ネットショップ担当者フォーラム

「アトリビューション分析」って何? どんなことができるようになるの? | アラタナECコンサルがお伝えするECビジネスの課題を解決するヒント

8 years 10ヶ月 ago

昨今、Yahoo・Googleのリスティング広告をはじめ、アフィリエイト広告、Facebook・TwitterといったSNS広告、キュレーションメディアやニュースアプリに出稿するインフィード広告、動的に画像を生成してリマーケティングを行うダイナミックリマーケティングなど様々なWEB広告が存在しています。

そこでどの広告媒体にいくらの広告費用を投資していいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回はアトリビューション分析で同じ広告予算内でも最大限に広告効果を引き出すヒントをお伝えします。

アトリビューション分析

まず、アトリビューション分析とは商品の購入や会員登録など、何らかのコンバージョンに対する広告の貢献度を分析する手法です。

例えば、以下のようなアトリビューションモデルがあります。

終点モデル

最後の接点(ラストクリック)に100%の貢献度を割り振って評価する方法です。
リマーケティング広告や、指名KWでのリスティング広告など刈り取りに強い広告を評価する際に使用されることが多いです。

起点モデル

最初の接点に100%の貢献度を割り振って評価する方法です。
ラストクリックでの評価だと評価しづらい、認知拡大に強い広告を評価する際に使用されることが多いです。

線形モデル

全ての接点を均等に貢献度を割り振って評価する方法です。
全体を俯瞰して、コンバージョンに対してどの広告媒体が貢献しているのかフラットに評価する際に使用されることが多いです。

広告媒体には得意分野・不得意分野があるため、一緒くたにラストクリックのみで評価をしてしまうと、刈り取り系に強いリマーケティング広告のみ評価されてしまうことになります。

ラストクリック症候群

具体的な例を見てみましょう。

以下の行動フローはFacebook広告で最初の接点を持ち、リスティング広告での検索を通し、リマーケティングで追いかけられたバナーをクリックしてコンバージョンに至っています。

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この場合、ラストクリックのみを評価してしまうと、リマーケティング広告のみが評価され、起点を作ったFacebook広告やユーザーの購買意欲を高めたといえるリスティング広告は評価されないということになります。知らず知らずの内にラストクリックのみを評価してしまっている、という方も多いのではないでしょうか。

これをサッカーで例えると、ゴールを決めた選手だけを評価しているような状況です。ゴールの前には、パスを出した選手や相手からボールを奪った選手もいるはずです。

いくらラストクリック評価でリマーケティング広告が優秀だとしても、リマーケティング広告を実施するには訪問ユーザーが必要です。

新規のユーザーを増やす施策を打たない限り、リマーケティング広告に広告費を追加しても売上が伸びづらく、頭打ちになっていきます。

仮にFacebookなどのSNS広告から起点コンバージョンが生まれているのであれば、リマーケティング広告だけではなく起点になっている媒体へ広告費を投資しても良いかもしれません。

コンバージョン価値の分配

とはいえ、ラストクリック評価が全て悪いと言っているわけではありません。広告媒体の得意分野・不得意分野を加味して、出稿の目的に合わせて適切な評価をしていくことが重要です。

Google Analyticsでは上記で紹介したアトリビューションモデルを使用してアトリビューション分析を簡単に行うことができます。

まずは線形モデルを使用して、俯瞰的な広告評価をしてみてはいかがでしょうか。

アトリビューション分析を行うことで、出稿している広告の目的や役割を持たせることで好循環のPDCAを回すことができます。成長フェーズに合わせた広告出稿で無駄のない広告運用を心がけていきましょう。

アラタナ ECマーケティング支援サービス「ECコンサル」

2014年サービスローンチ。メンバー全員がGAIQ以上の資格保持者にて構成されているチームで、安心感のあるサービスを提供している。既存のECサイトは独自ドメインであればカートシステムを問わずサービス提供が可能で、新規ECサイトの構築から売上アップまで一貫してのご提案できる。

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「人と組織」「最新ECサービス」「自社ECサイト運営」を1日で学べるイベント 3/4【東京】

8 years 10ヶ月 ago

EC支援を手がける12社が主催するネット通販のイベント「ECウィンターフェス2017」が3月4日、東京で開催される。

ECウィンターフェス2017の詳細はこちら

基調講演は「テーマパークに学ぶ、人と組織のありかた」と題して、オフィスWakuWakuの高橋昌也氏が登壇。オリエンタルランド勤務時代に教育担当として携わってきたノウハウ、最新の他社事例やドラッカーの理論に基づいて、人と組織の在り方を解説する。

「スタッフのモチベーションをどうあげていけばいいの?」「どのようにスタッフを評価してあげればいいの?」といった内容を紹介するという。

分科会ではEC支援12社のサービスを紹介。システムからマーケティング、物流まで幅広いテーマを用意している。

トークセッションとして、「リアル店舗・スクール・SNS・自社ドメイン誘導」をテーマにパネルディスカッションを実施。幅広いテーマで自社ECサイトの売上UPのヒントなどを披露する。

  • パネリスト 稲本登氏(ナインブロック 取締役営業統括部長)
  • パネリスト 柳田敏正氏(柳田織物 代表取締役
  • パネリスト 村石怜菜氏(パルコ・シティ Webコンサルティング2部 シニア・コンサルタント)
  • モデレーター 瀧川正実(ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長)

EC支援を手がける12社が主催するネット通販のイベント「ECウィンターフェス2017」が3月4日、東京で開催される

イベント詳細

  • イベント名:ECウィンターフェス2017
  • 日時:3月4日(土)14:00~19:00(13:00開場)
  • 会場:NHNテコラス(東京都新宿区新宿6-27-30)
  • 参加費:無料
  • 主催:アドウェイズ、NHNテコラス、コマースリンク、GMOメイクショップ、スクロール360、テクマトリックス、Hamee、バリュース、キャッチボール、マーケティングアソシエーション、ラクス、リクルートライフスタイル
  • 詳細と申し込み https://www.maildealer.jp/event/ecfes2017.php

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

楽天・三木谷社長が語る流通総額3兆円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】

8 years 10ヶ月 ago

「楽天市場」など楽天の2016年(2016年1~12月)国内EC流通総額は前期比12.0%増の3兆95億円だった。三木谷浩史社長の説明などから、楽天のEC事業2016年をまとめてみる。

国内ECの成長が再加速、理由は2つ

SPU施策

国内ECは再加速。今後の利益成長に期待できる」。2月13日に開催した決算説明会でこう話した三木谷社長。

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】⑤
国内ECの流通総額(「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル、楽天マート、ケンコーコム、ラクマなどの流通額を合算した額)

国内EC流通総額について、2016年は四半期ベースで2ケタ成長を維持し、通期での2ケタ成長を達成した(国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル、楽天マート、ケンコーコム、ラクマなどの流通額を合算した額)。

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】① 国内EC流通総額の推移
国内EC流通総額の推移(四半期ベース)
  • 2016年10~12月期(第4四半期) 前年同期比14.7%増の8545億円
  • 2016年7~9月期(第3四半期) 前年同期比10.0%増の7555億円
  • 2016年4~6月期(第2四半期) 前年同期比10.7%増の7113億円
  • 2016年1~3月期(第1四半期) 前年同期比12.5%増の6882億円

そのけん引役は、2016年1月スタートの「スーパーポイントアッププログラム」(SPU)。SPUは、エントリー不要でポイントを最大7倍付与するもの。

楽天カード(で4倍のポイント)、楽天モバイルなどを使うとポイント(7倍ポイント)が貯まる。他社さんと比べて安定的に行っていることがポイント。新規顧客、既存顧客の継続的な利用につながった。

楽天カード利用(楽天市場流通総額における楽天カード決済比率は2016年12月度で51.2%)はまだ伸びている。収益性は十分にとれているので、ポイント付与の内容を多少はアジャストすることはあると思うが、今後も継続していきたい

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】⑦ SPU施策

「SPU」施策によって「楽天市場」のユーザー数・注文件数は安定的に増加。購入者数、新規・復活購入者数、注文件数ともに増加傾向にある。

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】② 楽天市場ユーザー数・注文件数の増加
楽天市場ユーザー数・注文件数の増加

ただ、ポイント原資の負担が重しとなり、国内ECの営業利益は4四半期連続で前年実績割れとなった。三木谷社長もポイント原資の負担を認めているものの、ポイント負担が一巡するため、2017年1~3月期(第1四半期)から増益に転じるとの見通しを示している。

品質向上施策

顧客満足度の向上は、どんなプロモーションよりも売り上げ増が図れるのではないか。100分の1、100分の2のデトラクター(批判者)を放置すると、少数派でもマイナスの声の方が大きくなってしまう。4万店舗の集合体である楽天市場のクオリティーを上げるには、1店舗ごとの意識が必要だ。

-通販新聞さんから引用

2016年1月の「楽天新春カンファレンス」でこう語っていた三木谷社長。2016年は品質向上に向けた取り組みが重点強化策にあげられ、2017年の決算説明会では「対顧客向け、店舗向けの品質向上を徹底的に行ったことが、結果的に効果として現れた」と語った。

改善効果が高かったのが「楽天ページ診断サービス」。「楽天市場」の平均的な転換率やカート到達率に比べて低い数値となっている商品ページを割り出し、改善をA/Bパターンで提案するもので、2016年は約1100店舗でテスト導入した。

転換率の平均向上率は43%となり、2月初旬に「楽天市場」の全店舗で利用できるようにした。

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】⑥ 店舗向けページ診断サービス
店舗向けページ診断サービス

2016年11月には「R-Karte」をリリース。過去のレビュー評価を図表化し、サイトの問題点を可視化するサービスで、2017年1月19日に機能を追加した。同一ジャンルの他店舗の平均と比較できるようにしたほか、評価点の推移をグラフ化できるようにしている。

2017年夏には評価点やレビューの内容をコンパクトにまとめて見れるようにする予定。評価点の根拠を可視化する機能も追加する。

米国事業は黒字化、急速に伸長

海外事業では、従来型のマーケットビジネスは選択と集中ということで、ドイツ、フランス、アメリカ、台湾に絞った。良い効果が出ている。海外事業もいよいよ利益が出る段階になった

