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デジタルと体験を融合させるコーセーの「ECx店舗」戦略を学ぶ無料ウェビナー【1/29開催】

5 years 2ヶ月 ago

ecbeingは「化粧品KOSÉのデジタル戦略 デジタルと体験の融合、『Maison KOSÉ』について」と題した無料ウェビナーを1月29日(金)に開催する。

化粧品KOSÉのデジタル戦略 デジタルと体験の融合、「Maison KOSÉ」について

コーセーは中長期ビジョンで掲げているのが“パーソナルな顧客体験”。デジタルと体験を融合させた新たなコミュニケーションの場として展開しているのがコンセプトストアとECサイトの「Maison KOSÉ」だ。

また、「Maison KOSÉ」のバーチャルストアを開設。オンラインサイトで提供するさまざまな商品・美容情報やECなどと連携したVR(Virtual Reality)空間の実現も進めている。

ウェビナーでは、通販子会社コーセープロビジョン杉崎洋代社長が登壇。「ECx店舗」のデジタルと体験の融合、EC施策などについて解説する。

また、デジタルと店舗の融合を進めるためのECシステム開発のポイントなどを、ecbeingの開発責任者が講演する。

ウェビナースケジュール

  • 第1部:デジタルと体験の融合、「Maison KOSÉ」についてご紹介
  • 第2部:「Maison KOSÉ」をはじめECシステム開発のポイント
  • 第3部:パネルディスカッションで聞く「Maison KOSÉ」の「EC x 店舗」「 EC 」の取り組み

ウェビナーの概要

瀧川 正実
瀧川 正実

楽天、ファッションブランド向けの複数チャネル一元管理ツール「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」を提供へ

5 years 2ヶ月 ago

楽天はファッションECサイト「Rakuten Fashion」参加ファッションブランドを対象に、複数販路の各種データを一元管理するデジタルソリューション「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」を2021年夏頃から提供を開始する。

ブランドショップからのサービス導入の申し込み受け付けを1月19日から始めた。

ブランドショップが展開する実店舗や自社ECサイト、「Rakuten Fashion」などのECプラットフォームなど、複数販路の商品販売履歴をシステム上の在庫情報に反映、一元管理できる機能を提供する。各販路の商品在庫最適化を実現できる。

楽天はファッションECサイト「Rakuten Fashion」参加ファッションブランドを対象に、複数販路の各種データを一元管理するデジタルソリューション「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」を2021年夏頃から提供を開始
「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」について

オンラインからオフラインへの送客支援として、「Rakuten Fashion」や自社ECサイト上で、実店舗の商品在庫情報を表示する機能を搭載。オプションとして提供するフルフィルメントサービスを併せて利用すると、倉庫間輸送の費用、商品受注から出荷までの時間を削減できるという。

「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」は、フロー・メイカーズHDおよびそのグループ会社であるエムエルシーが提供する在庫一元管理システム、物流倉庫運営ノウハウ、AMSやダイアモンドヘッドといった企業が提供するマルチモール連携基幹システムとEC構築支援ノウハウを活用。複数販路に向けた在庫情報の一元管理を実現する。

すでに、これらの企業と連携し、複数販路の在庫の一元管理やマルチモール連携システムを自社で構築しているブランドショップは、既存のシステムを生かしながら、導入コストを抑えつつ、早期に同サービスを導入することが可能。

楽天は2019年、三木谷浩史会長兼社長が「楽天市場」におけるファッション関連事業の流通総額について「約6000億円」(当時)と説明。ファッション関連事業者がデジタル面を中心としたソリューションをワンストップで利用でき、付加価値の高いサービスを提供できるようにするプラットフォーム「Rakuten Fashion」の提供をスタートした。「Rakuten Fashion Omni-channel Platform」は「Rakuten Fashion」の一環。

2020年には「Rakuten Fashion」内に、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの商品、その魅力を発信するコンテンツを扱う専門サイト「Rakuten Fashion Luxury」を開設するなど、ファッション領域の強化を進めている。

石居 岳
石居 岳

米国EC専門メディアが予測する2021年のEC業界とは? 業界再編、テクノロジーへの投資など | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

5 years 2ヶ月 ago
米国のEC専門メディア『Digital Commerce 360』が2021年のEコマース業界を予測。「再編成と成長の機会」「食料品のオンライン注文の伸長」」「テクノロジーへの投資」などの予想されるトレンドをあげている

米国のEC専門メディア「Digital Commerce 360」は2021年、小売事業者は新たな機会と課題、技術の進歩を経験すると同時に、事業売却や統合といった業界再編の可能性があると考えています。「消費者の購買行動が2019年後半の“ノーマル”だった頃に戻る可能性は低いでしょう」と語る『Digital Commerce 360』のスタッフが、2020年の出来事から予測する2021年のEコマーストレンドとは?

2021年も落ち込みが深刻な米国経済

新型コロナウイルスワクチンが徐々に普及する中、米国経済は依然として新型コロナウイルス関連のロックダウンや規制の影響で深刻な落ち込みを見せています。場合によっては、2020年の小売事業やEコマースの傾向が2021年も継続すると考えられます。

小売業界が不可逆的な変化を遂げた今、多くの企業、投資家、起業家が2020年当初には予想しなかった機会や恩恵を受ける可能性がある一方で、2021年はビジネスを行うことが難しくなる企業もあるでしょう。

『Digital Commerce 360』のスタッフが、2021年に期待することを紹介します。

再編成と成長の機会が訪れる

『Digital Commerce 360』編集長のドン・デイビス氏は次のように言います。

テクノロジー企業は伝統的な小売店やショッピングモール(商業施設)を買収するでしょう。Amazon、Google、Facebookなど、テック企業の株式市場価値は急上昇しており、コロナ禍から経済が立ち直る2021年にはさらに上昇する可能性が高いでしょう。

一方で、実店舗の小売事業者やショッピングモールは、投資家の目にはほとんど価値がないものになります(ドン・デイビス氏)

従来型の小売事業者への評価が低いため、「ハイテク企業が小売チェーンやショッピングモールの中から、将来性のある小売事業者を選ぶことが容易になる」とデイビス氏は説明します。

オンライン小売事業者が、大手百貨店チェーンの「J.C. Penney Co. Inc.」(北米EC事業トップ1000社データベース2020年版で31位)、スーパーマーケットを運営する「Sears Holdings」(同41位)のような企業を買収し、店舗をオンライン注文の便利な集荷場所として利用することも考えられます。

そのような物理的な場所を獲得することに加え、Amazonはカナダのデパートチェーン「Hudson's Bay」(同28位)傘下の百貨店チェーン「Neiman Marcus」(同40位)や「Saks Fifth Avenue」などの小売店を買収し、ラグジュアリーカテゴリーへの進出を深めていく可能性があります。

他には、オンライン食料品ジャンルにもチャンスが出てくるでしょう。多くのアメリカ人は、パソコンやスマートフォンで食料品を注文し、自宅への配送やカーブサイドピックアップ(道端受け取り)で受け取る方法に慣れてきています。

2021年も食料品のオンライン注文は続く

主任技術編集者のケイティ・エヴァンス氏は、食料品のオンライン注文は今後も続くだろうと言います。

食料品のオンライン注文が主流になり、多くの店舗型食料品店は店を閉めるか、オンライン注文のためのフルフィルメントセンターになるでしょう。そうすれば、レジ係、カート、大規模な駐車場などのコストが必要なくなります

食料品オンライン通販は、2019年と比較しても高水準で推移するでしょう。また、小規模チェーンや独立系の企業がAmazonやスーパーマーケットチェーンの「Walmart」のような巨人に追いつこうとする中、「Instacart」「Mercarto」「DoorDash」「Rosie」のようなアプリベースの配送サービスがより多くの顧客を獲得すると考えています。

Instacartのウェブサイトトップページ
「Instacart」のWebサイトトップページ(画像:サイトよりキャプチャ)

Amazonがオムニチャネルに特化した生鮮食料品店の出店ペースを速めるか

Amazonは、オムニチャネルに特化した生鮮食料品店を2020年よりも早いペースで出店していくでしょう。国内最大の食料品店であるWalmartは、食料品の注文受け取りで優位性を押し出し、より多くの場所で商品受け取りサービスを展開するはずです。

シニアリサーチアナリストでビジネスレポーターのジェシカ・ヤング氏は、「2020年のコロナ禍の影響で、オンラインでの買い物に慣れた高齢の消費者のニーズに応えようとする小売事業者が増えるだろう」と予想しています。これには食料品などの生活必需品も含まれます。

