えており、アプリの利用データなどから不在配達率の推移を分析したという。

「ウケトル」とは?

「ウケトル」は荷物の追跡や再配達依頼を行う無料アプリ。ヤマト運輸と佐川急便、日本郵便と連携しおており、ユーザーは配送状況の確認や再配達依頼を行える。楽天市場やAmazonのアカウントに連携すると、配送ステータスを自動追跡できるほか、届く直前にプッシュ通知を受け取ることもできる。

2016年4月のリリースから約11ヶ月でダウンロード数は10万DLを超えた(同社の公表数値)。

ウケトルの実証実験で、約1割の再配達が削減された

「ウケトル」のサービス特徴(画像は編集部がキャプチャ)

「ウケトル」の主な機能

  • 荷物状況通知(すぐそこ通知、不在通知、発送通知)
  • ワンクリック再配達
  • 荷物追跡(配送リスト)
  • 履歴管理(配達完了、再購入、Googleアカウント等と連動した履歴保存)
  • 再配達依頼
  • Amazon、楽天の商品再購入

ウケトルは、ECやカタログやTVなどの通販企業など、年間1億3700万個を出荷する荷主グループが集まって2014年に発足した「宅配研究会」が起源。宅配研究会が再配達問題を解決するプロジェクトの1つとして「ウケトル」をリリースした。

宅配研究会は「宅配が、安定的供給と安定的価格が続けられるよう、健全な宅配事業者間の競争下で、事業者と荷主の健全なパートナーシップを築くために活動する」ことを目的とし、宅配事業者と連携して物流の安定供給・安定価格をめざしている。

宅配ドライバー不足でアプリに注目

ネット通販の利用拡大に伴い、宅配便の取り扱い個数は右肩上がりが続いている。「ウケトル」を運営するウケトルは、宅配便の数が2034年までに60億個に拡大すると予想。

2015年度(2015年4月~2016年3月)のトラック運送の取り扱い個数は37億447万個(航空等利用運送を含むと37億4493万個)だったことから、同社の予測通りに推移した場合、配送個数は約20年で約1.6倍に増える。

近年、配送業界では人材不足が露呈。特にドライバー不足が顕著になっており、ヤマト運輸などが配送料金の値上げに踏み切るとする各メディアの報道も目立つ。こうした状況をから「ウケトル」の再配達削減効果に注目が集まっている。

国交省の調査資料をもとに作成した宅配便の取扱個数の推移
宅配便の取扱個数の推移(国交省が調査した資料をもとに編集部が表を作成)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

自社ECサイトは「何曜日」「何時」「何のデバイス」で買い物されているの?

8 years 9ヶ月 ago

自社ECサイトを利用する消費者はどのような買い物行動なのか? 2200店舗以上にECプラットフォームを提供するフューチャーショップが、受注状況から見えてきた消費者行動をまとめた。

2016年からスマホ経由の決済が加速

時系列でデバイス別の商品購入状況を見てみると、スマートフォン経由の購入が急速に伸びている。

2015年中盤を境にスマホがパソコンを逆転。2015年終盤からスマホ経由の商品購入が増加し、2015年12月度では56.7%になった。

自社ECサイトの買い物状況調査をフューチャーショップが実施 月・デバイス別購入状況

月・デバイス別購入状況

曜日・デバイス別購入状況(水曜日の購入件数を基準に設定)

一週間でEC利用が多いのが週始め。最も高いのがスマートフォンで日曜日。月曜日もEC利用が高く、PC利用では月曜日が最多。

日曜日にピークとなったEC利用は水曜日を境に減っていく。

全体的に木曜日・金曜日は約2%ほど水曜日よりもEC利用率は低い。土曜日になるとさらに落ち込み、全体では約4%落ち込む。土曜日は実店舗で買い物をするか、もしくは商品を検討する傾向があるのかもしれない。

自社ECサイトの買い物状況調査をフューチャーショップが実施 曜日・デバイス別購入状況

曜日・デバイス別購入状況

時間帯別購入状況(午前9時帯を基準とした全デバイスでの購入状況)

ネット通販で最も買い物をする時間帯は22時台。午前9時帯を基準とすると、その割合は187%となる。「夕食後~お休み前がお買い物のゴールデンタイム」(フューチャーショップ)。

次に多いのが12時台で145%。通勤時間帯などで調べた商品を、昼休みなどで購入する傾向があると考えられる。

自社ECサイトの買い物状況調査をフューチャーショップが実施 時間帯別購入状況

時間帯別購入状況

時間帯・デバイス別購入状況

スマホ、パソコン、どちらのデバイスで商品を購入しているのだろうか。

「時間帯別購入状況」をデバイスごとの割合で見てみると、スマホが圧倒的に多い。4時台は63.7%、12時台は57.0%、20時台は60.6%。

一方、仕事をしている日中はPC経由が多い。「魅力的な商品を見つけて会社でこっそりお買い物をしている?」(フューチャーショップ)。

自社ECサイトの買い物状況調査をフューチャーショップが実施 時間帯・デバイス別購入状況

時間帯・デバイス別購入状況

調査概要

フューチャーショップのECプラットフォーム「FutureShop2」の受注データをもとに算出。稼働店舗数2200店(2016年12月末)で、全店流通額826億円、1店舗あたり年感平均流通額5113億円、受注件数782万件といった「FutureShop2」の受注データを活用している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

スピード配送ではアマゾンに勝てない――ウォルマートがプライム対抗策を廃止した理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

8 years 9ヶ月 ago

ウォルマートは、プライムと似た配送サービス「ShippingPass(シッピングパス)」を、サービス開始から18か月後に廃止することを決めました(編集部追記:現在は35ドル以上買い物すると、年間会費無料で2日以内に配送するサービスをスタートしています)。

「Amazon Prime(アマゾンプライム)」のような価値あるサービスを提供することができなかったウォルマートは、廃止の理由を消費者に説明していません。

有料会員獲得に成功したのはアマゾンと会員制の大型ショップのみ

EC業界の専門家によると、今回のサービス廃止は、ウォルマートのECを率いているJet.com幹部の影響が大きいと指摘。ウォルマートは今後、アマゾンへの対抗策を変更していく予定なのだろうと専門家は語ります。