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】⑧ 楽天のグローバル流通総額
2016年のグローバル流通総額は前期比18.0%増の10兆7000億円(国内EC流通総額、ショッピング取扱高、Ebates取扱高など)

三木谷社長は海外事業が収益段階に入ったと説明。「米国の流通総額についてはこれまであまり出していなかったが」と前置きし、米国事業の流通総額などを公表した。

たとえば2014年に買収した、会員制オンライン・キャッシュバック・サイトを展開するEbates(イーベイツ、約1060億円で買収)。年間を通して流通総額は堅調に成長し、2016年の流通総額は65億ドルで前期比32.7%増だった。

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】④ Ebates流通総額
Ebates流通総額

なお、2016年の米国流通総額は140億ドル以上(日本円で1.5兆円以上)。この流通総額は、アフィリエイトなどのオンラインマーケティングのサービスを提供するU.S. Rakuten Marketingの取扱高、Ebatesの流通総額、2010年に買収したRakuten.com(旧Buy.com)の合算数値。

米国事業は2016年、EBITDA(税引前利益に、特別損益、支払利息、減価償却費を加算した値)ベースで約73億円の利益を計上した(前期比139%増)。

楽天・三木谷社長が語る流通総額3億円突破の理由と海外EC事業【2016年まとめ】 三木谷浩史社長
「国内ECの再加速」などを説明する三木谷浩史社長

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

なんだか納得の調査結果→女性の3人に1人が「ECで商品が見つからない」、男性の4人に1人は「不満なし」 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

8 years 10ヶ月 ago

ネットショッピングについての調査を見ると、男女の差が明確に出ています。男性は特に不満もなく購入しているのに対し、女性は探せなかったり手に取れなかったりすることを不満に思っているようです。男性にとって使いやすいサイトも女性には使いづらいかもしれません。ユーザーテストなどで確認したいところです。

わかりやすさを優先させて機会損失を防ごう

「ネットショッピングに関する実態調査」を日本国内で実施 | GMOインターネット株式会社
https://www.gmo.jp/news/article/?id=5567

まとめると、

  • ネットショッピングを利用する理由の1位は男性が「安い商品が多いから」(60.4%)、女性は「24時間いつでも購入できるから」(68.2%)
  • 1回あたりの平均購入金額は2,000~4,000円未満が最多。4,000円~6,000円が次点
  • 不満点は男女ともに「送料が高い」が1位。女性の2位は「情報が多すぎる」
ネットショッピングの不満点(ネットショッピングを利用すると回答した男性n=439、女性n=456 複数回答)
出典:GMOインターネット

送料の高さやセキュリティ面の不安が男女に共通しているほか、「情報が多すぎる」(男性:20.7%、女性:35.7%)も、男女ともに2~3割の人が不満を感じていることがわかった。「探している商品が見つからない・見つけにくい」(男性:17.8%、女性:25.2%)という回答も約2割にのぼっていることから、情報の過剰/不足により、商品購入を迷ったり、欲しい商品を見つけられなかったりといった不満を感じる人が一定数存在しており、ネットショップ側の機会損失につながっていると考えられる。

不満は「強いて挙げれば送料が高い」といったところでしょうか。

それより気になるのは「情報が多すぎる」ですね。欲しいものが見つからないのはストレスなので、女性にとっての探しやすさを考えてみるといいのかもしれません。

しかし、女性は何かと要求が多いことがこのグラフからもわかりますね(苦笑)。

ラストワンマイル市場を開拓せよ

消費者の手元にどう商品を届ける?流通「最後の一歩」争奪戦 | ダイヤモンド・オンライン
http://diamond.jp/articles/-/117284

まとめると、

  • 東燃ゼネラルがAmazonと提携。Amazonで購入したタイヤやバッテリーなどの取り付けを行う
  • オフィスグリコは“小腹空いた需要”に着目し、53億円のビジネスに成長
  • 酒類販売のカクヤスは都内23区内に半径1.2kmの場所ごとに店舗を配置。ネットなどで注文を受けて無料で配達している

つまり店舗を持たないアマゾンは、スーパーやコンビニではない店舗、異業種など消費者の身近にある拠点を使って、ラストワンマイルへのアプローチを始めたといえるのだ。

「簡単かつ無料で届けてもらいたい」というのがユーザーの考えることなので、こうしたサービスが増えていきますよね。自社に応用できないか、早速考えてみたいところです。

かつてのMicrosoftやGoogleのような勢いを感じます

アマゾンだけで米国EC市場のシェア43%、止まらない成長の理由 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3985

まとめると、

  • 2016年の米国におけるオンライン購買の43%はアマゾンのサイト内で行われた
  • 2015年のアマゾン経由の売上高は全米オンライン売上の33%
  • 2016年9月30日の時点で米国のプライム会員数は6,500万人

アマゾンの成長には、電化製品が大きく寄与しています。また、「Amazon Echo(アマゾン・エコー)」関連製品の成功も理由の1つです。興味深いのは、ホームやアパレル、食品、健康、美容といった小さなカテゴリーが、アマゾンの売上増に貢献していることです。消費財のカテゴリーが、アマゾン拡大の大きな要因になっています。

先週もお伝えした「Amazon Echo」が電化製品の売上アップにつながっているようです。ネットの長所を活かしつつ新たな分野を切り拓いていくAmazonは、今年には米国のシェアの半分を占めそうですね。

今週のAmazon関連記事も集めていますので合わせてお読みください。

関連記事

EC全般

店舗では60秒でピックアップ可能!英アルゴスが進める「デジタルストア」と「ファストトラックサービス」 | ECzine
http://eczine.jp/article/detail/4176

あらゆる接点が一体化しているまさにオムニチャネルといった感じです。参考になることが多い記事です。

1配送350円のサービスを「Yahoo!ショッピング」店限定で提供、エコ配との連携で実現 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3976

集荷エリアは東京都、大阪府、愛知県、兵庫県、京都府。こちらもトップの記事と合わせてお読みください。

「出す意味あるの?」から二度おいしいコンテンツへ BtoB企業の「一問一答式メルマガ」とは | ECzine
http://eczine.jp/article/detail/4184

メール広告ベンダーが語る、メールマーケティングの効果を上げる10個のテクニック | Web担当者Forum
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/02/06/24817

メールの記事と思ったら間違い。コンテンツ作りの記事だと思って読むとヒントだらけです。

フェイクニュース、キュレーションメディア、SEO…藤村厚夫、古田大輔、辻正浩がメディアとテクノロジーの未来を語る──Webの未来を語ろう 2017 | HTML5Experts.jp
https://html5experts.jp/shumpei-shiraishi/22160/

多少なりともSEOに関心があれば必読です。「長く読まれていることが評価される」というのは気になりますよね。

「EC革命は大成功」--ヤフー決算、第3四半期は増収増益、売上高は過去最高に | NET Japan
https://japan.cnet.com/article/35096064/

「取扱高・広告ともに過去最高を記録」。この次はどこを目指すのかが気になります。

今週の名言

まずはホームページという時代ではないですし、新しいサービスや仕組みなどはどんどん出てきます。

飲食店・美容室・エステなどの小規模店舗でのウェブ活用 | フォルトゥナ ブログ
http://www.color-fortuna.com/blog/web_development/web-strategy-for-shop.html

小規模な店舗はECサイトで販路を広げるよりも、できることを確実にやってリピーターを増やしたほうが良いですよね。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

アマゾン日本事業の売上高は約1.1兆円で17%増(円ベース)、ドルベースでは3割増

8 years 10ヶ月 ago

アマゾン日本事業の売上高が円ベースでついに1兆円を突破した。

2月10日に米Amazonが公表した「Annual report」によると、アマゾン日本事業の2016年(2016年1~12月)における売上高(ドルベース)は107億9700万ドルで、前期比30.6%増の驚異的な伸び率を記録した。2015年の日本事業売上高は82億6400万ドルで、前の期比4.4%増だった。

Amazon日本事業の売上高推移(ドルベース)
Amazon日本事業の売上高推移(ドルベース)

2016年の年間平均為替レート(108円)で換算すると、日本事業の円ベースの売上高は1兆1660億7600万円で前期比17.5%増。

なお、アマゾン日本事業の売上高は直販のほか、第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入なども含まれる。

Amazon日本事業の売上高推移(年間平均為替レート換算)
Amazon日本事業の売上高推移(年間平均為替レート換算)。平均為替レートは、2010年が87円、2011年は79円、2012年は79円、2013年は97円、2014年は105円、2015年は120円、2016年は108円で換算

グローバルから見たAmazonのEC売上高

グローバルでのアマゾンの2016年売上高(ドルベース)は、前の期比27.0%増の1359億8700万ドル。日本事業の売上高が占める割合は7.9%、2015年度から0.2ポイントアップした。

地域別の売上高(ドルベース)では、

  • 北米 → 903億4900万ドル(前期比)
  • ドイツ → 141億4800万ドル(前期比19.7%増)
  • 日本 → 107億9700万ドル(前期比30.6%増)
  • イギリス → 95億4700万ドル(前期比5.6%増)
  • その他 → 111億4600万ドル

2016年度の主なトピック

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

楽天の国内EC流通総額は3兆円台に突入、伸び率は12%増【2016年度】

8 years 10ヶ月 ago

楽天が2月13日に発表した2016年1~12月期連結業績によると、国内ECの流通総額は前期比12.0%増の3兆95億円だった。

2015年12月期の国内EC流通総額は2兆6748億円(2015年12月期)で伸び率は10.2%増。2016年度は四半期ベースで2ケタ成長を維持し、通期で2ケタ台の成長率を維持している。

国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル、楽天マート、楽びんなどの流通額を合算した額。

「楽天市場」のモバイル流通総額比率は60.8%(2016年第4四半期)で、前年同期比6.6ポイント上昇した。

決算説明会に登壇した三木谷浩史社長は、「リオ五輪で消費者の関心が消費よりもオリンピックに向いたが、第4四半期は14.7%成長した。やってきたことはSPU(ポイントを中心とした施策)と、顧客・店舗向けの品質向上を徹底的にやったきたことの効果が出た」と説明した。

