インプレスは、「絶対に挫折しない」をコンセプトとした実用書が「いちばんやさしい教本」シリーズからEC担当者向けの新刊を出版した。書籍名は「いちばんやさしいEC担当者の教本 人気講師が教える新任1年目に身につけたい実務と知識」(以下、「いちばんやさしいEC担当者の教本」)。「業務上、どうしても基礎を学ばなければならない」といったEC担当者に向け、知っておいてほしい実務と知識を網羅。もちろん、上司が部下にEC業務全体の理解・把握のために読んでもらったり、責任者の知識・知見向上といったことにも活用できる。執筆者の中島郁氏(ネクトラス 代表取締役)、南茂理恵氏(FRACTA 取締役)に見どころなどを聞いた。
※記事の最後に、「いちばんやさしいEC担当者の教本」を5名さまにプレゼンする企画ページのリンクを記載しています。
「いちばんやさしいEC担当者の教本」の著者・中島郁氏と南茂理恵氏
知識のインプットだけではなく、「考え方」が身に付く
――「いちばんやさしいEC担当者の教本」の見どころを教えてください。
南茂理恵氏(以下、南茂): EC担当者に知っておいてほしい実務と知識が網羅的にまとまっているところですね。EC関連の書籍は“すぐ売れる”などのテクニック本が多いですが、「いちばんやさしいEC担当者の教本」では、ECの成り立ちから、実務、そして難しいこともあえて記載しています。端的に言うと、EC担当者としての基礎力が身につく内容ですね。「すぐ痩せる」といった要素はありませんが、「痩せる体質を作る」といったEC仕事の基礎体力が身につくところが私の推しポイントです。
FRACTA 取締役の南茂 理恵氏。FRACTAの創業期にジョインし、デジタルとアナログを問わず、制作全体のディレクション、プロジェクト推進に従事するOne by One局の統括担当。OMOを前提としたブランドの高速立ち上げを共に並走し具現化する
中島郁氏(以下、中島氏):実は予定よりも40ページ多くなり、全296ページ構成。こんなボリュームのある「いちやさ」シリーズの書籍は初めてじゃないですか? 知識だけをインプットするのではなく、「考え方」が身に付くようにしています。スポーツでたとえると、テクニカルなことではなく、体幹を鍛えて体を的確に動かせるようにするための考え方、ECの仕事をする上で必要なこと、身に付けるべきことを「網羅的」にまとめた一冊です。
「EC事業者視点」で実務と知識を網羅的にまとめていることも特徴ですね。支援事業者視点でのEC本が多いなか、トイザらス、ジュピターショップチャンネルのマーケティングやEC立上げ、三越伊勢丹のWeb事業部長などの経験を生かし、EC事業者視点で執筆をしました。コンサルタントが指南するようなことが、事業者視点でそれも物事を判断するための「基本的な考え方」が網羅的にまとめられていることから、通販・アパレル・雑貨小売などで活躍したスマイルエックス合同会社代表・大西理さんからは「コンサルタント要らずになる本ですね」とのメッセージをいただきました。
ネクトラス 代表取締役の中島郁氏。立ち上げと成長の専門家。ベンチャー、トイザらスのマーケティング部門やEC法人の立ち上げ、ジュピターショップチャンネル執行役員本部長、GSI Commerce(eBay Enterprise)VP/APAC代表/日本法人社長、三越伊勢丹役員事業部長を歴任。豊富なEC 責任者経験を持つ。新規事業、戦略、マーケティング、EC、リアル・デジタル領域を実務視点で支援中
▼冊子の目次(主な内容を抜粋)
- Chapter 1 はじめに知っておきたいEC事業の基礎
ECがカバーする分野/売買形態/事業者タイプ/市場規模/歴史/トッププレイヤー/顧客体験/タッチポイント/新規ビジネスと専業ECの違い/ECでも使えるネットビジネスのフレームワーク/EC部門の組織化 - Chapter 2 EC事業を構成する業務と組織の全体像
EC業務全体の流れ/事業戦略/商品担当(MD)/マーケティング/制作/ささげ/受注処理/出荷処理/CS/物流/システム・インフラ/プロダクトマネジメント/各担当者がどのポジションで、どんな役割を担うのか/EC組織の全体像 - Chapter 3 事業戦略とマーケティング戦略の基本
EC事業のすべての起点となる事業戦略/コンセプト策定/事業戦略の流れ/価格設定/ペルソナ/カスタマージャーニー/販売計画/KPIの設定/検証と分析/ECモールの併用法 - Chapter 4 企画・集客・プロモーションの基本
ECにおける企画の立て方・実施方法/顧客育成/キャンペーン/販促イベント等/集客計画/集客手段/集客施策/インターネット広告の種類と活用方法/SNS運用/A/Bテスト/クーポン・ポイント/メールマーケティング - Chapter 5 ECサイトの企画・構築・店作り
ECサイトの役割、構築時の考え方/プラットフォーム選定/基幹連携/商品の見せ方/売り場の作り方/オンライン接客/サービスの改善/ランディングページ制作/SEO対策/法規/セキュリティ - Chapter 6 ECの運用:バックエンドの業務
ECビジネスと運用の周期/商品周りの業務/受注処理/出荷処理/フルフィルメントの流れ/CSの考え方/オペレーションの改善/「EC担当者の1日」スケジュール3パターン - Chapter 7 さまざまな販売手段とEC担当者のあり方
越境対応/オムニチャネル/OMO/単品通販系EC/ポップアップストア/リアル店舗との共創/コラボレーション/新施策へのチャレンジ/これからのEC担当者の人材像/EC担当者あるある/よくある悩み相談
上司が読んでなかったら部下との知識が逆転、先輩の手助けもできる一冊
――どんな人に読んでもらいたい一冊ですか?
