氷河期世代の4割以上が正社員を希望するも6割強が「就活の難度が高い」【ディップ調べ】
ディップが運営する「ディップ総合研究所」は、現在アルバイトや派遣などの有期雇用者、もしくは現在無職のうち、就職氷河期世代(1990年代~2000年代の雇用環境が厳しい時期に就職活動を行った35~54歳の世代)1,667人の回答者を対象に、現在の就業意向について調査した。
45.8%が「正社員として働きたい」しかし、62.9%が就職に難しさを感じている
まず現在、無職や非正規雇用で就業している氷河期世代のうち「雇用形態への希望」を聞くと、「正社員として働きたい」と考えている人は「正社員で働きたい」17.5%、「正社員で働きたいが、現在の雇用形態でも許容できる」28.4%の計45.8%、「現在の雇用形態を希望している」26.6%、「雇用形態に対する希望はない」27.1%であった。また、正社員を希望する人は年代別にみると50代に比べ30代、40代が高く、雇用形態別にみると、契約社員と派遣社員が6~7割近くであった。
「就業時に感じる正社員との待遇差」を聞くと「給与が低い」が50.5%と半数以上が感じ、「評価・昇給がされない」「キャリアアップができない」「雇用が不安定」はいずれも約40%、「解雇されやすい」は約24%であった。各項目のフリーコメントからも、様々な不安を抱えていることがわかる。
続いて「正社員として働けていない理由」を聞くと、1位「転職をするうえで年齢が壁になり、採用されなさそうだから」35.9%、2位「再就職に自信がないから」22.5%、3位「正社員の仕事に、自分でもできる仕事があるか自信がないから」「転職をする上で学歴・職歴などに自信がないから」21.9%であった。1位と2位では13ポイント以上も差があることから、年齢に対する不安が圧倒的に大きいことがわかる。
さらに「現在の就職難易度」を聞くと、「とても高い」「やや高い」を合わせて62.9%が難度が高いと感じ、年代が上がるにつれて難度が高いと感じる割合も高くなっていることがわかる。
前述した令和2年2月の厚生労働省の改正省令のように、国や自治体は「就職氷河期世代活躍支援」を行っている。これについてどのように考えているのかを聞くと、「支援自体必要ではないと思う」はわずか2.8%と支援は必要とされているものの、「どのような支援があるのかわかりやすく知りたい」35.5%、「支援内容を具体的に教えてほしい」29.7%と支援内容が十分に伝わっていないようだ。
それでは、どのような支援が望まれているのだろうか。「就職活動をするなかで、受けることができると嬉しい支援」を聞くと、1位「職業あっせん先での就業体験・研修」22.7%、2位「職業あっせん先の見学」21.8%、3位「応募書類作成」20.2%であった。座学や研修などの業界や自身の理解を深めるための項目よりも、職業あっせん先に関するものが上位を占めており、個人での転職活動ではなく就業のあっせんなど、就職から定着までの支援を望む心情がうかがえる。
調査概要
- 【調査対象】47都道府県内の18~69歳の男女のうち、学生を除く有期雇用就業者もしくは無職の求職者(本レポート利用:35~54歳の男女)
- 【調査方法】インターネット調査(楽天インサイト利用)
- 【調査期間】:2020年11月25日~2020年12月1日
- 【有効回答数】有効回収数:3,002サンプル(本レポート利用:1,667サンプル)
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