TableauとExcelの使い方徹底比較! タブローの凄さが分かる3ポイント

「tableauとは?」「エクセルとの違いって?」データを可視化・分析するBIツールであるタブロー。本記事では、excelとの比較によってその効果とメリットを解説。実は、ダッシュボートの作り方ひとつとっても、できることがまるで違うんです。今まで使ったことがない人、何ができるのか分からない人にこそ知ってほしい、tableauの魅力をまとめました。

データをまとめて分析するツールとして最も身近なものは「Excel(以下、エクセル)」だという人も多いでしょう。

そうしたツールに「熱狂」することってありますか?

通常はあまり考えられない「仕事上のツール」と「熱狂」の組み合わせ。それを体感できるのが、BIツール“Tableau(タブロー)”が主催する世界的カンファレンス、「Tableau Conference(タブローカンファレンス)」です。毎年秋に開催されますが、今年は10月に米国ニューオーリンズで開催されました。

Tableau Conferenceの様子

Tableau Conferenceって何?

Tableau Conferenceが行われる会場は、東京ドーム6個分の大きさです。開催期間は4日間、450を超えるトレーニングや事例紹介、機能紹介のセッションが開かれ、17,000人を超える参加者が世界中から集まります。そこでは、最新の事例にうなり、登壇者に熱心な質問が浴びせられ、新機能の紹介に歓声があがる、そんな熱狂が繰り広げられました。筆者は今回が3回目の参加です。個人的には十分に学び、刺激を受けた4日間でしたが、一つ気になるのが日本からの参加者の少なさです。

17,000人の参加者のうち、日本からはたった100名程度。その比率は0.6%に届きません。もちろん、言葉の問題、旅費の問題等、アメリカ人より参加のハードルが高いのはわかりますが、日本の国力や産業力に比べてあまりにも少ないのではないかと心配になります。

というのもTableauは「業務上の効率」や「意思決定のスピードや質」を高めるツールですので、企業や個人の「競争力」に直結すると考えるからです。

そんな背景もあり、本記事ではTableauを「使ったことのない人」、「どこが良いのかわからない人」向けに、その魅力を3点に絞り込み、私たちが慣れ親しんでいるエクセルと比較しながら解説します。

Tableauの魅力① ビジュアル分析

ビジュアル分析とは、私たちの脳が直感的に認識しやすい、「色」や「形」や「大きさ」や「位置」を用いて、データをすばやく的確に理解できる表現で行う分析のことです。

私たちがエクセルで最も頻度高く利用する、縦横のマスを埋める「集計表」とは対抗する概念だと考えてください。

図1がエクセルで作成した、「ある企業の2015年から4年分の売上が地域マネージャー名と3つの商品カテゴリで集計した表」です。この表を与えられたうえで、次の問に回答例を参考に答えてみてください。

Q1. 最も売上が大きかったのは、どのマネージャーのどのカテゴリでしょうか?

回答例: 〇〇マネージャーの□□年の△△カテゴリ
図1 地域マネージャー・商品別売上表(エクセル)

何秒かかりましたか?

では次に、Tableauで全く同じデータを「ビジュアル分析」してみたのが図2のチャートです。同じ問いに答えてください。

図2 地域マネージャー・商品別売上表(Tableau)

答えは、下記なのですが、ほぼ、全ての人が、ビジュアル分析で表現されたチャートを用いた場合の方が短い時間で答えられたはずです。これが「ビジュアル分析」の力です。

A1. 辻岡マネージャーの、2017年の家具カテゴリです。

そうした説明をすると、「ビジュアル分析がパワフルなのはわかった。でも折れ線グラフなら、エクセルでもできる」と思う方もいると思います。確かにそのとおりです。

では、同じデータで、もう一つの問いを出してみます。

Q2. 各マネージャーが担当する製品カテゴリで、対前年に最も売上が伸びたのは、何年の何カテゴリですか?

回答例: □□年から□□年にかけての〇〇マネージャーの△△カテゴリ

上記の形で答えてください。図1の集計表から読み取るのは難しいので、グラフ化するために、エクセルに計算式を入れ、答えを得るまでに90秒くらいはかかるのではないでしょうか。

一方、以下が同じ問いにTableauで答えたものです。図2のTableauビジュアル分析から、ドラッグドロップを1回、クリックを4回行うだけ、時間にして15秒で完成します。

図3
A2. 駒田マネージャーの、2015年から2016年にかけての家電化カテゴリです。

図2から図3にするメイキング動画はこちらです(20秒)。

「データからビジネス上の問いに答える」点において大幅な時間短縮ができることを実感していただけると思います。

Tableauの魅力② ダッシュボード

ダッシュボードとは、「複数の表やチャートを同時に、一画面で表示することで、“全体と詳細”や“構成比とトレンド”や“ある指標と別の指標”などを同時に確認できるようにした画面のことです。