ウォルマートの決断は、ECビジネスは今後も成長スピードが加速していくのか、それとも成長スピードが落ちて、衰えていくのかどちらかだということを示しています。ただ、ウォルマートはECに全力を注ぐというサインを常に出し続けています。

小売業とECの価格分析を手掛けるBoomerang Commerceのグル・ハリハランCEOはこう言います。

2017年2月現在、ウォルマートがECサイトで販売している200万点以上の商品の中から35ドル以上を購入すると、注文から2日以内に配送料金無料で荷物を届けるサービスを展開しています(マーケットプレイスの商品は対象外)。

注文から2日以内に配送料金無料で荷物を届ける新サービスをECサイト上で告知している(画像はウォルマートのECサイトから編集部がキャプチャ)

49ドルの年会費を払うと、購入金額に関係なく2日以内の配送や返品が無料になる「シッピングパス」の宣伝にウォルマートは力を入れていました。2016年6月には、30日間無料体験プロモーションも実施。短期間でしたが、「ショッピングパス」で消費者の気を引こうとしていたわけです。

詳細な数字は明らかにしていませんが、30日間無料体験プロモーションを始めた1週間後、1日の新規会員数登録数は前週比で4倍以上になったそうです。

「シッピングパス」プログラムは年会費49ドル。年会費99ドルで利用できるアマゾンのプライムサービスよりも、50ドルも安くしていました。しかし、「シッピングパス」にはビデオや音楽のストリーミング、写真ストレージなどの付加価値サービスはありません

ウォルマートの『シッピングパス」は、プライムのような配送サービスや買い物の際に役立つ基本的なサービスを提供していました。しかし、ECを超えた価値を提供するプライムとは比べものにならなかったわけです。

ショッピングや配送面でアマゾンプライムと同じサービスを提供しても、プライム会員の開拓を狙う小売業者にとっては魅力的に映らなかったのでしょう(編集部追記:ウォルマートはマーケットプレイスも展開しています。アマゾンプライムの対象商品は4500万点を提供していますが、シッピングパスは200万点。その理由がここにあると考えられます)。

BtoBのECプラットフォームを提供するHandShake社のCMO(最高マーケティング責任者)、マイク・エルムグリーン氏はこう話します。

少なくともある一定の消費者にとって、アマゾンが取り扱う商品群はプライム会員になるだけの魅力があります。ECの分析などを手がけるRobert W. Baird社のコリン・セバスチャン氏によると、プライム対象の商品4500万点に対し、ウォルマートの「シッピングパス」対象は200万点しかありません。

現段階では、アマゾンと会員制の大型ショップ(コストコ、Sam’s Club、BJ’s Wholsalle Club)のみが、有料会員の獲得に成功しています。会員制の大型ショップは会員以外には門戸を開かないやり方で成功し、アマゾンは真の価値ある会員サービスの提供で成功しました。

リサーチ業務を手がけるCIRP社の共同創設者、ジョッシュ・ローウィッツ氏はこう語ります。

ウォルマートがアマゾンに勝てる可能性は?

ウォルマートが33億ドルで買収したオンラインマーケットプレイスのスタートアップJet.comの創業者、マーク・ローレ氏がウォルマートのEC担当になってから5か月後。配送料が無料になる会員プログラム「シッピングパス」の停止を決定しました。

グーグルがAmazonに対抗? 「Google Home」も参入した音声ショッピングの今


Jet.comはスタート当初、会員制の大型ショップと同様に50ドルの会員権を販売していました。しかし、より多くの消費者にリーチするため、3か月後には会員制度を廃止。専門家はこう言います。「ウォルマートの『シッピングパス』サービス停止は、Jet.comの多大な影響を受けている」。

Jet.comはサービススタートから数か月後に会員制度を廃止。そして、Jet.comを買収したウォルマートは、買収から数か月後に同じ決断をしているわけです。

CIRP社の共同創設者であるローウィッツ氏はこう話します。Jet.comでは、35ドル以上の注文で配送料が無料になるサービスを展開。ウォルマートも同様の金額で2日間以内の配送サービスの料金を無料にしています。

データを分析すると、「全米EC事業 トップ500社 2016年版」第4位のウォルマートと、第1位のアマゾンは、同じ消費者を奪い合っている状況が浮かんできます。

マーケティング分析のプラットフォーム「Jumpshot」が公表したレポートによると、2016年8月から2017年1月の間、ウォルマートが運営するECサイト利用者の62%がアマゾンでも買い物をしているそうです。

一方、CIRP社のデータでは、アマゾン利用者の94%がウォルマートのECサイト、もしくは店舗で買い物をしているという結果が出ています。CIRP 社はさらにアマゾンの消費者を調査。「アマゾンで買わない商品をどこで購入するか」質問したところ、25%の回答者がウォルマートで購入すると回答。40%がウォルマートのECサイトで買うと答えました。

CIRP社の最新データでは2016年9月現在、アメリカでのアマゾンプライムの会員は6500万人。2日以内の配送に関して送料無料のサービスを提供していたウォルマートの年間49ドルの会員制度廃止の決定は、“価格に敏感なアマゾンの消費者”をウォルマートに引き寄せることになるかもしれないという専門家もいます。

価格モニタリングを手がけるProfiteroの戦略担当キース・アンダーソン氏は次のように指摘します。

ウォルマートは、価格ではアマゾンに勝ります。仮に会員費を払わなくても2日以内の配送料金が無料になるなら、プライムに否定的な家庭やユーザーには魅力的に映るでしょう。また、プライムに付随しているサービスを利用していない、とにかく低価格で送料無料を望む家庭やユーザーも、ウォルマートに移っていくかもしれません。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

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「EC-CUBE」はバージョンアップでどう変わった? ロックオンの担当者に聞いてみた | 『ヨドバシ.com大躍進の舞台裏 ネット通販11社の成功法則+関連サービス260まとめ』ダイジェスト

