CMなどで見かけることの多いアニメーション動画はわかりやすく、親しみやすい印象を与えてくれます。
ですがアニメーション動画といってもその種類はさまざまです。どのようなアニメーション動画を制作すればいいのか、どのように制作すればよいかなど気になる点も多いでしょう。
本記事ではアニメーション動画のメリット・デメリットをはじめ、制作の流れやアニメーション動画の種類や用途について参考事例を交えて解説します。
「アニメーション動画の制作の流れを知りたい」「アニメーション動画の種類と用途を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
アニメーション動画の効果【メリット】
アニメーション動画は視覚的にわかりやすく、人をひきつけやすい効果があります。実写では伝わりにくいポイントを視覚的にカバーできる点を親しみやすく動画を通してユーザーに提供ができます。
アニメーション動画のメリットは、主に次の6つです。
・わかりやすく伝えることができる
・人を惹きつけることができる
・キャラクターで表現することができる
・幅広い表現ができる
・コストを抑えやすい
・修正がしやすい
まずは、アニメーション動画のメリットを詳しくみていきます。
わかりやすく伝えることができる
概念や抽象的なものをイメージとして具現化できるため、内容を視覚的にわかりやすく伝えることができます。売上や成長率など数字を棒グラフや円グラフで表したり、ステップやプロセスをロジカルに説明することも可能です。
文字や言葉で説明するよりも内容が頭に入りやすく、視覚から記憶に残りやすいといったメリットもあります。印象に残したい強くアピールしたいポイントにアニメーションを用いるのも1つの手法です。
さらに、テロップを入れることもできるためアニメーションの内容を文字で補足することもでき、動画をみるユーザーの理解度を深められます。
人を惹きつけることができる
実写よりもシンプルな動きとなるため、実写よりも意識的に動画を視聴してもらえます。
実写は人が動いている分、細かな仕草やカメラのブレ・背景などに注意が向いてしまうことがあります。とくにCMのように基本1回しか視聴しない機会で意識がそれてしまうと、ユーザーが動画の内容を理解できないだけでなく、印象にも残りません。
アニメーションはシンプルでわかりやすいだけでなく、良い意味で単調な動きが人をひきつけてくれます。強調したいところにはモーショングラフィックスなどで目立つ動きをつけられるため、シンプルながらもアピールしたい点はしっかりと伝えられます。
キャラクターで表現することができる
すでにある自社のマスコットキャラクターを使用するだけでなく、アニメーション動画の制作をきっかけにオリジナルキャラクターを作ることもおすすめです。特徴的なキャラクターを立てることで、より印象的で記憶に残りやすい動画が制作できます。
動画制作をきっかけにキャラクターを新しく作る場合は、会社の顔として中長期的に使用できるキャラクターの作成がおすすめです。キャラクターが印象に残ることで、会社の認知度アップ効果にも期待できます。
幅広い表現ができる
アニメーション動画は、実写ではできない幅広い表現が可能です。たとえば人が飛ぶ表現を実写で再現するのは不可能ですが、アニメーション動画ならキャラクターが自由に空を飛ぶことができます。実写ではできない表現を用いることで、より印象的な内容となるでしょう。
またシーンに合わせてアニメーションの種類や技法を変えれば、目的に応じた理想のカットが作成できます。実写はただ撮影するだけですが、種類・技法が多いアニメーションだからこそ、幅広い表現から理想に近い動画が制作可能です。
コストを抑えやすい
アニメーション動画の制作は、実写のようにキャスティング費や機材・ロケーションの確保などが必要ないため、コストを抑えやすい点がメリットです。人件費や機材費といった金銭コストだけでなく時間的コストも抑えられます。
ただし、かならずしもアニメーション動画が実写よりも低コストとは限らない点に注意が必要です。簡単な動画であれば実写の方が低コストで制作できる場合もあるため、制作したい動画内容を踏まえて、アニメーションか実写かを検討することが必要です。
修正がしやすい
アニメーションは比較的簡単にシーンやカットを作成・追加できるため、軌道修正しやすいメリットがあります。反対に、実写は基本的にやり直しができず、不足しているシーンがある場合は再度撮影を組み直さなければなりません。
後から柔軟に軌道修正できるため、イメージ通りの動画を制作しやすいという点ではアニメーション動画にアドバンテージがあります。ただし、外注に制作を依頼する場合は修正回数に限りがあったり、別途費用が発生する可能性がある点に注意しましょう。
アニメーション動画のデメリット