食料品のような必需品のオンライン購入は今年も急増し、コロナ禍前のレベルに戻ることはないでしょう。(ヤング氏)

とは言え、食料品のEコマースでは生鮮食品の選定を他人に任せたり、カートに入っているすべての商品に(品切れがあった場合などに)手動で“代替品の必要なし”を選択するフラストレーションを思うと、多少の「後退」はあるだろうと考えています。

しかし食料品オンライン通販事業者は、配送プロセスを合理化してカスタマーエクスペリエンスを向上させれば、チャンスがあることを知っています。(ヤング氏)

技術・業務改善に向けたテクノロジーへの投資

拡大が見込まれる「バーチャル相談」「プライベートショッピング」

「2021年は同じ場所にいなくても顧客との距離が縮まる年になるかもしれない」とシニア消費者インサイトアナリストのローレン・フリードマン氏は言います。

今のような厳しい時期でも顧客に対応できるよう、小売事業者がバーチャル化を進めているため、バーチャル相談やプライベートショッピングの拡大が見込まれています。

また、ヤング氏は「小売事業者はカスタマーサービス業務の改善を目的としたテクノロジーに投資するだろう」とも述べています。

最近普及してきたバーチャル相談のような機能を増やすため、小売事業者は、テクノロジー、マーケティング、従業員のトレーニングに投資し続けるでしょう。また、買いあさりや店舗閉鎖の可能性といったリスクを軽減するため、最低価格保証や返品ルールは緩和されたままになるでしょう。

デジタル系編集者のステファニー・クレッツ氏は、「2021年は小売事業者がテクノロジーを強化させる年になるだろう」と述べています。

オンライン通販事業者がEコマースのプラットフォームに投資し、新たな機能を追加すると見ています。消費者がオンラインでの買い物をますます快適に感じると同時に、小売事業者が店頭でのショッピング体験を家庭でも再現できる方法を模索しているため、「ECサイト機能の重要性は今後も高まっていくだろう」とクレッツ氏は言います。

テクノロジーの重要性は、小売事業者のフルフィルメント業務にも顕著に表れているそうです。

新型コロナウイルスの影響で、フルフィルメントセンターや作業員に過度な負担がかかっています。効率性と生産性向上のために、ロボットやAIなどの自動化技術を採用する小売事業者が増えるでしょう。(クレッツ氏)

エヴァンス氏は、「2021年、小売事業者はサプライチェーン改善に注力するだろう」と話します。

小売事業者はサプライチェーンの多様化に向けて真剣に投資し、商品調達のために複数の代替プランを持つようになるでしょう。フルフィルメントや倉庫管理についても同様です。小売事業者はより多くの投資を行い、ビジネスの緊急時対応策をじっくりと考えるようになるでしょう。(エヴァンス氏)

便利な「カーブサイドピックアップ」は利用され続ける

編集長のエイプリル・バーテン氏は、「カーブサイドピックアップは今後も続くでしょう」と付け加えます。

より多くの小売事業者がこのサービスを提供するでしょうし、ワクチンが広まっても、消費者はとても便利なカーブサイドピックアップのサービスを利用し続けるでしょう。

コンテンツ・マネージャー兼リサーチ・アナリストのタビサ・キャシディ氏は、ソーシャルメディアとメッセンジャーアプリが、独立したEコマースチャネルとして台頭するだろうと予測しています。

Eコマース事業者が、従来のデスクトップ型のウェブサイトで販売を始める前に、これらのチャネルのみで運営するのを目にするようになるでしょう。

エヴァンス氏と同様、キャシディ氏も小売事業者がサプライチェーンを変えることを期待しています。

小売事業者が海外生産のロジスティクスを見直す中、国内での商品調達がより重要になってくるでしょう。(キャシディ氏)

小売りを取り巻く“新たな挑戦”

Eコマースは、2020年よりも2021年の方が厳しくなるでしょう。今まで通り、機敏で適応力があり、革新的な小売事業者が有利ですが、そのためには「良心」を持つことがますます重要になってくるとバーテン氏は言います。

多くの小売業者が、自社ビジネスの差別化ポイントとして、Webサイト上で環境と持続可能性への取り組みを強調しています。環境以外にも、多様性やメイド・イン・アメリカ商品の促進など、より多くの事業者が価値観を前面に出す取り組みを行うようになるでしょう。(バーテン氏)

エヴァンス氏は一方で、消費者は安全だとわかれば再び店頭での買い物をするため、それに備えておくべきだと述べています。

ワクチンが予定通りに普及し、ほとんどの人がワクチンを利用できるようになれば、2022年にはEコマースに対する流れが変わるでしょう。人々は店頭ショッピングの社会的、感情的、物理的なつながりに憧れ、コンピュータ画面の前に座っているのが嫌になり、店舗ベースの買い物が大幅に増加するでしょう。

デイビス氏は、投資会社による買収のおかげで、Amazonで販売している小規模ブランドのマーケットプレイスでの競争力があがることを期待しています。

近年、多額の資本を調達してAmazonの小規模ブランドを買収する、新しいタイプの買収会社が出現しています。彼らは、小規模ブランドに多くのリソースを投入し、売り上げと利益を増加させていくのです。このような買収会社が成長すればするほど、小規模ブランドが単体でAmazonで販売することは難しくなっていくでしょう。

同時に、大手消費財(CPG)ブランドがAmazonでの販売を増やしており、競争がさらに激化しているとデイビス氏は言います。

これまで多くの起業家がAmazonで生計を立ててきましたが、2021年以降はそう簡単にはいかなくなるでしょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360
Digital Commerce 360

ユニクロがスマホ決済「UNIQLO Pay」をアプリに搭載、ECサイト「ユニクロオンラインストア」でも展開予定

5 years 2ヶ月 ago

ユニクロは1月19日から、ユニクロ店舗での買い物に利用できるユニクロアプリのキャッシュレス決済サービス「UNIQLO Pay(ユニクロペイ)」を開始した。

今後、通販サイト「ユニクロオンラインストア」への展開、登録可能な決済手段の充実を図り、顧客にとって利便性の高い決済サービスをめざす。

「UNIQLO Pay」は、ユニクロアプリに「銀行口座」もしくは「クレジットカード」を登録すると、全国のユニクロ店舗(一部店舗除く)のレジにて、ユニクロアプリの「会員証QRコード」を提示するだけで決済できるサービス。

「UNIQLO Pay」の銀行口座の登録、支払いに関しては、主幹事銀行から拡張性の高いソリューションを提供されたという。サービス開始時点では三井住友銀行のほか、複数の銀行口座が登録可能となる。今後も登録できる金融機関を随時追加していく。

ユニクロは、ユニクロ店舗での買い物に利用できるユニクロアプリのキャッシュレス決済サービス「UNIQLO Pay(ユニクロペイ)」を開始
「UNIQLO Pay」のイメージ(画像はユニクロのWebサイトからキャプチャ)

ファーストリテイリングが発表した2020年8月期(通期)連結決算では、国内ユニクロ事業のEC売上高は1000億円を突破、前期比29.3%増の1076億円。

1月に発表した2020年9-11月期(第1四半期)の連結業績では、国内ユニクロ事業におけるEC売上高は前年同期比48.3%増の367億円。国内ユニクロ事業の売上高は同8.9%増の2538億円で、国内ユニクロ事業に占めるEC売上高の割合は14.5%となっている。

石居 岳
石居 岳

D2Cの単品通販でLTVを最大化するための10のテクニック

5 years 2ヶ月 ago
単品通販(D2C)の本質は、初回申込みをきっかけとして半永久的にお客さまとリレーションを取り続けること─ 単品通販の勘所を加藤公一レオが解説

単品通販(D2C)で売り上げと利益を上げるには、LTV(ここで言うLTVは年間購入単価を指す)の最大化がすべてと言っても過言ではない。なぜなら、初回申し込みをきっかけとして、中長期的に利益を出す単品通販(D2C)は、「1人のお客さまにいかに多く、長く買ってもらうか」が成功のカギだからだ。

そこで本コラムでは、LTV最大化を実現するための10のテクニックを伝授したい。中には地味なものもあるが、これらすべてをちゃんと実行すれば、間違いなくLTVは上がる!

