エステサロンやリラクゼーションサロンなど向けに施術用のオイル、施術で利用するタオルといった消費財の通販を行うビー・エイチ。2014年6月期の売上高は前期比23.6%増の13億6200万円で右肩上がりの成長を続けている。どのようなマーケティングで限られた顧客にアプローチしているのか。柴山靖文取締役副社長兼マーケティング統括マネジャーに話を聞いた。
初めての購入者は検索対策で獲得
――主なターゲットはどんな事業者ですか。
現状の顧客数は約2万5000件で、内訳はエステサロン、リラクゼーションサロンが70%、美容クリニックが10%です。そのほかが、ヘアサロンやホテル、整体院などとなっています。個人や自宅で開業されている事業者が35%、2~4店舗の小規模なサロンが40%で、7割以上が小規模事業者です。
――BtoBのネット通販では、ターゲットを絞った訴求は難しいといわれています。どのようにアプローチしているのでしょうか。
新規顧客へのアプローチは、検索対策に力を入れています。お客さまの流入経路を見ると、その多くが検索経由です。主なキーワードは「エステ 仕入れ」や「エステ 開業」など。こうしたキーワードでのリスティング広告、SEO対策を重点的に行っています。新規登録のお客さまは毎月平均して400件ほど。多い月は700件ほどありますが、ほとんどが検索経由で購入されているユーザーとなっています。
リピート購入は、カタログが役に立っています。購入者にカタログを発送しているので、手元に届くタイミングで動き出す商品も多くあります。サロンを経営していると「化粧品」や「タオル」などは必ず必要になりますので、電話1本で注文できるカタログは店に1冊は必ず置くお店が多いのです。
――事業を展開する上で、最も重要視している数値は何ですか。
最も重視しているのが1回目の購入から、2回目購入の比率です。2回購入するとその後はコンスタントに購入するお客さまになるケースが多い。一方、2回目の購入がないと、その後は購入しないケースが多くなってしまっています。そのため、2回目の購入にどうやってつなげていくかは、試行錯誤しながらいろいろな施策を行っています。
その1つがインストラクターを派遣したりお客さまをセミナールームに招き、インストラクターが施術の方法を伝えするサービスの強化です。施術の仕方などを伝えることで、使用するオイルなどの購入につながります。インストラクターと個人的に仲良くなってもらい、インストラクターに「この商品を入れておいて」など注文するお客さまも増えています。
リピート購入向けにカタログも発行
治療院向けの新たなサイト開設も検討
――「お急ぎ便」サービスも提供されています。配送スピードのニーズは高いのでしょうか。
ニーズはとてもあります。たとえば、エステサロンなどではペーパーショーツをはいてエステを行うのですが、日曜日などにショーツの店頭在庫が切れてしまうということがよくあります。営業ができなくなるので、当日中に届けてほしいという注文がよくあるのです。BtoBのほうがむしろ、急な注文に対応する必要性が高いのではないでしょうか。
――現在、決済はネットプロテクションズが提供する「FREX B2B後払い決済」を利用しています。その理由は。
決済方法を多様化することで、購買率を高めたいと以前から考えていました。ただ、当社は小規模な事業者が購入するケースが多く、与信の管理が大変という問題がありました。ネットプロテクションズの「FREX B2B後払い決済」は、代金をすべて立て替えてもらえるため、未回収リスクが減るので適したサービスだと判断したのです。
――今後の展開として考えていることは。
現在約1万6000点の商品を取り扱っていますが、今後は今以上にオリジナル商品を強化していきたい。オリジナル商品が増えれば、その商品を求めるお客さまが増加していくでしょう。利益率も高いので、化粧品や消耗品など以外でもオリジナル商品を増やしていこうと考えています。
また、最近では鍼灸、整骨院のお客さまも急増しています。こうした業種向け商品の取り扱いも始め、別のサイトで展開していきたいと考えています。
柴山靖文取締役副社長
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オリジナル記事:新規客は検索経由、リピート購入はカタログ+派遣サービスなどで。BtoB通販に学ぶ顧客育成法 | BtoB通販企業のマーケティング術 | ネットショップ担当者フォーラム
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