そしてTableauの魅力の2つ目は、このダッシュボードを柔軟に作れることです。

エクセルではたとえば、以下のような表現がダッシュボード的な表現だといえるでしょう。

図4

一方、Tableauではたとえば、3つの独立したチャートを組み合わせて、以下のように表現できます。

図5

さらに、このダッシュボードは、以下の3つの「動的な動き(Tableau用語ではアクションと呼びます)」を設定しています。

  1. 色の凡例でマネージャー名をクリックすると、そのマネージャーに関連した項目だけがハイライトされる。
  2. 左上のチャートの、ベージュ色で網掛けしてあるカテゴリ名をクリックすると3つすべてのチャートがクリックしたカテゴリのみにフィルタされる。
  3. 左上の詳細表へのボタンをクリックすると、別のワークシート(詳細表)にジャンプする。

エクセルでも1画面で複数の表やチャートなどを頑張れば表現できるとは思いますが、上記のようなアクションをつけることはできません。このような動きをできることは、Tableau独自の魅力になっています。実際に操作してみたい。という方はこちらのTableau Publicにアップロードしてありますので、上記の3機能をお試しください。

Tableauの魅力③ 自動更新

定期的に売上、利益、Webサイトのセッション、Web広告のCPAなどを確認している担当者の方は多いと思います。また、そのうちの何割かの方は、毎週の経営会議にWebパフォーマンスの主要指標を定形の「経営会議資料」のような形でまとめている、ということもあるでしょう。

そうした会社では、前週のパフォーマンス指標を月曜日の午後に開かれる経営会議で報告するため、月曜日の午前中に必死に取りまとめていることでしょう。

そのようなデータの取りまとめやレポーティングに人間が作業しなければいけない工程が組み込まれている場合、担当者のお休みや部署転換時に大きな問題が起きます。作業自体は単純ですが、ツールからCSVでダウンロードした表の一部を決められた形で別のエクセルに転記したり、その上で、マクロを使ったり……といった作業が属人化しており、別の担当者が代替しづらいからです。

一方、Tableauは、Tableau Server(やTableau Online)と合わせて利用することで、属人的な作業を排除した、自動更新を行えます。

以下は筆者が取締役を務めるプリンシプルのWebパフォーマンスのダッシュボードで、Google アナリティクスをデータソースとするものですが、赤枠のところに「更新スケジュール」というテキストリンクがあるのが確認できます。

図6

そこをクリックし、どのような更新スケジュールが設定されているかを示しているのが、以下の画面です。

図7
  1. 赤枠では、毎日午前4時にデータが更新されることを示しています。更新タイプは「増分更新」ですので、毎朝4時に、昨日分のデータだけが増加します。完全更新する訳ではないので、更新の時間は非常に短くて済みます。
  2. 青枠では、前回の更新は、12月9日の午前4時6分に完了したことを示しています。
  3. 緑枠では、次回の更新は12月10日の午前4時に設定されていることを示しています。

つまり、人間系の作業は一つもなく、自動で、いつでも、前日までのGoogle アナリティクスの情報がダッシュボードという形で更新されていることになります。こうした機能はエクセルにはありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。まだ、Tableauを触ったことのない担当者のみなさんにTableauの魅力は伝わったでしょうか?

Tableauは14日間の無料トライアルができる仕組みを提供していますので、もし、気になる方は実際に触ってみるといいでしょう。

また、Tableauは今回紹介した「コアとなる魅力」以外にも、以下のようなエクセルとの違いを持っています。

  1. 複数のデータソースに接続できる
  2. 異なるデータソースのデータをブレンドできる(たとえば、売上目標の記述されているエクセルとGoogle アナリティクスを接続し、月別の売上が目標に到達しているかをダッシュボードで表現できる)
  3. データプレパレーションツール(Tableau Prep)が同梱されてくるので、大きすぎる元データを、分析に最適な、かつTableauで高速に読み込むことのできるデータソースに変換できる
  4. 洗練された計算エディタ(計算フィールド)があり、ネストされたIF文などをスマートに記述できる
  5. 正規表現を利用した計算式を記述できる
  6. SQL文を記述できない担当者でも、データベースに対する分析ができる(ユーザーが複数回買い物することがあり得るデータで、ユーザー別の1回の買い物ので、最大額を求めることなど)
  7. Tableauで作成したダッシュボードは、画像やpdfに出力できる

私たちが、もし、エクセルが使えないと、業務遂行や、転職などがそうとう厳しいと思われます。その意味でエクセルは「これまで」の必須のツールでした。しかし、「これから」はビジネスマンの武器としてエクセルは非力ですし、エクセルが使えるからといって、自身を差別化することはできません。

ビッグデータから知見を引き出すことが求められるこの時代、資源としての時間の重要性が高まっているこの時代の新しい「必須のツール」がTableauだと思います。

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