独創的な商品でファンの心をつかむ「神戸フランツ」が一躍人気EC店となった秘密 | 今、注目のショップから学ぶ ~FREEC!おすすめ記事~ | ネットショップ担当者フォーラム | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2014年11月7日(金) 07:00
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「神戸フランツ」のEC事業責任者である中林慎太郎氏のインタビュー

楽天市場ショップオブザイヤー5年連続受賞、同グルメ大賞2年連続受賞、神戸セレクション5年連続受賞など数多くの賞を獲得しているスイーツECショップ「神戸フランツ」。人気の「魔法の壷プリン」や「工具チョコレート」など、独創的な商品を販売しているが、こうした商品はどのように企画したのか。フランツ株式会社EC事業部責任者の中林慎太郎氏にページデザインや実店舗の話を含め聞いた。

フランツ株式会社 EC事業部責任者 中林慎太郎氏
フランツ株式会社 EC事業部責任者 中林慎太郎氏
商社出身の社長がお客様目線で商品企画

――「魔法の壷プリン」や、「工具チョコレート」など、フランツさんには独創的な商品がたくさんあります。商品企画はどのように行っていますか。

基本的には、代表の眞田(泰秀氏)のアイデアを商品化しています。神戸フランツ(※以下略:フランツ)は、眞田が考えたものを作りだすお菓子屋さんです。神戸の洋菓子店はパティシエ発で大きくなったところがほとんどなのですが、フランツは代表がパティシエではなく、商社出身なんです。そこが長じて作り手目線ではなく、お客様の目線でほしいものを考えるという点が当社のオリジナリティになっているのかと思います。なので、こういうものがあったらきっと面白いよね、というアイデアから商品企画が始まっていくことが多いです。

――商品のネーミングもおもしろいですよね。

そこも眞田イズムですね。当社では、世間ですでに認知されているものを組み合わせるようなロジックを用いてコピーを作っています。代表的なものはアニメです。懐かしいもの、聞いたことあるもの、そういう語感や感性を大事にしながら、組み合わせて作っていきます。

たとえば、「魔法の壷プリン」は、もともと他社さんのような白い陶器に入った、よくあるプリンでした。そこからオリジナリティを出すためネーミングを変更しました。その時に商品イメージの元になったのが、「アラジンと魔法のランプ」の世界観です。それに合わせてパッケージも現在の「壷」に一新したんです。商品と語感、あとはバックグラウンドとなるイメージですね。そのネーミングの世界観にズレを生まないように注意しながら、商品化を行っています。その他の商品にも元ネタがあるのですが、これ以上話すと怒られちゃうのでご容赦ください。(笑)

人気の「魔法の壷プリン」
人気の「魔法の壷プリン」
細部までこだわりを持ったデザインで商品選びのワクワク感を演出

――ページデザインで気を付けている点はありますか。

神戸フランツでは、洋菓子を取り扱っていて、商品点数が少ない。なので、わざとページをゴチャゴチャさせています。「スッキリさせたほうがいい」という意見もあるのですが、そうしてしまうとにぎわいがなくなってしまう。「洗練されたサイト=売れる」、ではないということだと思っています。「あれもあります、これもあります」と、ただ商品をずらっと並べても、何の特徴もないのっぺらぼうな感じになっちゃうんですよね。大事なのはにぎわい。ヒト気ですね。ただ単純にぼくらは売る人じゃないんです。神戸フランツのページを訪れてくださった以上、お客様にはお買い物を楽しんでほしいし、何より洋菓子屋さんって、お店に入ると店の雰囲気とか内装を見て、「おおーっ」てなるじゃないですか?あの感じをECサイトでもなんとか表現したいんですよ。これは極論ですが、その場で買ってもらわなくてもいいんです。それが、僕らを覚えてもらうきっかけになって、将来的にまたどこかでフランツに触れる機会があったときに、いつか買ってもらえる形になればいいなと考えています。

――バナーの画像もすごく綺麗だと思うのですが、何かヒミツがあるんですか?

制作時に意識しているのは、「2Dで3Dを表現する」ということです。もちろん、画像は平面なんですけど、裏側にたくさんのレイヤーが重ねてあります。ネットショップの商品画像などのバナーっていうのは、だいたい20個くらいのレイヤーだと思うんですが、当社のバナーは、多いものだと120~150個くらいのレイヤーが重ねてあります。こうすることで、意図的に画像に奥行を持たせているんです。ただ重ねればいいというものでもなくて、商品を選ぶワクワク感とか、楽しい感じを滲み出させたいと考えています。

