壊れたリンクグラフを修復するには | SEO Japan

SEO Japan - 2010年7月16日(金) 16:02
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SEO Bookから有料リンクをはじめSEOを意識したリンク構築の結果、崩壊しつつあるインターネットのリンクグラフに関する意見を。ある程度の知識があり、かつ考えながら読まないと理解しにくい内容ですが、SEOの未来に興味ある方はどうぞ。 — SEO Japan

2002年にテオマがローンチされた際、グーグルガイは以下のようなコメントを残した:
「1つ質問がある。オーバーチュアの結果の1位はエープリルフールの冗談かな、それとも本当のこと? ;) 」
それ以来、グーグルはオーガニック検索の上に広告を掲載するようになり、年間2兆円近い売上を生み出すビジネスを構築した。ウェブに広告の容赦ない無差別攻撃が始まったのだ。因みにこれは冗談ではない
しかしこの戦略の成功における正味の影響は、多くの人々がリンクの価値を把握しているかどうかで決まる。基本的にSEOはゼロサムゲーム(翻訳済み)であるため、セルフプロモーションをしっかり実施しなければ、グーグルによるリンクのないインターネットではいつまでも目立つことは出来ないだろう:

もう誰も誠実にリンクを張らない。
すべてのリンクが疑わしい。
もう誰も自由にリンクを張らない。
自由にリンクを張る人物はナイーブだと思われてしまう。
ページランクには金銭の価値がある。
リンクは通貨である。
記事にはかつて良質なリンクが詰まっていたが – もはや話の内容を基にリンクを張る行為は行われていない。

ウェブではアイデア(そしてビジネスモデル)が瞬く間に広がっていく。グーグルが背中を押し、ユーザーにお金を払ってウェブをゴミで散らかさせていることを知る企業の数も増え、それを多くの人々が真似することになる。グーグルは、してはいけないことを明示している。しかし、多くのユーザーはこの“してはいけない行為のリスト”をチャンスのチェックリストと捉えている。なぜなら、利益をもたらすからこそチェックリストに掲載されるためだ
SEO業界にはコミュニティと仲間意識が欠けている。この点は注目に値するものの、驚くことでもない。そのため、SEO業界が新しいベストプラクティス(もしくはワーストプラクティスの場合もある)を導入する際には、少し注意する必要があるだろう。

マーケットの下位では人々はロボットのように作業を実施し、確立した公のフォーラム内のバーチャルなリビングルームの床に汚物を残すような方法で機械的にスパムを送りつけている。
昨日私が読んだブログのエントリには、私の名が挙げられていた。しかし、他の人のサイトへのリンクは掲載されていたが、なぜか私のサイトへのリンクは見当たらなかった。リンクが欠けている点はとても奇妙であり、なぜサイトにリンクを張らなかったのか説明してもらいたい。とりわけ彼らがSEOの“プロ”を自負し、私の仕事を称賛し、高く評価していることを考えると、理解に苦しむ。
注目度が下がると、注目を少しでも得るためには手段を問わなくなる。

その一方、グーグルは“リンクのない”ウェブ汚染に投資することを特に問題視せずに、デマンド・メディア等のサービスに料金を支払って広告を配信させ、また、デジタル世界の小作人を取りまとめる元締めのビジネスモデルを構築しようと試みている。その一方では、リンクにrel=nofollowを利用するように奨励している。グーグルは、現在、コンテンツスパムが最高に収益をもたらすSEOのビジネスモデルになる(翻訳済み)ほど、nofollowを推してきたのだ。
その結果、何が起きたのだろうか?グーグルはスパムに投資することで、当然の報いを受けることになったのだ:
オプティマイゼーション・バイ・プロキシが3重に発生し、アドセンスのウェブサイトのオーナーがその取り組みに対して金銭で報われる、自己強化型のサイクルが生まれた。そして、傷口に塩を擦り込むように、このキャッシュフローは効果的に正当なコンテンツプロデューサー達から潜在的な利益を吸い取っているのだ。グーグルの検索/アドセンス/アドワーズの存在が、このビジネスを実行可能にする一方、効率の悪さが大幅に軽減されるわけではない。

このエントリには奇妙な点がある。それは、グーグルの検索クオリティエンジニアが「ハイレベルのスパムをコンテンツと区別するのは至難の業」と言うタイトルと共にハッカーニュースに投稿したことだ。このエントリの中で当該のエンジニアは次のように述べている:
シグナルに関する役立つ情報は全て、この記事に掲載されている理由で秘密にされている。また、例を挙げることは出来ないが、相応しいランクを得ているにも関わらず、ランクが低いと主張する数多くのウェブサイトから私たちは何度も訴えられている。
しかし、ウェブの今後の展開および適切に格付けされる方法について懸念を抱き、悩んでいる人がたくさんいる点は私が保証しよう。
コンテンツの大半は、熱心な愛好家によって投稿されているのではない。人々が好きなコンテンツにリンクを張る頻度は激減した。そして、レディットやディグ(そして時にはハッカーニュースさえも)のフロントページのコンテンツは検索結果を悪化させようと試みる人々によって投稿されているのだ。

グーグルはコンテンツの作成に対して見返りを与える点、そして、多くのウェブマスターにとって最も収益の高い配信チャンネルがグーグルである点を考慮すると、グーグルほど“ウェブの展開”における影響を与えることが出来る企業は存在しない。
投票者の人数が少なければ、検索結果を操作するために操る必要がある人数も少なくなる。そのため、このような取り組みが盛んになるのだ:

