クックパッドは10月7日、人気通販サイト「アンジェ」を運営する子会社のセレクチュアーを京王百貨店に売却した。京王百貨店はセレクチュアーの全株式を取得し、完全子会社化。譲渡価格は10億4000万円。
クックパッドは2014年8月、セレクチュアーを5億5000万円で買収。クックパッドのECと「アンジェ」を連携し、事業運営ノウハウを融合することでEC事業の拡大につなげる狙いがあった。
今年3月になるとクックパッドの社長が変更するなどしたため、企業理念である「毎日の料理を楽しみにすること」に事業を集中する方針に転換。2016年5月10日に保有するセレクチュアーの全株式を第三者に譲渡する検討を始めたと発表していた。
なお、売却価格と取得価格を差し引いたクックパッドの株式売却益は4億9000万円になる。
セレクチュアーの2015年12月期における売上高は13億8300万円。営業利益は1億5000万円、当期純利益は9500万円。
買収前の通期決算(2013年7月期業績)は、売上高が14億5800万円、営業利益は5900万円、当期純利益は3700万円だった。「クックパッド」からの送客連動施策などによって、利益率が大幅に上がっている。
セレクチュアーが運営する通販サイト「アンジェ」(画像は編集部がキャプチャ)
京王百貨店は将来に向けた成長戦略として、京王沿線外を含む小型サテライト事業、地方百貨店にも出店する婦人服アパレル事業の展開を推進。2015年度~2017年度の中期3カ年経営計画では、「客層の拡大」と「販路の拡大」を営業方針に掲げている。
セレクチュアーを子会社化したことで、EC専業会社の持つノウハウやマーケティング力を吸収、京王百貨店グループとの連動などによって相乗効果を発揮するとしている。
なお、セレクチュアーの創業者で、クックパッド傘下後は会長、顧問として事業に参画していた洞本昌明氏は9月末でセレクチュアーを去っている。
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オリジナル記事:クックパッドがセレクチュアーを京王百貨店に10.4億円で譲渡、売却益は約5億円
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