ソーシャルコマースという言葉の意味とテクノロジー/ソーシャルコマースとマーケティング【第3回】

ソーシャルコマースとマーケティングについて業界の流れを、新旧の情報と共に取り扱っていきます

2012年10月24日 16:15

※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。
また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。

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ソーシャルコマ―スという言葉の意味とテクノロジー

■第1回目のお話「ソーシャルコマースの特徴」

■第2回目のお話「ユーザーは企業とコミュニケーションを取りたがっているのか?」

前回は「ユーザーは企業とコミュニケーションを取りたがっているのか?」についてお話ししました。
今回のテーマは「ソーシャルコマ―スという言葉の意味とテクノロジー」ですが、まずは前回の続きのお話です。

皆さんが「いいね!」を押す・押した企業のFacebookページがあったとします。
このページの投稿は皆さんのフィードに情報が流れてきますが、なぜ「いいね!」を押したのか考えてみて下さい。

  1. 昔から好きなブランド・企業だった
  2. 「いいね!」を押してね!と表示があったので押してみた
  3. 「いいね!」を押さないと閲覧できないコンテンツがあった

大体は上記パターンのどれかに当てはまります。

もし①のパターンで「いいね!」を押したのであれば、そのFacebookページでは皆さんにとって
有用な情報が流れていると考えられます。

好きなブランド・企業が発信する情報に関しては、そもそもの関心度が高いわけですから、そこから
発信される情報を受け取る準備はできていると考えて良いでしょう。

こうした

「能動的な」ファン

が増えて初めて「双方向のコミュニケーション」が可能となる「場」を作る事ができます。

例えばマーケティング施策としてよくあるモニター施策やキャンペーン施策を例にします。

製品やサービスの単価にもよりますが、「ファンでない人」がモニターとして使用するよりも、「ファン」がモニターとして
使った方が、その周辺の方やウォールへの投稿に際して好意的な意見が出ると考えられます。

従って「ユーザーは企業とコミュニケーションを取りたがっているのか?」という設問に対しての端的な答えは
「NO」となります。しかし、「ファンが能動的にいいね等の意志表示を行っている場」が出来ているのであれば、
答えは「Yes」となると思います。

まずはこの

「場の育成」

に注力してみる事が大切だと考えます。

ソーシャルコマースの急速な変化と可能性

さて、いよいよ今回のテーマ

「ソーシャルコマ―スという言葉の意味とテクノロジー」

です。

「ソーシャルコマース」という言葉はTwitterやFacebook等の流行と並行して聞こえるようになりました。

当初は、下記ように期待されていました。

  • 間接的かつ自身の友人や興味を持つ人物から情報を取得する事となるので、
    購入への障壁が低い
  • また潜在欲求を駆り立てられ、欲求が顕在化するようになる
  • このような期待から、様々なサービスが出てきたのは皆さまもご存じの通りかと思います。
    しかし、決定打というか定型の形が見えていない事も事実です。

    ソーシャルコマースという言葉の前提として、まずソーシャルネットワーキングが存在します。
    ダイレクトに言ってmixiやFacebook、Pathですね。
    またTwitterという強力なコミュニケーションサービスも、ソーシャルコマースと言う言葉の設立に対して
    多大に影響しています。

    もう少し掘り下げますね。

    Blog(ブログ)

    今では誰もがblogの存在を認識しています。発祥は1998年、国内では2002年に火が付きました。
    それまでは「ページ作る」作業と「文章を書く」作業は分断されたプロセスでしたが、
    これを一つにしたのがblogです。つまり、簡単になったわけですね。
    blogではこの書く・作る作業を簡単にしただけでは無く、トラックバックと言う革新的な機能として
    盛り込まれていました(MovableTypeで初めて実装された).
    これにより他人の文章が引用しやすくなりました。

