高校生の過半数がSNSで本名公開、ニックネームから本名の連想も可能【LINE/神奈川県教委調べ】
LINEと神奈川県教育委員会は、「青少年のネット利用実態把握を目的とした調査」の結果を公開した。小学生高学年~高校生の約1万7,000人から回答を得た。
高校生の過半数がSNSで本名公開
LINEと神奈川県教育委員会は、2016年から共同で「青少年のネット利用実態把握を目的とした調査」を継続して実施。2018年5月には、神奈川県警察も含め「インターネットに起因した非行・被害等の防止対策に関する協定」を締結している。今回の共同調査は、従来の高校生に加え、小学生高学年、中学生、特別支援学校の生徒も対象に含めた、初の試みだという。
本調査では、青少年のネット/スマートフォン利用について、利用時間、サービス、利用形態、利用目的、マナー意識、トラブルの有無などについて幅広く調査している。
調査対象の小学生・中学生・高校生に、「SNS上でのプライバシー情報の公開状況」を聞くと、「本名を公開している」とした割合は、小学生で12.4%、中学生で37.1%だったが、高校生は54.7%と半数を超えた。「プロフィールに本名が分かるようなニックネームを使っている」も、高校生のみ53.5%で過半数だった。ただし、「メールアドレスやLINEのIDを公開している」としたのは、小中高いずれも1桁台に留まっている。


個別のSNSについて利用割合(1日1回以上)を見ると、TwitterやInstagramを利用する割合は高校生から増加していたが、LINEは中学生から増加していた。なおYouTubeについては、小学生38.9%、中学生66.6%、高校生71.5%と全般的に高かった。

電子メールについては、小学生24.7%、中学生12.0%、高校生12.4%と、小学生の利用率のほうが中高と比較して高かった。

情報モラル教育は浸透するも、フィルタリングや家庭内ルールなどは今ひとつ
安全対策について見ると、「フィルタリング」の導入率は、小学校4年生で26.4%、中学校1年生で44.6%、高校1年生で43.2%と、すべて半数以下。「家庭内のルール」についても、たとえば「利用する時間」は小学校4年生で39.0%で、中学校1年生で44.0%だが、以降は徐々に減少し、高校3年生では「ある」と答える割合は10.2%にまで低下している。中学校や高校では、情報モラル教育が積極的に行われているが、小中高生自身は、なかなか実感を持てていない現状が垣間見える。

ネットでの出会い、個人で大きな差
SNS等をきっかけとした「ネットでの出会い」についても質問したところ、「ネットで作った友人の数」について「0人」という回答は、小学生84.2%、中学生63.0%、高校生52.9%だった一方、「101人以上」という回答も小学生0.9%、中学生3.0%、高校生2.7%存在した。“きっかけ”となるサービスとしては、TwitterとLINEが上位にあがっている。

なお、「会ったことがない人から突然メッセージがきた経験」は小学生6.8%、中学生21.1%、高校生30.2%となっている。またSNSで本名を利用しているほど頻度の高くなることも判明している。

調査概要
- 【調査対象】神奈川県の小中高生
- 【調査時期】2018年6月~9月
- 【調査方法】記入式のアンケートを行い封筒にその場で封入・封緘。専門業者によりデータ化。
- 【回答数】児童・生徒対象調査16,997人(学校対象調査191校)
・小学生4~6年生:5,399名
・中学生:5,863名
・高校生:5,573名
・特別支援学校(高等部)生徒:162名
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