なお、2020年度に向けて国内EC流通総額を5兆2000億円まで引き上げる計画も発表している。

2016年度の国内EC流通総額の四半期ベースの推移

  • 2016年10~12月期(第4四半期)  前年同期比14.7%増の8545億円
  • 2016年7~9月期(第3四半期) 前年同期比10.0%増の7555億円
  • 2016年4~6月期(第2四半期) 前年同期比10.7%増の7113億円
  • 2016年1~3月期(第1四半期) 前年同期比12.5%増の6882億円

楽天の国内EC流通総額は3兆円台に突入、伸び率は12%増【2016年度】

国内EC流通総額の推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2016年度の主なトピック

  • 「楽天ページ診断サービス」(楽天市場の平均的な転換率やカート到達率に比べて低い数値となっている商品ページを割り出し、楽天のノウハウを盛り込んだ改善パターンをA/Bパターンを提案するもの)のスタート
    「楽天ページ診断サービス」では転換率が平均43%向上した(2016年利用店舗数1100店)
    「楽天ページ診断サービス」は転換率が平均43%向上(2016年利用店舗数約1100店)
  • 2016年1月開始のエントリー不要で最大ポイント7倍になる「スーパーポイントアッププログラム」によって新規会員数、復活顧客が継続的に増加(「スーパーポイントアッププログラム」開始前は会員数の成長率が毎月マイナス状態だったが、サービス開始後は増加に転じ、2016年6月度は約12%の成長となっていた)
  • サイト上でのポイント獲得倍率の表示、納期情報の徹底といった品質改善も実施(2016年1月から強化したレビュー投稿ユーザーへのフォロー電話などにより出店店舗の平均レビュー評価も継続的に改善しているという)
  • フリマアプリ「フリル」のFablicを買収
  • 生活雑貨ECを展開する爽快ドラッグを約89億円で買収
  • 育児用商品の割引クーポンなどを付与する無料プログラム「ママ割」を開始
  • 店舗への「ペナルティ制度」(「レビューへの傾聴施策」「違反点数制度」)のスタート……など

決算説明会で登壇した三木谷浩史社長

「国内ECは再加速。今後の利益成長に期待できる」と話す三木谷社長

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

千趣会が「減収覚悟のカタログ削減」を進めるワケ | 通販新聞ダイジェスト

8 years 10ヶ月 ago

千趣会は、2016年12月期に通販が全セグメントの中で唯一、赤字となったことを受けてテコ入れを強化する。

通販セグメントは主力のベルメゾン事業が不調なため、今期は構造改革に重点を置き、「(ベルメゾン事業は)減収を覚悟で過去最大のカタログ部数削減に着手する」(星野裕幸社長)とし、とくに苦戦しているファッション系の媒体を統合することになるようだ。

千趣会では、「1年近く前に企画を固め、自社で在庫を抱えて販売するというカタログのビジネスモデルは将来が見通せない」(同)として縮小する方針で、カタログを好むユーザーには、よりスペシャリティの高い媒体に絞って展開することでレスポンス率を高める。

一方、前期はネット受注件数比率が通期で初めて80%を超えたものの、カタログ依存の体質が抜け切れていないため、「ネット企業らしい業務フローにできるだけ早く切り替える」(同)とする。

一環として、これまで消化率の低い商品はカタログの業務フローの中で値下げしていたが、1月1日付けの組織変更により、ECの販売部隊が機動的に価格を変更して売り切る体制とした。

今冬は、あったかインナーの「ホットコット」や、毛布や掛け布団などを展開する「とろける」シリーズなどが好評だったが、在庫を抑え過ぎたこともあり、欠品が相次いだ。新しい組織では商品カテゴリーごとに品ぞろえと在庫管理の責任の所在を明確化。ネット需要期の在庫コントロールを徹底して消化率改善と売り逃し防止に努める。

また、ネットでも支持される通販を目指し、MD面ではカテゴリーごとに品ぞろえのバランスをとっていく。これまでは売り上げの約7割を占めるオリジナル商品にこだわり過ぎた部分があり、オリジナルで作れない商品カテゴリーは品ぞろえが薄くなるなどの弊害があったようで、消費者の要望に応えられる魅力的な売り場を目指す。

ファッション分野を中心に不足する商品群は、ナショナルブランドで品ぞろえを補完。その際、主要顧客層である“育児ママ”というターゲットを明確にしたMDを組み、「ベルメゾンとしてのセレクト感をしっかりと出していくことが大事」(星野社長)とする。

一方、中長期経営計画で新たなターゲット層に設定したシニアへのアプローチについては、このほど100%子会社のフィールライフを設立。JFRオンラインから「大丸・松坂屋 通販販売カタログ」を軸としたシニア女性向けの通販事業を譲り受け、3月から運営を始める。

当該事業の中心顧客は70歳前後で、通販カタログが有効な年齢のため、ベルメゾンで長年培ったノウハウも活用できる。また、ベルメゾン会員と比べて客単価が高いこともあり、「チャンスは十分にある」(同)とする。実際、前期は大丸松坂屋百貨店でも展開するオリジナルファッションブランド「ケイカラット」の商品を提案し、よく売れたという。

加えて、千趣会は百貨店による販促支援を前提に同事業を継承したようで、百貨店カード会員へのアプローチを行いたいほか、将来的には百貨店外商顧客へのアプローチもあり得るとしている。

新会社のフィールライフではカタログ発行部数の適正化を図るほか、JFRオンライン時代の物流やコールセンター、システムなども順次、千趣会の持つインフラに切り替える方針で、それらがすべて完了すればコスト構造は大きく改善されるという。

通販新聞

楽天・アマゾン・ヤフーはどう攻略する? などECトレンド予測【2017年】 | いつも.ECコンサルタントが明かす売り上げアップにつながるEC最新情報

8 years 10ヶ月 ago
Trends  for 2017  concept on chalk board

みなさんこんにちは。いつも.のECコンサルタントです。2017年の日本経済全体の成長率は1~2%と予測されていますが、EC市場だけを見ればまだまだ2桁台の成長が見込めると弊社では予測しています。そんな2017年EC市場で成長するためにはどんなポイントを抑えておけば良いのでしょうか。昨年後半から弊社に寄せられたお問い合わせの傾向から予測した最新のECトレンドをご紹介しましょう。

まず重要となるのがEC事業の中心となる楽天市場・ヤフーショッピング・アマゾンといった主要モールの成長です。しかし、モールの成長と共に競争が激化することが予想されますので、「競合対策」が非常に重要になってきます。楽天市場やヤフーショッピングが提供を開始し始めた「分析ツール」を活用することは必須となってくるでしょう。当然他社も同じように分析ツールを活用してくることが予想されますので、より高度な分析を行いながらしっかりと考えうるだけの守りを固めることが必要です。さらに主要3モールが提供している「クリック課金型広告」は攻めとして有効な手段になります。積極的に投資を行うことで攻めと守りを同時に行うことが激しい競争を勝ち抜くために必要となってくるでしょう。

amazon

続いて見逃せないのが、主要モール以外にも大きな成長を見せている高成長モールの活用です。特に注目が集まるのがKDDIが事業を取得したため大幅な刷新が見込まれる旧DeNAショッピング(Wowma!)を筆頭に、「Qoo10」や「SHOPLIST」、「LOHACO」なども前年比20%以上の成長を目指したいところです。

lohaco

そして引き続き成長のテーマとなるのがオムニチャネルの推進ですが、大手を中心とした在庫統合型のオムニチャネルが現在進行系で進んでいます。2017年は店舗を持つ小売企業が競い合うようにオムニチャネル化を進め顧客の囲い込み競争が激化する見込みです。また、バックヤードの改革も合わせて重要になります。オムニ化が進めば「多チャネル展開」「実店舗連動」などで業務が圧迫されるため、利益率を維持するためにもバックヤード業務の効率化が必須となってきます。他にも越境対応を実現するためにもゼロからバックヤード業務の見直しを行う必要があるでしょう。

さらに競争が激化する背景に、高い成長率に目をつけてメーカー企業が本格的にECに参入を始めます。これまで自社サイトでECを行うケースはあったものの楽天やヤフーショッピングに自ら出店するというケースは少なかったのですが、2017年はこれまでの商習慣を乗り越えてECに積極的に乗り出すことが予想されています。メーカーが豊富な資金と粗利率の高さから、初年度から積極的に販促費用を投下して一気にシェアを伸ばすことも考えられます。また、兼ねてより注目の集まっていた越境ECも検討の段階から遂に本格的に投資を行う企業が増える見込みです。特に中国のEC市場では越境のみならず圧倒的な市場規模を誇る中国国内ECにも現地法人によってEC売上の拡大を狙う動きも活発化する見込みです。

ECトレンドjindon

いかがでしょうか、実際に寄せられたお問い合わせを元にした業界予測であるため、2017年のECにおけるキーワードとなることは間違いありません。ぜひこの一年を戦う上で参考にしてみて下さい。

株式会社いつも.

Eコマースビジネス支援に特化し、成功に必要なコンサルティング、集客、構築・制作、販売、CRM、物流、カスタマー対応までを一社完結で提供。

現在、国内最大規模となる7700社以上の企業(2016年6月時点)とサポート実績があります。約4年前から米国Eコマースの成功事例や情報を研究する専門部署(EC未来研究所)を設け、情報収集と発信を実施。そこから日本流のスマートフォン、ソーシャル、O2O、フルフィルメント、CRMなどのコンサルティングも提供している。

株式会社いつも.

アフィリエイター向けのイベントって何をするの? 何をゴールにすればいいの? | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座

8 years 10ヶ月 ago

アフィリエイト広告の取り組みはオンラインだけではありません。ASPが主催する展示会形式や、広告主が企画する自社セミナー&体験会のように、広告主とアフィリエイターが直接交流できるアフィリエイター向けイベントが全国で開催されています。イベントでどのような取り組みが行われているのかご紹介します。

イベントでできることとは?