    このように、図らずとも誰かの文章を引用・参照する事=コミュニケーションの始まりは、
    blogから始まったと言っても過言では無いでしょう。

    blogの流行は一般の人の記事・意見がそれまでのパブリックな媒体と比べても
    「力(ここでの力は誰かへの影響力)を持つ」事を証明する事となりました。

    CGM

    その後はCGMが台頭しましたね。皆の意見を参考にする時代がここで花開いたわけです。

    ここまでの記述で、技術畑の方はある程度記憶をたどる事が出来るかと思いますが、
    blogひとつとってみても、初めは準備に時間がかかりました。

    サーバーを用意しライセンスを購入し、phpのライブラリを入れて…というような、
    一般の人には敷居が高い作業が必要だったんですね。

    しかし、ASPというサービス形態がこのプロセスを無くしていきました。
    ※ASP(アプリケーションサービスプロバイダ。ユーザーは準備されたサービスを利用する事により、
    諸目的を達成する事ができる。ネットサービスとも呼ばれる)

    背景ではテクノロジーの発展が有りました。
    例えばサーバー価格にしても、過去は月々1万円弱の月額を払っていたものが
    今では性能はよりよくて2,000円以内でレンタルできる時代です。
    この背景には、コンピューターテクノロジーの加速度的な発展と仮想化による資産の再利用により、
    圧倒的にコストが下がった点があります。

    これに加え、WEB言語と呼ばれるプログラム言語を取り巻く環境が急速に変化しました。
    一番大きなものはオープンソースの流行と、ビジネスでオープンソースを利用する頻度が増えてきた事でしょう。

    オープン化による世の中の技術の「良い循環」

    オープンソースはその特性から基本的には誰でも利用が可能です
    したがって、技術者の母数が加速度的に増えてきているんですね。

    そしてオープンソースを使用して新たに開発された様々なライブラリやソースを、またオープンソースとして
    還元するという「良い循環」が世の中の技術レベルを向上させてきました。

    簡素に書くと以下のような発展をしています。

    • WEBテクノロジーの向上(ajaxの普及、ライブラリの充実化、情報共有頻度の向上による全体の底上げ)
    • APIのオープン化
    • 開発を支えるサービスの充実化
    • コネクト系プラグインの標準化

    そしてこのような中でマイクロブログという思想も出てきました。
    Blogは冗長なので、一言二言でlogを付けられないかと。

    Twitter

    このサービスの最も成功した例がTwitterです。
    Blogで語るほどでもない内容の文章やつぶやきを,手軽に手元から発信できるこのサービスに世の中は飛びつきました。
    猫も杓子も情報発信を始めたわけです。

    はじめのうち企業はこうしたミニマムな情報発信自体の有効性に懐疑的でしたが、iPhoneに代表される
    モバイルデバイスの浸透につれ、エンドユーザーの手元にいつでも情報発信できる点は有効と考えました。

    スマートフォン

    そして、特筆すべきはスマートフォンの台頭です。
    昔はPCで無ければ取得できなかった情報がスマートフォンの普及に伴い、サービスベンダー側もスマートフォン用の
    コンテンツやアプリケーションを作り対応しました。

    一方的な情報の発信側のテクノロジーの発展に依存するわけでは無く、情報の受け取り手の手元のテクノロジーも
    進化する事により加速度的に情報共有が可能となってきたわけです。
    Twitterはこの点、最も都合が良かったのかもしれません。

    「blogの様に長い文章を書くにはスマホでは面倒だ、しかし短文であれば手元で直ぐに発信できる、
    また他人のツイートを見る事もできる。」

    メルマガや一般的なサイトは能動的にユーザーが訪れるまたは開封されませんと認識されません。
    しかしTwitterのフォローされれば情報は拡散するという手軽さを利点として、企業は運用を始めたわけです。

    ただTwitterは双方向のメディアとしては「語るに文字数が足りず」かつ「実名」でなくとも運用が可能と言う点で、
    まだソーシャルコマースという文脈の担い手としては考えられませんでした。

