多店舗間の商品登録を簡単にできる「item robot」や在庫情報を一元化する「zaiko robot」など、ECモールに出店する事業者向けにシステムを提供するハングリードは2015年末、楽天に全株式を売却し、楽天グループ入りした(記事参照)。楽天がECモール向け支援サービスを展開する企業を買収するのは珍しく、ハングリードを買収した理由などに注目が集まっている。今回、ハングリードの吉武修平社長に、楽天グループ入りした経緯や今後の展開などについてインタビューした。
楽天グループ入り後も従来と同様のサービスを展開
――楽天グループ入りした経緯は。
これまで単独での上場をめざしてきましたが、楽天グループに入った方がいろいろ大きなことができるのではないかと考え、参画することにしました。
ハングリードは多店舗展開を行うEC企業向けに在庫、商品、受注管理システムを提供しています。これまで楽天のシステム担当者には何度も会ってきましたが、役員の方にお会いする機会がありませんでした。
数年前に楽天が、「楽天市場」に出店する店舗向けに支援サービスを提供・紹介するサービス「RMS Service Square」を開始し、楽天の役員の方と話す機会が増えました。
担当窓口の方にお願いして役員の方との会食をアレンジいただき、役員の方々と話を重ねていくうちに、ハングリードの考え方やビジョンに共感いただくようになりました。そして、楽天の役員の方から「一緒にやってみないか」と声をかけていただき、楽天グループに入ることを決断しました。
――ハングリードにとって、楽天グループに入るメリットはどこにありますか。
まだまだ小さなベンチャー企業ですので、中小ネットショップに対しての知名度がありません。楽天のグループ会社になることで、ネットショップに知ってもらえるようになるとともに、信頼感を得られるのではないかと思っています。
楽天は、営業面、開発面、管理面などさまざまな面で当社よりも進んでいます。楽天グループの一員として、ハングリードは営業面などのクオリティーを引き上げていくことが大きな課題の1つ。その中で成長できると考えています。
――楽天グループに入ることで、展開するサービスに変化は。
これまでと同じようにやっていく予定です。多店舗向けサービスなので、楽天とは競合になるモールと連携することも必要ですが、これまで通りフラットな立場でサービスを提供していきます。特に中止するサービスはありません。
今のところ、「RMS Service Square」でも他のサービスと同様、フラットに扱われる予定です。グループのシナジーを生かした新サービスについても現在は計画していません。いい意味でも悪い意味でも今まで通りになりそうです。
――吉武さん自身は今後どのようにする予定ですか。
楽天グループ入り後もハングリードの代表を続けます。新規サービス展開や事業拡大を進めていく予定です。ただ1点、大きな違いがあるとすれば、楽天グループに入ったことで英語の語学力を磨かないといけなくなりました。書類はもちろん、会議でも発言できないので、早い段階で英語をマスターしなければならなくなったことですかね(笑)。
ハングリード・吉武 修平 社長
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オリジナル記事:ハングリードが楽天グループ入りした理由とは。吉武社長に聞いてみた
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