8 years 9ヶ月 ago

ロックオンは2015年7月に、推定稼動数3万店舗(ロックオン調べ)、国内No.1※のオープンソースECプラットフォーム「EC-CUBE」のメジャーバージョンアップを実施し、「EC-CUBE 3.0系」をリリースした。 ※独立行政法人情報処理推進機構「第3回オープンソースソフトウェア活用ビジネス実態調査」による

提供から約1年3か月、これまでどのような機能充実を進めてきたのか。また、EC-CUBEユーザーの切り替えはどのくらい進んできているのか。今後の展望とあわせてコーポレート戦略本部 コーポレート戦略部 EC-CUBE戦略企画課の梶原直樹課長に話を聞いた。 写真◎g’s photo work

プラグインの数も目標とした100本に到達

「EC-CUBE 2系」は約7年半以上前から提供をしてきました。マルチデバイス対応や、オムニチャネル対応、越境ECなど、ユーザーであるEC事業者が求める機能が変化している中で、より発展性のあるシステムにするために、これまでのシステムを引き継ぐのではなく、ゼロから作り上げる感覚で、「EC-CUBE 3.0系」にバージョンアップを行いました。

ユーザーやEC-CUBEを使ってサービスを提供する方から見た場合、「EC-CUBE 3.0系」は「EC-CUBE 2系」の後継サービスとなるため、「EC-CUBE 2系」と比べて同等、もしくはそれ以上の機能を求められます。

この1年3か月で12回にもわたるEC-CUBE本体のバージョンアップの成果もあり、現在は「EC-CUBE 2系」と比べても、そん色のない安定性を提供できるようになってきています。

また、EC-CUBE 3系の特徴として、バージョンアップがしやすく、昨今では非常に重要視されているセキュリティへの対応が行いやすいという特徴があります。

現在、EC-CUBE本体のダウンロードも約8割は最新版が選ばれており、新しくEC-CUBEを利用する事業者は、「EC-CUBE 3.0系」を利用する方が多くなっている状況です。

また、この1年で、「EC-CUBE 3.0系」向けのプラグインも充実してきました。すでにプラグインの数は目標としていた100本を超えました。今後さらにスピード感を持って増やし、より多くのEC事業者に「EC-CUBE 3.0系」を利用していただけるようにしていきます。

コーポレート戦略本部 コーポレート戦略部 EC-CUBE戦略企画課 梶原直樹課長

プラグイン開発だけでなく、API開発で外部との連携も

プラグインは、EC-CUBEで構築したECサイトの機能を充実させるものですが、APIはEC-CUBEの情報を外に持っていく、つまり、外部サービスと連携できるという点で異なります。

このAPI連携を充実させることで、すでに数多く公開されている他社のAPIと連携することができ、多くのサービスが利用できるようになります。そのため、プラグインだけでなくAPIも併せて開発を進めていく計画で、既にβ版まではリリース済みです。

「EC-CUBE 2系」ではどうしてもカスタマイズが必要でしたが、「EC-CUBE 3.0系」では、多くのプラグインや、APIと連携できる外部サービスの中から、必要な機能やサービスを自由に選び入れるだけで、自社独自のeコマースを運営できるプラットフォームにしていきたいと思っています。

EC-CUBEでは、「ECに色を」という考え方の下、それぞれのECサイトでオリジナルのおもてなしをしてもらおうと考えてきました。

そのために、オープンソースとして独自に機能開発を行っていただけるソフトウェアと、必要な機能をプラグインとして提供することでその実現をお手伝いしています。最近では、ECはネットだけの狭い世界のモノではなく、リアルとの連携や海外向けECといった、新たな分野への挑戦が重要になってきています。

そこで“すべてがECにつながる世界を”を合言葉に開発した「EC-CUBE 3.0系」で、これからのECに必要なあらゆる機能を提供。

これからはECサイトだけではない“eコマース全体”として独自のおもてなしを行っていただけるよう提供していきます。 (談)

関連リンク
ネットショップ担当者フォーラム編集部

ヤマト運輸のサービス見直しに石原経済再生相が言及「荷主に優越的地位がある印象」

8 years 9ヶ月 ago
石原伸晃経済再生担当相
石原伸晃経済再生担当(出典は内閣府のHP)

石原伸晃経済再生担当相は3月7日、中央合同庁舎での記者会で「ヤマト運輸のサービスの見直し」に言及。ヤマト運輸が配送料の値上げを検討していることについて次のように語った。

27年間も値上げしていなかったというところに実は驚いて、やはり荷主の方に優越的地位があるのだということを印象として思った。ただ、やはり適正な仕事に対しては、適正な対価が払われるということで交渉が行われるということは、私は好ましいことだと思います。

ヤマト運輸のサービス見直しや値上げの問題点の1つとして、労働力不足があげられている。こうした件については、「労働集約型の分野では、生産年齢人口の減少に伴って、やはりどうしても人手不足というものが起こってくる。これを乗り越える唯一の策というのが、一億総活躍社会の問題と、もう1つイノベーションだと思います。IT技術というものもかなり進歩してきていますし、こういうものを活用したり」と述べた。

配送分野の効率化については次のように説明する。

輸送の分野では、自動運転というものも非常に大きなツールにこれからなってきますし、これはもう実現可能の一歩手前まで来ていますので、こういうもので効率化をしたり、生産性を上げることによって、今、根本的な問題、人がいないという問題を乗り切っていく、ポテンシャルは十分日本にはあるのではないでしょうか、このように思っています。

閣僚の「ヤマト運輸のサービスの見直し」発言を巡っては、3月3日に石井啓一国土交通大臣が言及。「国土交通省としてはやはり、今後とも物流業界がその役割をきちんと果たしていくためには、担い手をきちんと確保するという面で、長時間労働の是正や処遇の改善、これで担い手を確保するとともに、やはり生産性の向上をしっかりとやっていく」とコメントしている。

