アドビがCCCM・MA機能のAdobe Campaignを国内本格提供開始、ついにメール機能をサービスに追加

メールを含む複数チャネルでの個別コミュニケーションを自動化

アドビ システムズは、同社の提供するマーケティングソリューション「Adobe Marketing Cloud」において、メールをはじめとするクロスチャネルキャンペーン管理製品「Adobe Campaign(アドビ・キャンペーン)」の日本国内での本格提供を開始することを、9月15日に発表した。

Adobe Campaignは、オムニチャネルでのマーケティングを自動化することで、より効率的に顧客とのOne to One コミュニケーションを実現するソフトウェア。

顧客ごとに適したタイミングで、適した内容のコミュニケーションを、適したチャネルで、自動的に行えるようにするもので、BtoCでは「CCCM(クロスチャネルキャンペーン管理)」、BtoBでは「MA(マーケティングオートメーション)」と呼ばれる類のサービスだ。

対応するチャネルとしては、次のようなものがある。

  • オンラインチャネル
    • Eメール
    • Web
    • ソーシャルメディア
    • モバイル
  • オフラインチャネル
    • コールセンター
    • ダイレクトメール
    • POS端末

こうした複数チャネルにおけるコミュニケーションを、一元化した顧客プロファイルのデータをもとに、チャネルを通じて一貫した内容で行えるほか、ターゲットセグメンテーション管理の機能も備える。

キャンペーンの自動化とは

キャンペーンの自動化とは、たとえば、

  • カメラ製品を購入しユーザーとしてサイトから登録した人には、まずwelcomeメールを送信する。
  • その7日後にそのカメラ機種のユーザーコミュニティサイトの案内を送る。
  • コミュニティサイトに登録した人には、ユーザーコミュニティサイトでの登録内容に応じたカメラ教室の案内を送る(人物撮影を選んだ人には人物撮影の教室の案内が届く)。

といったことを、あらかじめシナリオとして設定しておくことで、システムが自動的に実行できることを指す。ほかにも、

  • Webサイト上で特定の行動を途中までしたが、完了しなかったユーザーにコミュニケーションを開始する。
  • ユーザーが登録した希望するチャネルでその後のコミュニケーションを行う
  • アプリでリマインダーを送る

など、さまざまな条件やアクションを設定できる。

これまで企業はすべてのユーザーに同じ内容のコミュニケーションをしていたが、このようにユーザーの行動や状態に応じてコミュニケーションを行うことで、よりユーザーに関連性があり、求められる内容のコミュニケーションができる。

上記の例ではコミュニケーションチャネルがWebサイトとメールだけだが、Adobe Campaignでは、ソーシャルメディアやモバイルアプリなど、前出の対応チャネルでのコミュニケーションを設定できる。

買収したネオレーンの製品を統合し、サービスを強化

アドビが2013年に買収した仏ネオレーン社の製品をAdobe Marketing Cloudの一連の製品群に統合したもの。グローバルでは2014年から提供していたが、日本における提供を開始した形。

Adobe Marketing Cloudでは、これまで
  • アナリティクス
  • テスト&ターゲティング
  • 広告管理
  • ソーシャルメディア管理
  • Webサイトやアプリにおけるエクスペリエンス管理
  • 動画管理
  • DMP

といった製品を提供していたが、メールを含めたクロスチャネルキャンペーン管理の製品をそのなかに追加することで、昨今のマーケティング環境により対応した形となる。Adobe Marketing Cloudの他のソリューションとの連携も実現しており、個々の顧客の興味・関心をリアルタイムに把握し、キャンペーンに反映できる。

また、クラウドサービスとしてだけでなく、オンプレミスやクラウドとのハイブリッドでも提供する。

利用料金は、コミュニケーション対象のデータベース登録ユーザー数に応じて決まる。メール送信回数による課金は発生しない。

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