山田養蜂場の「コロナ予防」表示が景表法に違反した経緯とは。類似事案で処断を避けてきた消費者庁にも落ち度あり? | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2022年12月5日(月) 07:00
このページは、外部サイト ネットショップ担当者フォーラム の情報をRSSフィード経由で取得して表示しているため、記事の一部分しか表示されていなかったり、画像などが正しく表示されなかったり、オリジナル記事が意図したデザインと異なっていたりする場合があります。
完全な状態のオリジナル記事は 「山田養蜂場の「コロナ予防」表示が景表法に違反した経緯とは。類似事案で処断を避けてきた消費者庁にも落ち度あり? | 通販新聞ダイジェスト」 からご覧ください。
山田養蜂場が景品表示法の措置命令を受けた。執行を担う消費者庁にも、表示管理体制の問題を助長した責任の一端があった可能性がある。命令に至る背景には何があったのか、〈上〉〈中〉〈下〉の3本構成で解説【この記事は〈下〉】

「コロナ対策」表示の背景には、山田養蜂場の表示管理体制の問題があったとみられる。だが、これを助長した責任の一端は、執行を担う消費者庁にもあった可能性がある。過去に景品表示法違反の蓋然性が高い事案に触れながら、明確な処断をしてこなかった。

消費者庁は2022年9月、山田養蜂場の「ビタミンD+亜鉛」「1stプロテクト」「2stプロテクト」に措置命令を実施。コロナに関連づけた自社商品のPRが景品表示法違反の対象になった消費者庁は2022年9月、山田養蜂場の「ビタミンD+亜鉛」「1stプロテクト」「2stプロテクト」に措置命令を実施。コロナに関連づけた自社商品のPRが景品表示法違反の対象になった
顧客応対の均一化のため、山田養蜂場は「機能性マニュアル」を自作した過去も

物的証拠を押さえられたため、処分を免れることは難しいと思っていた」。元社員が振り返るのは、「コロナ対策」を表示した今回の処分ではない。2017年秋頃、耳の健康ケアで訴求する「酵素パワー蜂の子」で、景品表示法に基づく調査を受けた時期にさかのぼる。

消費者庁から景品表示法に基づく調査を受けた「酵素パワー蜂の子」。耳の健康ケアで訴求していた消費者庁から景品表示法に基づく調査を受けた「酵素パワー蜂の子」。耳の健康ケアで訴求していた

山田養蜂場は、2012年に機能性成分に関する情報を積極的に発信する「宣言」を行ったが、一方で課題も抱えていた。「パートや派遣を含め、コールセンターはさまざまな従業員がいる。品質が安定せず、フリートークで疾病名や効果を伝えてしまう人がいた」(元社員)。

そこで応対品質の均一化を目的に2016年に作られたのが、社内で「機能性マニュアル」と呼ばれる冊子だ。同社は、その存在について「営業施策に関わるためお答えしていない」とする。

元社員の証言によると、中身は、商品に配合する成分・素材について研究成果の内容をまとめたもの。「蜂の子であれば、“難聴や耳鳴りを改善します”といった記載があった」。

このマニュアルがオペレーターに配布され、「“お客さまから効果について聞かれたら自ら判断せずこれを読むように”と、指導された」という。

マニュアル内容は法律違反すれすれ、“ギリギリを責める”トークも         

作成の基本姿勢は、「宣言」で示したように「自社の商品を対象にせず、一般的な健康素材の成分に関する情報である事」。「ただ、機能を整理した上でギリギリを攻めるもので存在自体がグレー。トークでは結果的に商品に結びつくため、薬機法や景表法違反に抵触する可能性があることに変わりはなかった」(元社員)。

「酵素パワー蜂の子」をめぐる消費者庁の景表法調査では、この「機能性マニュアル」も証拠として押さえられ、複数あるコールセンターから回収することになったという。景表法違反となる表示は、紙面だけでなく、Webやセールストークも対象。このため、「処分を免れることは難しい」(同)との認識を持ったという。

景品表示法に違反しない“ギリギリを攻める”セールストークをマニュアルに盛り込んでいた可能性がある(画像はイメージ)景品表示法に違反しない“ギリギリを攻める”セールストークをマニュアルに盛り込んでいた可能性がある(画像はイメージ)
「葛の花事件」一斉処分ほか、措置命令大幅増加の過去も

当時は、ダイエット関連の機能性表示食品16社に対する一斉処分が行われた「葛の花事件」「打消し表示」の問題提起に向けた大規模調査が行われるなど、消費者庁の強硬姿勢に事業者の反発が高まっていた時期でもある。

景表法の執行を担った表示対策課の課長は、大元慎二氏(2016年6月~2019年7月)。公正取引委員会では談合などに絡み検察への刑事告発も行う「犯則審査」で鳴らし、措置命令件数は前年の27件から過去最高の50件(2017年)と飛躍的に伸びている

通販新聞調べ(当時)で、耳の健康ケアの商品表示に対する調査対象企業は、山田養蜂場だけでなく複数社に渡っていた。行政評価の実績の一つは、執行件数。「葛の花事件」同様、これを一気に増やすことができる格好の事案にもかかわらず、なぜ立ち消えたのか

※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:山田養蜂場の「コロナ予防」表示が景表法に違反した経緯とは。類似事案で処断を避けてきた消費者庁にも落ち度あり? | 通販新聞ダイジェスト
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.

※記事内容は紙面掲載時の情報です。
※画像、サイトURLなどをネットショップ担当者フォーラム編集部が追加している場合もあります。
※見出しはネットショップ担当者フォーラム編集部が編集している場合もあります。

「通販新聞」について

「通販新聞」は、通信販売・ネット通販業界に関連する宅配(オフィス配)をメインとしたニュース情報紙です。物品からサービス商品全般にわたる通販実施企業の最新動向をもとに、各社のマーチャンダイジング、媒体戦略、フルフィルメント動向など、成長を続ける通販・EC業界の情報をわかりやすく伝え、ビジネスのヒントを提供しています。

このコーナーでは、通販新聞編集部の協力により、毎週発行している「通販新聞」からピックアップした通販・ECのニュースや記事などをお届けしていきます。

→ 年間購読を申し込む(通販新聞のサイト)
通販新聞の過去記事を読む(通販新聞のサイト)
→ 通販新聞についてもっと詳しく知りたい

» 通販新聞ダイジェスト のバックナンバーを見る
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

3Eトラップ
「どのチャネルでも、だれにでも、すべてを提供しようと、過剰に投資してしまう」失敗 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]