日本は人口減少社会に本格的に突入(平成27年国勢調査の確定値で日本の総人口は調査開始以来初の人口減)したことも加わり、物流業界は人手不足が深刻化しているのが現状だ。

「自動車運転の職業」の有効求人倍率の推移
「自動車運転の職業」の有効求人倍率の推移。貨物自動車以外にバスやタクシーも含まれる(編集部が日通総合研究所のサイトからキャプチャ)

日通総合研究所の調査によると、「自動車運転の職業」の調査を行ったすべての地域で有効求人倍率は1.0倍(2016年2月時点)を超え、ドライバーを集めたくても集まらない状況に陥っている。

これまで輸送量に比べて労働力の供給過多が続いていたが、近年の物量増加と高齢ドライバーの引退し、新たな担い手不足によって供給不足へ逆転。日通総合研究所は、ドライバー不足は社会変化に伴う構造的な問題であり、トラック輸送がリスクに直面していると説明する。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

実はスマホ経由の購入単価はPCより高い? クリテオの調査で判明したモバイルECの実態

8 years 9ヶ月 ago

Criteoが実施したデバイス別のEC利用実態調査によると、スマホからの平均購入額はデスクトップパソコン経由の金額を3%上回り、全デバイスの中で最高だった。

リターゲティング広告サービスなどを提供するCriteo(クリテオ)が実施したデバイス別のEC利用実態調査「2016年下半期 クロスデバイス・コマースレポート」によると、国内の2016年第4四半期(10-12月期)におけるスマホからの平均購入額は、デスクトップパソコン経由の金額を3%上回った。

スマホ経由の平均購入額は対前年比で4%成長し、全てのデバイスの中でトップ。EC市場に占めるモバイル比率は前年同期比6ポイント増の51%だった。

デスクトップからの支出を100円とした場合、スマホによる取引1件あたりの平均額は同比4%増の103円だった。タブレットからの平均支出額も増加し、デスクトップに迫っている。

Criteoが実施したデバイス別のEC利用実態調査 スマホからの平均購入額はデスクトップパソコンより3%高い

デバイス別の平均購入金額(デスクトップの支出を100円としたケース)

モバイル比率トップは「ファッション・ラグジュアリー」

商品ジャンルごとのモバイルEC比率(EC取引でモバイルが占める割合)は「ファッション・ラグジュアリー」が同17%増の63%で前年に続きトップだった。2位は「健康・美容」で同30%増の60%。

Criteoが実施したデバイス別のEC利用実態調査  商品ジャンルごとのモバイルEC比率(EC取引でモバイルが占める割合)は「ファッション・ラグジュアリー」がトップ

小売業界でEC取引が占める割合

iOSのシェアはAndroidの1.6倍

OS別のシェアはiOSが28%、Androidが17%だった。iOSによる取引が同16%増となった一方で、Androidによる取引は同14%減。OS別の平均購入額はデスクトップからの支出を100円とした場合、iOSが同11円プラスの109円、Androidは同5円マイナスの94円だった。

Criteoが実施したデバイス別のEC利用実態調査 日本におけるスマホOS別取引シェア

日本におけるスマホOS別取引シェア
Criteoが実施したデバイス別のEC利用実態調査 日本におけるスマホOS別平均購入金額日本におけるスマホOS別平均購入金額

調査概要

「2016年下半期 クロスデバイス・コマースレポート」は世界3300社を超えるオンライン小売ビジネスの広告主の、デスクトップとモバイルサイトを横断した年間約17億件の取引データを分析対象としている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

「ツケ払い」が好調? スタートトゥデイが1年半ぶりにテレビCMを開始したワケ

8 years 9ヶ月 ago

ファッションECモール「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは3月7日、2016年11月に開始した後払い決済サービス「ツケ払い」のテレビCMを開始した。テレビCMを放送するのは約1年6か月ぶり。

「ツケ払い」の導入によってモールの取引高が伸びていることなどから、サービスの認知度を高め、会員獲得や流通額の拡大を図る。

ファッションECモール「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは3月7日、昨年11月に開始した後払い決済サービス「ツケ払い」のテレビCMを開始

「ツケ払い」のテレビCMで会員獲得などを促進する狙い

「ツケ払い」の導入で取引高が拡大

「ツケ払い」は注文日から最大2か月後の支払いが可能な決済サービス。会員登録したユーザーは税別5万円以下の注文に限り、コンビニや銀行での後払いを利用できる。

手数料は1件あたり324円。会員の与信審査や代金の請求などはGMOペイメントサービスが代行している。

テレビCMを放送する狙いについてスタートトゥデイの広報は「既存の利用者以外にも(ツケ払いの)サービスを知っていただき、利用者を増やしていくため」と説明。「ツケ払い」を開始した当初からテレビCMを検討していたことも明かした。

「ツケ払い」の利用者数や業績への具体的な貢献度については「現時点では非公開」(広報)。1月31日に開催された17年3月期第3四半期の決算説明会では「ツケ払い」が第3四半期会計期間の商品取扱高の拡大に寄与していると明言している。

「ツケ払い」の利用者を増やすことが顧客数や取扱高の増加につながる見込みが立ったことも、テレビCMの放送を後押ししたと見られる。

4Qのプロモーション関連費用は20~30億円の見通し

スタートトゥデイのプロモーション関連費用(広告宣伝費とポイント関連費用の合計)は取扱高の2.5~3.0%が目安となる。第3四半期末時点(2016年4〜12月)でプロモーション関連費用は取扱高の約2%にとどまっており、未消化分は第4四半期(2017年1~3月)に投じることを計画。通期の取扱高予想から逆算すると、第4四半期は2億〜30億円を投じる見通し。

スタートトゥデイのプロモーション関連費用(広告宣伝費とポイント関連費用の合計)は取扱高の2.5~3.0%が目安

スタートトゥデイの2016年4~12月期の取扱高とその内訳

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実

成果の頭打ちはどう改善する? 運用型広告の費用対効果を伸ばす3つのポイント

8 years 9ヶ月 ago

ECサイトの広告運用担当者は、GoogleAdwordsやFacebook広告、Criteoといった運用型広告の費用対効果を高めるには、どのような施策を打つべきか。運用型広告専門の広告代理店として多くのEC事業者を支援してきたオーリーズの鈴木多聞社長が、クライアントの成功事例を踏まえてノウハウを解説する。 写真◎Lab

広告効果の頭打ちはなぜ起きるのか?