アフィリエイター向けイベントでは、主に①商品説明②商品体験③商品撮影④アフィリエイターとの交流という、4つの取り組みを行います。

①商品説明 ②商品体験 ③商品撮影 ④アフィリエイターとの交流
アフィリエイター向けのイベントでできることは、①商品説明、②商品体験、③商品撮影、④アフィリエイターとの交流……の4つ

①商品説明

自社の商品ページで伝えきれない商品の良さや活用法を、セミナーや対面で直接アフィリエイターに伝えます。自社開催セミナー形式イベントでは、パワーポイントなどを用いてより詳細な情報を提供しています。

ショップの歴史や商品の特徴だけでなく、サイトに訪れるユーザーの属性(年齢や家族構成など)、購入単価、どの時間帯に購入が多いか……などなど、ショップサイト上で公開していない、販売や成果につながりやすい情報が喜ばれます

株式会社レッドビジョンの自社開催セミナーイベントの様子

②商品体験

アフィリエイターに商品を直接自由に見て、触って、使ってもらい、その体験を紹介記事にしてもらう取り組みです。

通常、ネットショップの商品は手にとって試すことができませんが、アフィリエイトイベントでは基本的に「自由に商品を使って試せる」場を用意しています。広告主スタッフが商品説明をすることで、より商品理解を深めてもらいます。

見たことも使ったこともない商品を紹介するよりも、実際に体験することで、アフィリエイター自身に商品の価値を実感してもらえます。

ショップジャパンのイベントの様子

「体験者の声」は、購入を検討している見込み客にとって有益な情報です。

例えば「写真で見るより生地が柔らく温かい」「思った以上に高級感のある黒だった」「150cmの自分には少し大きかった」「女性でも持ち運びができる重さだった」といった、ショップの画像やテキストに含まれない生の声を掲載してもらえます

ただバナーを貼っただけの紹介記事より、体験レビューを掲載したサイトからの紹介を増やすことで、「キャンセルが減った」という広告主もいます。

株式会社ディープインパクトのイベントの様子

当日の体験だけではなく、イベント参加者に試供品をプレゼントとして配布できれば、自宅でも体験してもらえます

※ただし、試供品やサンプル提供については「無条件に配布しない」「レビューを書くと約束してくれたアフィリエイターにだけ提供する」など、一定のルールを持って配布することをお勧めします。特に大型の展示会形式イベントでは、単にサンプル品が欲しいだけの来場者も一定数いるからです。

③商品撮影

商品を展示し、デジタルカメラやスマートフォンで、アフィリエイターに自由に撮影してもらいます。

写真は商品を伝えるための重要な要素です。アフィリエイターは通常、広告主が提供するバナーやテキストなどの広告素材しか利用できませんが、イベントで撮影した写真や動画は、自身が商品紹介に利用する限りは自由に使えます。商品の特徴や利用シーンを、写真を活用して紹介しているアフィリエイターから特に人気です。

株式会社ディープインパクトの自社開催イベントの様子

服飾品の場合は商品を身に付けた「着画」が人気のため、スタッフが商品を着用していれば素材として好まれます。企業の顔として積極的に顔出ししているアフィリエイト担当者もいるため、注意がなければそのまま公開されます。

担当者の中には「顔出ししたくないのに……」という方もいるかと思いますが、その場合は「人物が写った写真は、顔は加工して利用してください」というように、その場で一言添えると良いでしょう。

スタッフだけではなく、アフィリエイター同士の撮影にも配慮が必要です。副業で取り組んでいて、顔出しは厳禁としているアフィリエイターも多いので、広告主側で注意を促すなど配慮をしましょう。

株式会社ディープインパクトの自社開催イベントの様子

④アフィリエイターとの交流

オンラインの取り組みが中心のネットショップにとって、エンドユーザーに近い立場のアフィリエイターと接点を持つことは、「やり取りが煩雑になる」「どんな問い合わせが入るかわらない」といった理由で躊躇する広告主もいますが、実はアフィリエイトでは、アフィリエイターと対面することで信頼が生まれ、優良な紹介に結びつくことが多いのです。

株式会社レッドビジョンのイベントの様子

アフィリエイターにとって、リアルイベントは実際に商品を使って試せるだけではなく、直接ネットショップ担当者に質問できる貴重な機会です。

アフィリエイトは多くの広告主が利用しており、有力なアフィリエイターは引く手あまたです。自身のアフィリエイトサイトに親和性の高い商品を自ら選んで掲載していますが、似た商材で優劣付けがたい場合は、「担当者と懇意にしているから」といった理由で紹介する場合が多々あります。

イベントの目標は「優良な紹介記事を増やすこと」

ASPが企画する展示会形式のイベントでも、自社開催セミナー&体験会イベントでも、目先の売り上げだけを目標に動いてしまいがちです。ですが、まずはアフィリエイターに自社の商品に興味を持ってもらい、長く活動してもらうためのリレーションを作ることが重要です。

でも、それだけだとなかなか社内で企画を通すことが難しいと思いますので、「良質な紹介記事を増やす」ことを、イベントの目標にすることをおすすめします。

掲載例①「あやぴいんふぉ」
掲載例②「キャリアアップ・ファッション戦略」
掲載例③「35-45WOMAN」

アフィリエイターは、成果につながってはじめて報酬を受け取れます。単にバナーを掲載しただけでは送客に結びつきにくいので、商品を撮影できて、広告主と直接コミュニケーションがとれるイベントは、アフィリエイターにとっても貴重な機会です。

良質な記事からは送客も生まれやすいと予想できます。1記事でも多く掲載してもらえるように、イベント前後に積極的にアフィリエイターに働きかけていきましょう。

ですが、前回お伝えしたように自社開催のイベント&体験会は、数多く開催されています。

テレビなどで話題になったようなメジャーで掲載するだけで売れるような、アフィリエイターにとって紹介しやすい・売りやすい商品であれば自主的に参加したいというアフィリエイターを集めることも可能ですが、多くの広告主はイベント集客に苦戦をしています。

来場者限定で報酬アップキャンペーンを用意する、可能なら試供品などを渡す、遠方の有力アフィリエイターに参加してもらうため交通費を負担する……といったことを検討する場合もあります。

◇◇◇

商品やサービスにより大型の展示会形式が適しているのか、個別にメールをした方が良いのか、投下するリソースの使い分けは必要ですが、ASP主催の大型イベントが近いうちにあれば、まずは一度、アフィリエイターとしてエントリーしてみる事をおすすめします。

熱心に活動するアフィリエイターから多くの刺激をもらえるだけではなく、アフィリエイターとして参加することで、他の広告主がどのような情報提供をして、アフィリエイターとどのようなコミュニケーションをとっているのか学べます。

アフィリエイターに「参加したい!」と思ってもらえる企画するためには、当日だけではなく、事前・事後に多くの準備が必要になります。開催時期を含め、じっくり検討するとよいでしょう。

次回は、イベント効果を高めるための準備についてお伝えします。

鈴木 珠世

鈴木 珠世

コミュニケーション・マーケティング コンサルタント

2004年よりギフトメーカーのWebショップ担当を経験。「モノを売る楽しさ」「アフィリエイトの楽しさに目覚め、2008年よりファンコミュニケーションズ、そしてリンクシェア・ジャパンにて、ネットショップ運営者やアフィリエイトサイト運営者に向けた教育・啓蒙活動に従事。その後、売れるネット広告社にて新規媒体営業と通販事業者向けのコンサルティングを行う。

日本アフィリエイト協議会による、アフィリエイト業界関係者が選ぶ「アフィリエイト業界MostValuable Player(MVP)」2012、2013、2014の3年連続の受賞など、受賞歴も多い。共著にて「成功するネットショップ 集客と運営の教科書」を出版。

現在フリーにて、ネットショップ(通販企業)向けのコンサルティングを開始。

鈴木 珠世

通販あるある(?)が話題に【今週のネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

8 years 10ヶ月 ago

忙しすぎてお疲れであろう、ネットショップ担当者の皆さまに贈る新企画「ちょっとブレイク」のコーナーが人気でした。こんな感じの小ネタをお持ちの方、よろしかったら教えてください。

  1. 「志布志市志布志町志布志」……ある日、こんな配送先情報が入った注文がありました。

    tweet31このエントリーをはてなブックマークに追加

    配送先は「鹿児島県志布志市志布志町志布志×××」。これって間違い注文? 入力間違い?

    2017/2/8
  2. 1配送350円のサービスを「Yahoo!ショッピング」店限定で提供、エコ配との連携で実現

    tweet12このエントリーをはてなブックマークに追加

    ヤフー傘下のアスクルは2015年、エコ配の株式を取得し、株式の所有割合を68.48%として子会社化していた

    2017/2/6
  3. アマゾン中国の最新情報+中国の越境EC利用者の消費トレンドと特徴まとめ【2017年】

    tweet14このエントリーをはてなブックマークに追加

    越境ECサービスの送料も無料になる中国アマゾンのプライムサービスがスタートしたことで、海外から購入する中国のアマゾンユーザーが拡大

    2017/2/6
  4. 「タカラトミーモール」が3年連続で200%成長している4つの要因

    タカラトミーでEC事業を統括する黒木健一氏と、システムで同社を支えるecbeingの林雅也社長が対談

    2017/2/8
  5. ネット通販の不満は何ですか? 「送料が高い」「セキュリティに不安がある」が上位

    送料の高さとセキュリティ面の不安は男女ともに共通の不満点

    2017/2/3
  6. 【お詫び】「通販通信」からの情報ならびに構成の剽窃に伴う記事削除について

    ネットショップ担当者フォーラムで1月26日に公開した記事について、通販通信編集部様、読者の皆さまへのお詫びです。

    2017/2/3
  7. 千趣会、物流費の改善などで53億円の赤字から14億円の黒字に転換(2016年12月期)

    売上高は衣料品販売の低迷などにより前期比3.9%減の1290億7400万円に

    2017/2/3
  8. 楽天の新広告「楽天クーポンアドバンス広告」がお得な理由

    楽天のクーポンアドバンス広告が1月25日からスタートしています。管理画面で設定する広告はすぐには使われない傾向があるため、実装間もなく開始すれば先行者メリットを得られる可能性が高くオススメです!