    また、いくら好きな情報でも四六時中配信されると、そのうち飽きが来ますよね? 
    加えて相手の顔が見えないと言う点が、まだ情報としての属性しか持たない今までのメディアを脱却できなかった点かと思います。

    SNS

    長くなりましたが、そのような情報の奔流をフィルタリングできるのが「SNS」です。
    SNSは友人やフレンド、そしてコミュニティやグループと言う概念から成り立ちますので、
    基本的には自分が選択した情報のみ取得する事が出来ます。

    加えて、興味の対象がそもそも発言などでは無く人にフォーカスされますので、その人から発信される言葉や情報は
    今までのメディアやツールと比較してもより自分にとって有用な情報として受け入れられやすいと考えます。

    このような中でソーシャルコマースと言うキーワードは立ち上がったわけです。
    自身の潜在的な欲求は友人の記事や投稿などから掻き立てられ、顕在化すると。

    事実、米国のデータではソーシャルメディアからECサイトへの流入の86%がFacebookからの流入という
    調査結果が出ています。
    こういった情報から見ると、簡素な言葉ですが「口コミ」の効果は絶大であると言えるでしょう。

    ソーシャルコマースに至るまでの道のりの中ではテクノロジーの発展が各種のサービス、そして情報の受け取りやすさを
    ドライブさせてきた事がわかります。
    賛否両論あるかと思いますが、私は上記のように捉えています。

    ソーシャルコマースの核、価値観の可能性

    さて、ソーシャルコマースはまだまだ発展途上です。
    始めれば誰でもバカスカ売り上げが上がる「魔法の杖」ではないことは、皆わかってきています。

    「人が集まるところに市は立つ」と言いますが、SNSも流行ってきたとはいえ現実と比較すると
    どこか受け取った情報だけで,対象のイメージを構築してしまっている点は確実にあります。
    試しに、会社で隣の人を見つめて下さい。

    その人のパーソナリティーなどは理解しているつもりですが、直接的な会話により理解する事よりも
    SNS上での発言や投稿から興味を持つことはありませんでしたか?
    または人物像を描いている事は無いでしょうか?

    「自分にとって有益な情報の入手と、潜在的な興味からなる友人知人の行動の覗き見」がSNSの核心ですので、
    当たり前と言っては元も子もないのですが、
    自分にとっていかに居心地の良い世界を作るかが、SNSやソーシャルメディアを使用する人間の深層心理だと思います。

    このような中で、友人の投稿やレコメンドで潜在欲求を駆り立てられたとしても、そこから購買に結び付けるプロセスは
    まだまだ完成されていません。
    購買と言う行為は、至極パーソナルな行為でもありますので、特に共有する事にメリットが無ければ、情報としての共有は
    されにくいです。

    しかし、人は自分のおめがねにかなう投稿や情報は共有したがります。
    「価値観の共鳴・共有は行うが、購買の共有はなかなか行わない。」
    これはとても大きなヒントであり、キーワードだと思います。

    マーケティング用語では「ロイヤリティの醸成」やら「ナーチャリングからボンディングまで」と様々な言葉で
    プロセスを設計または意味づけし理解しようとしますが、ソーシャルコマースと言う言葉は「価値観」を核として
    考えてみると、企業とユーザーの価値観が近ければ近いほど「対話」や「双方向のやり取り」が発生する可能
    性は増えていくのではないでしょうか。

    発信するツールそして受け取るツールは十分に出揃っていますので、まずは売り手買い手という構図ではなく
    「価値観」を主軸において自社の施策を顧みると、あなたの味方は自ずと増えていくと思います。

    アラタナでは,上記のように、流行のサービスの根本を徹底的に考えます。
    まあ、まだ答えが出ないものは沢山ありますが、その中でも足がかりを作り進んでいくのが
    「ビジネスの一つの答え」と考えて進んでいます。
    この文章自体が少しでも皆様のお力添えとなることをお祈りいたします。

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