10代から20代の若者を中心に人気のTikTok。最近は若者だけでなく、ユーザーの年代も幅広くなっています。マーケティング戦略の1つとしても注目されており、プロモーションに活用したいという企業も多いのではないでしょうか。TikTok動画がきっかけでモノが売れる現象「TikTok売れ」が起こるなど、多くの成功事例が生まれています。
この記事では、ブランディングやプロモーションに課題を感じている方向けに、TikTokの商品紹介動画で効果を上げる方法を解説します。TikTok動画広告についての把握は、売上を上げるために重要です。従来とは違う認知拡大の方法として、参考にしてみてください。
TikTokとは?
TikTokとは、中国の「ByteDance社」が開発・運営するショートムービープラットフォームです。動画投稿系SNSで、ユーザーは15秒〜10分の動画を撮影・加工して共有できます。
最大の特徴は精度の高いレコメンド機能で、自分好みの動画を見つけることができます。好み以外の動画もランダムで表示されるなど、没入感の高い仕組みとなっています。
2016年にサービス開始以降、利用者は各国に広まり、全世界のユーザー数は10億人以上です。またアメリカの調査会社Sensor Tower社によると、2022年第1四半期でのApp Storeにおけるダウンロード数はNo.1となっています。
出典:Sensor Tower「Sensor Tower’s Q1 2022 Data Digest」
TikTok動画で商品紹介を行う目的
以前は若い男女が踊っている動画がバズるというイメージのTikTokでしたが、最近では幅広いユーザーが利用するようになっています。単純にダンスや口パク動画を見て楽しむアプリから、情報収集のためのアプリに変わっているのが特徴です。
日経トレンディで発表された「2021年ヒット商品ベスト30」では「TikTok売れ」が第1位となり、この言葉がさらに注目されるようになりました。TikTokが実施した調査によると、ユーザーの4割以上が「動画を見たあと、商品を買った」と回答しています。実際に、TikTok動画で商品紹介をすることで、大きな売り上げにつながった事例は少なくありません。
InstagramやYouTubeなど、企業がSNSを活用した商品紹介は他にも存在します。それでもTikTok動画の効果が高いのは、独自の広告サービスを提供しているからでしょう。ハッシュタグチャレンジやブランドエフェクトなどの広告メニューの多さが特徴です。
TikTok動画で商品紹介を行えば、若年層を中心に幅広いユーザーにリーチができます。TikTokをマーケティング戦略の一環として活用するための目的を確認しましょう。
出典:TikTok for Business「「飲食」を楽しむTikTokユーザー、動画がリアルな行動を呼ぶ 〜TikTokユーザーの4割以上が「動画を見たあと、商品を買った」と回答〜」
TikTokのユーザー層
博報堂が実施した「コンテンツファン消費行動調査」によると、TikTokのユーザー層は10代から20代の若年層が全体の約50%を占めています。
App Annie調べでは、2021年6月時点におけるTikTokユーザーの37.5%が25〜44歳です。そのなかの25.4%が主婦ユーザーとも公表されており、幅広い世代に広がりつつあります。
主要ユーザーはデジタルネイティブなZ世代が中心となっていますが、「若者に人気のSNSアプリ」というイメージはなくなってきているというのが現状です。
TikTok動画で商品紹介を活用する際は、どの層がターゲットになるのかが重要です。難しい説明や用語は避けて、カジュアルなコンテンツ作りを心がけましょう。
出典:DIGIDAY「日本の TikTok ユーザーは平均34歳、博報堂調査が示す実態 : 要点まとめ」
Z世代がTikTok経由でモノを買う理由
これまではテレビやインターネット検索で情報収集を行うのが主流でした。一方で、デジタルネイティブであるZ世代はSNSを活用する傾向にあります。
では、なぜ10代から20代前半を中心とするZ世代はTikTok経由でモノを購入するのでしょうか。その仕組みを理解するために、モノを買うまでの流れを知る必要があります。
1.TikTokの動画で初めて商品の存在を知る
2.YouTubeやInstagramで、インフルエンサーによる商品紹介の動画・画像を見る
3.Twitterで、その商品を実際に使っている人の口コミを探す
4.商品を購入する
Z世代は自由に使えるお金が限られており、購買行動に慎重になりがちです。他人の目を気にするという特徴も、理由の1つとして考えられます。
