アマゾンは2015年7月に初めて実施した「プライムデー」。2回目を迎えた今年のオーダーは世界中で前年比60%も上昇したそうです。2016年の「プライムデー」は歴史的な数字を残したのです。
2016年7月12日に24時間限定で開催された「プライムデー」は、アマゾンの21年の歴史上で最大の売り上げを記録しました。アマゾンの広報担当者は詳細な数字、「プライムデー」以前に最高の売り上げを記録したプロモーションの詳細は明らかにしませんでしたが、2015年の「プライムデー」と比較し、世界中の消費者からのオーダーは60%増だったそうです。
アメリカ国内の購買は2015年対比で50%増、アマゾンのアプリ経由でのオーダーは2015年比で倍以上に増えました。
アマゾンプライム担当のグレッグ・グリーリー副社長は、「プライムデー」の翌日、次のように語りました。
今回の結果を受け、来年も確実に「プライムデー」を開催することになるでしょう。
公表されているデータに元に、インターネットリテイラー社は流通総額を試算しました。2016年に実施したアマゾンの「プライムデー」は、全世界で25億ドルの流通総額を記録。2015年の「プライムデー」における流通総額15億ドルから大幅増になりました。
アマゾンなどのマーケットプレイスで商品販売をする企業のサポートを手がけるチャネルアドバイザー社によると、アマゾンの2015年の総流通総額は2256億ドル。2016年の「プライムデー」は、アマゾンの総流通総額(2015年)の1.1%を1日で記録したことになります。
投資会社のマキシムグループの試算では、アマゾンの2015年における総流通総額は1850億ドル。2016年の「プライムデー」の流通総額は、2015年流通総額の約1.4%を占めているということです。
アマゾンは「プライムデー」に向けて行ってきたプライム会員の獲得施策によって、どれくらい新規会員が増えたか明らかにしていません。年間99ドルを支払ってプライム会員になると、お急ぎ配送や「プライムデー」での割引など、いくつかの特典を利用することができます。
2016年の「プライムデー」の成功は、2015年に1年間もの期間をかけてプライム会員を増やし続けてきた努力に寄与する部分が大きいと言えるでしょう。コンシューマーインテリジェンスリサーチパートナー社の試算によると、2016年6月30日までに米国のプライム会員は6300万人まで増加、前年同月比で43%も伸びています。
インターネットリテイラー社発行の「北米 EC事業社トップ 500 2016年版」で1位のアマゾンは、会社設立20周年を記念して、2015年7月15日に初めて「プライムデー」を開催。2015年の「プライムデー」での売り上げは非公開でしたが、「プライムデー」の流通総額は、2014年の「ブラックフライデー」の流通総額を18%上回ったと発表しています。
2016年の「プライムデー」は、電化製品が人気でした。アマゾンの発表によると、9万台以上のテレビを販売。Kindleも数十万台売れ、2015年と比較しアマゾンのデバイスは3倍売れたそうです。
アナリスト達はこぞって「プライムデー」の成功を称えています。
2016年の「プライムデー」で、アマゾンはより多くの消費者の注目を集めることに成功した。2015年の在庫切れや物流トラブルから学び、商品在庫の確保し、より質の高いセールを行った。また、サードパーティの販売会社と密接にコンタクトをとり、より多くの商品を事前に確保していた。
ロバートWベアード社のアナリストはこう語ります。
アマゾンは2015年の「プライムデー」で販売した商品セレクションに関し、消費者から寄せられた不満の声に耳を傾け、テレビや家電製品などニーズが高かった商品を増やしました。
2015年の「プライムデー」では、ツイッター上に“#PrimeDayFail(「プライムデー」は失敗)”というハッシュタグで、不満の声が寄せられていました。アドビシステムズ社のアドビデジタルインボックスで集められたデータによると、2015年の「プライムデー」に関するソーシャルメディア上の声は、半数が不満や落胆を表すものだったそうです。
2016年の同データでは、39%が不満の声を上げるものの、30%は満足しているという結果になっています。満足度は2015年から23%アップしました。
価格に関し、タブレットやプルーレイプレイヤーの購入者が最も得をしたようです。マーケットリサーチ会社のマーケットラック社は、「プライムデー」の18:00(アメリカ東部時間)に、さまざまなカテゴリにまたがる1500アイテムの価格を分析。前日の価格と比較すると、タブレットは平均24.8%安くなっていました。割引率が高かった他の商品は以下の通りです
割引率が高かった商品
- ブルーレイプレイヤー:平均24.6%の割引
- 工具:平均17.5%の割引
- ビデオゲーム:平均16%の割引
- おもちゃ:平均14%の割引
- ヘッドフォン:平均14%の割引
7月12日にセールを行ったのはアマゾンだけではありません。インターネットリテイラー社の調査によると、eコマース大手50社のうち23社が「プライムデー」の同日に限定プロモーションを実施。現在入手できるデータでは、「プライムデー」にあわせて売り上げを伸ばしたのはアマゾンだけではないようです。
データ分析会社ブルームリーチ社によると、クライアント先であるeコマース企業へのアクセス数が、平均よりも16%アップしたと発表。1か月で最も大きな動きがあった1日だったそうです。
- インターネットリテイラー社の「プライムデー」2016に関する記事はこちら(英語)
- 2015年の「プライムデー」のファクトシート、および大手eコマースのプロモーションとの比較情報はこちらからダウンロードできます(英語)
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オリジナル記事:アマゾン「プライムデー」の流通総額は? プライム会員数、他のEC企業の動向なども解説 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ
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