    2017/2/6
  9. ロコンドが7期目で初の最終黒字へ。そして、東証マザーズに3/7上場が決定

    1660円とされた想定発行価格ベースでの調達資金は約30億で、時価総額は85億8200万円

    2017/2/3
  10. アマゾンだけで米国EC市場のシェア43%、止まらない成長の理由

    全米オンライン売上に占めるアマゾン経由の売上高の割合は、2012年が25.4%、2015年は33%。米国EC市場のamazon化が進む

    2017/2/9

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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優秀なECサイトを選ぶ「全国ネットショップグランプリ」募集期限が迫る【2/13まで】

8 years 10ヶ月 ago

一般社団法人イーコマース事業協会主催の「第9回 全国ネットショップグランプリ」のノミネートサイトの募集期限が迫っている。

「全国ネットショップグランプリ」は、ECサイトを半年以上運営しているECサイト運営企業を対象に表彰するアワード。話題性やデザイン性、専門性、社会貢献など多様な観点からECサイトを評価するもの。

自薦のほか他薦による応募を受け付けている。対象はネットショップを運営する全国の事業者。応募期間は2017年2月13日まで。

4月8日に開催する「イーコーマス事業協会 15周年記念イベント」内の「ネットショップグランプリ授賞式」にて選出されたネットショップを表彰する。

審査で主に着目するのは「アイデアのユニークさ、目新しさ」「一般の顧客ユーザー(利用者)への情報提供の適切さ」「サイトのデザイン性の高さ」「操作性、動作確認」。審査員はイーコマース事業協会理事長など専門家が採点する。

一般社団法人イーコマース事業協会主催の「第9回 全国ネットショップグランプリ」

開催概要などは次の通り。

表彰の種類と数

  • グランプリ → 1店舗
  • 準グランプリ → 2店舗
  • 特別賞(大阪府知事賞) → 1店舗(計画中)
  • 特別賞(中小機構 理事長賞) → 1店舗(計画中)

応募対象・応募条件

  • 応募時点で6か月以上ネットショップを運営していること
  • 成人向けコンテンツが含まれていないこと
  • 差別的内容や著しい偏見的表現、事実に著しく反する内容の記載がされていない店舗であること
  • 公序良俗に反しない店舗であること
  • 店舗内に使用している画像テクスチャ、動画、音楽などの素材が、他社(者)の著作権を侵害していないものであること
  • 特定商取引法に基づく表記が記載されていること

詳細と応募はこちらhttp://www.ebs-net.or.jp/grandprix/

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

LINE@認証済みアカウントの審査通過! スタートガイドの設定方法と注意点 | ある日突然、上司に「LINE@やって」と言われました。

8 years 10ヶ月 ago

前回までのあらすじ……ある日突然LINE担当になってしましまった私。とりあえずLINE BUSINESS CENTERで「プロフィール情報」、「会社/事業者情報」、「LINE@アカウント」の3つを登録。

次に「LINE@ 認証済みアカウント」にならないと、LINE内の検索結果に出ないということで、必要事項を入力して審査の申し込みをしたのでした。

認証済みアカウントの審査完了

審査の申し込みから8日後、「審査結果のご連絡」というメールが届き、ネッ担のアカウントは晴れて「認証済みアカウント」となりました。

さっそく管理画面にログインしてみると、「かんたんスタートガイド」が表示されています。

LINEビジネスの管理画面の「かんたんスタートガイド」

今回はこのガイドに沿って、もろもろ設定していきたいと思います!

①「プロフィール写真」&「ステータスメッセージ」

LINEビジネス基本設定画面

・公開設定

ここを「公開」にするとネッ担のアカウントが世界に公開されてしまいます。まだまだ「非公開」で。

・アカウントページメニュー

「アカウントページメニュー」では、トーク画面の下にどのプラグインを表示させるかを設定します。

プラグインには下記のようにいろんな種類があります。

プラグイン表示設定……ショップカード、商品、メニュー/アイテム、アクセス、経歴、ディスコグラフィー、求人情報、広告、クーポン、タイムライン、写真、基本情報、アカウント紹介、おすすめアカウント

アカウントページメニューを設定すると、例えばこんな風に使用できます。

プラグイン表示例
プラグインの例

無料プランでは「広告」と「おすすめアカウント」はオフにできないようです。ネッ担の場合はお店じゃないので「基本情報」だけで良いかな……って、チェックを入れようとしたら、

設定をオンにするためには基本設定に情報を入力する必要があります。基本情報を入力しますか?

こう言われたので、ここは後で設定しましょう。

・1:1トークモード

「ONにすると友だちと直接メッセージのやり取りを行うことができます。OFFにすると自動応答モードに切り替わります」とあります。そんなにがっつりコミュニケーションできる自信がないので「無効」で。

・プロフィール写真

「LINE@アカウント」の登録で使ったアイコンを入れます。使用できるのは150ピクセル×1500ピクセル以上で、10MB以下のPNGファイルだそうです。

・ステータスメッセージ

ステータスメッセージ表示例

公式アカウント一覧の画面や、検索結果に表示されるテキストです。ここで使えるのは20文字。あれこれ検討してみましたが、とりあえず「EC業界の動向やノウハウを知りたい人必読」(20文字)にしてみます。ホントに必読のアカウントにできるんでしょうか。私、がんばれ〜!

・プロフィール

ここではホーム画面に掲載されるカバー画像を設定します。

他にも、

  • カバー画像を変更したことをタイムラインに設定するかどうか
  • 「いいね」やコメントを受け付けるか(両方受け付ける、「いいね」だけを受け付ける、両方受け付けない、を選べます)
  • スタンプコメント(スタンプだけで文字のないコメント)は自動承認にするかどうか(コメント自体は承認制と決まっています)

などを設定します。

ホーム画面の表示設定画面

カバー画像に当ネットショップ担当者フォーラムがカバーする、ECに関わるさまざまな要素を入れ込んでみましたが伝わるでしょうか? 伝わらないかもしれませんね、いいんですいいんです……。

ちなみにカバー画像の推奨サイズは1,080ピクセル×878ピクセル、容量は3MB似内だそうです。

ネッ担編集部 内山ところで小林さん、カバー画像ってプレビューできないんですか?

LINE 小林LINE@MANAGERでは画像のプレビューができません。LINE@アプリで設定を行えば、画像のトリミングとフィルタ効果の追加ができますよ。

ネッ担編集部 内山へー、LINE@のアプリもあるんですね!

ネッ担編集部 内山えーーっと(アプリをインストールして起動してみる)。……うん。アプリの操作はまた改めて教えてください。

LINE 小林はい。

④友だち追加されたときの「最初のメッセージ」

友だち追加をしてくれた時に、自動送信されるメッセージを設定します。テキスト以外に画像やクーポンなども送信できます。

友だち追加時の挨拶を設定する画面

さて、どんなメッセージにしましょうか? 

初期設定では「友だち登録ありがとうございます(happy)  通知が多いと感じた方は、この画面内のトーク設定より「通知」をOFFにしてみてくださいね(ok)」というメッセージが入っています。

画面下の「プレビュー」をクリックすると、どんな絵文字かわかります。

友だち追加メッセージの例

ネッ担編集部 内山このままでもいいけど、ちょっと変えたいかな。絵文字を確認しながらメッセージを作る方法はないですか?

LINE 小林テキスト入力フォームの左下の「絵文字」ボタンを押してください。絵文字が出てくるので、入れたい絵文字をクリックしてください。

絵文字パレット

ネッ担編集部 内山あ、出てきた。猫の絵文字もある。じゃあ猫だらけにしちゃおう。

友だち追加メッセージ

②「カバー写真」の設定

これは①の「プロフィール」で設定しましたね。

③アカウントを「公開」しよう

ん? これも①の画面に戻るの? これでホントに公開しちゃって良いの? いやいやいや、まだやること決めてないです。ってか、もろもろ設定が終わってから、最後に公開しようと思いません?

⑤アカウントの「紹介ページ」を充実させよう

んんん? 今まで設定したことの説明が今さらここで登場?!

ネッ担編集部 内山小林さん! なんか順番変じゃないですか? って、よく見たらこの「かんたんスタートガイド」、番号の並び方が自由すぎますよ!

かんたんスタートガイド

①→④→②→③→⑤の順番で作業しちゃったじゃないですかーー! 普通、二段組みになってたら、そういう順番だと思っちゃいますよー。

LINE 小林すみません! 修正します。

LINE 藤原はい。すぐ反映させてね〜。

◇◇◇

ということでなんとかすべての設定を終え、アカウントを公開しました! ……ってあれ? 公開して何をやるんでしたっけ? ま、次回考えるとしましょう。

内山美枝子

内山 美枝子

ネットショップ担当者フォーラム編集部
内山 美枝子

アマゾンだけで米国EC市場のシェア43%、止まらない成長の理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

8 years 10ヶ月 ago

消費者が受け取ったオンライン注文の電子メールを分析するSlice Intelligence社が新たに発表した調査結果によると、アメリカのオンライン小売業の成長率の半分以上はアマゾンが占めるそうです。

アマゾンは米国EC市場の成長率シェアでは53%を占める

アマゾンはオンライン小売業界でシェアを拡大し続けています。業界が注目しているアマゾンの収益報告発表(編集部追記:現地時間の2月2日に決算を発表)。その前に公表された新たな分析結果によると、2016年のアメリカにおけるオンライン購買の43%は、アマゾンのサイト内で行われたそうです(アマゾンが注文処理を行うマーケットプレイスも含まれます)。さらに、2016年の全米のEC成長率の半分以上はアマゾンが占めています。

アマゾンだけで米国EC市場のシェアを43%も獲得している。止まらない成長の理由① 2016年米国EC市場における成長率におけるアマゾンの割合
2016年EC市場の成長率のシェアで、アマゾンは半分以上を占める(53%)
黒:その他 オレンジ:アマゾン
出典:Slice Intelligence

これは、Slice Intelligence社がEC利用者440万人以上の電子メールを分析した結果です。

他の数字を例にし、詳しく見てみましょう。アメリカ商務省のデータをインターネットリテイラー社が分析した結果、アマゾンが自社で販売した製品、およびアマゾンのマーケットプレイスで販売された製品を合計すると、2015年のアマゾン経由の売上高は全米オンライン売上の33%を占めていました

その数字は2012年の25.4%から上昇しています。アマゾンは、インターネットリテイラー社発行の「全米EC事業 トップ500社2016年版」で第1位にランクインしています。

