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自治体から熱視線! 寄付額の3割を現地で利用できる「PayPay商品券」がふるさと納税の返礼品に【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

3 years ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年11月14日~11月20日のニュース

ふるさと納税の寄付額が増えても自治体には来てくれないという問題がありました。それを解決するのが「PayPay商品券」。寄付額の3割を現地で使えるので「旅行に行く前にふるさと納税」というパターンも増えてきそうです。

ふるさと納税がますます進化! 自治体向けサービスも増えてきそう

さとふる×PayPay、新サービス「PayPay商品券」をふるさと納税のお礼品として提供開始 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/12047

「PayPay商品券」は、「さとふる」で「PayPay商品券」を導入の対象自治体のなかから希望の自治体と寄付額を選び、寄付することで取得が可能。取得した「PayPay商品券」は、自治体の地場産品の基準を満たした商品やサービスを提供する地域内の店舗・施設にて、寄付から180日後までの有効期限内で利用でき、訪問した寄付先自治体での飲食、アクティビティ、宿泊施設などの決済に活用できる。

ふるさと納税でまさかの商品券が出てきました。180日の有効期間内に、寄付をした訪問先での飲食や宿泊に利用できるというものです。過去に大阪府泉佐野市でAmazonギフトカードが返礼品になって問題になりましたが、今回は誰でもすぐに使えるものではないので大きな問題にはならないと思います。

寄付者は、「PayPay商品券」の受け取りから訪問先自治体での支払いまで「PayPay」上でスムーズに行うことができるため、お礼品の宿泊券などの持ち歩きが不要に。事前に寄付をする必要がなく、その場で寄付し、利用できるため、観光や旅行で地域を訪れた際に気軽に利用することができる。

これはとても便利! 旅行割などの紙の商品券って使いにくいですし、発行する側も手間だったのですが、それが解消されています。しかも「PayPay」はどこに行っても使えることが多いので利用できないことが少なく、メリットだらけの返礼品です。ちなみに寄付額の3割を「PayPay商品券」として利用可能とのこと。

「返礼品はPayPay商品券」が自治体から期待されるワケ 今までのふるさと納税と、何が違う? | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2211/17/news082.html

PayPay商品券を導入する山口県長門市の江原達也市長は次のように期待感を話す。

 「長門市には魅力的な自然景観、温泉、アクティビティー、おいしい食事があります。しかし残念ながら、ふるさと納税の寄付者の方々になかなか長門市の良さが伝わっていない、という課題を持っています。やはり長門市に来ていただかないと、本当の良さが伝わりません。そんな中、このPayPay商品券を使って、長門市に来るきっかけとしていただけるのではと、大変期待しています」

このように自治体側が抱えていた、寄付があっても来てくれない問題も解決されます。来てくれれば気に入ってもらえるチャンスも増えて、移住してくれる人が増える可能性がありますよね。

ふるさと納税は自治体のマーケティング手段としてどんどん進化していきそう。それにともなって、自治体間の競争も激化していきます。自治体担当者はECの仕組みや動向、Webマーケティングの知識も求められるようになってくるでしょう。それに伴って支援側のサービスも増えてくるはずです。EC事業者もふるさと納税の動向はお見逃しなく。

今週の要チェック記事

【Shopify】商品A購入で商品B~Eから好きなプレゼントを選べるキャンペーン実施方法 | ローリン
https://rollin.co.jp/knowledge/945

「Shopify」の商品バリエーション機能、「Bundles.app」(Shopifyアプリ)、ロジクラのセット商品機能でお手軽に実現できるとのこと。

通販サイトなどの偽サイトで注文「商品届かない」トラブル急増 | NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221104/k10013881051000.html

メルカリ、“代理購入”に注意喚起 クレカ不正利用に加担する恐れ | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2211/14/news146.html

ECはトラブルがつきもの。お客さんにもこういった事例があることを伝えて未然に防止を。

【2022年度上半期JADMA調査】約120社の総売上高は前年比1.8%減の6898億円、衣料品や通教の低迷が目立つ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10340

2021年度が伸びすぎたこともあるのでしょうが、リアル回帰が進んでいますね。

EC 特化のノーコードツール TēPs、Shopifyの「顧客情報の取得・更新」機能をリリース。顧客タグ・メモを活用した CRM 施策の自動化が可能に | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/26565

とにかく機能追加が激しい「TēPs」。以前は使えなかったものが使えるようになっているかもしれないのでチェックしてみましょう。

Shopify Unite参加レポート~注目トピックスとメルボルンで愛されるブランド~ | FRACTA
https://note.fracta.co.jp/n/n3c527e50df4c

Shopify Unite参加レポート~最新情報とメルボルンのブランド調査~ | FRACTA
https://note.fracta.co.jp/n/nb2daadc8885d

「Checkout Extensibility / Shopify pixel manager」この2つはかなりよさそうな機能。開発者の人は押さえておきましょう。

円安が急伸した2022年は越境ECで何が売れた? BEENOSの「越境EC ヒットランキング2022」に学ぶ最新トレンドと消費動向 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10335

「売れ行きが好調だった高額商品は、ブランド腕時計、フィルムカメラ、ゴルフグッズ」

楽天、第3四半期の決算を発表 国内EC流通総額は前年同期比13.1%増の1.35兆円に | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/12040

楽天カード、楽天ペイといったフィンテック関連が増収に貢献したとこと。

違反アマギフのせいでAmazon関連サービスが全滅した話|やみこ|note
https://note.com/yamicon/n/n13eeff22e4ea

投げ銭的にもらった違反ギフトカードでもらったほうが被害を受けるという…。これは他人事ではないかも。

今週の名言

何歳になっても人生が楽しそうな人から学んだこと。筋トレのように「負荷」をかけて年を重ねたくなった | tayorini by LIFULL介護
https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/column/kaaigamon_02/

耳障りがいい言葉は一時的には楽にはなるけれど、大事なものを捨ててしまうこともあるんじゃないかと思う

EC業界にいると、「すぐに売り上げが上がります」「簡単に設定できます」など耳障りのいい言葉ってよく聞きますよね。そのせいで積み重ねとか努力といったものを捨てていないでしょうか?

筆者出版情報

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知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引相談窓口」の実績&利用メリット

3 years ago
公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が運営する、ECモール出店事業者のための「デジタルプラットフォーム取引相談窓口(DPCD)」の活用利点と実績を、JADMA万場徹専務理事のインタビューを交えて解説します
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大きな集客力を持つECモールに対し、出店事業者は立場が弱くなりやすく、不平・ 不満の声をあげることが難しい立場にある。こうした不満や状況に対応し、必要に応じてECモールへの橋渡し役も担っているのが「デジタルプラットフォーム取引相談窓口(オンラインモール利用事業者向け)」(DPCD)だ。

開設から1年が経過し、ECモール出店者からさまざまな声が寄せられている。ECモールと出店者の公正な取引を実現するため、出店事業者が抱える不満などの相談に応じ、支援するための“駆け込み寺” と言える「DPCD」の支援運用状況と活用メリットを取材した。

JADMAの万場徹専務理事知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット

デジタルプラットフォーム取引相談窓口(DPCD)とは

経済産業省の委託を受けて、公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が2021年4月1日から運営している「DPCD」は、ECモール出店者の相談に応じ、課題の解決に向けた支援を行っている。