魅力的なメリットが多いアニメーション動画ですが、一方で次のようなデメリットがあります。
・正確な雰囲気が伝わらない
・感情移入、共感しにくい
・完成イメージの共有がしづらい
・長くなればなるほど費用がかかる
制作したい動画の内容やイメージを踏まえて、デメリットも押さえた上でアニメーション動画の制作を検討することが大切です。ここでは、アニメーション動画のデメリットを詳しくみていきます。
正確な雰囲気が伝わらない
アニメーションはあくまで仮想であるため、正確な雰囲気を伝えるのが難しいです。そのため「社内の様子を知ってほしい」「実際にツールを利用しているシーンを見せたい」といったような動画には適しません。
実写で伝えるべき内容をアニメーションで制作してしまうと、視聴したユーザーに伝えたい内容が伝わらず、疑問が残る内容となってしまいます。その場の雰囲気や表情など、実写でしか伝えられない内容の場合は、無理してアニメーション動画を制作する必要はありません。
感情移入、共感しにくい
企業用アニメーションは映画やアニメのように感情移入・共感してもらうことは難しいでしょう。そのため、感情に訴えかけるような動画を制作したい場合には実写がおすすめです。
ですがアニメーションのなかでも漫画形式は、比較的感情移入・共感しやすい種類です。アニメーションのテイストはユーザーの好みが分かれやすいため、ターゲットを明確にした上で漫画形式を採用するか検討することがおすすめです。
完成イメージの共有がしづらい
企画やコンテに関係する問題ですが、アニメーション動画は完成のイメージが共有しにくい点がデメリットです。
企画やコンテは、どのような動画を制作するかのイメージを共有する段階です。実写だとある程度の想像がつきやすいですが、アニメーションは説明があっても実際のイメージは完成してからでないとわかりにくいものです。事前に完成イメージを共有することが難しいため、制作側と依頼側で認識のズレが生じるリスクがあります。
完成後にイメージと違ったとならないようにもヒアリングに力を入れる、参考イメージを共有するなどして、できる限り具体的なイメージがわかるように企画やコンテを進めることがポイントです。
長くなればなるほど費用がかかる
アニメーション動画は制作期間が長くなるほど作業量も増えるため、比例して費用が発生します。そのため情報量が多いアニメーション動画を制作する場合は、事前に費用感をしっかり確認することが重要です。
アニメーション動画の種類と用途
アニメーション動画といっても、その種類は次のようにさまざまです。
・イラストアニメーション
・ホワイトボードアニメーション
・モーショングラフィックス
・タイポグラフィ・アニメーション
・ストップモーション・アニメーション
・インフォグラフィックス動画
・3Dアニメーション
・アイソメトリック
効果的なアニメーション動画を制作するには、内容に合わせて最適な表現を用いることがポイントです。ここでは、アニメーション動画の種類と用途を参考事例を交えて解説します。
イラストアニメーション
イラストを用いた一般的なアニメーション動画です。通常のアニメをみているような感覚で印象に残りやすく、親しみが湧きやすいためユーザーの感情移入を促進する効果に期待できます。
また、ストーリー性を持たせやすいため、内容が頭にインプットされやすい点が特徴です。サービス紹介動画のような起承転結があるとわかりやすい動画に適しています。
児童書プロモーション動画
株式会社学研プラスから新たに出版される児童書のプロモーション動画事例です。
有名な漫画家のイラストを用いた児童書だったこともあり、その点を最大限活かすためにストーリーに考慮して制作しています。書籍に登場するキャラクターは4名ですが、動画ではあえて2名に絞って構成しています。動画内で2名だけのシーンを公開し、続きは書籍で公開する形で締めることで購買意欲を掻き立てる構成になっています。
ターゲットは子どもであるため、興味を持って視聴してもらえるようTVアニメのような動きで制作している点がポイントです。
ホワイトボードアニメーション
ホワイトボードを背景に、実際にホワイトボードにペンでイラストや文字を描いている過程を映像にしたアニメーション動画です。説明と同時にホワイトボードに絵を描けるため視覚情報から内容を理解しやすく、音声を組み合わせることでより内容が伝わりやすい動画が制作できます。
実際にアメリカの学習効果に関する研修では、視覚情報のみよりも内容に即した音声情報が一緒に流れることで脳の広範囲が刺激され、理解度が大きく上回るといった論文が発表されています。
つまり、視覚情報と音声情報を連動できるホワイトボードアニメーションは、ユーザーにとってもかなり親切な動画といえます。そのため解説動画や説明動画・研修動画に適しているのがホワイトボードアニメーションの特徴です。
ハーグ条約広報動画