鈴木社長は「運用型広告は、上手に活用すれば高いパフォーマンスを上げることができる」と運用型広告のメリットを強調。一方で、運用型広告にまつわるさまざまな課題が出てきていることに触れ、「広告効果が頭打ちになっていると相談をよせるEC事業者が増えている」と指摘した。

オーリーズが指摘する運用型広告の現場では、さまざまな課題
運用型広告の現場では、さまざまな課題が発生している

運用型広告を取り巻く3つの環境変化

鈴木社長は運用型広告を取り巻く環境が大きく変化している事象として3点をあげる。「広告チャネルの多様化」「機能の自動化」「媒体の断片化」だ。この環境変化によって、広告の運用方法や効果測定の方法が激変。広告主と広告代理店は広告運用の見直しを迫られていると指摘した。

株式会社オーリーズ 代表取締役社長 鈴木多聞氏。2011年の創業以来、30種類以上のチャネルやツールの運用型広告を手がけた実績を持つ
株式会社オーリーズ 代表取締役社長 鈴木多聞氏。2011年の創業以来、30種類以上のチャネルやツールの運用型広告を手がけた実績を持つ

(1)広告チャネルの「多様化」

運用型広告のチャネルやツールが増えたため、最適な広告媒体を選ぶ際に高度な判断力が求められるようになった。

(2)機能の「自動化」

運用型広告の入札や配信機能の自動化が進んだことで、自動化機能を使いこなすスキルが求められるようになった。

(3)媒体の「断片化」

さまざまな形式のWeb媒体、スマートデバイスやSNSが登場したことで広告媒体が断片化し、広告効果の測定の難易度が上がった。

このような広告を取り巻く環境が変化しているにも関わらず、広告のラストクリックのCPA(顧客獲得単価)だけに着目しているような旧態依然としたスタンスで広告を運用していると、広告効果の頭打ちが起きる。(鈴木氏)

オーリーズの鈴木社長は、広告の「多様化」「自動化」「断片化」という環境変化に対応できていないと広告効果の頭打ちが起きると説明
広告の「多様化」「自動化」「断片化」という環境変化に対応できていないと広告効果の頭打ちが起きる

運用型広告の費用対効果を改善する3つのポイント

運用型広告の費用対効果を改善するために実施すべきこととして、鈴木氏は次の3ポイントをあげた。

  • ポイント1 アトリビューション分析を実施する
  • ポイント2 自動化機能を積極的に導入する
  • ポイント3 クリエイティブの改善に注力する

ポイント1 アトリビューション分析で本当の広告効果を測定する

多様化と断片化が進んだ現在、CPAだけに着目していては広告効果を正確に判断することは難しいという。たとえば、GoogleAdwordsとFacebook広告、Criteoの3つの広告を経由してコンバージョンに至ったユーザーがいた場合、最後にクリックされた広告のCPAだけを計測すると、途中でクリックされた他の広告の貢献度が無視されてしまう。また、Facebook広告はコンバージョン数が少なくても、「いいね」がたくさん付いた場合には、認知向上やブランディングに貢献した可能性も否定できない。

こうした課題を踏まえ、鈴木氏は「広告効果をより正確に測定するには、広告ごとの貢献度を可視化するアトリビューション分析が必要」と指摘。具体的な方法として「均等評価モデル」や「Budget Cut Graph(バジェットカットグラフ)」をあげた。

均等評価モデル

ユーザーがコンバージョンに至るまでに接触したすべて広告の貢献度を調べる手法。たとえば、ユーザーがコンバージョンまでに3つの広告を経由した場合、それぞれの広告の貢献度は0.33ずつカウントする。

アトリビューション分析の均等評価モデルによって、広告ごとの貢献度を割り出す
アトリビューション分析の均等評価モデルによって、広告ごとの貢献度を割り出す

そして、「均等評価モデル」で広告ごとの貢献度を計算した後、「バジェットカットグラフ」を作成することを推奨した。「バジェットカットグラフ」は横軸に広告予算、縦軸にトータルコンバージョンの件数を置き、予算に対する広告の生産性(広告効果)を可視化するものだ。

広告の生産性が高いほど三角形が縦長になる
アトリビューション分析の均等評価モデルを行うと、広告の生産性が高いほど三角形が縦長になる

「バジェットカットグラフ」で広告ごとの効率を可視化した後、効率が悪い広告の予算の一部をコスト効率が良い広告に再配分する。そうすることで、予算の総額を変えずとも広告効果を高めることができる。鈴木氏はオーリーズのクライアントの実績から、「バジェットカットグラフを活用するとコンバージョン数がおおむね10~30%増えた実績がある」と説明した。

コスト効率が悪い広告の予算の一部を、コスト効率が良い広告に再配分することで、予算の総額を変えずに広告効果を高めることができる
コスト効率が悪い広告の予算の一部を、コスト効率が良い広告に再配分することで、予算の総額を変えずに広告効果を高めることができる

ポイント2 広告運用の自動化機能を積極的に取り入れる

続いて鈴木氏は、運用型広告の費用対効果を改善するためのポイントとして「広告運用の自動化機能を活用すること」をあげる。運用型広告を自動化する方法の例としてGoogleアドワーズやFacebook、criteoについて次のように紹介した。

Googleアドワーズ

Googleアドワーズの3大入札戦略

Googleアドワーズは広告の入札の自動化機能を紹介。アカウントの構造をシンプルにして広告グループに運用データを集約、統計的有意な情報量を蓄えることで効果的に運用できる。広告運用の自動最適化には一定の学習期間が必要なので、広告を一定期間継続することも重要である。