運営を担うJADMAは、特定商取引法の第30条に位置づけられた通信販売における自主規制などの中心的な業界団体で、1984年から通販に関する消費者からの相談窓口を開設し、年間約4000件の相談に対応。2004年からは事業者からの相談にも応じている。

「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(以下「透明化法」)に基づき、一定の国内流通総額などの要件を満たし、 指定を受けたデジタルプラットフォーム運営事業者(「特定デジタルプラットフォーム提供者」)は、取引条件などの情報開示、運営における公平性確保、運営状況に関する報告を義務付けられている。

2021年4月時点で、この特定デジタルプラットフォーム提供者として、EC モールではアマゾンジャパン、楽天グループ、ヤフーの3社が指定されている。「DPCD」は、「透明化法」 の実効性確保の一環として2021年4月1日に設置された。

知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット
2022年10月3日時点における特定デジタルプラットフォーム提供者

相談上位は「検索順位」や「規約変更」

2021年度に「DPCD」へ寄せられた情報提供件数(窓口で受け付け、情報の内容に応じてカウントした件数)は1294件。このうち、利用者から窓口に電話やWebフォームなどを利用して寄せられた相談・情報提供は282件。相談窓口が行ったヒアリングなどにより収集した情報は1012件だった。

情報提供の内容別の内訳は、「検索順位・ランキング等に関する事項」が131件にのぼり、全体の10%を占めた。「取引条件の変更に関する事項」は130件で10%、「取引の全部拒絶(アカウント削除等)に関する事項」は125件となり、同じく10%を占めた。

このほか、「商品等提供利用者から苦情の申出又は協議の申入れをするための方法に関する事項」(7%)、「一般利用者からの返品等に関する事項」(7%)といった項目の相談が目立っている。また、各相談・情報提供に付随して寄せられた苦情および紛争の処理体制・手続きに関する情報提供は317件となっている。

「DPCD」には、利用事業者から以下のような声が寄せられている(一部掲載)。

  • オンラインモール運営事業者が返品ルールや返品受け入れを決定しており、出店者に負担が生じている
  • オンラインモールのルールに違反した出店者に対する制裁が等しく行われておらず、恣意的であると感じる
  • アカウント停止の理由についてオンラインモール運営事業者から十分な説明を受けられず、対応に困った
  • 問い合わせに対する回答が定型文で問題が解決しない
  • 商品の検索順位を決定する仕組みが不明瞭・恣意的・不公平だと感じる

個々の出店事業者に寄り添った対応や回答がモール側から十分に提示されないという出店者の悩みや不満の声が多いように見える。

一方で、「DPCD」の運用開始後、JADMAの万場専務理事によると一部モール運営事業者に変化があったという。たとえば、ECモール運営にあたっての透明性や公平性の向上に向けた情報開示などだ。

ただ、モール運営上の規約変更にあたって十分な説明が行われていない、必要最低限の通知のみで案内されている――といった出店者からの不満の声は引き続き散見される。

デジタルプラットフォーム取引相談窓口

対応日時:平日9時~12時、13時~17時(土日・祝日・年末年始などを除く)
問い合わせ先https://www.online-mall.meti.go.jp/
メールアドレスinfo@online-mall.meti.go.jp
電話番号:0120-088-004
FAX:03-5962-3907

【DPCD活用メリット】相談者の匿名性保守&初回無料の弁護士相談も

モール出店に悩みや不満を抱えている事業者を支援する「DPCD」の利用メリットを説明したい。出店者がもっとも懸念するのが「情報提供や相談を通じて身元が割れてしまう」こと。「DPCD」は匿名性を保ったまま相談することが可能。窓口に相談する出店者が特定されることを防ぐため、相談者の許可がない限り、「DPCD」は持ち込まれた相談内容や企業名をプラットフォームに開示しない。

つまり、身元が特定されるような情報はECモール側に開示せずに、ECモールに対する適切な対応・要請を「DPCD」が 行う。

出店者の秘密は必ず守るため、相談内容や出店者名が漏えいすることはない。安心してECモール運営事業者に対する疑問をぶつけてほしい。ECモール運営事業者と出店事業者の公平性を保って話を聞く。

知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット ADMAの万場徹専務理事
JADMAの万場徹専務理事

相談内容によっては、相談を寄せた出店者の社名をECモール運営事業者に連絡した上で照会する方が問題点を把握・確認しやすい場合もある。そのような場合でも、相談元の事業者に必ずあらかじめ許可を得てから連絡することを徹底している。

このほか、「DPCD」が通販の法律に詳しい弁護士の情報を提供することも可能だ。初回は無料で相談できる。これまでにも「DPCD」を通じた弁護士への相談事例があったという。

そのほかの取り組みとして、ECモール利用事業者向けのセミナーや説明会などを開催している。目的は、2021年2月施行の「透明化法」と、「DPCD」について、 出店者の理解を深めること。 2021年度に引き続き2022年度もECモール利用事業者向けの説明会を開催している。参加者からは「役に立った」「有益だった」といった声が寄せられたという。

このほか、相談窓口では、海外の関係機関との情報交換なども実施している。

知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット
機密性の高い相談室の風景と電話対応の様子  

トラブル防止に「ECモールの規約を読み込んで」

「DPCD」は2022年度も引き続き、相談対応と、相談事例の蓄積に努めていく方針だ。JADMA非会員企業はもちろん、ECモールに出店している会員企業も多く、「DPCD」が果たす役割は大きいという。

相談を通じて把握した課題もある。たとえば、窓口を利用する事業者や、ECモールに出店している事業者がECモールの規約に目を通していないケースが多いことだ。そのため、万場専務理事は次のように喚起している。

ECモール側の規約は読み飛ばさず、きちんと目を通して理解を深めてほしい。 規約の理解が十分でないと、のちのち、トラブルにつながりやすい。

万場氏はECモール側の規約の十分な読み込みを啓発している

「DPCD」運用開始1年から振り返る、EC業界の課題と可能性

「DPCD」の運用を通じて、EC業界の課題と可能性が見えてきた。消費環境を振り返ると、急速に進んだコロナ禍で通販の需要が高まり、通販・ECを手がける企業にとっては「コロナ特需」ともいえる状況を迎えた。新しい生活様式の提案のもと、政府による「待てる買い物は通販で」の呼びかけもあり、通販・ECを初めて利用した消費者も多い。

今後は、コロナ禍で獲得した顧客の定着や育成が課題である一方、実現できれば売上拡大に寄与できる。万場専務理事は次のように話す。

ECモールは集客力に強みがあるので、出店事業者は一層、安心感があっただろう。一方、外出自粛の緩和に伴い、一時的に盛り上がった通販・ECの売り上げは落ち込みやすい環境にある。自社サイト、ECモールも含めて、初めて通販・ECを利用した人を定着させることができれば、通販・ECの強みを維持できるだろう。(万場氏)

知っておきたい! ECモール店運営の悩みを解決する場「デジタルプラットフォーム取引 相談窓口」の実績&利用メリット
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高野 真維
吉田 浩章

サッカー専門店「サッカーショップKAMO」がリリースしたECサイト連動のアプリとは

3 years ago

サッカー用品専門店「サッカーショップKAMO」を運営する加茂商事は、ECサイトとアプリを連動させた公式アプリをリリースした。

ECサイトとアプリを連携することで、会員証をデジタル化。自動ログイン機能を搭載し、一度アプリ上でログインすれば、アプリからECサイトへ遷移した際も再ログインの必要がななる。ストレスフリーな顧客体験を提供するとしている。