外務省によるハーグ条約の広報動画の事例です。
内容が難しいハーグ条約をしっかり理解してもらうため、視覚情報と音声情報からわかりやすく解説できるホワイトボードアニメーションを採用しています。情報量が多く、かつ難しい内容ではありますが、イラストと文字に加えて音声で内容を補足しているため、初見の方でも理解しやすい動画となっています。
あえて白黒のビジュアルにすることで、肝心の内容を理解しやすいよう工夫されている点が特徴です。
モーショングラフィックス
ロゴやイラスト、図や写真などの静止画に動きや音声を加えたアニメーション動画がモーショングラフィックスです。
代表的なアニメーション動画の手法であり、シンプルなビジュアルながらも視聴者の記憶に残りやすい動画が制作できます。効果音やBGM、ナレーションなどさまざまな音声と組み合わせることで、内容も伝わりやすくなります。
会社紹介映像やプロモーション動画、コンセプトムービーなど用途はさまざまです。
80秒でわかる、京セラのファインセラミックス
京セラのファインセラミックスの紹介動画の事例です。
モーショングラフィックスによるシンプルなビジュアルで、ファインセラミックスの特徴がわかりやすく説明されています。その後は自然な流れで京セラの取り組みと今後の展望が説明されており、内容がスッキリとインプットされる構成です。
単調になりがちなモーショングラフィックスですが、アニメーションに連動したナレーションと適度なBGMで視聴してもらいやすいよう工夫されています。
タイポグラフィ・アニメーション
タイポグラフィとあるように、テキストやロゴに動きがあるアニメーション動画です。モーショングラフィックスの一種となりますが、タイポグラフィ・アニメーションは文字をメインに動きをつけている点が特徴です。
文字の動き方やフォントのインパクト、ナレーションや効果音とかけ合わすことで、シンプルな技法ながらも訴求力の高い動画が制作できます。イラストのようなアニメーションだけでなく、実写とも掛け合わせることが可能です。
おすすめの用途は、尺の短いプロモーション動画や無音環境で再生されるケースがある広告用の動画です。
開業サポートサービス「開業freee」
freee株式会社が提供する開業サポートサービス「開業freee」の広告動画の事例です。
FacebookなどのSNSで公開する動画であるため、無音環境で視聴されることも想定してタイポグラフィ・アニメーションで要点をわかりやすく伝えられています。広告動画は最初の数秒が重要であるため、動画の冒頭で想定ターゲットに当事者意識を持ってもらえるよう、ターゲットへの投げかけをタイポグラフィ・アニメーションで表現している点がポイントです。
ストップモーション・アニメーション
通常、アニメーションは絵を重ねて動かすものですが、ストップモーション・アニメーションは静止画を少しずつ動かすことで、通常のアニメーションのような動きをみせている動画です。
「コマ撮りアニメ」とも呼ばれ、アニメーションの撮影方法としては歴史のある技法です。動きがゆるやかであるため視聴者にあたたかみを感じさせる一方で、インパクトが大きく印象に残りやすい動画が制作できます。
企業理念のようなシンプルな動画やブランディング用動画への起用がおすすめです。
サービス紹介動画 求人掲載サービス「タウンワークオンライン」
株式会社リクルートジョブズが展開する日本最大級の求人サイト「タウンワークオンライン」のサービス紹介動画です。
ターゲットである会社のオーナー様や採用担当者様の課題解決に寄り添う内容にするため、冒頭でサービスの特徴や利用するメリット、実績を伝えることで信頼できるサービスであることを伝えています。
手描きイラストを採用し、色味を抑えることでシンプルでわかりやすくサービス内容を訴求している点がポイントです。
インフォグラフィックス動画
タイポグラフィ・アニメーションと同じく、モーショングラフィックスの一種です。タイポグラフィ・アニメーションが文字をメインに動きをつけているのに対し、インフォグラフィックス動画はイラストや図表、写真を使って数値をわかりやすく視覚的に表現しています。
そのため、データ情報をしっかり伝えたいIR動画やサービス紹介動画、採用動画や企業紹介動画への活用がおすすめです。
コンテンツマーケティング・Webマーケティングに特化したサービス「Innova」
株式会社イノーバが提供するBtoBマーケティング伴走型支援サービス「Innova」のサービス紹介動画の事例です。
シンプルなイラストとナレーション、適度なBGMで簡潔にサービスが紹介されています。その中でコンテンツマーケティングの重要性を理解してもらうカットでインフォグラフィックスを活用しています。数字をインパクトある形で伝えることで、訴求力を高めている点がポイントです。
3Dアニメーション
