数字の結果を見てただ満足してしまう皆さん、こんにちは。データは基本的には過去の統計です。ECを運用している皆さんも、数字を見て満足してしまうことってありませんか? 「“なぜ”そうなったのだろうか」――“なぜ”をしっかりと考えて仕事を進めていますか? 「致命的な数値の低迷なのか」「特需の影響なのか」。さまざまな数字を見て一喜一憂していませんか? 「お客さまの動きを見て次のアクションを考える」――今から何をするべきなのかをしっかり考えましょう。今日は各ECモールの利用率などの数値を見た上で、少しだけでも考える時間を作りませんか?
数字を見ただけで満足せず、次のアクションを考える
よく利用するECモールの1位は「Amazon」で68%、2位は「楽天市場」で61%、3位は「Yahoo!ショッピング」で32%、「ヨドバシ」が13% | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/15024
「Amazon」は男性の20~30代で利用率が比較的高い。女性の10代はコスメ・ファッション系ECサイトの利用が高いのが特徴的、「Qoo10」「ZOZOTOWN」の利用率が全体と比べて高くなっている。
各ユーザーデータは非常に重要なポイントですが、しっかりとモールのお客さまの特性を見極めて戦略を打っていますか? こうした数字だけのデータはECサイト運営においては、あまり意味をなさないと思っています。そして、皆さんもそう思っているからこそ見逃してしまいます。勿論、どこかのモールに新規出店する時には重要なデータですよね。
たとえば私の経験ですが、一昔前だと「『Amazon.co.jp』ユーザーの6割が男性」というデータがありました。それを元に考えて、ホワイトデーに特化するために「Amazon.co.jp」に出品したところ、大成功したことがあります。そして、残りの4割の女性にも徐々にアプローチをかけることで、じわじわとホワイトデー以外も売れるモールに育ちました。
このように「このモールが大きいから」と言って一概に成功するとは限りません。今回のランキングには出てきていない「au PAY マーケット」で大きな売り上げをあげている店舗もありますし、リアルの世界では、「ポンタ」と「ローソン」のクロス施策がじわじわと攻めてきています。
「このモールが大きいから出店する」のではなく、しっかりとモールの属性を考えた上でそのモールに合う施策を練ることが重要です。男女比だけではなく、年代別というのも重要ですね。極端な話をしますが、「『Qoo10』や『ZOZOTOWN』に女性ユーザーが多い」という理由で、シニア向けの商品を販売しても売れる確率は低いですよね。
ECモールで購入する理由は、「ECモールの方がポイントが貯まる・お得だから」が30.5%でトップ。「送料無料の条件を満たしやすいから」(29.1%)、「ECモールの方が価格が安いから」(27.8%)
モールに出店する理由の1つとして、各モールが人を集めてくれるという利点があります。最近、楽天の「RPP」などの広告がGoogleやYahoo!に掲載される形になりましたが、基本的に自社ECサイトを運営していない限り、モール側が集めてくるお客さまをどうやって流入させるかということが重要になってきます。
あまり参考にならないお店も多いかもしれませんが、ECモールのポイント・送料無料・価格、やはりこの辺りがECモールで購入する理由の上位を占めました。
ただこれは「なぜモールで購入するのか」という意見であり、「ポイントをつけないと売れない」「送料無料にしないと売れない」「安くしないと売れない」ということではないと、個人的には思います。日用品などはそもそも実店舗でもこの傾向があるので、そこは否めないとは思いますが。けれど「他の店を使うのが面倒だ」などの理由で、オリジナル商品が売れないというわけではありません。
売り上げ規模が大きいモールでも、ジャンルによって店舗のリテラシーに大きな差があるので、ある程度の知識とスキルがあれば、すぐ数字に結びつくようなジャンルもあります。逆に大手企業でも集客自体にかなり苦戦するモールもあります。その場合は、3番目・4番目などのモールの方が売りやすく、大手が参入して成功する事例は今でもあるでしょう。
企業・ブランドのECサイトを利用する理由については「正規品・本物であることが確実だから」が34.1%だった。
ここでわかるのは、「安心・信頼の担保」でしょう。自社ECサイトという特性上、ここは重要なポイントです。勿論モールでのお買い物も「安心・信用の担保」が必要ではありますが、よりしっかりとその部分を説明することが重要だと思います。
たとえば、皆さんも「楽天市場」で購入した際に「〇〇で購入した」なんて覚えていないですよね。大体の人は「『Amazon.co.jp』で購入した」「『楽天市場』で購入した」と答えると思います。まずはモールを信用した上で、「このお店は安心そうだから買う」という心理的な作用があると思います。
有名企業・有名ブランドではなく、名前だけでは「誰なのか・何なのか」が明確にわからない場合、そこをきちんと説明することが重要です。誰でも知っている企業ではないので、「安心・信用の担保」をしっかりしてあげる。そうやって「正規品・本物である」ということを伝えるのが重要です。
私が外部のセミナーなどで説明したりする時に「当たり前をしっかり書く」とよく言うのですが、この“当たり前”とは“その会社や業界の当たり前”を指します。そういうことをしっかり記載してコンテンツを作ることで、より「安心・信用の担保」ができるのではないかと思っています。
