家具や日用品などのネット販売を手がけるベガコーポレーションは12月16日、インテリアの自社通販サイトである「LOWYA(ロウヤ)」ブランドに関して、大阪市内に2カ所目となる直営店の開設を行う。また、来年2月には名古屋市内に3店舗目を開設することも正式決定しており、1店舗目の福岡に続き、関西、東海の各都市部において、リアルでの販路開拓や顧客接点の拡充を強化していく。
都市部に次々と直営店開設
大阪市内に開設するのは、南海なんば駅に直結する大型商業施設の「なんばパークス」内。名古屋市内では大型商業施設「ららぽーと名古屋みなとアクルス」にある「蔦屋書店」内に開設する。同書店はアクルスと連絡通路でつながっており、1階にはコーヒーショップがある“Book&Cafeスタイル”の滞在型書店となっている。
実店舗の3号店は愛知県・名古屋市にオープン予定
そして、4店舗目として計画する関東での店舗展開については、場所などの詳細は決まっていないものの、人口の多い都心部での開設をイメージしているとした。
ネット専業からOMO型へ
同社では、昨年より「ネット専業D2C企業」から「OMO型D2C企業」に進化することを宣言しており、イオンといった外部の売り場への卸売事業を皮切りに、リアルでのタッチポイントを拡充。
コロナ禍を経て多様化する暮らしのなかでインテリア商品をより自由に選べる環境を目指し、顧客が店頭で見て触れて、安心して購入できる環境づくりに取り組んでいる。
リアル販路の強化が販管費削減に貢献
また、リアルの強化は販路拡大以外の効果ももたらしている。今年、同社では利益改善の取り組みとして、広告宣伝費の抑制などを実施。今中間期については、前年同期比で2億6800万円の販管費削減を行った。「広告とSEOでカニバリが起きていたところがあった。Web広告の全般的なところで全ジャンルを細かく見直している。現時点ではWeb広告を大きく投下しなくてもやっていけると判断した」(浮城智和社長)と説明。
主にWeb上での販促活動の露出を適正化する一方、今後は直営店の出店を加速することで、オフラインを舞台にした販促面での新たな効果が期待できると分析している。
実際に、今年4月に福岡市内に初となる実店舗として開設した「LOWYA九大伊都店」では、来店客への認知拡大からのECへの送客効果も見られているという。
「LOWYA九大伊都店」(画像は「LOWYA」ECサイトの店舗一覧ページから編集部がキャプチャ)
実店舗をきっかけにEC利用が増加
同店舗ではシーズンごとに商品を入れ替えてイベントなどを展開。EC発の店舗として、一般的な家具店のように専門スタッフを売り場に多く配置して、一つ一つの商品に時間をかけた説明を行うことができない代わりに、プライスカードの隣には必ずQRコードを設置。気になった商品の詳細はECに誘導して説明する仕組みを取っている。加えて、接客の際には公式アプリのダウンロードを促すことも行っているという。
その結果、4月の店舗開設以降、全体に占める同店舗周辺エリアからの受注割合が増加。開店前の3月は4.3%だったが、5月は5.8%まで上昇、その後も開設前よりも高い割合を維持し、9月時点でも5.3%となっている。
新型コロナの5類移行に伴い、消費活動のリアル回帰が進むなか、オフラインにおける露出強化が、販促面で大きな意味を持つようになってきている。同社でも引き続き、リアルでの全国展開に向けた出店計画を検討していく考え。
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オリジナル記事:インテリアEC「LOWYA」のベガ、ネット専業からOMOに方向転換する戦略とは? | 通販新聞ダイジェスト
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