TikTokは、強力なバイラル効果が期待できるSNSです。バイラル効果とは、話題や流行が口コミによって広がることを意味します。他人との「つながり」を欲するZ世代にとって、周りの好みや行動がわかるTikTokはモノを買う大きなきっかけになるのでしょう。
具体的に、TikTokがZ世代向けの商品紹介に優れている点を3つ紹介します。
他のSNSとの差別化
TikTokがZ世代に人気の理由の1つは、精度の高いレコメンド機能にあります。ユーザーが興味を持ちそうな動画がおすすめに表示されるようになっており、エンゲージメントが高まりやすいのが特徴です。この独自のアルゴリズムは、他のSNSとの差別化ともなります。TikTok動画で行う商品紹介は、特定のターゲットへリーチしやすいのがメリットです。
驚異的なコンテンツの拡散力があることも、他のSNSとの差別化といえます。TikTokはハッシュタグチャレンジなどのユーザー参加型コンテンツが人気です。誰かが投稿した動画を模倣した投稿が拡散されやすく、一度バズることで「TikTok売れ」につながります。他のSNSと比べても、TikTokのハッシュタグは強い力を持っているのが特徴です。
気軽に見られ、気軽に投稿できる
TikTokが提供するユーザーファーストな視聴環境もZ世代に人気の理由です。
・レコメンド機能:ユーザーに新しい発見を提供
・短尺動画:1分以上の動画に対するストレスを解消
・強制視聴なし:好きなときにスキップが可能
ユーザーの視聴態度にも影響を与えており、他の主要プラットフォーム3社の平均よりも良好という結果が出ています。投稿に対して「音声ON」「全画面視聴」「ながらしない」フルアテンションで観ているユーザーが多いのも特徴の1つです。
TikTokは気軽に投稿できることも、商品紹介に向いている理由でもあります。難しい編集が不要なうえ、2022年3月には24時間で投稿が消える「ストーリー機能」も実装されました。
出典:TikTok for Business「TikTokユーザー調査レポート ~TikTokはユーザーにフルアテンション(主体的な視聴態度)で観られる傾向〜」
海外に発信ができて、海外の流行を取り入れることができる
YouTubeやInstagramの拡大により、海外での流行が身近なものになりつつあります。一方で、海外への発信は言葉の壁から難易度が高いのが現状です。
TikTokは文章の少ない動画コンテンツであることから、海外への発信もしやすくなっています。海外のユーザーが多いため、海外の流行も取り入れやすいでしょう。そのため、他のプラットフォームでは訴求できないグローバルにリーチできるのがTikTokの特徴です。
海外に効率よく情報を発信するためには「見ただけでわかる」「動きが面白い」というコンテンツ作りを心がけてみてください。動きや音といった要素で、言語に左右されない内容を簡潔に伝えることが大切です。
TikTokで制作できる動画の種類
TikTokに投稿する動画でも、目的が異なればクリエイティブに差が生まれます。TikTokに投稿されるコンテンツは実写動画がほとんどですが、アニメーションも人気です。どちらの種類で商品紹介のTikTokを制作するか悩む方も少なくないでしょう。
実写動画とアニメーションのメリット・デメリットは以下のとおりです。
実写動画
アニメーション
特徴
・実在する人物やモノで構成される
・カメラ撮影をともなう動画 ・複数のイラストや画像を表示
・ナレーション音声を加える
メリット
・ダイレクトに内容が伝わる
・親近感や共感を生み出す
・表現の幅が広がる
・一定の信頼性が担保される ・ユーザーに伝わりやすい
・映像表現の幅が広い
・独自のキャラクターが使える
・費用を抑えやすい
デメリット
・手間とコストがかかる
・口頭のみだと伝わりにくい
・品質に大きく左右される ・共感が生まれにくい
・リアルな雰囲気を伝えにくい
・編集に高度なスキルが必要
それぞれにメリット・デメリットがあるため、しっかりと把握しておきましょう。
実写動画は実在するものをありのまま紹介できるのが魅力です。リアリティの高い動画であるため、説得力や信頼性も生まれやすくなります。ただし、撮影に費用や時間がかかり、出演者に対する立ち振る舞いの指導など細かな準備が必要です。
アニメーションは冗長になりがちな商品紹介も、ポイントを絞ってわかりやすく説明できるというメリットがあります。一方で、共感が生まれにくいのがデメリットです。実在する人やモノと違って感情移入がしづらいことには注意が必要でしょう。
TikTok動画広告の種類