スタッフスタイリングコンテンツもアプリ上で閲覧できるよう、メニューを設置。アプリを見れば知りたい情報にアクセスできる設計にした。

サッカー用品専門店「サッカーショップKAMO」を運営する加茂商事は、ECサイトとアプリを連動させた公式アプリをリリース
会員証のデジタル化など

アプリ内に任意のカテゴリメニューを設置し、アプリからECサイトへ遷移する際の入り口をシンプルに設計。アプリ上で商品アイテムを探しやすくし、スムーズな買い物体験を提供できるとしている。

サッカー用品専門店「サッカーショップKAMO」を運営する加茂商事は、ECサイトとアプリを連動させた公式アプリをリリース
アプリからECサイトへの導線をシンプルに設計した

「サッカーショップKAMO」は、1968年創業のサッカー用品専門店。日本代表元監督・加茂周氏の弟が創業したトータルフットボールカンパニーである。「サッカーショップKAMO」の公式通販サイト「サッカーショップKAMO オンラインストア」を運営している。アディダスやナイキを筆頭とした世界的に有名なブランドの商品を数多く取りそろえている。

「サッカーショップKAMO」のECサイト連動アプリは、メグリが提供するアプリの開発から運用、マーケティングまでをワンストップで支援するアプリマーケティングプラットフォーム「MGRe(メグリ)」の公式アプリを採用、導入している。

石居 岳

【楽天グループ ヒットキーワード】「脱自粛関連消費」「レシ活」などを選出。2023年は「デジタルヘルス」「安近短な海外旅行」に期待

3 years ago

楽天グループは、各種データを元に選出した「楽天グループ ヒットキーワード2022」「楽天グループ ヒット予測キーワード2023」を発表した。

楽天グループ ヒットキーワード2022 ヒット予測キーワード2023

「ヒットキーワード2022」に「脱自粛関連消費」「レシ活」が選出

「ヒットキーワード2022」は、2022年1月~9月に楽天グループのサービスで流通額や利用者数などが特に伸びたものからキーワードを独自に選出。新型コロナウイルスの行動制限緩和に伴う「脱自粛関連消費」、物価上昇により注目が高まった「レシ活(レシートを活用した節約術)」があがった。

脱自粛関連商品

行動制限の緩和により、「楽天市場」ではイベント、外出、冠婚葬祭関連の商品需要が回復傾向にあるという。冠婚葬祭関連アイテムの流通総額は、2021年1月1日~9月30日と比べて、ウェディングドレスが約1.5倍、パーティドレスが約1.3倍、和装が約1.3倍と拡大した。

楽天グループ ヒットキーワード2022 流通が約1.3倍になったパーティドレス
昨年より流通額が約1.3倍になったパーティドレス

また、コロナ禍の外出自粛により化粧をする機会が減少傾向にあったが、外出の機会が増えたことで、2022年6月1日~9月30日において、口紅・リップスティックが同期比約1.3倍、ファンデーションが約1.2倍と化粧品の流通額が拡大した。

「楽天ブックス」では、2021年1月1日~9月30日と比べてガイドブックの売り上げが同期比約2.5倍、特に国内向けガイドブックがランキング上位に上がった。

マイクロファッションアイテム

「楽天市場」ではスマホや最低限の貴重品を携帯し手ぶらで外出できるスマホショルダーやスマホポーチが、2021年1月1日~9月30日と比べて同期比約4倍、マイクロバッグが約2.8倍に伸びた。

楽天グループ ヒットキーワード2022 スマホショルダーは約4倍に伸長
スマホショルダーは流通額が前年と比べて約4倍に伸びた

ビューティー・コスメ関連商品でもミニサイズの口紅・リップスティック、ファンデーション、アイシャドウも伸長傾向にあるという。

レシ活

生活必需品の値上がりが続くなか、レシートの画像を送ってポイントを溜める「レシ活」が人気を集めた。「楽天ポイント」を獲得できるサービス「Rakuten Pasha」のレシート送付総数は、2021年1月1日~9月30日と比べて同期比約1.6倍になった。

対象商品を購入するとポイントを獲得できるクーポン「トクダネ」も掲載数が前年同期比約2.4倍となった。

楽天グループ ヒットキーワード2022 レシ活 Rakuten Pasha
「楽天ポイント」を獲得できるサービス「Rakuten Pasha」
(画像は「Rakuten Pasha」サイトからキャプチャ)

ホカンス

2022年は3年ぶりに行動制限のない夏休みとなったことなどから、国内旅行が大きく回復。ホテルとバカンスを組み合わせた造語で、ホテルの滞在やアクティビティをゆっくり楽しむ宿泊スタイル「ホカンス」はInstagramでのハッシュタグ投稿件数が2022年11月9日時点で13万件を超え、注目が高まった。

「楽天トラベル」の高級宿の予約実績は、2019年1月1日~10月31日と比べて同期比約1.3倍に伸長、「露天風呂付客室」を含む宿泊プランや客室の宿泊数も約1.3倍になった。

また、「ヴィラ」のキーワードを含んだ客室や宿泊プランの予約も約1.8倍と大きく伸長した。

楽天グループ ヒットキーワード2022 国内旅行は高級感で非日常を求める傾向がある
国内旅行で高級感や非日常を求める傾向があるという

バーチャル推し活

行動制限は緩和されつつあるが、アイドルやミュージシャンなどのオフラインイベントには引き続きさまざまな制限がある。そうしたなか、オンライン上での新しい「推し活」としてNFTへの注目が高まったという。

NFTは1次販売時のみだけでなく、購入したNFTを他のユーザーに売却する2次流通の際も、アーティストや著作者へ利益の一部が還元される仕組みになっている。そのため、NFTを保有したり売買したりすることが「推し」を応援することにつながる。

「Rakuten NFT」でも、スポーツ選手、アーティストなどさまざまなNFTを販売しており、NFTを通して「推し」を応援する動きがみられた。

特に、VTuber「安全だいいち!」によるNFTは、2022年6月に限定100個販売し、発売当日に本人がYouTubeライブ上で告知したところ、発売からわずか30分後に完売。さらに第2弾のNFTについても、発売開始後7分後に全20個が完売した。

楽天グループ ヒットキーワード2022 VTuber安全だいいち!
VTuberの「安全だいいち!」

2022年、オンラインでキャラクターグッズを展開する「楽天コレクション」で、VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球とのコラボアイテムを販売したところ、「楽天コレクション」公式Twitterにおいて関連ツイートが合計2万件以上リツイート、6.4万件以上「いいね」を獲得するなど、大きな反響があった。

楽天グループ ヒットキーワード2022 VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球のコラボ
VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」とJリーグやプロ野球とのコラボ

「ヒット予測キーワード2023」では、デジタル分野での新サービス展開などに注目高まると予測

2023年に向けて楽天グループが期待するキーワードを独自に選出した「ヒット予測キーワード2023」では、「デジタルヘルスケア」「縦読みデジタルコミック」といったデジタル分野での新たなサービス展開や、水際制限緩和に伴う旅行分野での変化に注目が集まると予測した。

サステナブルツーリズム

世界的にサステナビリティへの意識が高まるなか、近年はサステナビリティに対応した宿泊施設の新規開業や、新たにサステナビリティ対応を始める宿もみられるという。

「楽天トラベル」が旅行者を対象に行った意識調査では、7割以上が「旅行先や宿泊施設においてサステナビリティに関する何らかの問題意識を感じている」と回答しており、国内外で「観光地や宿泊する宿のサステナビリティへの対応」がより注目されると予測した。

