「AI+ビッグデータ」活用を本格化するエニグモのマーケティング施策とは? | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

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CtoC仮想モールの「バイマ」を運営するエニグモでは今期(2019年1月期)より、ビッグデータとAIを活用した新たなマーケティング施策を本格化する。顧客ごとに最適なクーポンやポイントを付与するもので、構築・運用費用として2億円を見込んでいる。

前期(18年1月期)は増収となったものの、韓国の連結子会社解散に伴う特別損失や、国内のウェブメディア事業子会社の株式売却に伴う減損損失などを計上したことで減益となっている。

主力のバイマ事業については引き続き成長が続いており、ファッション情報を記事形式で発信して、商品画像のクリックからバイマに送客するオウンドメディアサイト「スタイルハウス」が新たな流入経路として機能。同サイト経由でのバイマ新規会員数は前期比31%増、総取扱高では同30%増となった。

また、テレビCMを軸とした新たなマーケティング施策を前期の下期より試験的に開始している。予算1億円弱を使い、2つのセールを起点とした合計5日間のスポットCMを実施。アプリ限定の500円均一セールと、アメリカ買い付けのアイテムが現地価格より割安で購入できるセールで訴求した結果、第4四半期の新規登録会員と総取扱高が四半期ベースで過去最高値を記録した。

今期はこのマーケティング施策を更に本格化する考えで、これまで人力で行ってきた顧客特典の配分作業などについてAIを使って効率と精度を向上させる。具体的には顧客に応じたクーポンの配布量やポイント発行数、付与するタイミング・範囲などの組み合わせを自動化する考え。同施策の構築・運用予算については2億円を想定しており、アクティブ会員数の増加と1人当たりの購入件数向上を図っていく。

AIを使って効率と精度を向上させるエニグモのマーケティング施策
エニグモが取り組むマーケティング施策のイメージ(画像はエニグモのIR資料から編集部がキャプチャし追加)

そのほか、2月5日にはバイマのアプリを刷新。ホーム画面は日々更新されるバイマの最新トレンドが確認できるデザインにしており、検索についてもお気に入りの検索条件の保存作業を簡素化したことで検索ページへのアクセスを改善した。

また、中古品買取サービスについても、即時の下取り割り引きサービスを今期中に開始する予定。バイマで購入した商品であれば即時査定・承認し、新たにバイマでの購入を希望している商品から値引きする内容を想定している。

さらに、昨年10月に韓国版を売却し、英語版に会員を移行して一本化した「グローバルバイマ事業」についてもテコ入れを行う。移行後の一時期はアクティブ率や一人当たり購入金額が低下したものの、香港での会員数が前期比240%増、アクティブ率が同24%増、となるなどマーケットが伸長。今期は香港で得たノウハウを使って同じアジア圏内での顧客拡大を図り、同事業での単月黒字化を目指していく。新規関連サービスへの投資も含めて、同事業でもサービス増強に関する2億円の投資を行う計画。

なお今期の個別業績については売上高が前期比12%増の47億8000万円、営業利益が同2%増の17億4000万円、経常利益が同2%増の17億4000万、当期純利益が同84%増の12億円、バイマ総取扱高(決済手数料を含む)では同13%増の419億5000万円を見込んでいる。

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