TikTokで商品紹介をする際に、活用したいのがTikTok動画広告です。TikTokが提供する広告メニューには3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。TikTokでの商品プロモーションを効果的にするためには、目的やターゲットに合った動画広告の選択が重要です。ここでは、TikTok動画広告の3つの種類について詳しく解説します。
チャレンジ広告
TikTokのチャレンジ広告は、企業発のキャンペーン動画コンテンツです。ハッシュタグ(#〇〇)を設定し、それにちなんだ動画投稿をユーザーに促します。他のTikTok動画広告とは違い、ユーザー参加型で大規模なブランド体験を実現できる動画広告です。
たとえば、UQモバイルのTikTok公式アカウントは、CM楽曲でもある「UFO」に合わせて、ユーザーがチャレンジする企画を立てました。
直接的に商品紹介をするというよりも、認知度を上げるための施策です。チャレンジ広告における動画のエンゲージメント率(いいねやシェアされる割合)は、インフィード広告の約3倍にまで高まります。高品質なUCGの作成・拡散にもつながるでしょう。
インフィード広告
インフィード広告とは、通常の投稿動画の間に表示される動画広告です。「プロモーション」と記載される以外は既存のコンテンツと見た目に大きな違いはありません。通常のコンテンツに溶け込むため、ユーザーのスムーズなアクションを促せます。
インフィード広告の種類は以下の5つです。
・Top View:アプリ起動時から最初のインフィードとして表示
・OneDayMax:レコメンド4枠目に1日独占で広告を表示
・Brand Premium:最大60秒のフルスクリーン動画を表示
メリットがある一方で、クリエイティブの影響が大きいことには注意が必要です。ユーザーの興味を引く内容の動画でなければ、効果的な商品紹介は難しいでしょう。
起動画面広告
起動画面広告とは、TikTokアプリを開いた際に全画面表示される広告です。画像・アニメーションが3秒間、GIF画像は3〜5秒の間表示されます。インフィード広告のTop Viewと比べるとクリエイティブの制限はあるものの、価格が安いのが特徴です。また、想定インプレッション数も起動画面広告のほうが多くなっています。
アプリの起動時に全画面表示されるため、多くのTikTokユーザーの目に留まることがメリットです。訴求力と拡散性が高く、リーチ数を増やしたい企業に向いています。
一方で、起動画面広告は1日1枠の限定で広告枠の確保が難しいのがデメリットです。その点さえクリアできれば、商品紹介の動画広告としての効果は得られやすいでしょう。
TikTok動画広告の商品成功事例
どのような動画広告がTikTokユーザーに刺さるかは、企業アカウントが手がけた成功事例に隠されています。独自のマーケティング戦略を掲げることは大事ですが、まずは過去の事例を参考にしながら商品や企業の認知度を拡大させるための方法を考えていきましょう。ここでは、TikTok動画広告をビジネス活用した3つの事例を解説します。
コスメデコルテ「ルージュ デコルテ リキッド」
株式会社コーセーが商品紹介で行ったTikTok戦略が、ブランドエフェクトの活用です。同社の新商品「ルージュ デコルテ リキッド」の、色味や質感をTikTokで疑似体験できます。5色の色味と質感をリアルに再現し、唇を尖らせるアクションをするとルージュの色が変化します。コスメの体験をTikTok上のテスターで体験できる新たな取り組み事例です。
「TikTok Branded Mission」を活用した施策で、コスメブランドでは日本初の試みとなりました。ブランドエフェクトを使ったハッシュタグチャレンジも実施しています。
出典:コスメデコルテ「ルージュ デコルテ リキッド」
NARS「クワッドアイシャドー」
メーキャップブランドのNARSでも、ブランドエフェクトを活用した商品紹介を行っています。人気のアイシャドーパレット「クワッドアイシャドー」を疑似体験できるオリジナルブランドエフェクトを開発し、自宅にいながらカラーシミュレーションが可能です。
発色の鮮やかさで人気を集める商品なだけに、色味の変化は気になるところ。4色の色味と質感をリアルに再現し、まばたきをするだけでアイシャドーの色が変化します。デジタルで気軽に楽しめるため、ユーザーが投稿したくなる華やかなエフェクトです。ブランドエフェクトの活用は、他のユーザーも「使ってみたい」と相乗効果が期待できるでしょう。
出典:NARS「クワッドアイシャドー」の質感と色味をTikTokのブランドエフェクトでリアルに再現!
