楽天グループは、各種データを元に選出した「楽天グループ ヒットキーワード2022」「楽天グループ ヒット予測キーワード2023」を発表した。
「ヒットキーワード2022」に「脱自粛関連消費」「レシ活」が選出
「ヒットキーワード2022」は、2022年1月~9月に楽天グループのサービスで流通額や利用者数などが特に伸びたものからキーワードを独自に選出。新型コロナウイルスの行動制限緩和に伴う「脱自粛関連消費」、物価上昇により注目が高まった「レシ活(レシートを活用した節約術)」があがった。
脱自粛関連商品
行動制限の緩和により、「楽天市場」ではイベント、外出、冠婚葬祭関連の商品需要が回復傾向にあるという。冠婚葬祭関連アイテムの流通総額は、2021年1月1日~9月30日と比べて、ウェディングドレスが約1.5倍、パーティドレスが約1.3倍、和装が約1.3倍と拡大した。
昨年より流通額が約1.3倍になったパーティドレス
また、コロナ禍の外出自粛により化粧をする機会が減少傾向にあったが、外出の機会が増えたことで、2022年6月1日~9月30日において、口紅・リップスティックが同期比約1.3倍、ファンデーションが約1.2倍と化粧品の流通額が拡大した。
「楽天ブックス」では、2021年1月1日~9月30日と比べてガイドブックの売り上げが同期比約2.5倍、特に国内向けガイドブックがランキング上位に上がった。
マイクロファッションアイテム
「楽天市場」ではスマホや最低限の貴重品を携帯し手ぶらで外出できるスマホショルダーやスマホポーチが、2021年1月1日~9月30日と比べて同期比約4倍、マイクロバッグが約2.8倍に伸びた。
スマホショルダーは流通額が前年と比べて約4倍に伸びた
ビューティー・コスメ関連商品でもミニサイズの口紅・リップスティック、ファンデーション、アイシャドウも伸長傾向にあるという。
レシ活
生活必需品の値上がりが続くなか、レシートの画像を送ってポイントを溜める「レシ活」が人気を集めた。「楽天ポイント」を獲得できるサービス「Rakuten Pasha」のレシート送付総数は、2021年1月1日~9月30日と比べて同期比約1.6倍になった。
対象商品を購入するとポイントを獲得できるクーポン「トクダネ」も掲載数が前年同期比約2.4倍となった。
「楽天ポイント」を獲得できるサービス「Rakuten Pasha」
(画像は「Rakuten Pasha」サイトからキャプチャ)
ホカンス
2022年は3年ぶりに行動制限のない夏休みとなったことなどから、国内旅行が大きく回復。ホテルとバカンスを組み合わせた造語で、ホテルの滞在やアクティビティをゆっくり楽しむ宿泊スタイル「ホカンス」はInstagramでのハッシュタグ投稿件数が2022年11月9日時点で13万件を超え、注目が高まった。
「楽天トラベル」の高級宿の予約実績は、2019年1月1日~10月31日と比べて同期比約1.3倍に伸長、「露天風呂付客室」を含む宿泊プランや客室の宿泊数も約1.3倍になった。
また、「ヴィラ」のキーワードを含んだ客室や宿泊プランの予約も約1.8倍と大きく伸長した。
国内旅行で高級感や非日常を求める傾向があるという
バーチャル推し活
行動制限は緩和されつつあるが、アイドルやミュージシャンなどのオフラインイベントには引き続きさまざまな制限がある。そうしたなか、オンライン上での新しい「推し活」としてNFTへの注目が高まったという。
NFTは1次販売時のみだけでなく、購入したNFTを他のユーザーに売却する2次流通の際も、アーティストや著作者へ利益の一部が還元される仕組みになっている。そのため、NFTを保有したり売買したりすることが「推し」を応援することにつながる。
「Rakuten NFT」でも、スポーツ選手、アーティストなどさまざまなNFTを販売しており、NFTを通して「推し」を応援する動きがみられた。
特に、VTuber「安全だいいち!」によるNFTは、2022年6月に限定100個販売し、発売当日に本人がYouTubeライブ上で告知したところ、発売からわずか30分後に完売。さらに第2弾のNFTについても、発売開始後7分後に全20個が完売した。
VTuberの「安全だいいち!」
2022年、オンラインでキャラクターグッズを展開する「楽天コレクション」で、VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球とのコラボアイテムを販売したところ、「楽天コレクション」公式Twitterにおいて関連ツイートが合計2万件以上リツイート、6.4万件以上「いいね」を獲得するなど、大きな反響があった。
VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球とのコラボ
「ヒット予測キーワード2023」では、デジタル分野での新サービス展開などに注目高まると予測
2023年に向けて楽天グループが期待するキーワードを独自に選出した「ヒット予測キーワード2023」では、「デジタルヘルスケア」「縦読みデジタルコミック」といったデジタル分野での新たなサービス展開や、水際制限緩和に伴う旅行分野での変化に注目が集まると予測した。
サステナブルツーリズム
世界的にサステナビリティへの意識が高まるなか、近年はサステナビリティに対応した宿泊施設の新規開業や、新たにサステナビリティ対応を始める宿もみられるという。
「楽天トラベル」が旅行者を対象に行った意識調査では、7割以上が「旅行先や宿泊施設においてサステナビリティに関する何らかの問題意識を感じている」と回答しており、国内外で「観光地や宿泊する宿のサステナビリティへの対応」がより注目されると予測した。
「楽天トラベル」では旅行とサステナビリティについて考えるコンテンツや、サステナブルがコンセプトの宿情報などを発信する特設ページ「 楽天トラベルと始める 旅行×サステナビリティ」を開設
デジタルヘルスケア
コロナ禍を機に、必要なときにいつでも検査、治療を受けられる仕組みや、迅速に医療データを収集・解析・利用することの重要性が認識され、デジタル技術を活用した新しい医療・ヘルスケアサービスの需要が急拡大した。
厚生労働省は2023年1月から、患者が医療機関で受け取る処方箋をデジタル化する「電子処方箋」の運用を開始すると発表している。
楽天は、ポイントを貯めながらおトクに健康管理ができるスマートフォンアプリ「楽天ヘルスケア」のiOS版を2022年10月から提供開始した
縦読みデジタルコミック
縦読みデジタルコミックは、スマートフォン画面全体を使ったインパクトのある描写に加え、多様な色使いや音響にエフェクトをかけるなどさまざまな演出が可能。
コマを縦に並べることで画面をスクロールして読むことができ、世界共通で読みやすいフォーマットであることから、国内外で人気が高まっているという。
楽天は今後トゥーンクラッカー社と共同で、縦スクロール型・フルカラーのオリジナル作品を企画・制作し、国内外への配信や海外作品の調達およびローカライズを行う予定。
安近短な海外旅行
2022年8月に日本出入国時の水際対策の緩和以降、海外旅行へ行きやすくなったことをきっかけに、「楽天トラベル」での海外ホテルと海外ツアーの1日あたりの平均の検索数は3倍以上に増加した(2022年1月1日~2022年8月23日と2022年8月24日~2022年10月23日で比較)。
ハワイや韓国など以前から人気が高く、「安」心して楽しめ、文化などが身「近」で、移動距離の「短」い国から回復の傾向にあるという。
「楽天トラベル」では、渡航情報などをまとめた「海外旅行応援」ページを公開
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:【楽天グループ ヒットキーワード】「脱自粛関連消費」「レシ活」などを選出。2023年は「デジタルヘルス」「安近短な海外旅行」に期待
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