ヤフー出店者の利用が増えているYahoo!ショッピング広告「PRオプション」とは? | 通販新聞ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2016年2月24日(水) 07:00
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出稿が増えている「PRオプション」は現在、テスト段階で、出稿できるのは一定の実績を持つ店舗(対象は数千店舗規模)

ヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」の内の広告出稿が急伸している。直近四半期(10~12月)のモール関連の広告売上高は前年同期比で2.3倍の30億円となった。ポイント増量施策などモールへの積極的な集客策を背景に、出店者の広告出稿が増えているようだ。広告商品企画の責任者である同社ショッピングカンパニーの中島淑志広告企画部長と営業で日々、出店者と向き合う東日本営業2部・ファッ1ションリーダーの日比野雄大氏に「ヤフーショッピングの広告」の現状と今後について聞いた。

――「ヤフーショッピング」の広告の出稿が増えている。

日比野「出店手数料などを無料化した2013年のeコマース革命以降、大幅に出店者数と商品数が増え、また、ポイントキャンペーンやテレビCMなどの販促策で消費者の間でも『お得に買い物ができる』という認知が上がり、来訪者数も大きく増え、出店者の皆様の広告出稿意欲も高くなってきている」

――人気の広告は。

中島「モール内に掲載する広告はおおまかに言うと掲載期間保証の『ディスプレイ広告』と子会社のバリューコマースが展開するクリック課金の『ストアマッチ』(モール内商品検索連動型の『アイテムマッチ』とコンテンツ連動型『ストアのイチオシ』)。そして一昨年末から新たにスタートした『PRオプション』。また、モール内の掲載ではないが出店者向けにカスタマイズした『YDN』(ヤフーの広告ネットワークを活用した各種広告)を展開中でそれぞれ出稿が増えているが目立つのは『PRオプション』だ」

ヤフー出店者の利用が増えているYahoo!ショッピング広告「PRオプション」とは?
中島淑志広告企画部長(写真右)と日比野雄大氏

――「PRオプション」とは。

中島「モール内商品検索の結果画面や買い物カゴページ内など様々なページでレコメンドとして掲載する広告商品だ。コンバージョン課金(実売後に広告料を徴収する方式)で出店者が商品別または全商品に対して0.1%刻みで1~15%の料率を入札でき、料率が高いほど表示されやすくなる。我々は基本的な考え方として広告主の手間をなるべく減らしたいと考えている。出店者は商売でいつも忙しい。広告は効果的なことは分かっているが、まとまったお金が必要だったり、出稿のやり方が難しかったり、また、一度、出稿しても継続するのが大変でなかなか出稿できない場合も多い。我々としてはできるだけ広告を自動化し、『オペレーションコストをどれだけ小さくするか』に主眼を置いた広告商品を提供していきたいと考えている。『PRオプション』はコンバージョン課金という形でリスクを小さく始められることに加えて、広告主側で細かいコントロールをすることなく、我々がヤフーのビッグデータを活用し、最もコンバージョンされやすいユーザーや場所を計算して掲載位置を自動的に決めている。ROAS(広告費用に対して得られた売上額)をできるだけ高くし、運用コストをできるだけ小さくすることを追及した。出店者からすると『出したら売れる』という広告商品だと思う」

――「PRオプション」の平均的な料率は。

中島「料率は入札制で日々、変わる。例えばセール時などは利益率を減らしても売り上げを取りに行く動きをする出店者も多く、上がったりする」

――セール時は料率に“縛り”があるようだ。

中島「我々が原資を負担するポイント増量キャンペーン時などの特集ページに掲載するような場合は最低料率を決めている。ただ、そういった時も検索結果画面など通常の掲載位置は通常通り、1%からだ。あくまでキャンペーンへの参加条件というインセンティブが付くか否かだけで全体的に“縛り”はない」

――「PRオプション」を効果的に使うコツは。

中島「ケースバイケースだ。特定の引きの良い商品に対して料率を高く設定して集客に役立てるという使い方もある。また、多くの商品を取り扱い店舗の場合は、薄く広く、つまり、料率は『1%』など低めの設定にしておきつつ、全品に対して実施して、全体的な商品検索経由のトラフィックを増やして結果、売り上げが上がるという成功例も出ている]

――「PRオプション」が出稿可能な出店者は限られていると聞いた。

中島「今はテスト段階で一定数の出店者に限定して提供している。売り上げや閲覧率、カート投入率などの様々なデータをもとに計算して、特定キーワードに対し最もクリックされ、売れるであろう商品の広告を掲載するわけだが、実績データが少ない商品に対しては適切な予測値を出すというのがなかなか難しい。現時点ですべての出店者に開放すると、ユーザーに『これじゃない』と思われる商品が並んでしまうことを一番、懸念している。また、そうなると広告主の利益にもならず、また、商品が売れて初めて広告収益が発生するモデルであるため我々にとっても厳しい」

――現状の出稿可能店舗数は。

中島「全体からするとまだそう多くない。数千店舗程度だ。“条件”については詳細は言えないが、端的に言えば、一定の実績がある出店者だ」

日比野「他モールで実績があっても、あくまで我々はヤフーでの数字しか把握できないため、出店者にはなるべくヤフーにもリソースを割いて、実績を上げて頂きたい」

――「ヤフーショッピング」の広告のこれからの方向性は。

中島「できるだけ多くの出店者により多くの機会を提供したい。『PRオプション』もまだまだ問題が多く、常にロジックの改善を行い、より使いやすくなるようにしていきたい。また、詳細は言えないが、近々にも費用対効果が高く、難しい運用業務も不要という新しい広告サービスをリリースしたい

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