僕は09年にWebデザイナーとして入社しました。「神は細部に宿る(※)」じゃないですが、デザインのスタッフには細かなオーダーもします。酷い時は、左に1ピクセル上に5ピクセルなど。デザイナーが見て気持ち悪いと感じることを、必ずしもお客様が同じように感じるかというと、そうでもないかもしれない。だれど、もし潜在的にお客様がなんか気持ち悪いなぁと感じて、商品バナーをクリックしてくれなかったら、デザイナーの仕事としては終わってると思うんです。だから、細部までこだわりましょうと。そんな小さな修正は一瞬で終わりますからね。企業の中では、デザイナーって普通はどうしても立場が弱かったりすると思うんです。だけど、デザイナーがそのこだわりやプライドをなくしてしまったら、元も子もない。特に当社の商品はデザインがあって初めてお客様が選んでくれるのだから、僕らはそこに誇りを持たないといけない、ということを伝えるようにしています。

(※) 「God is in the details.」…近代建築の三大巨匠のひとり、ミース・ファン・デル・ローエの言葉として知られている。
「神戸っぽい」を印象付けるブランディング

――現在、リアル店舗も人気ですが、ネットショップとリアル店舗はどちらが先に始めたのですか?

ネットショップですね。リアル店舗は後からです。元々は六甲店(元本店)の、道を挟んだ向かい側でネットショップの事務所があって、そこで受注対応などをやっていました。そのうち、「事務所の前にもショーケースを出して、売ってみたらいいんじゃないか?」というような話から、リアル店舗がスタートしていったようです。
ただ当初は当社の商品は、神戸の人に買ってもらうお菓子じゃなかったんです。ターゲットとしているのは、基本的には関西、神戸へ観光に来た人に買ってもらうためのお菓子なんです。だから神戸の人がみたら、あんまり神戸らしくないかもしれないんですよね(笑)。

――私もそうですが、神戸以外の人からみれば、まさに「神戸っぽい洋菓子」という印象ですが。

ありがとうございます、それは当社のブランディングが成功しているんだと思います。神戸に店舗を置いていますが、メインのターゲット層は神戸に住む人ではなく、神戸に観光に来た人なんです。

また、売り場の立地を見てもらえるとより顕著です。新神戸、北野、南京町、モザイクなど、いわゆる神戸の代表的な観光エリアに出店しています。なので、そのルートを通るバスとかで観光してもらうと、よく目に入ってくると思います。

あわせて関西への入り口にも売り場を出店しています。新幹線で新神戸駅に降りたら、すぐあります。神戸空港もそうですし、関空、伊丹、新大阪駅もそうです。それ以外の場所には一切出してないんです。逆に他社さんでは、地元の方にも食べてもらいたい、という戦略を取られているところもあるので、いろいろな場所へ出店されているんだと思うのですが、当社の場合は神戸(関西)へ観光に来た方が、「神戸のお土産なんにしよう、あ、フランツ面白そう!」という風になってもらえたら、という狙いでやっています。

神戸フランツ本店(六甲店)の店内の様子
神戸フランツ本店(六甲店)の店内の様子
ネットもリアルも全部連動している

――リアル店舗を始めたことでネットショップへの影響はありますか。

僕の中では、ネットもリアル(実店舗)も全部連動していると思っています。たとえば、楽天市場で普段買い物をしている人が、新幹線で新神戸駅で下車します。すると、「あのロゴ見たことあるなぁ」となって、それから北野へ向かいます。すると、「またあった!神戸のお土産、面白そうだからここで買っていこうか」ってなったり、それは、南京町やモザイクで起こるのかもしれません。そうした形で最終的にOtoOのような流れが作れているかなと。ただ、逆の導線として、“店舗”から“ネットショップ”、っていうところがまだ完全ではないんです。ここを何とかしたい。

正直、神戸を観光するためだけに何回も来ないじゃないですか?来ても一生に2~3回くらいでしょうか。京都・大阪と違って、観光客の方って神戸までわざわざ来ないんですよ。大阪まで来ても、「神戸はちょっと遠いしなぁ」ってなると思うんです。実際はとても近いんですけどね。なので、神戸に観光に来ていただいたときに実店舗で1度買っていただいて、以後はネットショップで買ってくれれば理想的ですね。

現在、実店舗では年間約2万人のお客様が買い物してくださっているので、まずはそのうちの1割のお客様をネットショップへ送客できれば、と考えています。1度買ってくれたお客様向けに、本店サイトでの購入を促進するような施策も展開していきたいと考えています。

――今後、ネットショップと実店舗との連携をさらに強めいくということですか。

そうですね。まさに裏側のシステムの繋ぎ込みを試行錯誤している状態です。旗艦店であるモザイク店、それと新神戸駅も入口となる売り場ですので、ここの連携は実現したいです。あわせて、現在構築中の社内システムが完成すれば、業務自体の効率もかなり改善できますし、なにより売り上げを作る仕組化ができると考えています。その他に新たな事業も立ち上がり始めているので、今後もさらにいろいろな形でお客様に楽しんでいただけるお店になっていきたいですね。

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