楽天グループ ヒット予測キーワード2023 サステナビリティ×観光
「楽天トラベル」では旅行とサステナビリティについて考えるコンテンツや、サステナブルがコンセプトの宿情報などを発信する特設ページ「 楽天トラベルと始める 旅行×サステナビリティ」を開設

デジタルヘルスケア

コロナ禍を機に、必要なときにいつでも検査、治療を受けられる仕組みや、迅速に医療データを収集・解析・利用することの重要性が認識され、デジタル技術を活用した新しい医療・ヘルスケアサービスの需要が急拡大した。

厚生労働省は2023年1月から、患者が医療機関で受け取る処方箋をデジタル化する「電子処方箋」の運用を開始すると発表している。

楽天グループ ヒット予測キーワード2023 楽天ヘルスケア アプリ
楽天は、ポイントを貯めながらおトクに健康管理ができるスマートフォンアプリ「楽天ヘルスケア」のiOS版を2022年10月から提供開始した

縦読みデジタルコミック

縦読みデジタルコミックは、スマートフォン画面全体を使ったインパクトのある描写に加え、多様な色使いや音響にエフェクトをかけるなどさまざまな演出が可能。

コマを縦に並べることで画面をスクロールして読むことができ、世界共通で読みやすいフォーマットであることから、国内外で人気が高まっているという。

楽天は今後トゥーンクラッカー社と共同で、縦スクロール型・フルカラーのオリジナル作品を企画・制作し、国内外への配信や海外作品の調達およびローカライズを行う予定。

安近短な海外旅行

2022年8月に日本出入国時の水際対策の緩和以降、海外旅行へ行きやすくなったことをきっかけに、「楽天トラベル」での海外ホテルと海外ツアーの1日あたりの平均の検索数は3倍以上に増加した(2022年1月1日~2022年8月23日と2022年8月24日~2022年10月23日で比較)。

ハワイや韓国など以前から人気が高く、「安」心して楽しめ、文化などが身「近」で、移動距離の「短」い国から回復の傾向にあるという。

楽天グループ ヒット予測キーワード2023 海外旅行応援ページ
「楽天トラベル」では、渡航情報などをまとめた「海外旅行応援」ページを公開
藤田遥

「Yahoo!ショッピング」でヤマト運輸が配送する商品購入時、ID未連携でも配達状況を確認できる機能を提供

3 years ago

ヤフーは、「Yahoo!ショッピング」でヤマト運輸が配送する商品を注文すると、商品の配送状況を注文履歴一覧ページ、注文履歴詳細ページ、アプリのプッシュ通知で確認できる機能の提供を開始した。

配送予定日時などをよりわかりやすく通知

機能提供により、ユーザーが注文した商品の「配送予定日時」「不在連絡」などの配送状況が注文履歴詳細一覧ページ、注文履歴詳細ページ、Yahoo!ショッピングアプリが配信する「プッシュ通知」で確認できる。

ヤフー Yahoo!ショッピング ヤマト運輸 配送状況通知の画面イメージ
配送状況確認の画面イメージ

「Yahoo!ショッピング」は、これまでもヤマト運輸の個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の「クロネコID」と「Yahoo! JAPAN ID」を連携しているユーザーに、配送状況を通知している。

機能提供により、「クロネコID」を連携していない「Yahoo! JAPAN ID」にログインしているユーザーに対しても、ヤマト運輸が配送するほとんどの商品を対象に、配送予定日時などの配送状況を通知できるようになった。

藤田遥

HC買収の背景と今後――売上1000億円企業を一代で築いた“カリスマ”吉田会長退任、オリックスは「再買収」か「育成」か? | 通販新聞ダイジェスト

3 years ago
「通販」の黎明期からその可能性に着目し、独自の牙城を築いたDHC。オリックスには、新規株式公開を通じた資金回収、事業切り離しによる再売却、株式の長期保有で事業育成を図り、グループに取り込むなどの選択肢がある

オリックスがディーエイチシー(=DHC)を買収する。創業者で大株主の吉田嘉明会長兼社長から株式の過半を取得する見込み。「通販」の黎明期からその可能性に着目し、独自の牙城を築いた企業の買収は、「通販」という業界の潮目の変化を象徴する。オリックスは、業界でも特異な存在であったDHCのどこに価値を見出し、いかに取り込むのか。

取得価格は1000億円超

オリックスは、23年3月期中に、吉田会長から過半の株式を取得する予定。取得価格は、現段階で1000億円以上を見込む。一部に3000億円規模との報道もある。

取得期間を広く取る背景には、未上場のまま、一代で1000億円企業に育てた企業の買収が容易でないことを窺わせる。「株は散逸している可能性がある」(業界関係者)との声も聞かれる。「全株式を取得する予定」(オリックス)とするが、現時点の公表は、吉田会長個人との株式譲渡契約のみだ。DHCの株主数や、吉田会長の保有比率については「非公表」。「保有状況は把握しており、粛々と取得を進める」とする。

法人営業のネットワーク活用検討

DHCの評価については、広範な販売チャネル、国内外の高い知名度、幅広い年齢の顧客の支持を得ているとする。オリックスは、医療機器のイノメディックス、製薬関連の同仁医薬化工への出資を通じてヘルスケア領域に参入。また、国内外に法人営業のネットワークを持つ。これを活用し、メーカーとの協業や卸先の開拓を進めていくようだ。

一方、近年では、吉田会長による在日韓国人に対する声明が差別的であるとして広く批判を招き、ブランド力にマイナス影響もあった。これには「人種などによるあらゆる差別を容認しないことを人権ポリシーとして定めている。DHCが新経営体制のもと社会と協調し、持続可能な会社となるよう株主として支援していく」としており、「DHC」のブランドも維持する方針。

投資事業に注力する中で培った企業価値向上のノウハウを活かし、コンプライアンス体制やコーポレートガバナンスを強化する。具体的課題は、「株主ではない現時点で答えられない」とするが、吉田会長は株式の譲渡後、退任を予定する。

低価格を追求営業利益率悪化

通販業界は、個性の強い創業者、経営者らが築いた独自の企業文化の集合体として発展してきた。DHCが創業50周年の節目に買収されるニュースは、業界の少なくない企業が抱える「事業承継」という課題を浮き彫りにする。

DHCは、通販の黎明期、新たなディスカウンターとして市場に登場した。

同じく通販大手のファンケル(横浜市中区)が、高価格が主流だった健康食品の「価格破壊」を打ち出すとこれに追随。低価格戦略でしのぎを削った。

ただ、近年はファンケルなど競合他社が研究開発力を強みに付加価値戦略に舵を切る中、依然として「低価格・配合量」にこだわり展開していた。

18年には、健食全アイテムと化粧品の一部商品で、利益を度外視した25%の割引率を適用する「ぶっとび定期便」を開始。ただ、これも裏目に出たようだ。売上高は、1087億円をピークに下降線に。かつて10%を超えていた営業利益率は20年に4%台にまで落ち込んだ。

22年7月期の売上高は、前年比0.5%増の905億3100万円。営業利益は、同52.5%増の166億7600万円、経常利益は同53.8%増の176億2400万円、純利益は同76.7%増の96億1500万円。コロナの影響に加え、売却を念頭にコストがかさむ店舗の急速な整理で固定費や人件費を削減し、収益改善を進めたとみられる。20年1月に約200あった直営店は、現在107店と半減している。

