「性的な画像を見せるのは、恋人より知人」10代・20代と30代以上とで、明らかなネット意識の差【IPA調べ】
情報処理推進機構(IPA)は、「2019年度情報セキュリティに対する意識調査」の結果を発表した。インターネット利用者を対象に、情報セキュリティの「倫理」と「脅威」の2つの側面から調査を行い、セキュリティ対策の実施状況、SNS投稿時の意識、法令遵守に関する意識などを探っている。
ネットやSNSの利用感覚:10代・20代と30代以上とで大きな差
今回の調査により、「現実で面識のある友人・知人と、自身の性的画像をやりとりする」という割合が、若いほど多く、10代・20代の場合、1割を超えることが判明した。10代では12.4%が、20代では11.9%が「やりとりする」と回答している。
また、「恋人などの非常に近しい間柄の相手」だと、10代・20代は「友人・知人」より、性的画像のやりとりが低いことも明らかとなった。30代以上はこの値は逆転しており、「近しい間柄の相手ならやりとりするが、知人とはそれほどではない」という状態だ。明らかに、10代・20代と30代以上との間で、意識の断絶が見える。
続いて「SNSでのみ面識のある人と、自身の性的画像をやりとりする」という人を、年代別・男女別に集計すると、全体平均は男性6.5%、女性3.9%。とくに20代男性(9.3%)・30代男性(8.0%)は、「やりとりをする」という人が多かった。一方女性は、10代女性が全体平均(3.9%)の倍近い7.3%が「やりとりをする」と回答した。
さらに「SNSで知り合った人と実際に会った」という人は20.7%。そのうち約4分の1に当たる5.1%(全体)が、「実際に会ったことで不快な目に遭った」と回答している。
インターネットやSNSが一般化・若年化し、気軽に便利に利用できる一方で危険性も指摘されてきたが、危うい状況はいまだ続いていると考えられる。
いまだに低いセキュリティ意識:パスワードの使い回しやアップデート無視が横行
続いて、より具体的なセキュリティ対策として「パスワードの扱い」を聞いた。「パスワードが漏えいしても困らない」34.0%、「複数のアカウントを持っていない」15.3%を除くと、残る50.7%は「パスワードが漏えいししたら困るが、複数アカウントを使っている」層となる。この層のうち、半分近い24.4%(全体)が「パスワードを使い分けていない」ということが判明した。
全利用者のうち4人に1人が、“パスワード漏えいは困るけど、使い回しをしていて、具体的な対策はしていない”ということになる。
なお、「セキュリティアップデートを実施している」のは、PC利用者のうち50.8%、「セキュリティソフト等を使用している」のは、PC利用者の55.1%と、ほぼ半数に留まっている。アカウントを持っているPC利用者(4,578人)のうち「パスワードはできるだけ長い文字数を設定している」人は59.8%と微増するが、それでも6割に至っていなかった。
調査概要
- 【調査対象】13歳以上のパソコンおよびスマートデバイスのインターネット利用者
- 【調査方法】ウェブアンケート
- 【調査期間】情報セキュリティの倫理に対する意識調査:2019年12月5日~16日、情報セキュリティの脅威に対する意識調査:2019年12月6日~17日
- 【有効回答数】計1万人(PC:5,000人、スマートデバイス:5,000人)
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