アマゾンだけで米国EC市場のシェアを43%も獲得している。止まらない成長の理由 2016年米国EC市場における成長率におけるアマゾンの割合②
市場シェアを伸ばし続けるアマゾン
アマゾンが所有するサイトで販売されたオンライン売上の比率
黒:その他 オレンジ:アマゾン
出典:インターネットリテイラー、ChannelAdvisor、Slice Intelligence、アメリカ商務省
※市場シェアにはアマゾンが自社で販売した製品および、同社のマーケットプレイスで販売された製品が含まれる

Slice Intelligence社の分析が正しければ、アマゾンは1年間で市場シェアを1000ベーシスポイント(編集部追記:0.01%=1ベーシスポイント。1000ベーシスポイントは10%の意味)伸ばしました。これは他に類を見ない成長です。

小売業界で40%以上の市場シェアを持つ会社はほとんどありません。たとえば、世界最大の収益を誇る小売業者で、アマゾンの最大の競合でもあるウォルマートでさえ、アメリカの小売売上における市場シェアは9%強です。この数字には、オンラインで購入しにくい車や燃料などの売り上げは除外されています。ウォルマートは、「全米EC事業 トップ500社2016年版」で第4位にランクインしています。

アマゾンだけで米国EC市場のシェアを43%も獲得している。止まらない成長の理由 アメリカの小売市場におけるウォルマートのシェア(車、燃料、レストランを除くウォルマートの売上シェア)③
アメリカの小売市場におけるウォルマートのシェア(車、燃料、レストランを除くウォルマートの売上シェア)
出典:ウォルマート発表のレポートとアメリカ商務省のデータをもとに行ったインターネットリテイラー社の分析

Slice Intelligence社の調査によると、アマゾンは主に電化製品、ホーム、アパレルのカテゴリーで成長しています。首席アナリストであるケン・カッサー氏は、次のように分析します。

アマゾンの成長には、電化製品が大きく寄与しています。また、「Amazon Echo(アマゾン・エコー)」関連製品の成功も理由の1つです。興味深いのは、ホームやアパレル、食品、健康、美容といった小さなカテゴリーが、アマゾンの売上増に貢献していることです。消費財のカテゴリーが、アマゾン拡大の大きな要因になっています。

アマゾンだけで米国EC市場のシェアを43%も獲得している。2016年の売り上げ成長率(電化製品、ホーム、アパレルの伸びに牽引されるアマゾンの成長)④
2016年の売り上げ成長率(電化製品、ホーム、アパレルの伸びに牽引されるアマゾンの成長)
出典:Slice Intelligence

「Amazon Echo」は、アマゾンのデジタルアシスト機能「Alexa」を搭載した声に反応して動くデバイスです。「Amazon Echo」を使い、アマゾンでオーダーすることも、ウェブ検索することも可能です。

質問に答えてくれたり、音楽をかけてくれるなど、さまざまなことに対応してくれます。リサーチ会社CIRP社のデータによると、アメリカでは820万人の消費者が声で動くデジタルアシストデバイスを所有しています。その数は2016年の300万人から173%も伸びています。

4000万点もの商品が対象となっている2日以内の無料配送サービス、映画やテレビを無料で見られるプライム・ビデオ、複数の都市で展開されている同日配送サービスなどを、年間99ドルの費用で利用できるプライム会員プロラムがけん引し、アマゾンはアメリカ国内で着実に顧客を増やしています。

2016年10月のCIRP社の発表では、9月30日の時点でアメリカのプライム会員数は6500万人でした。

インターネットリテイラー社が、2016年12月に515人のアメリカ在住の成人を対象に行った調査によると、52.2%がオンラインで買い物をする際、まずはアマゾンで商品をチェックすると回答。グーブルは2番目で、38.8%という結果でした。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

サンリオのECサイト、LINE通じた電子チケット発券で新たなコミュニケーションを実現

8 years 10ヶ月 ago

サンリオは2月中にも、公式ECサイト「サンリオオンラインショップ」でサンリオピューロランドの入場チケットを購入できるようにし、購入顧客にLINE公式アカウントから電子チケットを発券する取り組みを始める。

ECサイト経由の電子チケット販売によって、管理・郵送コストの観点から販売が難しかったチケットのネット販売を実現する。

従来の入場チケットに関する販売手法は、サンリオピューロランドの窓口、「各種コンビニ」「旅行代理店」「チケットぴあ」など。ECサイトはグッズ販売を手がけている。

「サンリオオンラインショップ」でチケットを購入すると、ハローキティからお礼メッセージが届くようにする。入館後に館内案内やグッズ紹介を行うなど、電子チケットを起点としたサンリオピューロランド内外でのコミュニケーションを実現するという。

LINEを通じたコミュニケーションを行うことで、利便性の向上、チケット購入を起点とした自社ファンとの関係性強化などが期待できる。入場前後、施設内外でのコンテンツ配信で、新しい顧客体験を提供する。

トランスコスモスの統合型ECプラットフォーム「transcosmos eCommerce HUB」などを活用し、公式ECサイト「サンリオオンラインショップ」でサンリオピューロランドの電子チケットを購入した消費者に、LINE公式アカウントから電子チケットを発券する取り組み

サービス提供のイメージ

今回の仕組みは、トランスコスモスが構築した、LINEのチャットボット・電子チケット・ECを連携させたエンターテイメント・イベント向けコミュニケーションプラットフォームを活用する。

トランスコスモスの統合型ECプラットフォーム「transcosmos eCommerce HUB」と、子会社のLeonis & Co.(レオニス)が販売する電子チケット発券システム「Quick Ticket」のLINE受け取り機能を連携。ECサイト上での電子チケット販売から、LINE経由のチケット発券までを可能にした。

トランスコスモスは、日本で独占販売するbot構築・運用管理プラットフォーム「Reply.ai」、チャット運用オペレーターによる有人対応を組み合わた仕組みも提供。

サンリオは電子チケットの購入・発券、コンテンツ配信、入場前後のコミュニケーションまでをワンストップで提供できるようになる。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

ネット通販の利用世帯が初の3割超え。ECでの1か月の平均支出額は8502円[2016年]

8 years 10ヶ月 ago

総務省が2015年から始めたネットショッピングによる家計の消費実態把握調査。2月7日に公表した2016年12月分速報値で、インターネットを利用した支出額の2016年平均値(速報ベース)などが明らかになった。

ネットショッピングの利用世帯(2人以上の世帯)の割合は2016年12月に31.6%まで拡大(前年同月比3.0ポイント上昇)。月次ベースで初めて30%を超えた。なお、2015年調査では平均27.6%となっている。

ネットショッピングの利用世帯の割合の推移 総務省が2015年から始めたネットショッピングによる家計の消費実態把握調査2016年版

ネットショッピングの利用世帯の割合の推移(出典は総務省の家計消費状況調査)

2人以上の世帯におけるネットショッピングでの1か月間の平均支出額(2016年平均の速報ベース)は8502円となり、前回調査から141円下がった。ジャンルごとの支出額平均は次の表通り。

2人以上の世帯におけるネットショッピングでの1か月間の平均支支出額(2016年平均の速報ベース) 総務省が2015年から始めたネットショッピングによる家計の消費実態把握調査

インターネットを利用した支出額の速報ベース(2人以上の世帯。出典は総務省の家計消費状況調査)

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

「志布志市志布志町志布志」……ある日、こんな配送先情報が入った注文がありました。 | 忙しすぎて疲れているあなた。ちょっとしたECの小ネタでブレイクタイム

8 years 10ヶ月 ago

スマートフォングッズなどのネット通販、EC管理システムの提供などを手がけるHameeの副社長などを歴任した小俣勇次さんが運営するジュエリーのECサイト「トマトサラダ」で2016年、小俣氏が首をかしげるようなある注文が入りました。

小俣さんはネット通販ビジネスに約20年近く携わる“ベテランネットショッパー”。そのECのベテランである小俣さんが注文データを見て首をかしげたのは、配送先の住所でした。

「志布志市志布志町志布志」……ある日、こんな配送先データの注文が入りました。
「志布志市志布志町志布志?????」

これは間違いではないのか?

こう思った小俣さんは、早速Googleで地名を検索。すると、「鹿児島県志布志市志布志町志布志」は実在したのです。

小俣さんはこう言います。

長い事、通販をやってきましたが、この地名の記憶はありませんでした。これが縁で、志布志市にふるさと納税をしました。いただいたのはウナギ。ふるさと納税好きになっています。

「志布志市志布志町志布志」……ある日、こんな配送先データの注文が入りました。
志布志市へのふるさと納税の返礼品は「ウナギ」

小俣さんは家電量販店のノジマの取締役DB室長として、1999年に「楽天市場」で家電のECサイト「でじこん!」(現在はノジマオンライン」を開設。2000年に「楽天市場」初の月商1億円を達成しました。

2001年に「でじこん!」運営会社のイーネット・ジャパン(2008年にノジマに吸収合併)代表取締役に就任。その後、楽天に入社し、ECコンサルタントとして活躍。2003年にStrapya.com(現在はHamee)へ入社、取締役副社長を務め、2015年に退任。現在は「トマトサラダ」を運営するMSJの社長として、通販・ECを手がけています。

18年間も通販・ECに携わりながら、「鹿児島県志布志市志布志町志布志」への商品配送は初めてのことだったと言います。

ちなみに、全国にはユニークな地名がたくさんあるようです。

  • 福島県福島市飯坂町湯野鼻毛
  • 徳島県三好市池田町サラダ
  • 大分県津久見市セメント町
  • 宮崎県児湯郡川南町平田トロントロン
  • 京都市伏見区桃山町永井久太郎
  • 群馬県太田市スバル町
  • 山形県酒田市こあら
  • 栃木県下都賀郡壬生町おもちゃのまち
  • 山形県鶴岡市大宝寺日本国
  • 福島県東白川郡鮫川村大字赤坂中野字新宿
  • 福島県郡山市湖南町舟津日本一
  • 愛知県春日井市菅大臣町
  • 群馬県前橋市鼻毛石町

などなど。送り先がめずらしい地名だと、目検をしている場合では「これは入力間違いか?」「不正注文か?」と思ってしまう可能性もありますよね。

今回はこんな「通販あるある(?)」のお話でした。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

「タカラトミーモール」が3年連続で200%成長している4つの要因

8 years 10ヶ月 ago

タカラトミーが運営する直販サイト「タカラトミーモール」が急成長している。独自のWebマーケティングで顧客を拡大。ECサイトのリニューアル効果も相まって売上高は3年連続で前年比200%を達成した。「タカラトミーモール」の成長の要因をテーマに、EC事業を統括する黒木健一室長(次世代マーケティング室)と、ECシステムを提供しているecbeingの林雅也社長がトークセッションを行った。 写真◎Lab

タカラトミーのECが伸びた4つの要因

タカラトミーのECサイト「タカラトミーモール」はトミカ、リカちゃん、プラレール、人生ゲームといった店頭販売品を扱っているほか、オンラインショップ限定商品も販売している。店頭販売のタカラトミーがECに注力するのはなぜか?