通販大手の代表経験者を招へい

DHCは、主力の通販事業のほか、水やビール、リゾートなどさまざまな事業を展開する。オリックスには、新規株式公開を通じた資金回収、事業切り離しによる再売却、株式の長期保有で事業育成を図り、グループに取り込むなどの選択肢がある。「現時点で出資期間は想定していない。中長期で発展を目指す」(同社)とする。

今後、同社は、DHCの舵取りを行う専門人材として、化粧品通販大手の代表経験者を招へいするとみられる。「分かりかねる」(同)としているが、DHCはここ1年ほど、これに限らず業界周辺で積極的な採用活動を進めていた形跡がある。

◇◇◇

業界を代表する一社の買収に同業他社は、「事業承継は多くの企業が抱える課題。今後も同様の動きが加速するのでは」、「典型的なオーナー経営でいずれ事業承継が課題になることは明らかだった。織り込み済みで驚きはない」と冷静な受け止めも聞かれる。

今後については、「流通販路の開拓はすでに一巡している。保険などオリックスが持つ経営資源とどのようなシナジーを想定しているのか、要否を判断して切り売りすることもあり得る」、「個人経営の会社からガバナンスの効いた会社に変化していくイメージはある」などの声が聞かれた。

売却か育成か、オリックスの動向は、事業承継が課題として浮上する業界がどう産業に取り込まれていくか試金石になる。業界再編の呼び水になる可能性もある。

「事業承継」の課題浮彫り、強い個性と情熱が築いた業界

強い個性と情熱を持つ創業者が築き上げてきた通販業界にあって、DHCを創業した吉田嘉明会長もその1人だった。「通販」の可能性を業界内外に知らしめた。

「一つの時代が終わったと感じる」。ある業界関係者は、そう感想を語る。買収は業界の現状を象徴する。

通販の黎明期、多くの個性あるプレイヤーは新たなディスカウンターとして市場に参入した。低価格下着で市場に参入したセシール、シムリー(後のイマージュ)、「テレショップ」のモデルを確立した二光、総通、日本文化センターなどがある。「思い切った値付け、海外調達を含めたサプライチェーンの構築などダイナミズムは、オーナー社長の存在感が大きかった」。

だが、イマージュは業績低迷を受けて上場廃止後、セシールが衣料品事業を買収。そのセシールもディノスを経て20年、ノジマ傘下のニフティが株式を取得した。二光は西友グループのもとで通販から撤退(08年)、総通は12年に経営破綻し、「日本直販」事業をトランスコスモスが取得した(今年5月に売却)。ECの台頭を受けたニッセン、千趣会などカタログ通販の低迷もしかりだ。

◇◇◇

化粧品・健康食品では、「不の解消」を掲げ、「健康食品の価格破壊」「無添加化粧品」で、市場を切り拓いたファンケルの池森賢二氏がいる。一方で対照的な存在として台頭してきたのが、吉田会長率いるDHCだった。

「少し待ってくれ」。吉田会長を知る人は面談の機会を得た際、自ら難解なプログラミング用語が書かれた紙を見つめ、その分析に没頭する姿を目にしたという。「固執するような、執念のようなものを感じた。通販のシステムに精通し、自ら分析していたのだろう」と、印象を語る。低価格戦略では、ファンケルの向こうを張って覇を競った。スラップ訴訟やヘイト声明などトラブルも多かったが、業界を象徴するカリスマの一人であったことは間違いない。

◇◇◇

「シアーズに学べ」。かつて日本の流通大手がこぞってその店作り、オペレーションを学んだ米シアーズは、通販の草分けとしても知られる。18年に破たんした。

「地球上でもっとも安いサプライヤー」。創業当時のカタログには、そう印字されている。だが、時代の変化に応じて金融など事業を多角化する中で、本業である店舗への投資を削り、疎かにしたことで競争力を失っていった。同じく「最安値」を追求するアマゾンなどECに顧客を奪われた。

他業態を見ても、百貨店は業界再編を経た後も苦戦を強いられ、GMSもセブン、イオンの寡占状態にある。小売の延長でこれ以上の成長は見出しにくく、金融や保険など各種サービスで商圏の拡大を目指している。

DHCもデジタル技術の革新、購買行動が変化する中で消費者ニーズとのかい離が生じていたのかもしれない。

過去に買収を経た多くの企業の再浮上が叶っていない背景には、業界が独自の企業文化を築いたオーナー経営の集合体で構成されてきたことがある。オリックスは、通販に精通する専門人材を投入するとみられるが、DHCがどう変わるのか注目される。

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通販新聞

ギフティの2022年3Q売上は29%増。デジタルギフトの法人利用が大幅伸長、企業のDX化が後押しか

3 years ago

デジタルギフトサービス「eギフト」を手がけるギフティの2022年1~9月期(第3四半期累計)決算は、売上高が前年同期比28.6%増の33億8800万円、営業利益が同8.3%増の3億5100万円だった。

DX化の流れが法人利用拡大に寄与

企業活動のDX化の進展により、「eギフト」をマーケティングなどに利用する法人に向けた「eギフト」販売 (「giftee for Business」サービス)の利用企業数とキャンペーン数が大幅にした。四半期最高値を更新したという。

これに加え、ギフティグループが提供する「eギフト」生成システム「eGift System」の導入企業も堅調に推移したようだ。

「giftee for Business」の利用企業(DP)数は1195社(同327社増)、「eGift System」サービスの利用企業(CP)数は264社(同88社増)となった。

「eギフト」利用企業数などの推移(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)
「eギフト」発行企業数(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)

営業利益が1桁台の伸長にとどまった理由は、販管費が同31.4%増の25億100万円と大幅に増えたため。事業拡大に伴って積極的に採用を推進し、人件費などが増加。これに加え、サーバー費用などの支払手数料増加も影響した。

人員数の推移(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)

個人向け「eギフト」利用は減少、広告掲載終了が影響

一方で、個人向けの「eギフト」サービス「giftee」は191万人となり、2022年の上期までと比較すると5万人(=2.6%)減少した。これは、広告媒体へのサービス掲載終了に伴い、該当のサービスにひもづく会員の登録を解除したことが理由だという。

個人消費者向けサービス「gihtee」の会員数、四半期末数推移(画像はギフティのIR情報から編集部がキャプチャ)

このほか、地域通貨サービスでは旅先納税を中心に実施案件数が増加。旅先納税の導入自治体は通算12自治体にのぼるという(※2022年9月末時点)。

経常利益は同15.4%増の3億5100万円、純利益は同26.3%増の1億6600万円となり、いずれの利益段階も伸長した。

高野 真維

UI・UXの向上をめざすユナイテッドアローズのECサイト改善施策とは

3 years ago
ユナイテッドアローズ(UA)のEC戦略と、自社ECサイト刷新にともなうUI・UX改善事例を解説。ZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」とレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」導入による課題解決の取り組みとは
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ファッションやセレクトショップ業界をリードするユナイテッドアローズは2022年3月、ECと実店舗の売り場を統合するために自社ECサイトをリニューアルオープンした。検索機能の改善、レビュー投稿によるUGCの導入など、UI(ユーザーインターフェイス)・UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上に取り組んでいる。オンラインとオフラインのシームレスな購買体験をめざすユナイテッドアローズのEC戦略、顧客体験向上の取り組みなどを取材した。

 