① 「ツーステップマーケティング」でLTVが上がる

単品通販(D2C)でLTVの最大化を実現するには、定期コース(サブスクリプション)を中心としたビジネスモデルを構築することが大前提。単品通販(D2C)には「ワンステップマーケティング」と「ツーステップマーケティング」の2つのビジネスモデルがある。

「ワンステップマーケティング」とは、新規のお客さまに対し、いきなり本商品の定期コース(サブスク)をオファーするビジネスモデルである。一方、「ツーステップマーケティング」とは、無料モニターや500円モニターを入口として、まずは見込み客を集め集めた見込み客を本商品の定期コース(サブスク)に引き上げるビジネスモデルである。

ツーステップマーケティングの例1

「ツーステップマーケティング」のメリットは、いきなり値段の高い定期コース(サブスク)を売るよりも、はるかに多くの見込み客を集められることだ。しかも、その見込み客は、モニター商品を使って気に入ってから本商品の定期コース(サブスク)を申し込むので、他社商品に浮気する可能性が低く、定期コース(サブスク)の継続率も高い。

ツーステップマーケティングの例2

言ってみれば、「ワンステップマーケティング」は合コンで知り合った女性に即日プロポーズするようなものであり、「ツーステップマーケティング」は合コンで知り合った女性をまずはデートに誘うようなものである。いきなり結婚よりまずはデートを申し込んだ方が成功する確率が高いし、結婚した後も圧倒的に長続きする可能性が高い。

ズバリ、定期(サブスク)件数が最大化し、LTVも最大化する「ツーステップマーケティング」は、単品通販(D2C)における最高のビジネスモデルなのである!

② 支払いの頻度を下げるとLTVが上がる

最近、売れるネット広告社のクライアントで成功事例が相次いでいるLTV向上施策が、「3か月おまとめコース」である。これまであらゆるクライアントでA/Bテストを繰り返した結果、ツーステップマーケティングの場合、ランディングページで無料モニターや500円モニターをオファーし、申込確認画面で本商品の定期コース(サブスク)へのアップセルをオファーするとコンバージョン率とアップセル率が最大化することが判明している。

そして、申込完了画面で3か月分の商品を3か月ごとにまとめてお届けする「3か月おまとめコース」をオファーすると、LTVはさらに上がる。

「3か月おまとめコース」の例

お客さまが定期コース(サブスク)の解約を考えるのはどのタイミングだろうか? そう、次の商品が届く(=支払いが発生する)前のタイミングである。つまり、お客さまがお金を払う頻度を減らすことが解約を考えるタイミングを減らすことにつながり、結果としてLTVが上がるのだ!

年間でみると、1か月に1回商品をお届けする通常の定期コース(サブスク)に比べ、「3か月おまとめコース」の場合、商品のお届け回数(=お客さまが商品代金を支払う回数)は3分の1に減る。それにより「3か月おまとめコース」にすると、通常の定期コース(サブスク)に比べLTVが約1.5倍上がるのである!

毎月支払いと「3か月おまとめコース」の比較

③ 解約受付を電話のみにするとLTVが上がる

LTVを最大化するには、解約の受付方法も重要である。しかし、ネットで受け付けていたら、気軽に解約されてLTVが下がってしまう……。ズバリ、LTVを最大化するためには、定期コース(サブスク)の解約受付は電話のみにするべきだ!

定期コース(サブスク)の解約受付を電話のみにするというテクニックは、中小はもちろん大手の通販(D2C)会社も実践している。売れるネット広告社の調査では140社中90社以上、つまり6割以上の単品通販(D2C)会社が、定期コース(サブスク)の解約受付を電話のみにしているのである。

ネットユーザーは電話が嫌いな人が多いので、解約受付を電話のみにするだけで心理的ハードルが上がり、解約しにくくなる。何よりも、解約受付を電話のみにすることで、コールセンターのオペレーターがお客さまと直接コミュニケーションを取ることができ、解約を阻止できるのが一番のメリットである。

「解約したいです」というお客さまの申し出に対し、オペレーターが「差し支えなければ解約の理由をお聞かせいただけますか?」と返し、商品が余っていることが理由であれば解約ではなく休止の提案、商品の使用感や効果が理由であれば、より効果が実感できる使い方を説明したり、よりお客さまに合った別の商品を提案したりすることもできる。

④ サプライズプレゼントをするとLTVが上がる

定期コース(サブスク)の継続回数を増やしてLTVを最大化するためには、サプライズプレゼントも効果的だ。単品通販(D2C)の定期コース(サブスク)の解約は3回目~4回目が多い。そこで、3回目お届けと4回目お届けの間に、「定期(サブスク)継続のお礼」としてサプライズプレゼントを送るのである。

これも恋愛にたとえるとシンプルで、倦怠期を迎えたカップルでも、片方がサプライズのプレゼントをすれば、少しは別れを引き延ばせる可能性が高い。それと同じで、サプライズプレゼントを用意してお客さまの心をつかむことにより、定期コース(サブスク)の継続回数も増え、LTVが上がるのである!

ポイントは、定期(サブスク)商品とはあえて別に送ること。商品と一緒に送るとせっかくのプレゼントの効果が半減するので注意してほしい。

⑤ 決済方法をクレジットカード払いに変更させるとLTVが上がる

定期コース(サブスク)を利用しているお客さまのLTVが最大化する決済方法は、クレジットカード払いである。後払いや代引きに比べ、お金を払っている感覚が薄れるクレジットカード払いでは、定期コース(サブスク)の継続率が約1.5倍アップする。そのため、定期コース(サブスク)を継続中のお客さまには、できるだけクレジットカード払いを選んでもらうことが重要だ。

ただし、絶対に初回申込時からいきなりクレジットカード払いに誘導してはいけない! なぜなら、ランディングページのコンバージョン率が最大化する決済方法は後払いであり、クレジットカード払いをデフォルトにすると、コンバージョン率が下がってしまうからだ。同様に、アップセルページでクレジットカード払いをおすすめすると、アップセル率が下がってしまう。

そこで、ランディングページでは「後払い」をデフォルトの決済方法として設定しておき、定期コース(サブスク)に申し込んでくれたお客さまに対し、後日フォローメールで「決済方法をクレジットカード払いに変更しませんか?」とおすすめするようにしよう。すでに申し込みが確保できている申込完了画面で、クレジットカード払いへの変更を促す方法も有効だ。

クレジットカードケッサイへの変更オファーの例

いずれの場合も、追加の割引をする、送料を無料にする、粗品をプレゼントするなど、クレジットカード払いに変更してくれたお客さまへの追加の特典を用意すると、多くのお客さまがクレジットカード払いに変更してくれる。

⑥ 「6か月継続」を訴求し続けるとLTVが上がる

お客さまに長く定期コース(サブスク)を続けてもらうためには、「6か月継続」を訴求することも意外と重要である。どういうことかというと、申込完了画面やサンクスメール、商品お届け時の同梱物などに「より効果を実感していただくために、最低でも6か月以上続けることをおすすめしています」と徹底的に記載するのだ。

繰り返し「6か月」「6か月」と伝え続けることで、お客さまは「効果を実感するまで気長に続けよう」という気持ちになる。シンプルな施策だが確実にLTVが上がるので、騙されたと思ってやってみてほしい。

6が月継続の訴求例

⑦ 「余っている」にうまく対応するとLTVが上がる

弊社が調べたところ、定期(サブスク)の解約理由トップ3は、1位「商品が余っている」(65%)、2位「体(肌)に合わない」(25%)、3位「経済的・家族理由」(10%)であった。

「商品が余っているから解約したい」というお客さまの申し出に対し、ダメな単品通販(D2C)会社は「では、商品がなくなったらまたご連絡ください」と解約を受けてしまう。

一方、勝ち組の単品通販(D2C)会社は、機械的に解約を受けず、何個余っているかを確認する。お客さまが「3個(3か月分)余っている」と言えば、「では、3か月間お休みして、4か月後にまたお届けいたしますね」と切り返すのである。「商品が余っている」ことを理由に解約を申し出たお客さまには、①解約ではなく休止にもっていくこと、②再開の約束を取り付けることを徹底しよう。

一時休止を提案したが、それでも解約してしまったお客さまに対しては、何個余っているかをデータベースに記録した上で、商品がなくなる頃に再開を促すメールとDMが自動的に発送されるようにしておこう。もちろん、商品を余らせないようにするために、正しい使用量や毎日使い続けることの大切さを伝え続けることも大事である。

⑧ 継続中のお客さまの喜びの声を伝えるとLTVが上がる

お客さまに長く継続してもらうためには、売り込みを目的としないCRM、つまり「売らないCRM」によって長く続けているお客さまの喜びの声を徹底的に伝えるようにしよう。長く続けているお客さまの声を紹介することで、定期コース(サブスク)に入ったばかりのお客さまも「使い続けることでより良くなる未来」を想像することができ、継続へのモチベーションが高まる。

具体的には、定期コース(サブスク)に入ったお客さまに対し、「半年以上継続しているお客さまの喜びの声特集」といったフォローメールやDM を送ったり、同梱物を入れたりするのである。ここでのポイントは、あくまでもお客さまとのコミュニケーションを目的とすることだ。

⑨ やめてしまったお客さまの後悔の声や失敗例を伝えるとLTVが上がる

商品を長く使っているお客さまの喜びの声を伝えるのも効果的だが、使うのをやめてしまったお客さまの後悔の声や失敗例を伝えるのも効果的である。例えば「〇〇美容液を使わなくなって2か月後、シミが増えてきました」「他社製品に浮気したものの、効果が実感できず、また〇〇化粧品に戻ってきました」といったコメントをフォローメールや同梱物で紹介するのだ。

他のお客さまの喜びの声を伝えてより良い未来を想起させる一方で、後悔の声や失敗事例を通して、「この商品は続けた方が良い」という印象を与えることで、LTVはさらに上がるのである!

