こんにちは、某WebサービスのPdMをしている冨樫です。今回もセミナーの聴講レポートをお届けします。
前回までと違い、今回は「オンライン講座」且つ「LIVE分析」であるのが特徴です。その名も「SchooのテキストメディアをLIVE分析」という講座タイトル!
なんと、セミナーのその場でメディア担当者にヒアリングしながら分析していき、実際に改善提案し実現しちゃおうという内容なんです!なので、どんな過程を経て分析〜改善まで辿り着くのか、その改善結果はどうだったのか、めちゃめちゃリアルな変遷を目の当たりにすることができるのです。
他の人がどういう流れでやっているのかは気になりますよね?
今回のLIVE分析を担当するのが、ウェブ解析のプロフェッショナルである小川卓さんなので尚更です。
それでは、実際に参加してみて「おもしろい!」と感じた部分や、実際に業務に役立てられそうな点など、私個人の感想を交えながら全体の内容をかいつまんで紹介したいと思います。
講座の雰囲気
- スクーのサービス上で、リアルタイムでオンライン聴講(無料!)
- 画面上に映し出されるのは、講師の小川さん・スクー株式会社からヒアリング対象の方2名と進行役の方1名の計4名
- 受講者の顔は出ず参加者名の表示のみ、テキストチャットでLIVE配信に参加可能
- タイムライン上で他の受講者の発言を閲覧でき、コメントやアイコンで反応可能
- 進行役の方が質問をピックアップして、講師が解説を挟んでくれるので一連の流れがスムーズ
実際の画面。講師を含む運営サイドの4名がビデオ表示され、受講者はチャットで参加しています。
講座の内容
- 第1回「サイトに関するヒアリング」4月13日(月)20:00開催済み
* 当日はLIVE配信を行っておりましたが、現在スクーさんのサイト上で録画授業として公開されています。 - 第2回目「サイト内の改善」5月13日(水)20:00開催予定
- 第3回目「一ヶ月で数値に変化はあったのか生放送で検証」6月17日(水)開催予定
上記のとおり第1回目である今回は、データを見つつサイトに関するヒアリングをしていく内容となっていました。
対象となる実在のメディアは、株式会社Schoo(スクー)が運営する「PENCIL」という授業の様子を中心に記事を展開しているテキストメディアです。
pencil.schoo.jp
講師である小川さんとPENCIL運営サイドの下記2名がセッションする形で進行します。
古瀬さん(写真右下): スクー取締役COO、スクーのオペレーション全般、マーケティングユニットを管轄(小川さんのリクルート時代の元上司だそうとか!)
青野さん(写真左下): スクーのマーケティングユニット所属、PENCILのディレクション・グロース担当
※全体の進行や、受講生からの質問のピックアップなどのフォローは進行役である中田さん(写真左上)が担っていました。
これから分析し改善提案するサイトの担当者と責任者が同時参加しており、スピード感をもって判断していけそうな雰囲気です。
この生放送で小川さんが出す案をどんどん実行して、改善を期待しているとおっしゃっていました。見ている側としては面白い!ですが、さすがの小川さんもちょっとドキドキしていらっしゃるのではないでしょうか笑
講師自己紹介のひとコマ。背景と蝶ネクタイについて受講者からコメントがあるなど、和やかな雰囲気。
ヒアリングとデータから現状を確認するでは、講座内で紹介されていたヒアリングの仕方と現在の数値確認方法を少しだけご紹介していきたいと思います。
まずは、ヒアリングの3つの目的から。
1.ユーザーと事業を理解
- 立ち上げの経緯、どんな想いをもって始めたか
- 大事にしたいことは何か
2.目指すべき山を確認
- 何を改善していきたいんだっけ?の整理
- 何を目的としているか、KPIを確認
- 何をゴールとするか、認識合わせ
3.できること・できないことの確認
- 人や予算の問題など、できないこともあるので事前に確認する
- できないことは提案しないように!
どんな思いを持ち、何を目指してサイトを立ち上げたか、最初の目的から方針転換した経緯、行ってきた施策…等、かなり細かくお話を聞いていました。
エピソードの合間合間に、その時ユーザーの反応はどうだったかデータ的な検証を入れながらヒアリングを進めていました。
印象に残ったのは「どうしてもNGな施策は?」という問い。今、優先順位を下げていることを確認したり、開発リソースが割けない等の状況を確認したりは、最初の段階ですべきだなと思いました。
ヒアリング前の注意点としては、事前にヒアリング項目を送り、ある程度回答を記入してもらうこと・確認のうえでヒアリングに臨むことが上げられていました。
今回も事前にヒアリングを文章で行っており、そこからピックアップしたものを授業でお答えいただくという形式だったようです!
この事前にヒアリングすることで得られるメリットとして、
相手側は、答える準備ができること(KPIなど明確ではないことに気づけること)
聞く側は、何を深堀るのか決めて置けること
などが紹介されていました。
確かに、ぶっつけ本番でヒアリングの時間を取るより、お互いに準備をして望んだほうが有意義な話ができそうです!
