KADOKAWAとメディアプラットフォーム「note」運営のnoteは次世代のIP(知的財産)運用エコシステム構築で資本業務提携を締結したと3月24日に発表した。KADOKAWAがnoteの第三者割当増資を引き受け、4月9日付で議決権5.22%にあたる100万株を約22億円で取得する。KADOKAWAの編集・メディア力と、noteの1114万人の会員とトラフィック、SaaS基盤、UGCエコシステムでシナジーが期待できるとして資本関係を伴う提携締結に至った。
協業は4領域で展開する。IP創出・開発領域ではnoteからの書籍化を増やし、グッズやイベントを前提としたコンテンツ開発や、noteのメンバーシップ機能を活用した作家の収益化支援を共同で推進する。出版DX領域では、KADOKAWAが保有するWebサイトの一部に「note pro」のSaaS基盤を活用し、運営体制の効率化とコストダウンを図るほか、noteに集まる感想・レビューを出版・販促につなげる新たなバリューチェーンの構築にも取り組む。
AIデータ流通領域では、noteが採択されている経済産業省主導の生成AI強化プロジェクト「GENIAC」等を通じて著作権者に還元される公正な収益モデルの構築や、権利関係を明確にしたRAG(検索拡張生成)モデルの構築について共同で実証・検討する。ファンコミュニティ領域では、KADOKAWAグループの動画配信技術やノウハウをnoteプラットフォームへ活用することを協議・検討し、両社プラットフォーム間での会員基盤の拡大を目指す。
noteが調達した約22億円の資金使途は、将来的なM&A(合併・買収)及び資本業務提携への投資資金が12億8100万円、今回の提携に伴うシステム開発と人材投資が2億5000万円、既存借入金の返済が6億6500万円となっている。このうち開発関連ではnoteを活用した販促ソリューションの開発、法人向けSaaS基盤(note pro)の機能強化とAPI連携の拡充、新たな表現フォーマットの検証、コミュニティ機能の拡張に充当する。