その理由について、黒木室長は「ECを通じてマーケティングを行い、そのデータを商品開発に生かしている」と説明する。

タカラトミーの販路は店頭販売が中心。オンラインショップで直販を行うのは、エンドユーザーのニーズを吸い上げ、購買データやアンケート結果を商品開発に生かすためという。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由①
「タカラトミーモール」は店頭販売商品の他、オンラインショップ限定商品も販売している

【タカラトミーモールの特徴】

  • 顧客の性別は男女半々
  • 顧客の年齢は30~40代が中心
  • 集客数の伸びに比例して売上高が伸びている
  • スマホ比率が上昇
3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由②
ECサイトの訪問者数の増加に比例して売り上げも伸びている

ウェブ限定商品やバイラル動画が急成長に寄与

ecbeingの林雅也社長は、「タカラトミーモール」の売り上げが伸びている要因を黒木室長に質問。黒木室長は「通販限定商品のヒット」「動画生放送を通じたテレビショッピング」「バイラルムービーの活用」などをあげ、これらの取り組みにを具体的に解説した。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由③ タカラトミー 次世代マーケティング室・室長 黒木健一氏
タカラトミー 次世代マーケティング室・室長 黒木健一氏

成長の要因1 通販限定商品で集客

「タカラトミーモール」では、通販限定商品が集客の核になっている。「トランスフォーマー」「エバンゲリオン」などのキャラクターグッズのほか、高級車「フォルクス・ワーゲン」とコラボレーションしたトミカなども商品化。「タカラトミーモールでしか買えない商品を作ることで、通販サイトの集客を増やしている」(黒木室長)と言う。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由④
オンラインショップ限定商品が集客の核になっている

林社長は、通販限定商品の在庫リスクについて黒木氏に質問。これに対して黒木氏は、「通販限定商品は事前予約による受注生産方式のため、在庫リスクはない」と回答した。

予約から商品が届くまで時間がかかるものの、「熱心なお客様が購入する趣味用品という特性上、納期の長さは売り上げの阻害要因にはなりにくい」(黒木室長)ことも強みになっている。

成長の要因2 「ニコ生」で動画ショッピング

タカラトミーは動画配信サービス「ニコニコ生放送(ニコ生)」を活用した動画ショッピングにも取り組んできた。巨大なプリンを作る製品「ギガプリン」の実演を行うなど、自社の製品を生かしたユニークな企画を実施。動画に「タカラトミーモール」のURLを貼り付けて視聴者を誘導している。

動画配信の開始当初の視聴者数は数十人にとどまっていたが、毎週木曜日に生配信を繰り返すうちに、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で話題を集め、当時、数千人が視聴する人気番組になった。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由⑥ 動画配信サービス「ニコニコ生放送(ニコ生)」を活用
毎週木曜日に生配信を行っている

「ニコ生」を活用した成功事例の1つは、タカラトミーの新入社員が新商品の企画から商品化に取り組む様子を、ドキュメンタリーのように生配信した企画。

Web漫画家へのキャラクターライセンス提供の依頼から始まり、商品の具体的なアイデアについて視聴者からアンケートを取りながら商品化を進めるなど、「ニコ生」ならではの取り組みを実施した。

この企画がTwitterなどで拡散された結果、新商品を発売した際の生配信中に数千件の予約注文が寄せられるなど、成功を収めた。黒木室長は「ニコ生」を使うメリットについて次のように感想を述べた。

生配信はリアルタイムで視聴者にアンケートを実施できるなど、消費者と一緒に商品開発に取り組めることがメリットだと感じている。(黒木室長)

成長の要因3 バイラル動画の再生が1200万回

Webプロモーションの一環として、バイラルムービーの制作にも取り組んでいる。再生回数が100万回を超えるヒット動画を数多く生み出しており、中でも最大のヒット作はボードゲーム「人生ゲーム」をPRする動画だ。

空港の手荷物用のベルトコンベアーを人生ゲームのマス目に見立て、乗客が荷物を取り上げると、そのマス目に書かれたイベントが実際に発生するというドッキリ風の企画。内容のユニークさと、最後に視聴者を感動させるシナリオが人気を呼び、SNSで爆発的に拡散された。

再生回数は2016年1月の公開から2週間で1000万回を突破、10月末時点で累計1200万回を超えている。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由⑥ 「人生ゲーム」をPRするバイラル動画を制作。FacebookやTwitterなどで拡散され再生回数は1200万回を超えた
「人生ゲーム」をPRするバイラル動画を制作。FacebookやTwitterなどで拡散され再生回数は1200万回を超えた

動画を公開したことで「人生ゲーム」の売上拡大にも貢献。さらに、全日本シーエム放送連盟が主催する広告賞に入賞するなど、内容は高く評価された。動画制作を専門会社に依頼したため、制作費はかかったものの、「再生回数あたりの単価は非常に安く抑えられた」(黒木室長)と総括している。

タカラトミーのバイラル動画の成功について、ecbeingの林社長は、「バイラルムービーを使ってECの売り上げを伸ばした例は、まだ少ないが、当たれば効果は大きいと驚いた」と感想を述べた。

動物のいるカフェで企画会議することも

タカラトミーは、こうしたマーケティングのアイデアを生み出すため、月1回の頻度で社外のカフェで企画会議を行っている。リラックスした雰囲気の中で社員が自由闊達に意見を出し合えるよう、会場は動物がいるカフェなど、毎回異なる場所を使っているという。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由⑦

サイトリニューアルでCVR16%アップ

なお、「タカラトミーモール」は2013年秋にECの基盤システムをECパッケージ「ecbeing」に変更した。「ecbeing」は業種や業態を問わず、さまざまなECサイトを構築できる総合ソリューションパッケージだ。

ECを主軸としたデジタルマーケティングシステムをワンストップで構築できる総合力に定評があり、「赤ちゃん本舗」「ABCマート」「伊藤園」「HIS」「カルビー」「日本航空」「浦和レッドダイヤモンズ」など、900サイト以上に採用されている。

「タカラトミーモール」は2016年秋にサイトのリニューアルを実施。サイト内検索機能を強化したほか、サイト内の導線を見直すなど、「サイトを見やすく、使いやすくした」(黒木室長)。リニューアルの結果、ユーザーの直帰率は4%低下し、コンバージョン率は16%改善した。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由⑧ 「タカラトミーモール」は2016年秋にサイトのリニューアルを実施
検索機能やサイト内の導線を見直し、サイトを見やすく、使いやすくした

林社長は「タカラトミーモール」のコンバージョン率などが大きく改善した要因について、「タカラトミーモール」にecbeingを導入した2013年と比べてスマホ比率の上昇などの外部環境が変化していると説明し、「リニューアルによってトレンドの変化にしっかり対応できたためではないか」と分析。サイト構築から数年が経つと、商品の流行や顧客の購買動向が変わるため、定期的にリニューアルすることが大切だと強調した。

3年連続200%成長!ecbeingが支える「タカラトミーモール」成功の理由⑤ 株式会社ecbeing 代表取締役・林雅也氏
株式会社ecbeing 代表取締役・林雅也氏

林社長の指摘に黒木室長も同調し、リニューアルの成果を次のように評価した。

「タカラトミーモール」は取扱商品数が増えているし、お客さまが使うデバイスも変化している。マーケットのトレンドに合わせてリニューアルした結果、コンバージョン率などの面で効果がはっきり表れた。非常にいいタイミングでのリニューアルだったと思う(黒木室長)

セミナーの最後、黒木室長はタカラトミーの今後について、「ECを通じて集まったエンドユーザーからの声を、商品企画や開発に生かし、より良い商品を作っていきたい。ECのマーケティング機能を強化するためにはデータの元となる顧客数を増やさなくてはいけない。そのために今後も集客に力を入れていく」と説明。

林社長は、タカラトミーのウェブマーケティングを振り返りながら、「さまざまな施策に取り組んでいるタカラトミーから、これからも目が離せない」と話し、対談を締めくくった。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

中間層の増加で中国EC市場では品質の高い商品が売れる状況に変化 | いつも.ECコンサルタントが明かす売り上げアップにつながるEC最新情報

8 years 10ヶ月 ago
China transportation and logistics. Delivery and shipping infographic elements. Vector illustration

今回は、ついに本格的に投資が始まることが見込まれている中国EC市場の最新動向2017年1月版をご紹介しましょう。

この1月中旬も中国EC運営チームと打合せを兼ねて上海中心に中国ECトレンドを確認してきました。全体感で言うと中国ECは「超成長市場」から「成長市場」へ変化している状況です。ここにきて中国は人件費が上昇し「中間層」が急速に増えていて、その中間層はほぼ全員「スマホ」を持ち、スマホで買い物をどんどん行う動きになっています。

この動きからすると「安さ」だけの従来のネットショッピングから、「安さ+いいモノ」の消費が広がっていくことは確実です。そして何よりその中間層の人口が日本とは桁違いにいる状況ですので、2017年スタートで数年後を見据えて中国市場に参入する動きが活発になるかと思います。

中国EC市場の動向

「中国のオンライン小売B2C市場のモニタリング報告書」(Analysys易観智庫が発表)のデータによると、2015年第4四半期は、中国のオンライン小売B2C市場取引が6443.8億元(約11兆円)で、前年より41.9%の増加となりました。