⑩ フォローメールを構築するとLTVが上がる

売り上げと利益を上げて大成功している勝ち組通販(D2C)会社は、LTVを上げるためのフォローメールの仕組みを構築している。具体的には、定期コース(サブスク)に申し込んでくれたお客さまへ、毎月自動的にフォローメールが送られるよう設定し、正しいスキンケア方法や企業理念、より効果的な商品の使い方、お客さまの声、よくある質問、定期コース(サブスク)継続への感謝などを伝えるのである。

ここでのポイントは、商品リンクを羅列した宣伝臭い内容にするのではなく、あくまでもお客さまとのコミュニケーションを取るための読み物としてのメールにすることだ。売り込みを目的としないメールによって、お客さまに「あなたは正しい判断をしましたよ」「あなたのことが大好きです」と伝えよう。

フォローメールの例
◇◇◇

ズバリ、単品通販(D2C)の本質は、初回申し込みをきっかけとして半永久的にお客さまとリレーションを取り続けることである。そういう意味で、単品通販(D2C)は恋愛や結婚によく似ている。ところが、世の中の単品通販(D2C)会社は、定期コース(サブスク)に申し込んでもらおうと、お客さまを必死であおり、説得するのに、お客さまが定期コース(サブスク)に申し込んだ瞬間、毎月淡々と商品を送り続けるだけになってしまっている会社が多い。

結婚前は必死でアプローチしてきた男性が、結婚した途端にコミュニケーションをないがしろにし始めたらどうなるだろうか。その夫婦には短期間で別れがやってくるだろう。私自身、結婚のLTVが20年を迎えたが、それは日頃からコミュニケーションを取り続けてきたからこそだと思っている。

単品通販(D2C)においても、「釣った魚にエサはやらない」という態度ではダメで、あの手この手でお客さまとコミュニケーションを取り、感謝の気持ちや、お客さまの人生をより良くする情報を地道に伝え続けなければならないのである!

今回ご紹介したテクニックの中には、地道で時間のかかる施策もあるが、これらがプラスのスパイラルを生み出すようになると、どんどんLTVが上がり、売り上げと利益も右肩上がりに伸びていくはずだ。単品通販(D2C)で大成功したい事業者の方は、今日から本気で取り組んでほしい!

加藤 公一 レオ
加藤 公一 レオ

ECサイトの売上アップに直結する”正しいデータ”の見方&活用法を学ぶ無料ウェビナー【2/5開催】

5 years 2ヶ月 ago

ECサイトの売上アップにつなげるための、データの見方や活用法を学ぶ無料ウェビナーを2月5日に行います。登壇者は、土屋鞄製造所グループ入り以前のドリームフィールズでEC責任者を務めたECマーケティング人財育成の石田麻琴社長と、ティーライフ子会社でLifeit(元桃源郷)の社長を務めたECマーケティング人財育成 シニアコンサルタントの武田和也氏。

【ウェビナー】EC売上アップに直結!データを正しく「見る」「使う」ポイントが学べるネット通販のデータ活用ウェビナーの申し込みはこちら

ECサイト運営において欠かせないのがデータのチェック。特に大事なのは、日々の売上データを把握することです。日々の売り上げを把握することで、たとえば急に売り上げが伸びた、もしくは急に売り上げが落ちた日に何があったのか、データから原因をひもとくことができます。

日々データをチェックし事業に生かすことで、短期的な売り上げアップはもちろん、長期的な視点で見た場合の人材育成・組織づくりにも役立ちます。

ウェビナーでは、データを見るべき理由、正しいデータの見方・活用法を、著名EC会社で責任者および代表を務めたECマーケティング人財育成の代表取締役 石田麻琴氏と、シニアコンサルタントの武田和也氏が、自身のマネジメント経験などを基に解説します。

<こんな事業者にオススメ>

  • ECの売り上げが伸び悩んでいる企業経営者・責任者・担当者
  • 現場のデジタル化を進めたい企業経営者・責任者・担当者
  • ECを事業の中核にしたいと考える企業経営者・責任者・担当者
  • データは収集しているが生かし方に困っている企業経営者・責任者・担当者

<こんなことが学べます>

  • EC運営者が見るべきデータと、その理由
  • 収集したデータの見方・活用法
  • データを基にEC売り上げを伸ばす方法
  • データ収集・分析を習慣づけるためのコツ

詳細とお申込みは以下をご確認ください。

EC売上アップに直結!データを正しく「見る」「使う」ポイントが学べるネット通販のデータ活用ウェビナー

  • 日時:2021年2月5日(金)16:00~17:30
  • 参加費:無料
  • 参加申込方法:以下のフォームよりご登録ください。当日の参加URLをメールでお送りいたします。(アンケートのご協力もお願いいたします)
  • YouTubeライブ配信:当日はYouTubeライブ配信も行う予定です。詳細はネットショップ担当者フォーラムのFacebookページよりご確認ください。https://www.facebook.com/netshoptantoushaforum

<登壇者プロフィール>

石田 麻琴氏(株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役)
石田 麻琴氏(株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役)
早稲田大学第一文学部卒業後、ネット通販ベンチャー企業に6年間勤務。マーケティング統括として「Yahoo!ショッピング」月間ベストストア8回受賞。全国第1位獲得。2011年株式会社ECマーケティング人財育成を設立。BPIA常務理事/DX研究会ナビゲータ。JDMCマーケティングシステム活用研究会リーダ。中小機構販路開拓支援アドバイザー。著書「ECMJ流!原理原則」シリーズ。
武田和也氏(株式会社ECマーケティング人財育成 シニアコンサルタント)
武田和也氏(株式会社ECマーケティング人財育成 シニアコンサルタント)
早稲田大学商学部卒業後、カフェ業界で働く。ふとしたきっかけでEC専業社である桃源郷株式会社にアルバイト入社。カスタマーサポート、システム構築、海外直輸入、人事統括、EC事業統括、M&A担当、代表取締役社長まであらゆる役職を経験。多数のEC事業をマネジメントしてきた経験をもとに、EC事業社向けコンサルタントに転身。組織マネジメント・組織改革・EC人材育成、ECワークフロー最適化が現在のメインフィールド。趣味はキャンプと料理。ニックネームは公私ともに「ますたー」。

ご登録いただだきましたメールアドレスに、当日のWebinar用URLをお送りいたします。

公文 紫都

同じ仕事でも「義務」と感じながらやっている人よりも「権利」として取り組んでいる人の方が明らかに幸せそうだよね、というお話

5 years 2ヶ月 ago

今日、子どもが成人して子育てが一段落した人生の先輩スタッフ(女性)から「池田さん、子育て楽しそうだよね。私のときは(いろいろ忙しかったから)”やらされている感”満載で、子育てを楽しむ余裕なんてなかった。羨ましいな。私も、もう一度子育てしたい(笑)」という話を(茶目っ気たっぷりに)されました。

確かに、いまよりもワンオペ育児が(悪い意味で)一般的だった当時の社会環境の中で、仕事をしながら育児をすることはとてつもなく大変で、楽しい思い出も多くあるだろうけれど、総じて「大変だった」という印象を持つ女性も多いのかもしれません。


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2020/11広告業売上、全体では前年同月比19.1%減、マス4媒体は同9.4%減、ネット広告は同7.9%増

5 years 2ヶ月 ago

2021/1/20の経済産業省の特定サービス産業動態統計調査から。http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result/result_1.html

全体では前年同月比で19.1%減。テレビは同7.5%減、新聞は10.8%。インターネット広告は2カ月連続プラスで7.9%増。屋外広告は53.4%減。交通広告は34.5%減。折込・ダイレクトメールは20.0%減。