情勢の変化、消費者ニーズの変化を捉えた商品領域の拡大

紳士服や婦人服のファッションブランドとして成長し続けてきたユナイテッドアローズ。コロナ禍では「UNITED ARROWS」「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」といった主力ブランドに加えて、スポーツウエアやウェルネスブランドを徐々に拡大。コロナ禍の生活様式、消費者ニーズへの変化対応に努めてきた。

ユナイテッドアローズの顧客は30〜40代が中心だが、近年はそのほかの年代にも裾野が広がっている。SNSの浸透や若年層向け商品企画、各種施策などで、ここ最近は20代やこれまではリーチしにくかった10代の顧客にも提案できるようになったという。

ウェルネス領域に取扱商品を広げてターゲット層を拡大する構想はコロナ禍前から進めていたため、近年の消費行動、生活様式の変化にも対応できたという。

 スポーツ商材のなかでは、特にゴルフにフォーカスした。コロナ禍の消費者需要として、ゴルフは抜群に相性が良かったと感じている。「ユナイテッドアローズ ゴルフ」では、素材やシルエットにこだわり、スポーツウエアならではの機能性を追求している。ユナイテッドアローズの強みを生かして、社交の場にふさわしい品質、デザイン性を持つオリジナルウエアの提案を行う。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

EC刷新でオンラインとオフラインの売り場を論理的に統合

ユナイテッドアローズの直近の大きな動きは、2022年3月の自社ECおよびアプリのリニューアルだ。ECのリプレイスは2018年の秋冬あたりから構想を始めていたという。

オンラインとオフラインの売り場をシームレスにつないでいくことを目的に、構想に先駆けて2017年4月までにオンラインとオフラインの顧客基盤、ブランド別に展開していたオウンドメディアサイトを1つに統合し、さらにオンラインとオフラインで在庫の統合も進めた結果、2018年秋の構想から約4年の期間を経てリプレイスを果たした。顧客がどの販売チャネルで商品を検討し、購入しても、在庫があるかぎり供給していくための土台を整えた。

ただ、お客さまからみて当社のオフラインチャネルとオンラインチャネルは現在もまだシームレスとはいえないといい、木下氏は「商品在庫、接客、ナレッジが1つの販売チャネルに滞ってしまうことの課題解決を進めはじめた」と話す。

ユナイテッドアローズ  ITソリューション本部EC開発部部長 木下貴博氏
ユナイテッドアローズ  ITソリューション本部EC開発部部長 木下貴博氏

 ECサイト刷新前は他社に運営を委託してきたが、ユナイテッドアローズはこれを自社主導での体制に移行してリニューアルした。

リニューアルしたユナイテッドアローズのECサイト
リニューアルしたユナイテッドアローズのECサイト

購買体験の向上に向け、加速するデジタルコンテンツ化

ユナイテッドアローズがめざすのは、オンライン・オフラインを含めたすべてのコマースチャネルで1人ひとりのお客さまの購買体験から受け取る価値を高めていくこと。

そのなかで店舗スタッフがもつ現在販売している商品の魅力についての知識や、お客さまとの接客を通じ磨き続けてきたファッションユーザにとっての課題解決の知見などを、1つひとつの店舗に閉じずOPEN化していくことで、オンラインだけにとどまらず、オフラインチャネルでの購買体験を豊かにすることをめざす取り組みだ。

スタッフの能力や経験を店舗にきたお客さまにだけ届けるのではなく、場所にとらわれず必要なお客さまに提供していくという観点では、デジタルコンテンツ化は有利だ。たとえば、ある店舗に来店されたお客さまのお迷いや期待をもっともふさわしいスタッフがサポートできれば、そのお客さまの課題は解消に進みやすくなるのではないか。場所の制約の多くはコロナ禍を経てますますなくなってきた時代だからこそ、デジタルの力も活用し、距離は離れた場所にいるお客さまの課題解決を社全体で進めていく。そのような観点をコンテンツ作りにも生かし取り組んでいる。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

木下氏は、スタッフのスタイリング提案もブログ記事もどちらも「スタッフの生み出すコンテンツ」ではあるが、ブログは接客がうまいからといってかならずしも上手に書けるわけではなく、その逆もしかりだと話す。

スタッフの役割を専門的に分解して、新しい業務に必要な能力をリスキリングする機会を設けたり、得意な人が得意なコトにフォーカスしていけるよう、整備を進めているという。

スタイリングのページ
スタイリングのページ

ツール導入時はユーザー目線の課題解決力を重要視

リプレイスではさまざまな機能をECサイトに掲載したが、その1つであるサイト内検索機能は目的の商品を見つけやすく、すぐにたどり着けるよう検索機能とサイト内の導線を改善した。検索時の入力を補助する予測変換、検索条件の保存などさまざまな検索アシスト機能を充実させている。

店舗では取りそろえきれないほどの在庫を保管できるというデジタルの強みをうまく活用し、商品を拡充してもすぐにほしい商品にたどり着くことができれば、消費者の体験価値を高めることが可能となるため、品ぞろえと検索性の両面をさらに強化していくという方針を掲げる。

お客さまの購入チャネルがどこであっても、商品がほしいと思い、最初に手を上げてくれたチャネルできちんと供給できるようにしていく。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

ZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の導入により、スムーズな購買プロセスを実現している。

「ZETA SEARCH」を導入したサイト内検索
「ZETA SEARCH」を導入したサイト内検索

木下氏は「ファッションははやりすたりも早いし、ましてアイテムやスタイリング、触感など多くの点で辞書を調べれば手軽に出てくるようなキーワードばかりではない。そのようなジャンルだからこそお客さまが『ほしい』と思った商品をうまく言語化できなかったとしても適切な商品提案をできるようにするなど、ZETAが提供するサービスの活用で利便性向上につなげることができた」と言う。

オンラインチャネルとオフラインチャネルの連動、デジタル化を推進するには、サイト内検索のように専用ツールの導入が欠かせない。ユナイテッドアローズはツールを採用する際に、どのようなポイントを意識しているのだろうか。

  • 1つ目……ユーザーにとって価値があるか。どの顧客群に、どのシーンで、どの課題が解決できるのかを具体的にイメージできるかどうかを重視
  • 2つ目……パートナー企業としてともに何年間も歩み続けることで、顧客に対して継続的に価値を高めていけるパートナー企業になりえるかどうか
  • 3つ目……既存システムに悪影響を与えてしまわないかどうかを注視。たとえば、読み込み速度の低下などが該当する。ECサイトのパフォーマンス上、悪影響がないかどうかを気に掛けている

ユナイテッドアローズの木下氏はZETAについて、「我々ではなく我々の先にいるお客さまの課題にフォーカスし、その課題解決にむけサービスを拡張したり、投資している企業だと感じている」と説明。パートナー企業として厚い信頼を寄せているという。

ZETAは良いパートナー企業であり続けることを意識している。クライアント企業の「こんなことをやりたい」という要望に応えるだけではなく、それを踏まえて「もっとこうしたほうがユーザーにとって使い勝手が良いのでないか」といったエンドユーザーの目線にも立ちつつ、クライアント企業の動きを加速することを心がけている。(ZETA 出張氏)

ZETA 執行役員副社長博士(情報科学)出張純也氏
ZETA 執行役員副社長博士(情報科学)出張純也氏

サイト内検索の精度改善によるCX向上

ここからは、ECサイト刷新の際に行ったサイト内検索の改善、レビュー強化の取り組みについて深掘りしていきたい。
ユナイテッドアローズは「ZETA SEARCH」の導入前、商品が既存のカテゴリーに分類しきれなかったり、商品数の増加で消費者が求める商品が埋もれてしまうという課題を抱えていた。