サントリー「クラフトボス TEAシリーズ」
サントリーのTikTok動画広告を活用した成功事例として、クリエイティブコンテストの開催があります。「クラフトボス TEAシリーズ」の世界観である爽やかで前向きなイメージを表現した動画をユーザーが投稿する企画です。幅広いユーザーの参加を促進するため、2つの部門を用意しており、指定するハッシュタグをつけて投稿すると参加できる仕組みです。
商品を題材に動画を作るコンテストですが、3週間で800件の応募がありました。応募作品の総再生回数は1億回以上と、商品の認知度向上・購買意欲を高める結果となっています。
出典:サントリー「クラフトボス TEAシリーズ」
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商品説明・紹介の動画制作・映像制作
TikTok動画広告のメリット
ここでは、商品紹介でTikTokの動画広告を活用するメリットを解説します。他のSNSとの違いにも着目しながら、自社にとって最適な方法を選択してくださいね。
10~20代の若い世代に相性が良い
TikTokは幅広い年代へのアプローチも期待できますが、基本的には10〜20代の若い世代が中心のSNSです。総務省の調査によると、TikTokを利用するユーザーの47.9%が10代という結果になっています。若い世代が積極的に活用しており、相性が良いといえるでしょう。
SNSマーケティングにおいて、ターゲットの明確化は重要です。特に、自社商品やサービスのターゲットを10〜20代に設定している場合は、TikTokの活用をおすすめします。
TikTokの動画広告は、性別と年齢を指定する詳細なターゲティングが可能です。自社が狙うターゲットにピンポイントで訴求できるのも、TikTokの魅力でしょう。SNS施策の効果を最大化するためにも、性別や年齢を絞り込んでみてください。
出典:総務省「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書概要」
スマホユーザーへ訴求がしやすい
TikTokが他のSNSよりも優れていることの1つに、スマホとの相性が挙げられます。TikTokは縦長に表示されるため、動画を見るたびに横向きにする必要がありません。スマホに特化した縦長クリエイティブであり、スマホユーザーへの訴求がしやすいのがメリットです。
TikTokジャパンの調査によると、縦長広告の広告認知は横型広告の3倍以上高いという結果が出ています。さらに、商品の購入にいたった件数は横型広告の2倍以上です。YouTubeでもショート動画が縦長仕様ですが、広告には対応していません。スマホユーザーへの訴求力が高いTikTokは、商品紹介の動画広告を出稿するのに最適のSNSです。
出典:TikTok for Business「TikTok For Business初のクリエイティブリサーチ 高い広告効果を生む、4つの法則とは!?」
他のSNSへも拡散されやすい
TikTok動画広告は、ユーザーから反応を得られることもメリットです。「いいね」や「コメント」だけでなく、InstagramやTwitterにシェアできる機能も付いています。TikTok内で配信する動画広告でも、他のSNSに拡散される可能性もあるでしょう。多くのシェアを獲得するためには、ユーザーが興味を持ち有益だと感じさせることが大切です。
TikTok以外で共有されれば、多くの人に視聴されやすくなります。動画広告で商品紹介をする効果が最大化され、認知拡大や新規顧客獲得の促進に活用が可能です。拡散されやすいコンテンツ作りを意識しながら、TikTok動画広告を活用してみてくださいね。
TikTok動画広告のデメリット
動画広告の効果最大化が期待できるTikTokですが、いくつか注意点もあります。TikTok動画広告を活用する際に、気をつけたい2つのデメリットを確認しましょう。
商品のターゲット層に合わせた動画制作が必要になる
企業のSNSマーケティングにおいて、商品のターゲットの明確化は重要です。TikTokのユーザーは10〜20代の若い世代が中心ですが、30代以上の利用も少なくありません。商品紹介として活用する場合は、ターゲット層に合わせた動画制作が必要です。
商品のターゲットとしている年代に合わせた施策を行うことで、幅広いユーザーを獲得できます。リーチできる層が若者に寄りやすいTikTokですが、どの層がターゲットになるのかを明確にしたうえで動画の制作に取りかかりましょう。
若者をターゲットにしていない商品であれば、他のSNSで動画広告を出稿する方法もあります。TikTok動画広告だけに絞らず、商品のターゲットにリーチするための最適な方法を模索してみてください。
30代以上にリーチするのであれば、企画やコンセプトを30代に興味を持ってもらえるような工夫を行い動画を制作することが必要です。
10〜20代の若い世代が中心のTikTokも、大人向けのコンテンツが増え「誰に向けて発信する動画」なのかを明確にすることで、年代問わずTikTokを活用したユーザーへのアプローチが可能です。
広告費用が高額になる可能性がある