マス4媒体は14カ月連続ですべてマイナスと、2019年10月の消費増税以降の不調が続いている。雑誌のマイナスは67カ月連続、折込み・ダイレクトメールは48カ月連続マイナスといった状況。

新型コロナ禍でリアルイベントの縮小や人の移動自粛、繁華街からの混雑緩和などからか、「屋外広告」「交通広告」「SP・PR・催事企画」は概ね4月以降大幅減が続いている。



noreply@blogger.com (hiromi ibukuro g)

IAS、アミノペイメンツを買収

5 years 2ヶ月 ago

インテグラルアドサイエンスがアミノペイメンツを買収。インテグラルアドサイエンスはアミノペイメンツと業務提携して、デジタル広告のプログラマティック取引の費用を可視化するサービス「Total Visibility」を提供していた。

IAS acquires Amino to unleash programmatic transparency
https://insider.integralads.com/ias-acquires-amino-payments/

noreply@blogger.com (Kenji)

コロナ禍の「デジタル接客」を最短1か月で実現。「ecbeing」「STAFF START」の標準連携が始まった背景【社長インタビュー】

5 years 2ヶ月 ago

ecbeingはECサイト構築パッケージシステム「ecbeing」と、店舗スタッフのデジタル接客と貢献度の可視化をサポートする「STAFF START」の標準連携を始めた。「ecbeing」の利用企業はテンプレートを活用することで最短1か月で導入できる。「STAFF START」の初期導入費用は通常の1/5、ECサイトへの実装は通常の1/10程度のコストになる。

ecbeingの林雅也代表取締役社長と、「STAFF START」を提供するバニッシュ・スタンダードの小野里寧晃代表取締役にコラボの背景を聞いた。

約15社への導入を経て、標準連携化

コロナ禍でEC売上向上をめざす事業者にスピード提供へ

――コラボの概要を教えてください。

林雅也氏(以下、林氏):ecbeingで「STAFF START」の標準連携化の実装を行いました。ECサイトのカスタマイズ含め、すでに「ecbeing」を利用している既存のお客さまでも、これから「ecbeing」を導入したいと考えている新規のお客さまでも、「STAFF START」をスピーディーかつ低コストで導入できます。

小野里寧晃氏(以下、小野里氏):新型コロナウイルス感染拡大を受けて緊急事態宣言が発令されるなど、実店舗を所有している小売事業者にとっては苦しい状況です。「STAFF START」は、店頭販売員のデジタル接客を通じてEC販売につなげるサービスなので、実店舗の営業時間短縮、お客さまが来店を控えているなどの課題がある中でも、店頭販売員の雇用を守りながらEC売上を伸ばしていくことができます。

緊急性に駆られている現在のような状況下、多くの小売事業者がすぐに「STAFF START」を導入したいと考えています。しかし、実際にはECサイトの商品詳細ページに組み込むなどさまざまな準備が必要なので、稼働まで少なくとも3か月はかかります。「ecbeing」を利用してECサイトを構築しているクライアントが多く、標準連携を希望する声も多かったので、当社からお声がけしてコラボが実現しました。

林氏:新型コロナ感染拡大後、実店舗を所有している当社のお客さまの間で、店頭の従業員をいかにECに参画させるかが一気に経営課題として浮上しました。こうした状況に合わせて「STAFF START」を利用したいという声が増え続け、これまでに約15社が導入しています。その度に双方の技術陣が連携して実装を進めていたのですが、個社ごとに対応していると費用も時間もかかり、お客さまがすぐにデジタル接客を開始できないという課題がありました。標準化できれば、より多くの事業者がスムーズに「STAFF START」を導入できるだろうと考え、今回のコラボに至りました。

ecbeing
「ecbeing」サイトトップページ(画像:サイトからキャプチャ)

テンプレート利用で最短1か月、1/10のコストで導入可能

――導入コストや時間など、事業者側のメリットを教えてください。

林氏:バニッシュ・スタンダードさんと、これまでの知見を生かした「UI テンプレート」を共同開発しました。このテンプレートを利用すれば最短1か月、コストにすると従来の1/10程度でECサイトに実装可能です。また、「STAFF START」自体の初期導入費用も1/5、ランニングコストは1/3程度に抑えられるようになりました。デザインや表示内容の変更希望がある場合には、オプションでカスタマイズできます。

――今回のコラボを通じて期待することや展望は何でしょうか?

小野里氏:最短1か月で導入できるようになったので、デジタル接客を開始しようという意思決定から稼働までスピーディーに進められるようになったことが大きいと感じています。日本のアパレル企業は9割が現場スタッフ。このスタッフが報われないと業界全体が元気になりません。今回の連携を通じ、コロナ禍で苦しんでいる小売事業者に貢献できたらと思っています。また、2021年春頃にはスタッフのレビュー機能を搭載するなど、機能拡張も進めていく予定なので、ご期待ください。

林氏:ecbeingは「EC単体」ではなく、「Eビジネス」として実店舗も含めたお客さまの売上向上を支援したいと考えています。この混沌とした時代に生き延びるためには、Eビジネス全体の成長が必要です。今回の連携はそこにつながっていくものと考えています。

これまでは個社ごとの要望に沿った形で「STAFF START」の導入を進めていたので、なかなかノウハウを集約しにくいところがありました。標準連携を進めれば、同一の機能やサービスに対してフィードバックをいただけるので、ノウハウが蓄積しやすくなります。ecbeingはお客さまの声を元に機能開発・機能改善を進める会社なので、より使い勝手の良い形に進化させたいと考えています。

バニッシュ・スタンダードは21年1月14日、年間流通総額が1,104億円を突破したと明らかにした

 

公文 紫都
公文 紫都

コロナ禍で来店客急減!札幌のチョコレート店が挑んだ知識・経験ゼロからのEC運営で手にした新たなビジネスチャンスとは?

5 years 2ヶ月 ago
「Saturdays Chocolate」は新型コロナ感染症拡大後、ECに初めて取り組む担当者が独学で得た知識を元にECサイトをオープン。2か月で運営開始できた秘訣は「Wix」と「PayPal」導入にあるという
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北海道・札幌市に拠点を構えるチョコレート店「Saturdays Chocolate」。新型コロナ感染症拡大で店舗休業を余儀なくされた頃、ECサイトの開設に踏み切った。担当したのは、ECサイト運営に関する経験も知識もゼロの1人の女性。他社のECサイトを参考にしながら、必要な情報をすべて独自に学びオープンしたという。

着手から運営スタートに要した期間はわずか2か月。「Saturdays Chocolate」のブランドイメージを維持したオシャレなECサイトはどのように構築したのか? ECサイト作成に欠かせなかったというホームページ作成ツール「Wix」、決済サービス「PayPal」の利用方法と合わせて紹介する。

「最高のインディーズをめざす」。北海道・札幌発のチョコレートD2Cブランド

「Bean to Bar」(カカオの生豆からチョコレートを作る)のコンセプトの元、北海道・札幌市に「Saturdays Chocolate」が誕生したのは、2015年2月。「スモールバッチ(小規模生産、手作り)」にこだわるチョコレートのD2Cブランドだ。

現在はカフェと工房を併設した本店と、札幌駅に直結するスタンド型店舗の計2店を札幌に構える。

「Saturdays Chocolate」本店
「Saturdays Chocolate」本店(画像:天然生活提供)

「Saturdays Chocolate」のブランド名には、「次の日もお休み、という土曜日ならではのワクワク感を伝えたい」という思いが込められている。その思いはカラフルでポップなパッケージからも感じられる。

Saturdays Chocolate初のホワイトチョコレート
初のホワイトチョコレート。パッケージデザインのかわいらしさが目を引く(画像:サイトよりキャプチャ)

北海道は年間を通して涼しい気候であることから、チョコレート作りに向いているのだという。実際、「ROYCE'(ロイズ)」「六花亭」など、「北海道といえばチョコレート」と認識されるほどチョコレートブランドは多い。

「Saturdays Chocolate」は、シングルオリジン(単一産地)カカオを使ったチョコレートのほか、北海道産の玄米、牛乳、ワインなど多種多様な素材を組み合わせるオリジナルチョコレートを開発。その独自性、美味しさ、パッケージのかわいさなどで地元を中心にファンを獲得してきた。

「最高のインディーズをめざしていきたいと思っています」。「Saturdays Chocolate」の運営元である天然生活で、ECサイトの運営を担当する谷友理子氏(サタデイズ事業部)はこう話す。