もっとも課題としていたのは商品検索の精度。導入前のサイト内検索は商品名や商品説明、商品カテゴリーなどの一般的な商品マスタ項目でしか商品を検索できず、精度がいまひとつだった。導入後は、取り扱いブランドやお客さまが探しやすいキーワードを商品マスタに付加し、その項目も検索対象に含めることで、検索精度が向上してきた。(ユナイテッドアローズ 橋本氏)

ユナイテッドアローズITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー橋本美和氏
ユナイテッドアローズ ITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー橋本美和氏

タイムセールの商品を検索・閲覧できないときがあるといった課題もあった。タイムセールの対象時間になっても商品がECサイトの画面上に出てこない現象などがあったものの、この事象も「ZETA SEARCH」の導入によって解決した。

また、言語化しにくいあいまいな検索にも対応できるようになり、たとえば季節のキーワードで商品がヒットするなど、「ZETA SEARCH」の導入によって商品の探しやすさに磨きがかかっている

一口に検索ツールといっても、どれだけ重要なキーワードをもらさずに対応できるか、あいまいな検索でもレスポンスできるか、顧客の需要にアジャストした検索結果を表示できるかという精度はツールごとに異なる。その点、「ZETA SEARCH」の高い精度、長年の実績に基づいて研さんされてきたアルゴリズムは、ユナイテッドアローズが抱えていた課題を解決できるツールだと確信して導入を決めたという。

フリーワード検索の顧客行動に改善の兆し

さらに「ZETA SEARCH」の導入によって、ユナイテッドアローズは顧客の検索行動に改善を感じ始めているという。

「ZETA SEARCH」導入後、フリーワード検索経由のコンバージョンはやや改善傾向にあり、キーワード検索を利用するお客さまはコンバージョン率が高いという結果になっている。(ユナイテッドアローズ 星氏)

ユナイテッドアローズ ITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー 星正和氏
ユナイテッドアローズ ITソリューション本部EC開発部シニアマネジャー 星正和氏 

木下氏は「運用はまだまだ、山登りでいうと1合目、 2合目の感覚。逆に言うとポテンシャルを感じている」と話す。

たとえば、冬シーズンはクリスマスなど特殊なキーワードも増えてくる。ZETAは、シーズンごとのキーワードもどんどん取り込んでいけるような提案を行っていきたい。検索キーワードが上昇しているワードの定性評価も月ごとに行っている。(ZETA 木又氏)

ZETA 技術部 ユニット長 木又陽平氏
ZETA 技術部 ユニット長 木又陽平氏

「共感の時代」において消費者レビューが購買に影響を与える 

ECサイトのリニューアルでは、消費者による商品レビューの投稿機能を追加した。消費者が商品を購入するかどうか迷ったとき、その商品を買ったユーザーの率直な感想を確認することで適正な購買行動や購買の後押しになるといったサポート機能としての役割を期待している。

この商品レビューの投稿機能もZETAが提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」で実現した。このソリューションではサイト内にレビューコンテンツを実装でき、商品着用時の感想など消費者の生の声をレビュー掲載することで購買を後押しすることができる。

プロダクト側の情報発信には関心を示さない人でも、自分と同じようなモノを買った人が商品の使い勝手を発信したレビューには共感し、購買行動につながるケースが増えている……という時代の流れがある。こうした消費行動は今後さらに進むだろう。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

「ZETA VOICE」で実現したレビュー投稿機能
「ZETA VOICE」で実現したレビュー投稿機能

消費者の声が購買を後押しする昨今の傾向について、ZETAの出張氏も「共感の時代になっているのかもしれない」という。それを踏まえユナイテッドアローズの木下氏は、「レビューにより現在のお客さまが未来のお客さまの迷いや間違いたくない心理をサポートできないかと考え、そのためにUGCコンテンツの量も増やし、多くのお客さまにコンテンツに触れていただく機会を拡大していきたい」と話す。

こうしたUGCを増やしていく方針のユナイテッドアローズに対して、ZETAの市川氏は「『ZETA VOICE』は現状のサービス内容にとどまらず、今後レビューを増やしていくための施策を提案していきたい」と言う。

たとえば、「ZETA VOICE」を利用して集めたレビューを、商品開発にも生かすといった取り組みもある。そのためユナイテッドアローズとZETAは、まずはレビュー数そのものを増やすことに力を入れていく方針だ。

ZETA セールスグループ マネージャー 市川敬貴氏
ZETA 営業部 ジェネラルマネージャー 市川敬貴氏

「ZETA VOICE」導入の背景には、「ZETA SEARCH」を採用していることも影響している。ソリューションの導入・運用では、それぞれ異なる企業のサービスを導入するよりも、1つの企業が提供しているサービスを複数導入したほうが合理的だ。パートナー企業としてワンストップで集中させ、各ソリューションを育成するために「ZETA SEARCH」「ZETA VOICE」両方の導入に踏み切った。

課題解決により更なる価値提供へ 

企業のリソースは常に限られている。ユナイテッドアローズの木下氏は、「新たなツールの導入は、いかにツール運用の学習コストを小さくできるかも重要」だと考えている。
その点について、ユナイテッドアローズの橋本氏は、「『ZETA VOICE』は導入がスムーズだった」と振り返る。

ZETAは導入後も改善ポイントのフィードバック、UGC施策についてより付加価値の高い提案など、手厚いサポートを継続している。ツールの導入後、クライアント企業のキーワードのチューニングや管理画面の操作はZETAが一手に引き受けるといったサポートも、ZETAが多くの企業から支持されている理由の1つであり、導入企業は本業の“売る”業務に集中できるためだ。

「ZETA SEARCH」「ZETA VOICE」の導入によって、お客さまが抱えていた課題が解消に向かっていると感じている。サイト内検索やUGCは買う判断までたどり着くための潤滑油。商品にひもづく情報の価値はこれからますます重要になるだろう。ECサイト運営とユーザーのために、ZETAの総力を借りてともに発展していきたい。(ユナイテッドアローズ 木下氏)

ZETAの出張氏は「ECはユーザー側が探しに行かないと商品に出会えない。多くのユーザーは商品の一覧性を好むので、キーワード検索を使う傾向があり、ZETAはキーワード検索を重視してきた」と説明する。ZETAの木又氏は「レコメンドでももちろん、新しい商品と出会うことができるが、サイト内検索でもある程度柔軟に対応できる。たとえば、関心を持ってもらえそうな商品をランダムに表示する方法などだ。ZETAは消費者が多くの商品と出会えるように、運用のさらなる改善に努めていく」と話す。

エンドユーザーにとって、ユナイテッドアローズにしかできない検索体験をサポートしたい。それをZETAがどう実現できるかが本当の意味でのパートナーシップになる。ユナイテッドアローズがめざす課題解決や価値向上の理解を深めていきたい。(ZETA 市川氏)

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高野 真維
吉田 浩章

①や©などの環境依存文字はHTMLでは文字参照にする ―― そんなルールはもう不要!【海外&国内SEO情報ウォッチ】

3 years ago
Web担当者Forum の連載コーナー「海外&国内SEO情報ウォッチ」を更新。「HTMLでは、機種依存文字は文字参照(実体参照)にすること」そんなルールがまだ社内に残っていたら、見直すのがいいかもしれない。意外と見落としがちな、イマドキ Web 制作のトピックを知っておこう
Kenichi Suzuki