10〜20代の若い世代を中心にスマホユーザーへ訴求できるTikTokですが、他のSNSと比べて動画広告の費用は高めです。広告の種類別に費用を見ていきましょう。
・チャレンジ広告:1,000万円~
・インフィード広告:42万円~
・起動画面広告:500万円程度
TikTokで動画広告を出稿するには数百〜数千万円のコストがかかります。出稿本数が増えるほど費用がかかるため、しっかりとマーケティングすることが大切です。
低予算で考えている場合は、少額から広告出稿が可能な「運用型広告」も検討してみてください。予算に合わせて設定ができ、詳細なターゲティングも可能です。失敗するリスクを最小限にするために、運用型広告から試験的な運用を始めることも1つの手でしょう。
TikTok動画広告で商品紹介する時のポイント
TikTokは商品紹介動画を流すのに適したSNSですが、ただ出稿すれば効果を最大化できるわけではありません。ユーザーが手軽に動画を投稿でき、若年層の利用者が多い特徴を理解しながら、商品紹介の動画作成が大切です。
では、TikTokで広告を出稿する際は何に気をつければ良いのでしょうか。ここでは、TikTok動画広告で商品紹介する時のポイントを3つ解説します。最大限の成果を出すためにも、ポイントをしっかりと押さえておいてください。
縦長のクリエイティブにする
TikTokは他の動画共有サービスで主流の横長比率の動画ではなく、スマホの画面に合わせた縦長比率の動画を全画面で再生できます。この特徴を最大限に活かすためにも、縦長のクリエイティブを作成しましょう。TikTok動画広告は横型と正方形にも対応していますが、上下に余白が生まれてしまい、広告のインパクトがなくなるのが問題点です。
TikTok公式も縦長のクリエイティブを推奨しています。横型画面の動画を縦型に無料で編集するサービスをプラスしたパッケージプランを用意しているほどです。
しっかりとコンバージョンにつなげるのであれば、TikTokでは縦型広告の制作を徹底してください。自社での編集が難しい場合は、制作会社に依頼してみることも1つの手段です。広告を制作するというよりも、TikTokの動画を作る感覚を持って挑みましょう。
最初の3秒でユーザーにインパクトを伝える
TikTokでは、ユーザーが一つひとつの動画をすべて視聴するわけではありません。スクロールすることで簡単に次の動画へスキップができます。「もっと見たい」と興味を持ってもらうためには、動画のインパクトが必要です。
人の第一印象が3秒で決まるといわれるように、動画もユーザーの興味を引けるかどうかは最初の3秒が鍵を握ります。TikTokが実施した調査の結果を見てみましょう。
3秒以内に商品紹介なし
3秒以内に商品紹介あり
購入・利用意向
9.5%
34%
広告認知
57%
47%
ブランド認知
28%
13%
TikTok動画広告から商品の購入につなげるなら、冒頭の3秒以内に商品紹介をすることが重要です。一方で、広告やブランド認知拡大を目的とする場合は、商品は先に出さないほうが良いことがわかります。
出典:TikTok for Business「TikTok For Business初のクリエイティブリサーチ 高い広告効果を生む、4つの法則とは!?」
広告のエンゲージを高める企画・設計をする
広告のエンゲージを高めることも、TikTokで商品紹介をするうえで大切です。たとえば、SNSで人気のあるインフルエンサーの起用は大きな効果が期待できます。
SHIBUYA109 lab.がZ世代を対象に実施した調査では、約60%が「インフルエンサーの紹介商品の購入経験がある」という結果になりました。フォロワーが多く影響力の大きいインフルエンサーですが、人気だからという理由だけで起用するのは注意が必要です。
インフルエンサーの効果を最大化するための選び方を確認しましょう。
・フォロワー層とターゲット層が合っている
・インフルエンサーの投稿が商品と同じジャンル
ただインフルエンサーを起用するだけでなく、動画広告のクオリティも担保しましょう。自社でTikTok動画の制作も可能ですが、効果を最大化するなら制作会社への依頼も検討してみてください。TikTokの利用ユーザーやターゲットに合わせた動画広告を制作できます。
出典:株式会社SHIBUYA109エンタテイメント「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」
まとめ
TikTok動画広告にはさまざまな種類があり、商品紹介の効果を高められます。10〜20代の若い世代を中心に幅広い年代のユーザー増加が著しく、市場拡大が期待できるのが特徴です。マーケティング戦略の1つとして、TikTok動画広告の活用を検討してみましょう。特に、若い世代をターゲットに設定する商品やサービスを提供する企業が多いですが、動画の企画から制作までターゲットに向けた訴求ができれば、年代問わず企業戦略に活用できます。
TikTokで商品紹介を行う際は、確かなビジネス戦略が求められます。出稿する動画広告は縦長のクリエイティブでインパクトを残す内容を意識してみてください。広告効果の最大化を狙うのであれば、インフルエンサーの起用も1つの方法です。実際に他社がどのような広告を出しているのか参考にしながら、動画を制作してみましょう。