今回のスクーさんと違って、実際のお客さんは明確な指針を持ってないことも多いのでしゃないでしょうか。この機会に考えてもらうためにも、事前に送ることはお互いのためになりそうです。考えられてないことの判断も予めつきます。KPI設定などのアイディアを出すこともあるそうです。
ヒアリング時の注意点として上げられていたのは、時間管理の大切さと、自分以外にメモをお願いする(もしくは録音しておく)こと、そして自分が話しすぎないことでした。小川さんがおっしゃられていた「いかにお客さんのことを聞くかが大事」との言葉が印象的でした。
生放送でのヒアリングは、過去にやった施策結果の実感値を尋ねてみたり、サイトの本来の目的と施策の矛盾点などへのツッコミがあったり、サイト運営の核心に迫る質問が続々。こんなにリアルなサイト運営事情を聞ける機会はそうないので、興味津々で聴いておりました。ぜひ、みなさんも動画でご覧下さい。
schoo.jp
PENCILの現在の数値を 確認してみる
オウンドメディアの方程式。それぞれの指標ごと、どのようにして確認するか説明されていました。
次に紹介されたのは指標と実際のデータの見方。成果=Schoo(本体サイト)への送客とし、それを増やすためにはどこを上げていけばいいかが解説されました。
この解説に使われたのは、何とPENCILの本物のGoogleアナリティクスアカウント!
スクーさん、大公開しちゃって良いのでしょうか!?受講生としては、生の他社数値に触れる機会はとても貴重ですよね。
デバイス比率、モバイルの直帰率、リピート比率、流入元の割合、どのコンテンツが見られているか…実際にGoogleアナリティクスを操作している画面を見ながら、データを一緒に確認し現在のサイトの数値を把握していきます。
疑問に思ったことはその場で聞き、ちょっとしたアドバイスを挟んだりしながら、確認を進めていました。
投影スライドの小川さんが運営するサイトの例。生配信では、実際のGA画面でスクーさんの実数値も紹介されました。
流入元のデータを見ている中で、検索流入ワードの確認をする流れになり(GAでは見られないので)Google Search Consoleのデータを確認することに。
流入が多いワードを見て、スクーの古瀬さんもびっくり。予想外のキーワードだったようです。流入ワードもランディングページ(記事)も想定外のものが多く、いつもサイトを見ているお二人も驚く発見があった様子でした。
疑問に思ったら実際に検索してみたりすることでも、新たな気づきがありそうですね!上位表示されている先生から再度記事を書いていただくなど、施策にもつながりそうです。
サイトの課題点の洗い出すGoogleアナリティクスやSearch Consoleのデータを確認してサイトの状況を把握したら、課題点を出していきます。
数字を一緒に見ていく中で、スクーのお二人も気づきがあったようで
「SEOに注力してくべきかな?」
といった意見も飛び出していました。
流入ワードを知ったことでも、施策が拡がりそうですよね!
担当の青野さんからは、
「サイトとしてはまだ道半ばの状態で、現状を改善していくのが良いのか。
まだ見ぬ大地を見据えてやってくのが良いのか。。」
何を優先すべきかというお悩み相談も。
それを踏まえ小川さんからは、
「無いデータは分析できないしゴールが見えないので、今の状況で分析して改善しましょう!でも、今やっていないことへの挑戦もサイトとしてのWILLを踏まえ、今回の3ヶ月では難しいものも提案に入れるので議論して決めましょう。」
といった内容の、今回の改善施策にプラスαして中長期的な提案も加えるというレスポンスがありました。
認識を合わせながら一緒に現状把握し、相手の意向を取り入れ進めているのでお互いに納得感がありますよね!協働してつくり上げることが大事であると感じました。
講座の終わりの受講者の反応。興味深い内容であったことが伺える御礼のコメントが続々と流れていました!
講座の終わりの受講者の反応。興味深い内容であったことが伺える御礼のコメントが続々と流れていました!
感想
LIVE分析、おもしろいですね!
サイトの実数値も含むため細かくお伝えできないのが残念ではありますが、ヒアリングのやり取りや分析のプロセスを生で見ることができ良い体験となりました。
ぶっつけ本番なので、データを確認していく中で想定したレポートがこのサイトの場合は見られないなどのハプニングがありながらも、別の方法で確認する等で解決するなど、生放送ならではの臨場感ある内容となっておりました。
スクーさんのセミナー(授業)に参加するのは初めてでしたが、受講システムが秀逸で驚きました。オンラインでありながらも質問しやすい雰囲気づくりなどもされており、とても進行がスムーズでした。
ちなみに、今回投影したスライドは、受講者限定でDLできるURLが紹介されておりました!これは嬉しいですね。
聴講レポートは以上です。
次はいよいよ、小川さんが持ち寄る改善提案の中から、実際に行う施策がLIVE配信中に決定します。その場で、評価項目の整理までを予定しているそうです。すごい!
GAやSearch Consoleのデータをもとに、小川さんは何をターゲットとし・どう改善するのか、紹介してくれる施策がとても楽しみです。
次回も受講は無料なので、気になったら参加してみてくださいね!
schoo.jp
第2回 サイト内の改善 2020年5月13日(水)20:00開催