南茂:ECビジネスに関わる人は全員に読んでもらいたいです。「いちばんやさしいEC担当者の教本」の制作に携わり感じたのが、ECビジネスのなかでEC担当者は一部の人や業務にしか携わっていないケースが多すぎるということ。そのため、ECの業務全体を理解している担当者は少ないと思うんです。「いちばんやさしいEC担当者の教本」を読めば、「隣の席のスタッフはこんな仕事をしているので、私はこのタスクをこうすれば業務がうまく進む」といった考え方が身に付くはずです。
レベル感的に、まったく「MDや販売の業務について」わからない人が読むと、難しくてすぐには“わからない”かも(笑)。しかし、用語もきちんと説明しているので、ECに新しく携わる人は、基礎が身に付くぴったりの教本と言えるのではないでしょうか。
中島:新卒の担当者やECに初めて携わる社会人経験者は、ECビジネス全体を理解するために頑張って読破してほしいですね。ECは、物流、マーケティング、カスタマーサポート、マーチャンダイジング(MD)などさまざまな業務があります。こうした全体の業務を俯瞰できるようになるので、大きな組織であれば部署異動してきた新任スタッフなどにも適した教本と言えます。「自分がやってきたことの確認」「他の部署がやっていることの確認」など、経験者が読んでも共感できたり、責任者レベルの自身の学び直しに役立つと思います。
豊富な図解で解説、必要なところだけ拾い読みもできます
南茂:私はブランディング視点でのECサイト構築に携わってきました。ブランドとコミュニケーションを踏まえたECの構築という経験を書籍に盛り込んでいます。私の仕事の役割の多くがディレクションなのですが、ブランド側にはECやデジタルに詳しくない人は少なくありません。実店舗出身者などとのやり取りといった経験も踏まえて、「リアルでやっていることをオンラインで再現することの重要性」などを記載しています。仕事では「どうすれば理解してもらえるのか」といった視点で取り組んでいたので、その視点を書籍にも入れています。つまり、「わからない人にもわかるように」という視点です。
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10 中島:“デジタルデジタル”していないですよね。書籍の制作にあたり、「考え方」「ツールを入れる際の判断基準」などに触れた書籍がないという話になりました。ツールやソリューションを導入する際、業務の本来の意味合いを理解していなければ「このツールは何のために導入するのか」という問いに答えるのは難しい。こうした判断基準を身に付けられるようにしたいよねという視点も入っています。
ECの業務の1個1個はさほどレベルは高くなくてもなんとかなります。しかし、やること、業務の種類が本当に多い。1個1個を追及していくと体がいくつあってももちません。何をどこまでやるかという取捨選択、優先順位の付け方といった視点も「いちばんやさしいEC担当者の教本」を読むことで身に付けることができるはずです。
南茂:EC担当者にとってその視点はとても重要ですよね。こうした視点を「いちばんやさしいEC担当者の教本」で身に付けてほしいです。
――2022年11月16日の発売です。周囲からどんな声がありましたか。
南茂:ECにある程度詳しい方から好評いただいています。タイトルと違って「やさしくない」と。でも、「やさしくないからこそ社内スタッフに読ませたい」と言ってくださる方が多いです。「共感できる」といった責任者の声も多いです。FRACTA社長の河野貴伸からは「ここまで書いていいの?」「EC担当者大変って思われない?」と言われました。社内でよく言っているのは「ECは総合格闘技」。総合格闘技はキック、ボクシング、締め技などさまざまな格闘技の出身者が自身の強みを出して戦うフィールドです。ECも一緒で、それぞれ業務に充たるスタッフが自身の強みを発揮していくことで、事業が回っていきます。「いちばんやさしいEC担当者の教本」はスタッフ1人ひとりの基礎力向上、軸を鍛えるために役立つ一冊です。
新任1年目の必須知識がぜんぶ入っているという
中島:「1社に一冊はほしいよね」という声をいただきました。あとは、「先輩担当者がいなくてもこの一冊をとりあえず読んでもらって理解してもらえれば業務はできるようになる」といった声もありました。知り合いのコンサルタントには「中身が濃い」と。経験者には「やさしい」「便利な」一冊ですが、小売経験などがなくゼロからECに携わる人にとっては“やさしくない”(笑)。でも役に立つはずです。
南茂:最初から「やさしい」と、そのスタッフは成長しないですよね。その意味で最初は厳しいけど「やさしい」本と言えます。
中島:EC業界は今、人材不足の声があがっています。その状況を踏まえて、「下手なOJTやるよりもこの本を読んで社内育成できる」といった声もいただきました。良いEC経験者が転職市場に現れるのはごく一部なので、内部育成は必須です。販売やMD経験者たちをECの人材として育成した方が圧倒的に効率的で効果も高くなるでしょう。そうしたECに携わっていない販売員、MD、マーケ担当者などに読んでもらうことで自己育成につながるはずです。
南茂:業務全体を俯瞰的に見ることができるようになるので、先輩の手助けもできるようになりますよね。
中島:それはありますね。もっと言うと、部下が読み上司が読んでなかったら、知識が逆転します。なので、新任担当者だけではなく、先輩担当者や責任者レベルの方もぜひ読んでほしいです。
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10 ※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:「コンサル要らずに」「1社に1冊はほしい」「ここまで書いていいの?」と業界人が絶賛した「いちばんやさしいEC担当者の教本」の著者に見どころを聞いてみた
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