「著作者」と「著作権者」って？

「著作物を創作した者」のことを「著作者」というわ。著作物の著作権は、原則として著作者が持つの。ただし、著作権は、譲渡などによって、著作者から他の人に移転することがあるわ。

そう。で、著作権を持っている人のことを「著作権者」というの。

そのとおりよ。

著作者である受注者が著作権を取得するのが原則だけど、契約によって原則を修正し、発注者に帰属させるとか譲渡するとか定めている場合があるわ。契約書などを確認しないとね。

……これは私が入社する前に作られた契約書ね。え～と、「第三者に著作権が帰属するものを除き」、「成果物の著作権（翻案権や二次的著作物の利用に関する原著作者の権利も含む）」は「発注者であるクライアント」に帰属することになっているわね。

そういうことね。

なるほどね。写真は、わが社から発注したのかしら？

契約書などは交わした？

そう。じゃあ写真の著作権に関して、何も取り決めはないの？

……ということは、他に特段の事情がない限り、著作権は写真を撮ったカメラマンが持っていそうね。

写真をWebサイトに載せることは許可していたけど、雑誌に載せることは許可していなかったといわれると嫌なので、今回また新たに許可を取った方がいいわね。

カメラマンは個人でやっている人ね？　だったら、その本人から許可をもらえばいいわ。ただ、相手が法人であるクライアントの場合は、代表者から許可をもらうのが理想ね。あと、書面など、形に残るものでね。

難しければ、Ｅメールでも、口頭や電話よりは全然いいわ。口頭だと形に残らないからね。

そうね。著作権（のうち「上映権」）を持っているか、著作権者から許可を受けた人しかできないはずよ。ま、実際、そこまでうるさいことを言う人は少ないと思うけど。

まあまあ。著作権法は（クリエイターの）ともだち、こわくないわよ。

うーん、うまく付き合わないとコワイともだち……かしら。