最近、ネットやテレビで猫の話題を目にすることが多くありませんか? アベノミクスならぬ「ネコノミクス」なんて言葉も出てきました。ネコノミクスが盛り上がればEC業界がさらに盛り上がるはず! ということで、猫好きのためのユニークな商品や、サービスを展開している企業を勝手に応援するコーナーを作りました。記念すべき第1回は「be-glad store ネコ(ビーグラッドストア・ネコ)」さんです。
見たことない商品ってあるもんだな〜と思った話。
私事ですが、実家時代も入れたら累計6匹、年数にしておよそ30年、猫と暮らしています。ご飯、猫砂、爪とぎなどの必需品から、まったく買わなくてもいい猫グッズまで、相当な数の商品を買ってきました。さすがに最近ではちっとやそっとのグッズでは食指が動かなくなりました。もうね、あれもこれも持っているんですもの。
しかし、そんな私が「なぬ!? これは斬新……!」と思った商品があります。それがこちら。
抜け落ちた猫のヒゲを収納するケースです。「猫のヒゲ」も「ケース」も珍しくありませんが、「猫のひげケース」となると話は別です。しかも桐製。名入れもできます。うやうやしい金色の薄紙にヒゲをそっと包んで収納します。大まじめ。
作ったのは株式会社ビーグラッドの藤原 未歩さん。
株式会社ビーグラッド EC事業部 マネージャーの藤原未歩さん(左)。右側は同じくEC事業部の山口 麗菜さん。
藤原さんは山口さんともうお一方、上原さんという女性と3人でビーグラッドストア・ネコを運営しています。サイトの運営だけでなく、商品の企画やイラストも藤原さんの手によるものです。EC事業部のマネージャーでプロデューサーでデザイナーでイラストレーターなのです。
「小さい頃から実家に猫がいるんですが、結構ヒゲって落ちているんですよね。猫のヒゲって存在感があって、なんとなく捨てがたくて、テレビの上に置いていたんです。家族全員そんな感じだったので結構集まっていました。
弊社は以前から桐の製品を作っていて、桐は湿気に強いので大事なものを入れるのにピッタリ。だったら、私が大事にしている猫のヒゲを入れるケースを作ろうと思ったんです」(藤原さん)
猫のヒゲを集めてる人なんているの?? ……って、いた!
藤原さんの会社はもともと雑誌の付録や企業のノベルティを制作しているため、どんな製品でも大抵のものは実現できる環境。会社の人も「そういうのならどこそこで作れるよ」といろいろ教えてくれるそうです。
でも、猫のヒゲケースの企画には、「猫のヒゲなんか集めてる人いるの?」という“生暖かい”反応だったそうです。お願いした職人さんも「えっ!?」と困惑……。
しかし、藤原さんのこだわりを根気よく伝え、ついに商品化。販売を始めてみたら予想以上の反響。直販のほかに卸の要望も受け、累計販売数は約2,000! ビーグラッドストア・ネコの看板商品に成長しました。
「次に会ったら猫と何をしようかな」が、もの作りの発想の源
現在は猫と離れて暮らしている藤原さん。
「実家の猫にすごく猫に会いたくて、“今度猫と会ったら何をしよう”とか“何をして欲しいかな”ってよく考えるんです。それが商品企画につながっていると思います」(藤原さん)
藤原さんの猫愛は、他の商品にも表れています。
「
猫専用猫のごはん台」13,900円(税込み)。「お皿はガラス製なので、下にスマホを入れて撮影すれば猫がご飯を食べているところを見られるんです!」(藤原さん)……ってちょっと変態っぽいですけど面白い! 「
愛猫よ、豆の発芽のようにスクスク元気に育ってね」という思いを込めた「猫ビーンズ」型。
脚の形は猫をイメージしています。高知県産の檜(ひのき)を使用。
「
猫専用猫のごはん保存BOX」7,900円(税込み)。こちらも桐製。桐は調湿機能に優れているためドライフードの保存にピッタリ。大容量なのでおやつ類もまとめてスッキリ収納できます。名入れも可。
大地をイメージした木製の台に、マタタビやキャットニップが入った大根やにんじんが立ててあるので、大喜びで収穫(?)してくれます。
「
猫専用ぬこ武将首輪」900円(税込み)。戦国武将が武具を固定するのに使っていたという「真田紐(さなだひも)」で首輪を作りました。真田紐は伸びにくくとても丈夫で軽いという特徴があります。「
戦国武将にあやかって、元気に、安心して戦(遊び?)をしてほしい」という思いを込めたそうです。一定以上の重さがかかると外れる「安全バックル」使用。
付属のフェルトボールで猫パンチの威力を測定します。上手に測定できるかどうかは、やってなければわかりません!
ビーグラッドストア・ネコの製品からは「猫と一緒にいる時間をもっと楽しくしたい」という思いが伝わってきます。1つ1つがよく考えられていて、遊び心にあふれていて、しかも長く使えるよう、ていねいに作られている。猫好きとしてはグッときてしまいます。
配送用の段ボールにもすごい工夫が!
通販に段ボール箱は付きものですが、猫も段ボール箱は大好き。藤原さんはそこも見逃しませんでした。
こちらは段ボール(小)。このままだとピンとこないかもしれませんが……
上部を切って窓をくり抜くと電車になります。
乗れます!(ちょっと無理があるかな? 汗)
大きなサイズの段ボールは、なんと猫用の顔出しパネルになります!
入り口もちゃんと付いています。閉めたときに屋根型になるように、フタに折り目が付いています。
商品だけでなく段ボールでも楽しめるのです。段ボールが欲しいがために買い物をしたくなる……。こんなに購買意欲を高める段ボールがあるでしょうか? このアイデアはすごい!
段ボールのテーマは「ネコ旅」。小さな方は国内をめぐる列車を、大きな方は世界遺産の旅がテーマです。デザインは不定期に更新予定だそうです。
現在は「ご飯もので計画中です。日本製で納得できるものを作りたい」と語る藤原さん。どんな商品になるのか楽しみです。
◇◇◇
実は私、初めて猫のヒゲケースを見たときは「面白いな〜」と思ったものの、購入はしませんでした。私も猫ヒゲは捨てない派ですが、マスキングテープで止めていて、それで十分だったのです。
でも去年、猫のヒゲケースを買いました。21年連れ添った猫が旅立ち、「この子のヒゲはもう拾えないんだ」と思ったら、残ったヒゲを大切にしまわずにはいられなかったのです。藤原さんの猫愛が詰まったひげケース、愛猫のヒゲ共々、大切にしますね!
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オリジナル記事:えっ、猫のヒゲケースが売れる!? ビーグラッドの「ネコ好きの心」をつかむ商品作り | ネッ担ネコノミクス研究所
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