また、2015年全体では年間約40兆円規模に成長を続けている状況となりました。

中国統計データ1

BtoC市場におけるモール別のシェアに関しては、Tmallが11月11日独身の日「ダブル11」により取引量を増やし、さらにシェアを高め63.5%で1位に。続いてはJD20.8%で2位、VIPショップ2.6%で3位、蘇寧易購が4位となりました。市場シェアのランキング状況から見ると、大規模なセールプロモーション活動の影響を受け、業界全体としては季節変動を示したものの、大手企業間の競争態勢が続いています。

現在、中国のオンライン小売は国民経済の重要な一部となっており、2015年中国のオンライン小売は全社会消費財小売総額の12.74%に達し、持続的かつ急速な成長の勢いとなっています。

2016年の中国オンライン小売市場は年間60兆市場を超えたという予測も出ており、2017年以降も引き続き急速的に成長していくと言える状況となっています。

今後も成長が続く要因としては、

  1. より多くの商品がネットショップにアップされ、品揃いがより豊富になる。
  2. オンラインショッピングに熟知している1990後、2000後などの若い世代グループは、学生から仕事につくようになり、より強い消費意欲が解放される。
  3. 企業側がインターネット上でのビジネスや電子商取引を非常に重視している。
  4. 越境ECの発展に連れ、大勢の海外商品が国内に輸入され、消費者の選択肢が増える。

があげられます。

中国EC(BtoC)サイト でシェアを持つ上位企業の特徴

中国データ2

1位:Tmall.com(天猫)Tmall(シェア63.5%・約20兆円)

alibaba

201410月にニューヨーク証券取引所に上場。阿里巴巴集団(アリババ)が運営し、同社が運営する「タオバオ」より高級品・ブランド品が集まり安心感のあるモールとして成長している。

日本の楽天に似たプラットフォームで、各ブランドは天猫内に自社店舗を開いて運営しており、競争も非常に激しい。出店するためには、中国法人、商標登録書、各種許認可証明書などかなりの書類を準備する必要がある。

近年、その出店審査が非常に厳しくなり、基本的にはブランドホルダーの旗艦店しか出店できない傾向となっている。「天猫」「天猫国際」は日本で言うと楽天市場に近いモデルと言われ、モール内の競争や優良な評価を集める対策等が重要となっている。

2位:JD.com(京東)Tmall(シェア20.8%・約8兆円)

JD

2014年5月にアメリカのナスダックに上場。中国のIT最大手で6億人のユーザーを持つ「Wechat」を運営する「テンセント」と資本提携。

JDは天猫と違い、自社で仕入れて販売する「自営販売」と出店者の「マーケットプレイス」の両方を持ち、家電中心のモールで成長し自社で物流・配送のインフラを持ち、安定した配送システムを中心に偽物の排除や保証内容もしっかりと対応して信頼のあるモールとなっている。

越境製品を扱う「JDワールドワイド」を中心に日本の優良企業の越境モデルの出店も増えている。現在の日本で例えるとAmazonに近いモデルとなっている。

3位:Vip.com 唯品会・ウェイピンフイ(シェア2.6%・約8300億円)

vip

Vipshopという会社が運営しており、ブランド品やブランドファッション品をメインに2012年3月にニューヨーク証券取引所に上場。ブランド品をアウトレット価格やセールで提供しファンを増やしている。

日本の百貨店サイトのようなイメージで、Vipshopに商品を卸して販売するモデルが中心。出店型モデルのように同じ商品が複数のショップで競争となることはなく、同じ商品は複数企業によって販売されないので、単品で大量に販売できる可能性がある。

2016年に日本法人も設立されて、日本のブランド品や有名商品を積極的に開拓している。

 

2017年の中国EC参入ポイントしては、単なるブームではなく中長期視点できちんと投資計画を策定した上で、日本法人経由で天猫・京東の「越境モール」参入を検討しつつ、中国法人を設立して「中国国内EC」として売上拡大を狙うモデルも増えてくる状況です。更に、1つのモールだけでなく、今回紹介したような複数モールを活用することも視野に入れて事業拡大を狙っていただければと思います。

 

「株式会社いつも.公式ブログ」掲載のオリジナル版はこちら:
越境ECは検討段階から本格投資の時期に!知っておきたい2017年最新中国EC市場動向とは(2017/01/30)

株式会社いつも.

Eコマースビジネス支援に特化し、成功に必要なコンサルティング、集客、構築・制作、販売、CRM、物流、カスタマー対応までを一社完結で提供。

現在、国内最大規模となる7700社以上の企業(2016年6月時点)とサポート実績があります。約4年前から米国Eコマースの成功事例や情報を研究する専門部署(EC未来研究所)を設け、情報収集と発信を実施。そこから日本流のスマートフォン、ソーシャル、O2O、フルフィルメント、CRMなどのコンサルティングも提供している。

株式会社いつも.

EC担当者の2人に1人はサイバー攻撃を経験する時代。最も多い実害はID・PWの漏えい

8 years 10ヶ月 ago

トレンドマイクロがECサイトの構築・運用・セキュリティの実務担当者619人を対象に実施した「企業におけるECサイトのセキュリティ実態調査 2016」によると、約5割の担当者がサイバー攻撃を受けたことがあると回答。その内、7割超で顧客のログイン情報(IDとパスワード)の漏えいなど「実害につながった」と答えた。

サイバー攻撃の経験の有無について

「自社が展開しているECサイトに対して、過去1年以内にサイバー攻撃を受けたことがあるか」と質問したところ、49.1%の304人が「受けたことがある」と回答。

EC担当者の2人に1人はサイバー攻撃を経験する時代。最も多い実害はID・PWの漏えい トレンドマイクロ調査①
サイバー攻撃の経験の有無について

受けた攻撃の手法(複数回答)は、次の通り。

  • DDoS攻撃……24.1%
  • OSの脆弱性を突く攻撃……23.6%
  • ミドルウェアの脆弱(ぜいじゃく)性を突く攻撃18.6%
  • ウェブアプリケーションの脆弱性を突く攻撃……12.9%

サイバー攻撃による実害について

過去1年以内にサイバー攻撃を「受けたことがある」と回答した304人の内、7割を超す227人がサイバー攻撃によって「実害につながった」と回答した。

実害の具体的な内容は次の通り(複数回答)。

  • 顧客のログイン情報(IDとPW)の漏えい……42.7%
  • 顧客の個人情報(住所、メールアドレス、電話番号など)の漏えい……40.5%
  • 顧客のクレジットカード情報(カード番号、カード名義、有効期限など)の漏えい……28.6%
EC担当者の2人に1人はサイバー攻撃を経験する時代。最も多い実害はID・PWの漏えい。トレンドマイクロ調査②
サイバー攻撃の被害内容

サイバー攻撃に対する防御策について

OS、ミドルウェアの脆弱性を狙った攻撃に対して有効な対策である侵入防御システム(IPS)/侵入検知システム(IDS)の導入についても聞いた。

2割近い17.1%(106人)が「導入していない」と回答。導入しているか分からないと回答した担当者も20.5%にのぼった。合算すると37.6%がIPS/IDS対策について未導入・不明確という状況だった。

脆弱性を狙うサイバー攻撃からECサイトを保護する上で重要とされる修正プログラムの適用に関し、OSについては17.3%、ミドルウェアに関しては19.7%が「適用していない」と回答。企業規模別で見ると、100人以下の企業ではOS、ミドルウェアともに3割以上が修正プログラムを適用していないことが判明している。

トレンドマイクロは今回の調査結果について、次のようにまとめている。

多くのECサイトが脆弱性を狙った攻撃を受け、その結果情報漏えいなどの深刻な実害を被っていることが明らかになりました。一方で、対策がまだまだ十分でない企業が目立ちました。最新の脅威情報に関して理解を深め、それに対抗するための対策を導入することが重要です。また、セキュリティ対策における運用面での負荷に対しては、それらの負荷を低減してくれるセキュリティ対策製品の導入を推奨します。

調査概要

  • 調査名:企業におけるECサイトのセキュリティ実態調査 2016 
  • 実施時期:2016年12月27日~2016年12月28日 
  • 回答者:企業・組織におけるECサイトの構築・運用・セキュリティの実務担当者619人
  • 方法:インターネット調査

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実

最短58分以内に商品が届く――ドンキがスピード配送「majica Premium Now」を展開へ

8 years 10ヶ月 ago

ドン・キホーテは通販サイトなどで受け付けた注文に関し、最短58分以内に商品を届ける即日配送サービス「majica Premium Now(マジカプレミアムナウ)」を始める。開始日時は2月22日。

まずはアプリから即日配送サービスの提供を開始。順次、パソコンからも利用できるようにする。

「majica Premium」は、オリジナル電子マネー「majica(マジカ)」会員などドン・キホーテグループ店舗を利用する消費者に対し、サービス向上や顧客接点を強化するために開発したサービスブランド。

2016年にサービス第1弾として、訪日外国人観光客向けECサービス「majica Premium Global(マジカプレミアムグローバル)」の提供を始めている。

「majica Premium Now」はその第2弾。ドン・キホーテグループの店舗網やリソースを最大限活用し、専用サイトで消費者が注文した商品を配達先の最寄り店舗から最短58分以内で手元に届ける。

ドン・キホーテは通販サイトなどで受け付けた注文に関し、最短58分以内に商品を届ける配送サービス「majica Premium Now(マジカプレミアムナウ)」を開始

「マジカプレミアムナウ」は2/22スタート(画像は編集部がキャプチャ)

サービス開始当初は、MEGAドン・キホーテ大森山王店(東京都大田区)で展開。食品や飲料、酒類、日用消耗品、ペット用品、文具など約2500アイテムを取り扱う。対象店舗および対象商品を順次拡大していく予定。

58分以内の配達は、店舗から半径約3キロメートルが対象エリア。配達料金は750円(税込)が必要になる。

2時間毎の配達方法も用意(指定した2時間の枠内での配達)。店舗から半径約5キロメートルが対象エリアで、配達料金は無料。

配達サービスに加え、2017年夏には「majica Premium」第3弾として、従来の商品を消費者が希望するデザインや仕様に変更できる「majica Premium Design(マジカプレミアムデザイン)」の提供を予定している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販、ECに関する業界新聞の編集記者を経て、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、EC業界に関わること約9年。まだまだ、日々勉強中。

瀧川 正実
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