Facebook

Facebookの類似オーディエンス

Facebookの類似オーディエンスによるターゲットセグメントについて紹介。広告配信のターゲティングをカテゴリー選定して行った場合と比べ、類似オーディエンスによるターゲティング設定の方が高い成果を上げることも珍しくない。

Criteo

Criteoのすごさ

リターゲティングに特化したパーソナライズ・レコメンデーション広告を展開しているCriteoは、レコメンド機能によってユーザーの需要を掘り起こす。機械学習エンジンが自動的に広告配信を行う点が特徴的だ。「購入頻度の期待度が高いユーザー」「購入単価の期待度が高いユーザー」などを自動で判断し、アプローチする。

ポイント3 クリエイティブの改善にリソースを投下する

鈴木氏は運用型広告の費用対効果を改善するための3つ目のポイントとして、「クリエイティブの改善」をあげた。運用型広告のクリエイティブは成果の状況に応じて差し替え続けることが必要と指摘した。

Facebook広告に使用したクリエイティブの効果の変動を示すグラフ。広告効果は1週間以内に下がってしまうことも珍しくない
Facebook広告に使用したクリエイティブの効果の変動を示すグラフ。広告効果は1週間以内に下がってしまうことも珍しくない

さらに、データフィードの改善では、「クリエイティブのテキストや写真、オプション情報など愚直にフィード情報を改善していくと成果は向上する」と述べた上で、クリエイティブの改善を通じてCTRが約40%改善した事例も紹介した。

クリエイティブを愚直に改善することでCTRは向上する

広告主が広告代理店に求めるべきこと

鈴木社長は最後に、運用型広告を取り巻く環境の変化に合わせて、広告主と広告代理店の関係性を見直す必要があるのではと指摘し、「本日説明した3つのポイントを踏まえ、新しいスタンスで広告代理店との関係性を築いてほしい」と参加者に訴えかけ、セミナーを締めくくった。

オーリーズの講演の様子

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ネットショップ始めたけど「全っ然売れへんねん!」【オカンでもわかるWeb集客の基礎】 | オカンでもわかるアドテク教室

8 years 9ヶ月 ago

突然、ECサイトを作ったというオカンから「全っ然売れへんねん!」と連絡が来た。そりゃそうだ。オカンは「サイトを作れば売れる」と思っていたみたいだから……。 イラスト◎浮蓮 要

登場人物
僕

 大学院を卒業後、地元大阪の大手メーカーに就職したが、なぜか配属された広告宣伝部でアドテクに興味を持ってしまい、あっさり東京のインターネット広告会社に転職してしまった。現在入社3年目の27歳。オカンには「虎の子は虎やな」とわけのわからないコメントをもらったが、たぶん応援してくれていると信じて毎日楽しく忙しく働いている。

オカン

オカン 純然たる大阪のオカン。フリマアプリで洋服を売るのがなぜかとても得意。

ある日、オカンから謎のURLが送られてきた

最近、音沙汰のなかったオカンから、突然連絡が来た。「なんだろう? このアドレス……」

何かと思って聞いたら、そこはオカンが運営するファッションサイト……?!

聞けばオカン、フリマアプリで洋服を出品したらすぐにバンバン売れたらしい。それに気をよくしたオカンは、最近流行っていると話題のECサイトを作って、もっと儲けようと画策したようだ。びっくり。

しかし、フリマアプリでは売れたのに、ネットショップでは本人も驚くほど売れない。なぜかはさっぱりわからない。今日も閑古鳥が鳴いているらしい。

フリマアプリにハマってうちも自分の着なくなった洋服売るネットショップ立ち上げたんやけど、ぜんぜん売れへんねん! フリマアプリやと大繁盛やったのになんで!?

オカンなんで売れへんねん?!

僕なんでって言われても……。SEOとか広告とか、集客施策はしてるの?

オカン……?

僕まぁ、そうだよね。

オカンシューキャクシサクすれば売れるんか?

僕売れるかはわからないけど、まずはお客さんに来てもらわないといけないでしょ?

オカンもったいぶらんとはよ教えて!!

僕それはね……。

とにかくURLを知ってもらわなきゃ始まらない

僕オカンって美味しいラーメン屋さん探す時ってどうしてる?

オカン知り合いに聞いたり、雑誌を見たりして調べるよ。

僕じゃあ、教えてもらったラーメン屋さんに行くためには?

オカンそりゃどこにあるか聞くわよ。場所分からなきゃ行けないやん。

僕そうだよね。インターネット上でも同じことなんだよ。オカンのECサイトもどこにあるのかわからなかったら、お客さんは来ないんだ。

例えばさっきオカンがLINEで送ってきた、URLっていうのがあるでしょ? インターネット上ではPCやスマホのブラウザでこのURLを指定することで、たどり着きたいサイトに行けるんだ。

オカンじゃあURLを色んな人に教えればええんやな! 行ってくる!

僕行ってくるって……どこに……!?

─1時間後─

オカン紙にURL書いてそこの通りで配ってきたけど、誰も受け取らなかった! これじゃサイトがどこにあるか教えられへん!!

僕そりゃそうだよ。いきなりURL渡されても怖くて受け取らないよ!

オカンじゃあどうするん!?

僕インターネット上で人を呼ぶんだから、人を集めるのもインターネット上でしなくちゃ。

インターネットでできる基本的な集客施策は「SEO」「リスティング広告」「アフィリエイト広告」「アドネットワーク」「ソーシャルメディアマーケティング」の5つ

オカンあんた、魔法使いになったんやなぁ。

僕……1つずつ説明していくよ。

基本の集客施策① SEO

僕インターネット上で何かしようと思ったら、普通はGoogleとかYahoo!とかで調べるよね。たとえば、Googleは検索した言葉に対して一番合致しているサイト、有用だと思うサイトを瞬時に判断してランキング形式にしてその結果を出しているんだ。

このランキングで上位にならないと、見てもらえる可能性も低くなっちゃうよね。そのためにはGoogleに気に入られないといけないんだ。

オカン気に入られるって、おみやげでも持っていくんか。

僕……違うよ。それが1つ目の施策で「SEO」。見やすいサイトにする、商品ページの内容を充実させる、常に最新情報に更新する……とかして、検索結果から来たユーザーが満足するようにすれば、Googleは「ここは良いサイトだな」って判別してくれるんだ。