3Dで立体的なイラストやグラフィックを用いたアニメーション動画です。通常の2Dアニメーション動画とは異なり映像に奥行きがあるため、アニメーションながらも実写のようなリアリティを出せます。
実写では撮影できないが、実写のようなリアル感を出したい時に3Dアニメーションは最適です。プロモーション動画や商品紹介動画など、幅広い用途で使用できます。
日本最大級の不動産・住宅情報サイト「HOME’S」
不動産・住宅情報サイト「HOME’S」のサービス紹介動画の事例です。
「HOME’S」の機能説明がメインとなるため、実際のサイトに近い表現を取り入れている点が特徴です。ゆったりとしたナレーションとカットで、サービス内容や機能がわかりやすく伝えられています。
アイソメトリック
2Dながらも、3Dに近い立体感と奥行きを持った「2.5D動画」ともいわれるアニメーションです。平面のイラストを斜め上から見下ろすように表現することで、2Dに奥行きを持たせています。
2Dでは目視できない部分も可視化でき、単調になりがちな2Dアニメーションの動きに変化を持たせてインパクトが与えられます。コンセプトムービーやサービス紹介動画、採用動画などさまざまな用途で活用できる技法です。
接客業向け翻訳機「ili Shortcut」商品紹介動画
株式会社ログバーが提供する接客業向け翻訳機「ill Shortcut」の商品紹介動画の事例です。
利用シーンをアニメーションで紹介し、その中で「ill」を実際に利用している様子をわかりやすく表現しています。イラストをシンプルにすることで、商品の利便性を端的に表現している点がポイントです。
アニメーション動画を作る方法は自社制作と外部委託
アニメーション動画を作る方法は「自社で制作」「外部に委託」の2つがあります。ここでは、各方法について詳しくみていきます。
自社で制作する場合
最近は個人でも動画を制作できるツールが増えているため、自社で制作することも可能です。
自社で制作することは「内製」「インハウス」ともいわれています。制作費用が抑えられる、柔軟にスケジュール調整できる点がメリットとしてあげられます。また外部と連携する必要がなく、社内のやり取りで完結するためコミュニケーションコストや時間的コストが抑えられる点も特徴です。
一方で多くの企業は、社内にアニメーション動画を制作するスキルやノウハウがないためクオリティのある動画が制作できていないのが現状です。近年、有料の動画制作ツールなどを使用できるようになり、手軽にアニメーション動画の作成ができるようになっていますが、動画制作会社に依頼し制作された動画と比べ、「クオリティの差」や「動画を作る目的」を達成できずにいる企業が増えています。
外部に委託する場合
外部に委託する場合は、プロの手によってアニメーション動画を制作してもらえます。
制作したい動画や委託する制作会社によって費用は異なりますが、自社制作よりもコストがかかる傾向にある点がデメリットです。ただし、予算に合わせて制作プランを選べる場合もあり、ツール導入費や人件費をふまえると自社制作よりもコストを抑えられるケースもあります。
プロが制作するため、自社制作では実現できないようなクオリティのアニメーション動画が制作できる点がメリットです。3Dアニメーションなど、技術が必要な動画であるほどプロへの依頼がおすすめ。クオリティのあるアニメーション動画であれば、目的に合わせた効果にも期待できます。
また動画は一度制作すれば、サービス内容などが変わらない限り使い続けることができます。その点で、外部に委託して質の高い動画を制作してもらうことで、費用対効果の最大化につなげられます。
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アニメーション動画制作・映像制作
【自社制作】アニメーション動画制作の作り方(工程)
ここでは、自社制作する場合のアニメーション動画制作の作り方を解説します。
1.構想を考える
まずは、どういったアニメーション動画を制作するかという構想を考えることが必要です。どのような目的で誰をターゲットにするかをふまえ、動画の世界観やキャラクターなどを設定しましょう。
2.絵コンテ作成
制作するアニメーション動画の構想が決まれば、次に動画の大枠となる絵コンテを作成します。絵コンテとは、動画の大まかな流れを絵や文字で表したものです。カットごとの構図や背景、登場人物の動き、セリフや効果音など、シーンごとの情報を具現化します。
3.原画作成
絵コンテで制作する動画の内容が決定すれば、アニメーションのもととなる原画を作成します。作成すべき原画の枚数は、動画の長さや表現する動作によって異なります。
4.中割り作成
原画に続いて、中割りを作成します。中割りは原画と原画の間をつなぐ絵のことです。原画と同じく、背景やキャラクターなど表現したい動作によって作成枚数が異なります。