「Saturdays Chocolate」のECサイト運営を担当する谷友理子氏
「Saturdays Chocolate」のECサイト運営を担当する谷友理子氏(天然生活 サタデイズ事業部)(画像:天然生活提供)

コロナ禍で店舗休業要請。大急ぎで始まったEC開設プロジェクト

Instagramを通じた販売からスタート

ブランド誕生から5年が経った2020年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、店舗休業要請が出た。実店舗でのみ販売してきた「Saturdays Chocolate」にとって、店舗の休業は致命的だ。

「どうしたらお客様にチョコレートを届けられるだろうか」「なんとかして在庫を動かさなくては……」。さまざまな不安がよぎるなかで目をつけたのがECでの販売だった。

「Saturdays Chocolate」は年に数回、関東圏のデパートで催事販売を行っており、その度にInstagramやFacebookのフォロワーを獲得。Instagramには当時2,700人ほどのフォロワーがいた。まずは4月末、InstagramやFacebookを通じた販売をスタートした。

「Saturdays Chocolate」のInstagram
「Saturdays Chocolate」のInstagram(画像:公式Instagramアカウントよりキャプチャ)

数は多くないですが、Instagramのフォロワーにはコアなファンが多く、濃いコミュニティができています。(谷氏)

Instagram、Facebookで販売開始をアナウンスした時、「全国に発送してくれるんですか?」といった喜びの声が寄せられ、ECを待ち望んでいたファンがいることを実感したという。まずは各SNSで自社のメールアドレスを公開。購入を希望する顧客から受け取ったメールに返信し発送先の住所を聞くなどして、1件ずつ注文を受け付けていった。並行して、ECサイト制作にも取りかかった。

他社のECサイトを見ながら、すべて独学で勉強

ECサイト制作には、Webサイトで活用していたホームページ作成ツール「Wix」のネットショップ作成機能「Wix ストア」を使うことにした。

谷氏は、それまでEC運営に一切関わったことのないEC初心者。サイトのベースは10日ほどで完成したが、その時点では「商品購入できるサイト」にはなっていなかった。しかし、InstagramやFacebookで購入を希望するユーザー向けに、「商品カタログ」として利用してもらえるよう購入機能は設けないまま公開した。

クール便を利用して発送する方法、特定商取引法(特商法)、プライバシーポリシーなど、EC運営に必要な知識がなかったので、まずはそこから勉強する必要がありました。「Saturdays Chocolate」の商品は北海道から全国に発送するので、送料の設定が複雑。その上なるべく道外のお客さまにも楽しんでいただけるように送料を低く設定したいという思いもあったので、送料設定は苦労しました。(谷氏)

谷氏によると、チョコレートはカカオ分が高く、溶けにくいものでも25度を上回ると融解し始めるデリケートな商材。配送中に割れないための工夫も必要であることから、クール便料金を合わせた送料をどう設定するかが課題だった。

全国的に気温が25度を下回る12月〜3月頃だけ常温便、その他は全て基本的にクール便で発送することにしました。その上で顧客管理や伝票発行が容易で、発送方法が充実したヤマト運輸を主体として発送業務を行うことになったのですが、クール便対応となると最小60サイズの荷物で+220円のオプション料金がかかります。

札幌から東京に60サイズの荷物を送る際の送料は1,370円、クール便料金を足すと1,590円にもなります。チョコレート1枚の単価は当時1,100円ほど。商品よりも高い送料設定で、お客さまの購買意欲につながるのかという課題もありました。(谷氏)

そこで、すでに行っていたSNSを通じた販売や、催事出店時の実績を加味しながら、発送先ごとの購入者比率を推計。送料の平均額を割り出したという。

「Saturdays Chocolate」が算出した送料の平均見込み
「Saturdays Chocolate」が算出した送料の平均見込み(※ヤマト運輸の会員特典の割引額を反映。画像:天然生活提供)

購入金額に対して3段階の送料を設定。店側が負担する送料は最大で購入金額の25%とし、販売管理費を抑えながら一定の利益率を確保できるようにした。

最終的に設定した送料は、①購入額2,499円までは送料1,350円②購入額2,500円〜4,999円で送料700円③購入額5,000円以上で送料無料――の3パターンだ。

できるだけ送料を払いたくないお客さまが大半なので、送料が安くなるボーダーラインとして、2,500円、もしくは5,000円をめざしてのまとめ買いが多く、購入額が比例して上がっていきます。実際、現在までのストア運営では、ほとんどのお客さまに送料が無料になるラインの5,000円以上のご購入をいただいており、実店舗の3倍近い客単価となっています。(谷氏)

Saturdays ChocolateのEC開設前、送料設定用に作成した社内共有資料
送料設定時に谷氏が作成した社内共有資料(画像:天然生活提供)

こうして他社のECサイトを見て独学で知識を得ながら、InstagramショッピングやFacebookショップ(※現在は「ショップ機能」として統合して管理可能)を通じて既存顧客向けに販売しつつ、ECサイトオープンの本格運営に向けて準備を続ける日々。緊急性にかられていたため、サイトに掲載する商品の撮影もすべて社内で行ったが、Instagram掲載用の「インスタ映えする写真」を撮り続けてきたことが、ECサイトの商品写真にも生きた。

その後すべての準備が整い、6月21日にECサイトを本オープンした。

Saturdays Chocolateの公式Instagramアカウント内にある商品紹介ページ
InstagramやFacebookではショップ機能を利用しECサイトへの導線を作っている。4月末時点ではサイトにはコマース機能が搭載されていなかったため、各SNSで専用のメールアドレスを公開し、購入希望者と1件ずつメールでやり取りし注文を受けていた(画像:公式Instagramアカウントよりキャプチャ)

「Wixは初心者でも扱いやすかった」

EC初心者が2か月でECサイトをオープンできた理由

「Saturdays Chocolate」のECサイト構築は、まず「Wix」の無料プランからスタートし、その後、月額1,800円から利用できるストア機能を導入した。

他にもいくつかECサイト制作ツールを検討しましたが、「Wix」は以前から自社のWebサイトで利用し、使いやすさを実感していました。そのため、ストア機能を使ってECサイトを運営することに決めました。ECサイト制作に必要な技術も知識もなかったのですが、「Wix」は用意されたボタンをドラッグ&ドロップするだけで、簡単にページを作れるので、初心者でも使いやすかったです。またGoogle AnalyticsのトラッキングIDを追加するだけでアクセス数を分析できるなど、手軽にマーケティングもできるところも気に入っています。(谷氏)

「Wix」とは……
「Wix」のトップページ
「Wix」のトップページ(画像をクリックすると詳細ページへジャンプします)

Webサイトの構築・運用が、無料で始められるホームページ作成ツール。ストア機能は、月額1,800円から利用できる。500以上のテンプレートから好みのスタイルを選び、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でページを作ることが可能。SEO(検索エンジン最適化)対策ツール「Wix SEO Wiz」には、サイト独自のSEOチェックリスト作成機能、Google での即時インデックス機能、SEO対策で重要視されている構造化データの記述機能なども搭載している。アニメーション、動画背景、スクロールエフェクトなどを追加し視覚的にインタラクティブなサイトを作れるなど、EC初心者でもさまざまな標準機能を利用してECサイト制作ができる。

どうやったらオンラインでもブランドの世界観を表現できるかは、ECサイトにおける課題。「Saturdays Chocolate」も、ブランドが持つポップな世界観をどうしたらオンラインでも示せるかは特にこだわった部分だ。Wixはデザイン性に長けたサイトを作りやすいという特徴があり、谷氏が思い描いていた世界観を表現しやすかったという。

楽しそう! ここで買いたい! と一瞬で思ってもらえるようなビジュアルを心がけています。特にこだわっているのは、写真の大きさ。サイトを訪れた時に、カラフルなページだなと思ってもらいたいので、パッケージデザインを生かせるよう、なるべく商品画像を大きく表示させています。(谷氏)

Saturdays Chocolateの商品ページ
画像の大きさにこだわる商品ページ(画像:サイトよりキャプチャ)

PayPalの導入がクレーム回避につながったワケとは?