SEOはインターネット集客に欠かせない施策の1つ

検索結果ページで上位になれば、それだけユーザーの目に触れる機会も多くなります。

例えばGoogleであれば、Googleが独自に開発したアルゴリズムによって順位が決まるので、「こうすれば必ず検索順位が上がる」といったものはありません。

ただ、ユーザーにとって有用な情報が掲載されているページほど、上位に表示されやすくなるようです。

基本の集客施策② リスティング広告

僕じゃあ次。2つ目はリスティング広告。これはさっきのSEOとちょっと関係があるんだけど、検索結果画面の上の部分に、オカンのECサイトが表示されるようになる広告なんだ。

Googleで「リターゲティング」を検索した場合の検索結果。上部がリスティング部分で、下部がSEOの部分
この場合は上の2つがリスティング広告

オカン一番上やないの!? なんもせんでも一番上やないの!?

僕もちろんタダじゃないよ。GoogleとかYahoo!にお金を払わないと。

オカンワイロやないの……。

僕……違うよ。ちゃんとGoogleやYahoo!のルールに従って、公平に決まる広告サービスだよ。

オカンSEOが雑誌の順番決めなら、リスティングは雑誌広告みたいなもんやな!

僕まぁそんな感じ……。

検索ワードに応じて広告が表示されるリスティング広告

リスティング広告もGoogleとYahoo!が有名。ユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示されるので、「少なくとも商品名やサイト名は認知しているユーザー」を効率的にサイトへ送ることができます。

リスティング広告はユーザーが広告をクリックした時、料金が発生する「CPC(Cost Per Click)」課金モデルを採用しています。

基本の集客施策③ アフィリエイト広告

僕3つ目はアフィリエイト広告。オカンって韓流スターの○○さんのブログ見てるよね? そこで、オススメのラーメン屋さんが紹介されていたら気にならない?

オカンそりゃもう速攻で行くに決まってるやろ!!!

僕……うん、そんな感じで、アフィリエイト広告っていうのはわかりやすく言うと、オカンのサイトの紹介記事を第三者に書いてもらって、それを見た人にオカンのサイトに来てもらうっていう方法。知っている人からの口コミとか、有名な人から紹介されているみたいな感覚かな。

紹介記事を書いてくれたら、その人にはお礼をしなきゃいけないよね? 紹介記事を読んでオカンのサイトに来た人が商品を買ってくれた場合には、その記事を書いてくれた人にお金を払うっていう仕組みなんだ。

オカン○○ちゃんが良いって言うなら間違いないからなぁ。

アフィリエイトの特長は3つ

アフィリエイト広告の特徴は、成果報酬型であること、新規ユーザーの獲得に強いこと、そして「僕」も言っていた通り、第三者目線での訴求ができることの3点です。

「自分で売り込んでいく」というよりは、良い内容のブログを書いてくれる人を見つけることが非常に重要です。

アフィリエイト広告では、購入や申し込みなどの「成果」が発生して初めて広告料を支払う「CPA(Cost Per Action)」モデルなので、リスクの低い手法だとも言えるでしょう。

基本の集客施策④ アドネットワーク

僕4つ目は、アドネットワーク。テレビでやってる映画ってお金払わなくても観れるよね。それってなんでだとおも……

オカンテレビはスポンサーがついとるからや(ドヤァ

僕……そうそう。Webサイトもテレビと同じようなビジネスモデルなんだ。テレビ番組がサイト内のコンテンツだとしたら、テレビCMはサイトに掲載される広告って感じかな。

メディアサイトの色んな広告枠を買っている会社(アドネットワーク会社)がいて、そこに依頼すれば、オカンのECサイトに合ったメディアサイトの広告枠に自動で配信してくれるんだ。

オカン元締めにお金払えば、うまいこと広めてくれるっちゅうことやな!

僕元締めって……。

アドネットワークは元締めじゃなく「仲介役」

アドネットワークはメディアサイトなどのメディアを多数束ねて、そのメディアの持つ広告枠へ広告を配信する仕組みを持ったネットワークを指します。

広告を出したい企業は、アドネットワークを持つ会社に依頼をすれば、様々なサイトに広告配信できます。元締め……ではなく、広告主とメディアの仲介役と言った方が妥当です。

アドネットワークでは、広告が表示されたら課金する「CPM(Cost Per Mille)」モデル、もしくは先ほど出てきたCPCモデルのどちらかを採用しています。

基本の集客施策⑤ ソーシャルメディアマーケティング

僕5つ目はソーシャルメディアマーケティング。オカン、SNSは聞いたことあるよね?

オカンそれは知ってるで! オカンも「ふぇいすぶっく」で「ついーと」しとるからな!

僕(……微妙に惜しい)。SNSはソーシャルネットワーキングサービスの略で、まぁ簡単に言えば、インターネット上で友達とコミュニケーションができる場って感じかな。オカンの言ってたFacebookやTwitterはその中でも有名な2つ。

オカンでも、つぶやいたり写真投稿したりするだけやん! どうやって呼び込むんや!?

僕たとえばTwitterで、オカンのサイトで新しく販売する服の紹介をしたら、興味を持つ人が少しはいるかもしれないよね。

オカンめっちゃおるわ! あほ!

僕……ごめん。そしたら、その興味持った人は欲しいと思って、売っているサイトを探したり、オカンに聞いてくるかもしれない。「リツイート」して拡散してもらえたら、もっと多くの人にオカンのサイトを知ってもらうきっかけになりそうじゃない?