しかし、もし活発で盛況なリンクの構図を手に入れているなら、良質なサイトに対するスパム的な取り組みなど遠く及ばないだろう。しかし、一流のサイトは曖昧なことが多く、また、ソーシャルネットワークで広がっても、リンクの大半がnofollowを利用しているのであまり意味はない。
リンクの強力な要素によって、情報バイアスが検索に加わる。ユーザーフィードバックのその他の形式は(認知でさえも)、ある程度広告の予算によって動かされる。その結果グーグルのアドワーズの収入を削る可能性がある、営利面でのバイアスを結果に与えるのだ。
数年前、ポルノの検索に関して、マット・カッツ氏は「グーグルのランキングが情報サイトに偏ってしまう傾向がある点は考慮するべきだ(ページランクおよびウェブのリンクの構造が原因)。グーグルでポルノを探したいなら、少し丹念にチェックする必要がある」と述べた。また、昨年、グーグルの検索エンジニアがレディットで、「私たちはとことんポルノ検索を積極的に無視している。例えば、グーグルの変更がポルノに対する検索に影響を与えるかどうかなど全く気にしていない。自分でもスゴイことだと思う。これ以上改善することは無理だろう…」と話していた。
グーグルが望みさえすれば、消極的に行動することも出来るが、彼らはそれを望まず、リンクの構造を悪用することで、ウェブに影響を与えてきた。グーグルのエンジニアさえ「ユーザーが好きなコンテンツにリンクを張る頻度が減ってきた」点を認めている。これは「拡張可能なアルゴリズム」のせいではなく、- スパムの報告を求め、有料リンクの報告を求め、ページランクを削除すると脅し、部分的な目的のためにrel=nofollowを追い出し、これが解決策だと主張し、(グーグル以外の)リンクの売却を偽の癌の治療法に例え、アドセンスのAPIを作りだし、ドメインのオーソリティを過度に強調し、まるで自らを収集マニアだと呼び、ウェブのリンクの構造に関する情報は渡さないと言っているような意見を述べてきた ” ことが原因である。
確かに経験の浅いウェブマスターであってもグーグルでくだらないコンテンツを瞬く間にランクインさせることが出来る – しかし、そのためには、自分のサイトではなく – デマンド・メディア等、グーグルの鞘取り取引のパートナーが所有および管理しているサイトに取引相手のサイトを利用する必要がある。
グーグルのエンジニアは、コンテンツ & 信頼するリンク/票を前面に押し出す取り組みを奨励および推進するのではなく、自分達の仕事を簡単にする点に焦点を絞ったのだ(リンクを簡単に獲得することが出来るようにすることで)。このエコシステムにおいては、大量のミクロな寄生虫が住む方が健全なのか、もしくは数少ないマクロな寄生虫がいる方が健全なのだろうか?これは検索における基本的な疑問である。私は多様性を常に行為的に推薦しているが、資本主義は通常利益を増やすために均一化を推奨する。後者は、グーグルに有利に働くだろう。以下に挙げるような状態になるまでは…

大きな取引相手の一部が自らの広告ネットワークを形成する、もしくはビングと独占契約を結ぶ
質の高いパブリッシャーが検索から手を引き、アドセンスの当たり障りのない答えを見つけるよりも、自分のコミュニティに答えを尋ねる
…いずれグーグルは他のサイトの宣伝を始め、そして、新しいモデルを構築するだろう。さもなければ彼らの存在意義は薄れていってしまうだろう。
しかし、その痛みを味わなくても済む方法がある。
グーグルは、自身が数年にわたってリンクの図式を破壊してきた不安、懸念、そして、不信を、発リンクの重要性を述べ、そこに少し価値を与えることで、拭うことが出来るだろう。これは以前、示唆されたことがあるものの、リンクをなかなか手に入れられないようにする点に焦点を絞る方針が、質の物差しとしてのリンクの有用性を弱体化させてしまった。なぜなら、“好きなコンテンツにリンクを張る頻度が激減しているからだ”。

この記事は、SEO Bookに掲載された「How to Fix the Broken Link Graph」を翻訳した内容です。

Google自身がリンクグラフによるインターネットの解釈を通じて検索エンジンとして大成功したわけですが、その影響力の強さの余り、結果としてリンクグラフが悪用され、かつGoogle自身もそこに対して十分な対策を行ってこなかったのでは?結果として、リンクグラフの前提である「好きなコンテンツにリンクを張る頻度」自体が激減しており、リンクグラフ自体が崩壊しつつあるのではないか?という問いかけでした。Googleの責任がどこまであるかは議論の余地がありますが、今起こっている状況の理解としては正しい認識だと思います。さらにツイッターやFacebookなどリアルタイムウェブの普及で「好きなコンテンツについて語る行為」自体が既存のオープンウェブからクローズドなソーシャルネットワークに場を移しているわけですからね。。Googleにとっては今後ますますチャレンジングな状況になっていくことは間違いないと思いますが、逆にどのような進化を遂げてくれるのかも注目していきたいですね。もしくはツイッターやFacebookがソーシャルグラフを通じて新たなインターネットの覇者になる日がいつか来るのかもしれませんが。 — SEO Japan
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