決済サービスには、「お客さまが、お店に支払い情報を開示しなくても購入できる」という安全性、「ボタン1つで購入できる」という利便性の2つの理由から、オンライン決済サービスの「PayPal」を導入した。

「PayPal」で決済された売上金はペイパルアカウントに即時入金され、数日内に銀行へ引き出せる。売り上げが即時に手元のキャッシュとなることから、中小企業のキャッシュフロー改善に直結する。そのため、「PayPal」を重宝するEC実施企業は多い。

「PayPal」は、クレジットカードに加え、デビットカード、銀行口座からもオンライン上で決済を行うことができる。またクレジットカードを持たない消費者に対し、銀行口座からの支払いにも対応可能とアピールできることも、導入メリットの1つだ。

こうした利便性や使い勝手などに加え、谷氏が語るPayPal導入後の印象的な機能は、返金処理だったという。

あるお客さまに、誤って異なる金額を提示してしまったことがありました。その際スムーズに返金処理ができたので、お客さまからのクレームにはつながりませんでした。他の決済サービスも使っているのですが、返金時は銀行振込で対応する必要があり少々プロセスが複雑なので、「PayPal」のスムーズな返金処理はありがたかったです。(谷氏)

「PayPal」の返金処理は、アカウントにログインし、そこから返金する取引履歴を探して「返金を実行」をタップするだけで買い手へ返金できる。

「PayPal」のサービス概要
「PayPal」のサービス概要(画像をクリックすると詳細ページへ飛びます)

オンライン上でデビット・クレジットカード・銀行決済を受け付けるオンライン決済サービス。「PayPal」が買い手と売り手の間に立って決済を行うため、買い手は、売り手に支払い情報を伝えずに安全に購入・決済を行える。ユーザー数は世界で3億5,000万人以上、約2,800万店舗が導入している。アカウント開設費・初期費用・月額手数料は「無料」。1件あたり2.9%+40円~(マーチャントレートを適用の場合)の決済手数料で利用できる。

「やりたいことだらけ」。ECサイトを始めたからこそ生まれた希望

ECサイト開設から半年が経った2020年12月、谷氏はECサイトを運営する醍醐味をどのように感じているのだろうか。売り上げアップという具体的な成果以外にも、全国のファンとコミュニケーションをとれることに喜びを感じているようだ。

「Wix」のチャット機能を使うと、自分のスマホでお客さまからの問い合わせに応えることができ、リアルタイムにコミュニケーションを取れます。店頭に立っていなくても全国のお客さまと対話できることが嬉しいですね。

オンライン上でのやり取りで非対面とはいえ、ストア運営は接客業。お店へ来ていただくことができなくても、ブランドの「心」を感じてもらいたいので、きめ細やかで丁寧、時にはフレンドリーな対応を心がけています。最近は、海外からも問い合わせが来るようになって驚いています。(谷氏)

今はまだECサイト運営は、「試行錯誤しているところ」。だが、その中で新たにチャレンジしたいことも見え始めている。谷氏は、「やりたいことだらけ」と楽しげだ。

まずはグッズ展開。トートバッグプレゼントキャンペーンを実施したところ購入率が63%アップしたことを受け、今後もデザイン性の高さを生かしたアパレルなどの横展開を検討していくという。

Saturdays Chocolateが提供しているノベルティグッズのオリジナルトートバッグ
反響が大きかったオリジナルトートバッグ(画像:サイトよりキャプチャ)

ギフト需要が高いことはECサイトを始めたからこその気づきだという。今後はラッピング対応などをしっかり打ち出していき、それらのニーズに応えていく。

さらに、「地元の応援も兼ねてワイナリーや農家などとのコラボを展開してみたい」「リアル店舗に来ていただいた感覚でお買い物を楽しんでいただけるよう、デザインの腕を磨きたい」「チョコレートのサブスクリプションをやってみたい」など、谷氏の夢は膨らむ。

また現在、実店舗への来店やデリバリーサービスを利用し購入する地元客へ配布できるような、送料クーポンの発行や、道民割引も検討しているところだといい、「これらに対応できるWixのツールも効果的に使っていきたいと考えています」(谷氏)という。

インタビューの最後、これからECサイト開設を検討する事業者向けに谷氏は次のようにアドバイスをした。

ECサイトの運営を始めてからずっと意識してきたのは、「ブランドコンセプト」という一本の柱を決め、そのコンセプトからデザイン、キャプション、画像のテイストなどがズレないようにすることです。特にマニュアルを用意しているわけではないですが、スタッフ間で繰り返しそのブランドコンセプトを共有することで、全員にしっかりイメージを定着できました。

導入サービス面では、「PayPal」は100点。個人的にも利用するほど気に入っています。「Wix」は、無料サービスから始めてプレミアムプランにアップグレードしたことで手軽に始められたので、まずは無料プランでスタートしてお金をかけずにサイトを作るところから、段階的に始めるのがいいかなと思います。(谷氏)

◇   ◇   ◇

スモールバッチにこだわることから、引き続き自社ECサイトを中心に展開していく予定だという「Saturdays Chocolate」。物販の横展開、サブスクリプションサービス、地元のワイナリーとのコラボなど、今後の展開に注目したい。

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公文 紫都
公文 紫都

MA(Marketing Automation)を使いこなすための4段階と、超えなければならない4つの壁 商品使用体験のCRM | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

5 years 2ヶ月 ago
『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第6回)

MA(Marketing Automation)はマーケティングを自動化するツールだ。例えば顧客情報、商品情報、媒体情報、受注情報を取り込んで、Google広告の検索連動型広告から40日前に自社商品を買った顧客に、「そろそろ使い切りましたか? 2回目の購入割引クーポンを特別プレゼント」といったメールを自動で送信するのである。

多くのカートシステムにもステップメール機能やレコメンドメール機能が付属しているが、MAの最大の特徴は「粒度の細かさ」と「接触方法の多様性」だ。

MAでは、顧客の属性と行動を掛け合わせ、分析粒度を細かくしていくことができる。例えば、40日前に買った顧客のうち、クーポンプレゼントメールをクリックして、かつ、2回目の購入をしていない人」に「クーポンの有効期限が残り5日であることを伝えるDM(オフラインのはがき)を送るといったことも簡単にできる

MAをメールの発射台で終わらせない

MAの活用には次の4段階がある。

第1段階【効率化】
手動で実施していた顧客抽出とメール送信業務を自動化する
   ↓
第2段階【細分化】
属性と行動によるより細かなセグメントで顧客にアプローチする
   ↓
第3段階【多様化】
メール、LINE、DM、商品同梱物、電話などの手段で接触する
   ↓
第4段階【高速化】
複雑な条件・手段のシナリオの結果を素早く分析し、すぐ修正する

第1段階の【効率化】では、それまで担当者が手を動かして行っていた業務をMAにより自動化することで、よりマーケティングの企画などに時間を充てられるようになる。

第2段階の【細分化】では、複数のAND・OR条件で最適な顧客を抽出し、無駄打ちを減らすことで、それぞれの顧客に最も響く内容を訴求できる

第3段階の【多様化】では、メルマガでのみ実施していた顧客との接触を多様化する。MAから社内の電話営業部署に対象顧客のリストをメールで通知し、電話販売につなげることもできる。

第4段階の【高速化】では、複雑に絡み合っているシナリオをわかりやすい指標で素早く分析し、どこに手を加えればより成果が伸びるかを見つけて改善していく

多くの場合、第1段階から第2段階で何をすればいいかわからなくなってしまい、MAをもて余してしまうケースが多い。顧客がどんな体験をしたいのか、顧客にどんな体験をしてほしいのか明確になっていないためだ。また、社内リソースが足りず、せっかくMAを導入したのに使いこなせていないというケースもとても多い。

MAを使いこなすための4つの壁

MAを使いこなすには、4つの壁を超えていかなければならない。

第1の壁「データ連携の壁」

通販基幹システム、ECカートシステムに入っている商品情報、顧客情報、受注情報などをMAにどう入れるか。テーブル構造が異なるデータをマッピングし、クレジングや名寄せを行い、受け渡さなければならない。

例えば、基幹システムでは顧客のメールアドレスを「mail」という項目名で持っているが、MAでは「mailaddress」という項目名だった場合、「mail」と「mailaddress」を紐付ける。住所の都道府県名に「東京都」と「東京」という表記が異なるデータがある場合、すべて「東京都」に修正する。

顧客の氏名が基幹システムでは「姓」「名」の2つの項目に分かれているが、MAでは「姓名」を1つの項目として扱う場合、MAにデータを入れる前に修正する。これらの準備によって、綺麗になったデータをCSVアップロードやSFTP連携、API連携等でデータ連携する。この準備に数か月かかることもある

第2の壁「企画の壁」

MAにデータを入れただけでは何も見えてこない。そこで、MAを分析ツールとして使う。カスタマージャーニーマップに基づいて設定されたKPI(例えば「初回購入から2回目購入への3か月以内引き上げ率」)のデータをMAから抽出する。

