[マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

デジタルマーケティングに疲れたら考えたい、ファンを育てるブランディング

マーケターコラム、今回はテレビ東京・明坂真太郎氏。ブランドが顧客とよい関係を築くために大切なこと、やるべきことは何か、について。
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テレビ東京 明坂真太郎氏

こんにちは、テレビ東京の明坂です。

唐突ですが、みなさんデジタルマーケティングに疲れていませんでしょうか。私は以前かなり疲れていました。集客目標KPIを達成するために毎日毎日モニタリング、分析、打ち手の仕込み、そんな日々を過ごすマーケターには共感いただける方も多いかもしれません。

現在、私はテレビ東京でブランディングのプロジェクトに携わっています。プロジェクトを通じて、顧客と良い関係を築くべくブランドの哲学を持ち、哲学に基づいてマーケティングを実行する重要性を知ると共に、デジタルマーケティングで疲れたときに何を考えればよいのか少しわかってきた気がしています。

すこし前置きが長くなりましたが、今回はそんなテーマです。

デジタルマーケティングに関わるようになったキッカケ

はじめに少し自分の経歴紹介をします。私のファーストキャリアはエンジニアで、主にtoC向けのWebサービスの開発を行っていました。その中で集客のためにSEOを学びだしたのがマーケティングのキャリアへ染み出したキッカケです。

今でこそ、エンジニアという職種はサービスのKPIをグロースさせるようなスコープで動いたり、データを活用して広告配信やUX(ユーザーエクスペリエンス)を最適化したりと、直接マーケティングに関わることが多くなったと思います。しかし10年前はというと、企画者の要件どおり、仕様どおりにシステムを開発していくということがまだまだ主流で、自分の仕事がどの程度のビジネスに貢献しているのか不明であることが多い状態でした。

それゆえに、サイトの流入数やそこからのコンバージョン及び売上が直接見えるSEOを始めとしたデジタルマーケティングは、仕事としてとても取り組みやすいものでした。またその背景もあり数字の改善にはかなりのこだわりもありました。

“顧客とのよい関係を続けていくこと”の重要さが増している

これを読まれている方には釈迦に説法になりますが、マーケティングとは「(商品及びサービスが)売れる状態にすること」で、デジタルマーケティングはその中の「デジタル上のチャネルに対する打ち手」や「データを用いた管理の効率化」といった領域だと私は解釈しています。

しかし、日々いかにCV(コンバージョン)を増やしCPA(顧客獲得単価)を下げるか、そのためにいかにして検索順位を上げ、クリエイティブのA/Bテストを回し、イケてるデータで広告配信するか。ということに力を注ぐあまり、顧客が“その製品やブランドと関係を続けたいと思ったかどうか”そして”よい関係を続けてもらうためにはどうすればよいか”について考えることをおろそかにしていませんでしょうか(ちなみに、昔の私はKPI改善マシンだったのであまり考えていませんでした)。

大量の情報が溢れ、個人の発信が急激に増えた現在の社会において、マスメディアやパブリッシャーの影響力は相対的に弱まっています。反対に個人の影響力は強まっていることでもあり、顧客との信頼関係すなわちブランドを育て、さらに多くの人にポジティブな影響を波及する存在になってもらう必要があります。そのためにまず行うべきことはCTR(クリック率)が高い広告文を作ることでもLP(ランディングページ)のA/Bテストをすることでもありません。

デジタルマーケターこそ常に考えたいブランドのフィロソフィー

CVや売上といったKPIは非常にわかりやすいものですが、ブランドが良くなっているかどうかはわかりづらく、そもそもブランドごとにあるべき姿が最初から定まっているわけでもありません。しかし、だからこそ常に顧客の状態を観察し、ブランドが提供する価値がなにかを見据えること。KPIというわかりやすくもわかりづらいもので測られがちなデジタルマーケティングにおいてこそ考えるべきだと思います。

CVR(コンバージョン率)を改善するよりもさらに難しい課題ですが、より大きな視野でマーケティングのアクションを考えられるようになり、結果的にデジタルマーケティングとの向き合い方も変わってくるのでないでしょうか。

テレビ東京におけるファンマーケティング

いろんな方にテレビ東京のイメージを聞くと「緊急速報時でも平常運転」とか「ゆるい番組が多い」といったことをよく言われます。多少判官びいきな要素もあるかもしれませんが、比較的身近で親しみやすいといったポジティブなイメージを持たれていることが多いです。ただ、それは誰かがそういったブランドにしようと決めたわけでも、明確に守ろうとしているわけでもありません。

本記事の冒頭にお話ししたブランディングプロジェクトでは、そういった顧客の期待を理解しつつ、受け入れたり改めて定義したりしながら、一人でも多くの方にファンになってポジティブなブランド育て、広くに発信してもらえるように日々取り組んでいます。

以下にて取り組み事例をいくつかご紹介します。

1. オンラインファンミーティングイベントを開催

1つ目は、番組担当の伊藤隆行プロデューサーや田中瞳アナウンサーと一緒に番組オンエアを見るオンラインファンミーティングイベントの開催(参加無料、参加希望者多数につき抽選)です。

普段番組に出てくることもないディレクターも参加し、コアな番組作りの裏話などを披露しました。

ファンミーティングイベントをオンラインで開催
番組作りの裏話などが披露され盛り上がった

2. ファンサイトを開設

「テレ東ファンのファンによるファンのためのサイト」をコンセプトに、コアなテレ東情報を集めて発信していくテレ東ファン向けポータルページの運営を始めました。番組の裏話や歴代最強番組、イベントの最新情報など、テレ東ファンがテレビ東京をもっと楽しめるようなコンテンツをお届けしています。

3. テレ東ファン向けTwitterアカウントを開設

2020年5月に「あつまれテレ東ファン」というTwitterアカウントを開設しました。テレ東の番組に関する情報をPRするだけでなく、テレ東番組の公式アカウントやテレ東にまつわる話題にからみにいったり、キュレーションをしたりして、テレ東ファンがもっとテレ東を好きになるように日々活動をしています。

上記の取り組みはすでに熱いファンにフォーカスしていますが、これら以外にも視聴者の情報量や熱量のフェーズごとにどのような情報を発信し、コミュニケーションするかを設計したりしています。

ファンを育てるブランディングプロジェクトの取り組みはまだまだ始まったばかりですが、今後も施策に対する評価や実際のファンと触れ合った際の気づきを踏まえて、より多くの方に愛される番組、そしてテレビ局を作って行きたいですね。

◇◇◇

次回はマーケターのキャリアについてお送りできればと思います。「これについて聞きたい!」などあればお気軽にTwitterへリプライください。

それでは。

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