1つの点を通り、1つの直線と一つの円に接する円は、一般には下図のように4 つの解がある。作図手順としては一つの手順で 2 つの解の円がセットで作図できるので、それを 2種類行うことになる。
※点Nと円C1(点 A, B, D, E を通る)の方べきの定理から、
NA・
NB=
ND・
NE次へ進む方針の立て方:
目標とする円の一つ(Aを通り l と円Cに接する円)を、点Xを中心とした円X(青円)とする。円Xはその目的から逆に考えれば、円CとYで接し、点Aを通っている。
円Cと円Xのそれぞれの中心はCとX。円Cと円Xの接点は、直線CX上のYになるはず。
点Xから l への垂線を引き、その交点をZとする。NDは円Cの直径なので∠NYDは直角(円周角の定理より)。また∠NEZも直角なのでNYDとNEZは相似形。よってND・NE=NY・NZ。
一方目標とする円XとNAの交点をB’とすると、方べきの定理からND・NE=NA・NB’。よってB’はBと同一であり、目標とする円X上と円C1上、直線NA上にある。
よって上図の段階で次に必要なのは、円C上の点Yの場所を特定することである。
最終段階:残りの手順(22手順)
上で仮想の点Y(ここでは点T1になるが)を見つけ、目的の円まで描く。なお※上図で使った円Xと点X, Y, Zは忘れることにする。番号は通番とする。
⑦円C1と円Cとのもう一つの(Dと異なる)交点をFとする(0)
⑧線FDを引き、線ABと線FDの交点を点Pとする
⑨点Pから円Cに引いた接線の接点とT1, T2とする(7)
(「基本作図パターン集」ページの「円外の点から円に接線を引く」を参照のこと)
⑩3点A, B, T1を通る円C2(青円)を描く(7)(PPPの作図ページを参照)
⑪3点A, B, T2を通る円C3(青円)を描く(7)(PPPの作図ページを参照)
円C2と円C3が目的とする円である。
※なおT1が上図における点Yである。A, B, T1を通る円は点Zで直線 l とも接する。そして、上図では左側の円(円C2相当)しか考えていなかったが、同じ方法で右側の円(円C3相当)も描けるというわけだ。こちらも同じように直線 l とも接するということだ。
2 セット目(残りの二つの解)の作図手順:(31手順)
方針:上の1 セット目の作図手順の「第一段階」の③でのN, D, EをD, N, Eとして読み替えて行うだけだ
①与えられた円Cから中心点Cを描く(既に作図済み)
②Cから直線 l に垂線 mを引く(既に作図済み)
③その垂線と円C及び直線 l との交点を上からD, N, Eとする(0)
④点 A, D, E を通る円C4を描く(8)
⑤直線NAを描くき、円C4との交点をBとする
※2 点A, Bを通り円Cに接する二つの円が、求める円の一対
⑥円C4と円Cとのもう一つの(Dと異なる)交点をFとする(0)
⑦線FDを引き、線ABと線FDの交点を点Pとする
⑧点Pから円Cに引いた接線の接点とT3, T4とする(7)
⑨3点A, B, T3を通る円C5を描く(7)
⑩3点A, B, T4を通る円C6を描く(7)
円C5と円C6が、、もう二つの目的とする円である。