そのデータの裏にある顧客の心理や行動を関連部門の担当者がそれぞれの視点から考え、どんなタイミングで、どんな方法で、どんな内容で、顧客にアプローチすればいいか企画を出していく。企画は手元のドキュメントやスプレッドシートに書き出し、共有すると良いだろう。

第3の壁「設定の壁」

企画がまとまったら実装へと進む。企画においてねらいを付けた顧客セグメントを抽出し、そのセグメントに対して、ステップメール送信、メール内リンククリックによるシナリオ分岐などを設定する。メール文章などのクリエイティブ(コンテンツ)作成も必要だ。

第4の壁「改善の壁」

設定したシナリオが無事に動き始めたら、定期的に結果を分析する。例えば、3回目のメール開封率が低いのであれば、3回目のメール件名や送信タイミングを改善する。メールの送信タイミングは、その顧客が初回商品を購入した時間帯に送ると良いだろう。

これらの壁をひとつずつ乗り越えていくのは苦難の道だ。マーケティング担当者には他の業務もどんどん差し込まれてくるし、毎年実施している全体向け送料無料キャンペーンなども準備しなければならない。当月の広告運用でCPOが上昇すれば、その対策も取らなければならない。

MAの4つの壁を乗り越えようとしたものの、他の業務に忙殺され、気付いたら2つ目の壁の段階で半年経ってしまっていた」などというのがMAを導入した企業のリアルな実態だ。

MAツールを導入するとき、いきなり専任の担当者を付けることは、予算や人員確保の面で簡単ではないだろう。当初は外注で、コンサルタントや運用担当者を手配することをお勧めする。

顧客体験の満足度を知る「NPS」

ここまで、商品と顧客の出会いから順に、顧客体験を解説してきた。それぞれのマーケティング施策の効果は売上や利益として数値化されるが、それだけでは本当に顧客体験が最高のものになっているのかどうかは分からない。

そこで有効なのが、NPS(Net Promoter Score)を活用したブランド調査である。NPSとは、フレッド・ライクヘルドが提唱した顧客ロイヤルティを測る指標である。

ある商品の顧客に対して、「親しい友人や家族にこの商品を勧めたいか?(「勧めたくない」0点から「勧めたい」10点の間のいずれかの数字で回答)」とアンケートを取り、0点から6点は批判者、7点から8点は中立者、9点から10点は推奨者と評価する。批判者、中立者、推奨者の割合を出して、推奨者から批判者を引いた数値がNPSだ。

NPSの例
NPSの例

上のように、批判者48%、中立者36%、推奨者16%となった場合、NPSはマイナス32となる。推奨者と評価する点数の幅が狭いため、NPSはマイナス値になることが多い。企業を対象とした場合、NPSが12ポイント改善すると、その企業の成長率は倍増すると言われている

NPSは単純に自社の数値を時系列で計測するだけでなく、競合他社と比較することもお勧めだ。「自社はマイナス32なのに、A社はマイナス40、B社はマイナス10」という場合、A社が自社より低い理由、B社がA社や自社より大幅に高い理由を探っていくのである。

ただし、アンケート母体を「自社商品を購入した顧客」に絞ると、そもそも自社に対してロイヤリティが高い顧客層であるため、市場では本当は他社の方が人気なのに、NPSでは自社の評価が一番高いという結果になることがあり、注意が必要だ。調査目的に沿ったアンケート母体の設定やアンケート内容にすることが重要である。

NPSの目的を「自社商品を購入した顧客満足度を1年前と比較し、事業軌道修正の気づきを得る」とするのであれば、次のような点に注意するとよい。

  • 毎年同じ時期に実施する
  • 期間内の購入顧客の中から、できるだけランダムにアンケート母体を抽出する
  • 数値だけでなく「その点数にした理由は?」といった定性コメントももらう
  • 競合他社の数値はそのまま受け入れるのではなく、自社顧客を母体としたものであり、市場顧客が母体となっているものではないことを意識して参考情報として見る

もっと広く考えて、NPSの目的を「市場での好意度を測る」ことにしたいのであれば、次のようなやり方が良い。

  • 母体は自社顧客ではなく、アンケート会社や別の方法を使って集める
  • 「◯◯ジャンルで思い浮かぶ商品はどれか」という認知度を測る質問もする
  • 自社に寄りすぎた質問や回答選択肢の並び順にしないように注意する

NPSの結果を踏まえ、半年や1年おきにカスタマージャーニーマップを作り直すと、「気がついたら顧客のニーズが変わってしまっていた」といった事態を防ぎ、顧客体験をより良いものに昇華していくことができる

売上や利益と並べて、NPSを事業に対する評価指標にすることも良いだろう。NPSが競合より高いにも関わらず、売上が競合より低いのであれば、売上に伸びしろがあるということだ。

売上が伸びていても、NPSが下落傾向にあったら黄信号である。近いうちに売上も落ちていく可能性がある。一部の顧客にひっぱられた売上なのか、一時的な売上増加なのか、売りっぱなしにしてしまっているなど顧客体験に課題がないか、深く分析する必要がある。

1つ1つの業務はBPOできる

EC通販では日々、やらなければならない業務は膨大にある。売れ行きが伸びるにつれ、人手も時間も不足しがちになる。こうした問題の有力な解決策が、BPO(Business Process Outsourcing)だ。さまざまな業務のうち、社内で回し切ることができない部分を外部のプロに任せ、しっかり回し切るのである。

EC通販の根幹は「顧客を知ること」と「それに合った商品力」だ。この2つの機能は自社でしっかり持ってほしい。それ以外はコントローラーとしての機能を社内に持っておけば、1つ1つの業務についてはBPOできる

ちなみに、スクロールグループでは、グループ各社がそれぞれEC通販に関わる次のような業務を専門的に担い、しかも相互に連携して一貫したサービスを提供している。

  • グループインタビュー
  • カスタマージャーニーマップの作成支援
  • 商品開発支援
  • マーケティング
  • 受注、決済
  • 物流
  • コールセンター
  • CRM(MA含む)
  • 顧客満足度調査

EC通販企業が顧客体験を最高のものにするため、活用してみていただきたい。

この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

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高山 隆司, 佐藤 俊幸

ユニクロとジーユーがライブコマースをスタート、ECサイトとアプリで展開

5 years 2ヶ月 ago

ファーストリテイリング傘下のユニクロ、ジーユーがECサイト内とアプリでライブコマースをスタートした。名称はユニクロが「UNIQLO LIVE STATION」、ジーユーが「GU LIVE STATION」。

「UNIQLO LIVE STATION」は「ユニクロオンラインストア」「ユニクロアプリ」「StyleHint」(ファストリ運営の着こなしアプリ)で、「GU LIVE STATION」は「ジーユーアプリ」「ジーユーオンラインストア」「STYLE STUDIOページ」「StyleHint」で配信している。

ファーストリテイリング傘下のユニクロ、ジーユーがECサイト内とアプリでライブコマースをスタート。ライブコマースの名称は、ユニクロが「UNIQLO LIVE STATION」。ジーユーが「GU LIVE STATION」
ユニクロのライブコマース「UNIQLO LIVE STATION」(画像はECサイトからキャプチャ)

ライブコマースは、自宅のパソコンやスマートフォンでライブ動画を閲覧しながら、リアルタイムで製品を購入できるショッピング方法。ライブ中には視聴者からのコメントや質問にもリアルタイムで対応する。

著名人がコーディネートのポイントなどをライブで解説し、視聴者の質問などに答えながらユニクロの商品を紹介。消費者はライブ配信動画を見ながら、気になった商品をそのままECサイトやアプリ内で直接購入できるようにしている。

「UNIQLO LIVE STATION」は2020年12月23日に、「GU LIVE STATION」は12月25日にスタート。「UNIQLO LIVE STATION」は2回目のライブ配信を1月21日(木)19時から行う。

1回目の「UNIQLO LIVE STATION」には、スタイリストの福田麻琴さんとファッションモデルの五明祐子さんが登場。2回目のライブ配信には、メンズファッションバイヤーなどのMBさん、スタイリストの山本あきこさんが出演する。

ファーストリテイリング傘下のユニクロ、ジーユーがECサイト内とアプリでライブコマースをスタート。ライブコマースの名称は、ユニクロが「UNIQLO LIVE STATION」。ジーユーが「GU LIVE STATION」
ECサイトでは画像左にライブ動画、右に商品を掲載している(画像はアーカイブ動画からキャプチャ)

17 Media Japanが提供するライブコマースシステム「HandsUP」を導入し、ECサイト内などでのライブコマースを実現した。「HandsUP」はファンケル、ウィゴーなどが導入し、ライブコマースを行っている。

瀧川 正実
瀧川 正実

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