オカン確かにな。

僕ソーシャルメディアマーケティングっていうのは、直接買ってもらうためにやると言うよりは、SNSを通じてコミュニケーションを図りオカンのサイトに来てもらうように促す方法なんだ。

ファンを増やしたいならソーシャルメディアマーケティング

ソーシャルメディアマーケティングは、SNSが一般的になってきた頃から発展してきました。

例えば最近では、グリコが11月11日にポッキー&プリッツの日を記念してTwitterやインスタグラム上で写真投稿をしたりすることで、ユーザーとのコミュニケーションを図ったりしています。

僕も言っていましたが、直接購買に結び付けるというより「ユーザーに自社のファンになってもらう」という意味合いで使われることが多いですね。

◇◇◇

僕オカンのECサイトのことを知らない人に知ってもらうための集客施策はこんなところかな。

オカン何やようわからんけどわかったわ!

僕(ほんとにわかったのかな……)

まずはフリマアプリで出稿費をかせがな! 最新情報に更新することが大事なんやな…お!ええこと思いついたわ ほな!
わかったらしい。そして何か思いついたらしい……

僕(ちょうどインターンの子にも説明しなきゃいけないところだったから、ちょうどいい機会だったな。それに、久々に親孝行したなあ……)

◇◇◇

と、気軽に考えていた僕。この数日後、オカンからさらなる驚きのLINEメッセージが送られて来るとは、この時まだ知らなかったのでした……。続く……。

(次回は来月公開予定です。お楽しみに!)

今回のまとめ

インターネットでできる基本的な集客施策は、

  1. SEO
  2. リスティング広告
  3. アフィリエイト広告
  4. アドネットワーク
  5. ソーシャルメディアマーケティング

の5つ。

今回覚えたいアドテク用語

CPC(シーピーシー)

「Cost Per Click」の略語。ネット広告の掲載料金の単位の1つで「クリック単価」とほぼ同意。

広告をユーザーがクリックするためにかかった費用を指し、「CPCは○円」というような使い方をする。

 

CPA(シーピーエー)

「Cost Per Action」もしくは「Cost Per Acquisition」の略。「獲得単価」とほぼ同意。成果を1件獲得するのにかかった費用で、ネット広告の中では特に重要視される指標の1つ。

他の課金形態のネット広告の場合も、「CPAに換算すると○円」というように指標として用いることが多い。

 

CPM(シーピーエム)

「Cost Per Mille」の略語。Milleは「千」という意味で、広告が1,000回表示されたときにかかった費用のこと。

砂森 翔太

株式会社ファンコミュニケーションズ nex8事業部 マーケティング担当

砂森 翔太(すなもり しょうた)

大学卒業後、Web制作会社を経てファンコミュニケーションズに入社。リターゲティング広告「nex8(ネックスエイト)」の広告主営業を約1年担当した後、マーケティングに異動。

サービスリニューアルに伴うWebサイトのテコ入れに始まり、各種解析ツールを用いてのUI検証・改善、リスティング広告やSNS広告の運用などに従事している。

2016年6月、コンテンツマーケティングの一環として、“EC担当者にためになる情報をわかりやすく”をテーマに発信する「nex8ブログ」を立ち上げ。

他のマーケティング業務のかたわら、メインライティングと編集を担当する忙しい日々から、営業メンバーがリレー形式でライティングする体制に落ち着いてきたのを機に、“さらにやさしくわかりやすくアドテクを伝える力”を磨くべく、ネットショップ担当者フォーラム連載にチャレンジ中。

砂森 翔太

政府はヤマト運輸の配送問題をどう考えているか。国交省大臣の見解は?

8 years 9ヶ月 ago
国土交通大臣 水循環政策担当 石井啓一氏(いしい けいいち)
石井啓一国土交通大臣

石井啓一国土交通大臣が「ヤマト運輸のサービスの見直し」などに言及した。

3月3日に衆議院分館第18委員室前で開かれた記者会見。石井大臣は記者団の「ヤマト運輸のサービスの見直し」について次のように回答した。

インターネット通販などが非常に発達をしてきて、小口多頻度の宅配が増えているということから、特に宅配業においては、荷物量が非常に多くなっているということが背景にあると思います。

それから非常にサービスも、深夜に頼んでも翌日に届くようなものも出てきているということで、これは末端の物流業者にとっては相当の負担がかかっていたのではないかと思います。こうした長時間勤務等の背景があり、また賃金も他の業界に比べて安い、人手不足という状況もございます。そうしたことから、ヤマト運輸が今回、サービスの上限を決めるということになってきたと思います。

こうしたことを踏まえ、国交省としての対策を表明。

国土交通省としてはやはり、今後とも物流業界がその役割をきちんと果たしていくためには、担い手をきちんと確保するという面で、長時間労働の是正や処遇の改善、これで担い手を確保するとともに、やはり生産性の向上をしっかりとやっていく、特に宅配については再配達が非常に多いわけで、今は2割ぐらいになっております。

宅配事業者3社によるサンプル調査では、宅配便の約2割が再配達となっている現状が判明。2015年の宅配便個数から算出すると、7.4億個分にものぼる計算になることがわかっている。

宅配便の再配達の割合
宅配便の再配達の割合(出典は国交省資料)

石井国交省は現状を踏まえ、次のように述べた。

今、鉄道ターミナル等で宅配業者の共同の宅配ロッカー等の設置も進めております。あるいはトラックでいえば、荷待ち時間が非常に多かったり、いろいろな荷物を積み下ろす時に荷役作業を手伝わされたりなどがありますから、荷主さんとも協力をいただいて、全体的な効率を向上させていく、私たち「物流生産性革命」と申し上げていますが、それをしっかりと進めていくということが重要だと思っています。

国土交通省は2016年、経済成長の実現をめざし社会資本や観光、物流などの施策を総合的に推進することを目的にした生産性革命本部を省内に設置。「生産性革命プロジェクト」として物流問題の改善といったプロジェクトを進めている。

物流に関するプロジェクトを進めるのが「オールジャパンで取り組む『物流生産性革命』の推進」。2020年度までに物流事業の労働生産性を2割程度向上させることを目標に設定。2割に達している宅配便の再配達の改善など、物流分野のさまざまな非効率業務を改善し、生産性向上による将来の労働力不足の克服をめざしている。
 

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約11年。日々勉強中。

瀧川 正実
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59 分 45 秒 ago
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