さて、各モールのデータからだいぶ脱線しましたが、こういったデータを見た際に、「へー、そうなんだ。『Amazon.co.jp』の方が『楽天市場』よりも大きいんだね」で脳みそが静止していませんか? ということです。こういった思考の1つひとつが次の戦略の1つになります。数字は見ただけで知った気になり、満足させてしまう不思議な力があります。日々のデータもそうですが、その奥にあるニーズや行動理由などを考えたりしているでしょうか? AIを活用するといろいろと掘り下げてくれたりもします。ぜひ、数字を見て一喜一憂するだけではなく、深掘りする癖をつけてもらえたらと思います。
要チェック記事
TikTokショップ成功事例5選|2025年の市場動向と売上を伸ばす戦略ポイント | Gaiax
https://gaiax-socialmedialab.jp/post-153900/
2025年のニュースのなかでもトップに入ってくるニュース。「TikTok Shop」はどう使えるのか、どう使うのか、先行者利益なのか――。さまざまな成功事例が出てきていますが、余裕があるなら始めの一歩を踏み出しましょう。
ChatGPT Shopping is here – and it’s changing ecommerce SEO rules(ChatGPTショッピングが登場 ? eコマースSEOのルールを変える) | Search Engine Land
https://searchengineland.com/chatgpt-shopping-ecommerce-seo-rules-462865
今や誰でもスマホの中で使っているAI。「ChatGPTショッピング」は始まったばかりですが、何がどうなるのかしっかりと動向を追いながら、今後の「検索」を考える必要がありますね。
応援購入サービス「Makuake」が「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「TikTok Shop」に出店 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/15001
将来的にモールとの顧客情報の連携! ここは非常に楽しみなところですね。作業も軽減して顧客リストも利用できるようになると、できることが広がりますね! また「Makuake」を使ってのマーケティング方法も変わりそうだ。
“つくる才能”と“広める才能”が出会う場所 ――BASE「販売パートナー App」とYouTubeクリエイターの高い親和性 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/original_news/48544/
コンサルティングという仕事を生業としていますが、基本的には自分もチームみたいなものをなんとなく持っています。人のエコシステムみたいな話ですかね。面白いなぁ。
ハンドメイド作家が単価を上げてわかったこと|安すぎてしんどい人へ届けたい話 | note|Sui@ハンドメイド販売
https://note.com/lofty_yeti9984/n/n41e2b1d4cfc9
「“安すぎるから売れない” こともあるんです。」確かに、ありますよね。ハンドメイド=機械で作れない良さ。ここをしっかりと伝えていく。いろいろなところにヒントがあるかも。
今週の唸った・刺さった・二度見した
徹底討論!久保田VS若手50人 | もう久保田が言うてるから仕方ないやん〆(YouTube)
https://youtu.be/ONo0d5WTVNs?si=QhdqFCTQer1fENCc&t=630
贅沢だわ。好きなことやってるくせに。腹据えてここ来たんだろ?
どうも~本日も本題が終わってホッとしています、中林です。今回は芸人「トロサーモン」久保田氏の言葉をピックアップしました。この動画自体は若手の悩みをぶった切って行く動画なんですが、芯を食ったような発言が爽快です。
さて、内容は後ほど見てもらえればと思うのですが、今回の本題です。
芸人も会社員も自営業も、社長だって仕事です。自営業の人は身に染みているとは思います。自分も元々サラリーマンだったんですが、すごくわかります。隣の芝は青い! いや~青いんですよね。でもね、「その職場、自分で決めたんだよね」っていうお話です。
「社長がどうだ」「上司がこうだ」――パワハラ・セクハラ・モラハラは勿論論外ですが、職場に自分のオアシスを探している皆さん、どこに行っても何か違う気がしている皆さん。どこかで一度しっかり腰を据えて、しっかりと自分の足で立ってみましょう。選択は自己責任とは言いませんが、どこかで頑張らないと。いつまでたっても何かのせいにして、「自分の足で立っているようで、実は立っていない」なんてことにならないように。
今回は「隣の芝は青く見えるが、比べていないでとにかく今を頑張ろう!」と。キツいかもしれませんが、そんな言葉で締めくくりたいなと思います。それでは皆さんまた一か月後に。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:データの数字を見ただけで満足はNG! お客さまの動きを見て、ニーズや行動理由を深掘りしよう【ネッ担まとめ】 | 新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ
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