5.編集ソフトで動画にする
原画と中割りを作成したら、編集ソフトで原画と中割りをつなげて動画にしていきます。コマの秒数を決めてその中に絵を配置し、必要に応じてセリフや効果音などを追加します。
【外部委託】アニメーション動画制作の作り方(工程)
外部委託で制作する場合、イメージ通りの動画を制作するには委託先との連携が重要です。ここでは、外部委託でアニメーション動画を制作する場合の各工程を詳しく解説します。
「誰に」「何を」「どういふうに」伝えるかをまとめておく
外部に委託する上で重要なポイントは、「誰に」「何を」「どういうふうに」伝えたいかをまとめてしっかりと共有することです。
この点が明確でないと、イメージ通りのアニメーション動画は制作できないでしょう。ベースとなる動画の趣旨をはっきりと伝えておくことで、納得できるアニメーション動画の制作に期待できます。
実績が豊富な委託先であるほど、クライアントから伝えられたポイントを上手く具現化し、イメージ通りのアニメーション動画を制作してくれます。そのため質の高いアニメーション動画の制作には委託先の選定も重要なポイントです。
1.打ち合わせ・ヒアリング
まず行うのは、打ち合わせ・ヒアリングです。
委託先に「誰に」「何を」「どういうふうに」伝える動画を制作したいかを共有する場となります。あわせて、予算感や納期・スケジュールや動画の用途など制作に必要な情報を共有し、委託先から見積もりやスケジュールを提案してもらいます。
見積もりやスケジュールに問題なく、発注が決まったあとは制作の前段階としてヒアリングを実施。あらためて制作するアニメーション動画の目的などを深堀し、制作の方向性を具体化していきます。
2.企画・構想の考案
ヒアリングの内容から、実際にアニメーション動画が制作できるレベルまで企画・構想を考案します。この段階で決定すべき具体的なポイントは、下記の通りです。
・ターゲット
・動画から伝えたいこと
・アニメーションの規模や精度
・アニメーションで表現したい世界観
・キャラクター
・アニメーションの舞台となる場所
企画・構想が曖昧になってしまうと、伝えたいことやイメージが曖昧な動画になってしまうため、明確に決めることが重要です。
3.アニメーション制作
企画・構想が固まれば、アニメーションの制作に移ります。アニメーション制作の具体的な工程は、次の4つです。
①絵コンテ制作
②グラフィック制作
③アニメーション制作
④編集
①絵コンテ制作
まずは、アニメーションの基盤となる絵コンテを制作します。ヒアリング内容や企画・構想をもとに、ストーリーを落とし込み、動画の大枠を完成させます。
②グラフィック制作
絵コンテをもとに、トンマナを意識してキャラクターや背景などのグラフィックを制作します。制作するアニメーションのイメージに合わせたグラフィックにするためにも、ヒアリングや企画・構想の段階でしっかりとイメージを共有することが重要です。
③アニメーション制作
グラフィックで制作したものに動きを加え、絵を動かす工程がアニメーション制作です。アニメーションの種類はさまざまであるため、動画の目的やイメージに合わせた技法で制作します。
④編集
アニメーション制作が完了すれば、効果音やBGM・セリフやナレーションを挿入する編集の工程に進みます。挿入する効果音やセリフ・ナレーションも大枠は絵コンテの段階で決定しているため、基本は絵コンテに合わせて編集していきます。
また最終的な仕上げとして、MAで音質やバランスを調整します。MAはアニメーション動画のクオリティを左右する重要な工程です。MAはスタジオで行われることが多く、映像と挿入した音を細かく最終調整していきます。
4.アニメーション動画チェック・納品
MAが完了し、完成したアニメーション動画をチェックして問題なければ納品します。納品物をチェックし、絵コンテやイメージと異なる部分があれば修正を実施。なかには、セリフやBGMの差し替えが発生する場合もあります。
修正が完了し、再チェック後に問題なければ納品となります。
まとめ
本記事では、アニメーション動画の効果やメリット・デメリットをふまえて、アニメーション動画の種類や用途をご紹介しました。
アニメーション動画は実写に比べると正確な雰囲気や空気感を伝えにくい、感情移入しにくいなどのデメリットがある一方、わかりやすく伝えられる、人をひきつけることができるなど魅力的なメリットがたくさんあります。
また、アニメーション動画にはさまざまな種類・技法があり、自社制作や外部委託と制作方法も選択できます。アニメーション動画を制作する目的や予算感、クオリティなどさまざまな要素をふまえてアニメーションの種類や制作方法を検討してみてください。
本記事ではアニメーション動画の参考事例もご紹介しているため、実際のイメージも参考にアニメーション動画を制作してみてはいかがでしょうか。