「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況は?【データ保存方法リスク比較表あり】

3 years ago

パイオニアは、「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について、実務に対応している税理士111人にアンケート調査を実施した。

税理士のクライアント先は個人事業主、小規模事業者など従業員数100人以下の企業が最も多く、全体の半数以上となる67%。

税理士が担当しているクライアント先で、「電子帳簿保存法の改正にほぼ完全に対応できている」と答えた企業の割合は2.7%。70%以上の企業が5割以下の対応にとどまっている。

「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について 「電子帳簿保存法の改正」に対応できている企業の割合
「電子帳簿保存法の改正」に対応できている企業の割合

「電子帳簿保存法の改正」に関する問い合わせで多いもは、「対応した会計・精算システムについて」が59.1%。「各制度に応じた具体的な対応方法」が50.9%、「電子取引の電子データの保存方法について」が42.7%と続いた。

「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について 「電子帳簿保存法の改正」に関する問い合わせ内容
「電子帳簿保存法の改正」に関する問い合わせ内容

「電子帳簿保存法の改正」は残り1年余りで完全義務化。システムや対応方法など、より具体的な内容に関する問い合わせが多い。保存の手段が書類から電子データに変わることから、保存方法に関する問い合わせ42.7%に達している。

電子帳簿のデータの保存先として採用しているのは、「USBメモリー」が26.9%で最多。次いで「SSD」が18.3%、「HDD」が17.3%。

「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について 電子データの保存先
電子データの保存先

保存先メディアで、課題やリスクだと考えている点を3つまで聞いた結果、最も多かったのが「データを誤って削除・上書きするなどのリスク」の51.0%。「機器の故障などによるデータ消失」(48.1%)、「長期保存性(経年劣化、買い替え、データ移行が必要など)」(39.4%)と続いた。

操作や機器の故障を問わず、データを失ってしまうリスクは極力避けたいとの判断があるようだ。また、法律上7年間のデータ保管が義務付けられているため、長期保存ができることを重要視している企業も多い。

「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について データ保存の課題やリスク
データ保存の課題やリスク

電子帳簿のデータ保存で重要だと思うことを3つまで聞いたところ、「セキュリティ(パスワードの設定など)」が50.0%で最多。「データ消失リスクが少ないこと」が45.5%、「長期保存できる耐久性」が32.7%で続いた。

企業の重要データを取り扱うことから、セキュリティが最重要視されていることが明らかとなった。データ消失のリスク回避や、長期保存を見据えた保存先を選定することも重要だと考えられる。

「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について データ保存で重要なこと
データ保存で重要なこと

電子帳簿のデータ保存で困っていることや不便だと感じることに関しては、以下の点があがった。

  • 経理用の保存先を準備するためのコストがかかること
  • すぐに容量がたまりそう
  • セキュリティ面が不安
  • データを移行する手間がかかる
  • 最適な保存方法がわからない
  • 保存したデータから必要なデータをすぐに探せるか不安
  • データを保存した媒体の紛失が不安

 データ保存に関して困っていることや不便だと感じることについては、「セキュリティ」「コスト」「保存容量」「保存方法」「データの取り出し」などがあがっている。特に多かったのが「セキュリティ」「コスト」「保存方法」に関する悩み。

「電子帳簿保存法の改正」に対する企業の対応状況について データ保存方法リスク比較
データ保存方法リスク比較
石居 岳

トリンプ・インターナショナルが3ブランドのECサイトを統合。顧客IDも一本化した新生「トリンプ・オンラインショップ」の特徴

3 years ago

女性向けインナー商品のトリンプ・インターナショナル・ジャパンは11月15日、「トリンプ」アモスタイル」「スロギー」の3ブランドの公式ショッピングサイトを統合し、新たに「トリンプ・オンラインショップ」としてリニューアルオープンした。

女性向けインナー商品のトリンプ・インターナショナル・ジャパンは11月15日、「トリンプ」アモスタイル」「スロギー」の3ブランドの公式ショッピングサイトを統合し、新たに「トリンプ・オンラインショップ」としてリニューアルオープン
新生「トリンプ・オンラインショップ」

顧客がわかりやすくそれぞれのブランド体験ができるようにしたという。顧客IDも一本化。過去に購入した履歴データも一元管理し、よりサイズや色選びに悩むことなくオンラインショッピングを楽しむことができる。

「トリンプ・オンラインショップは}は、より見やすいサイトへ変更した。デザインを全世界のトリンプ・オンラインショップと統一。カテゴリ検索に加え、「New Arrival(新着商品)」「人気」「定番コレクション」といった着用シーンや顧客の好みから商品を検索できるようにした。

個々の商品キャンペーン情報などを商品上にアイコンで明記、顧客がお得な情報を把握できるようにした。モデル着用写真も充実し、商品を具体的にイメージできるようにしている。

人気商品を中心に購入ステップの簡略化も実現。サイト自体の処理能力もアップし、よりストレスフリーな買い物体験を可能にしたという。

女性向けインナー商品のトリンプ・インターナショナル・ジャパンは11月15日、「トリンプ」アモスタイル」「スロギー」の3ブランドの公式ショッピングサイトを統合し、新たに「トリンプ・オンラインショップ」としてリニューアルオープン
商品詳細ページ

商品ごとのレビュー機能も刷新した。購入者に送るメールからレビューへの書き込みができる仕組みを導入。今後はレビューキャンペーンも予定している。

公式サイトのリニューアルはEC利用者から寄せられた要望を反映、快適なオンラインショッピングの環境を整える第一歩としている。

石居 岳

Amazonフレッシュが初の単独物流拠点を開設/セブン&アイの「オムニ7」が2023年1月に終了【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

3 years ago
2022年11月11日~2022年11月17日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. Amazonフレッシュ、初の単独物流拠点「葛西フルフィルメントセンター」を開設

    新設する物流拠点「Amazonフレッシュ 葛西FC」は、既存の「Amazon川崎フルフィルメントセンター」内の「Amazonフレッシュ」占有スペースに続く2つ目の「Amazonフレッシュ」専用物流拠点

    2022/11/11
  2. セブン&アイの「オムニ7」が2023年1月に終了。統合型通販サイトから各企業の単独運営モデルへ移行

    セブン&アイ・ホールディングスの「オムニ7」を通じたEC売上高は2018年2月期に1000億円を突破。ピークは2019年2月期の1131億9300万円だった

    2022/11/16
  3. 米投資ファンド「フォートレス」+ヨドバシHD連合が進める「そごう・西武」の再建策とは?

    フォートレスはソフトバンクグループ傘下の投資ファンド。「そごう・西武」の再建パートナーにヨドバシホールディングスを選定、企業価値の最大化に努める

    2022/11/15
  4. アマゾンのID決済「Amazon Pay」で後払いが可能に。Paidyの「ペイディ」と連携で実現

    Amazonアカウントと「ペイディ」カウントを連携すると、消費者は「Amazon.co.jp」での買い物に加え、「Amazon Pay」導入の自社ECサイトでも、後払いでの買い物ができるようになる

    2022/11/16
     
  5. オリックスが健食・化粧品通販大手のDHCを買収へ

    ディーエイチシー(DHC)の2022年7月期の売上高は前期比0.5%増の905億3100万円、営業利益は同52.5%増の166億7600万円。営業利益率は18.4%

    2022/11/14
     
  6. 物価高騰の影響によるライフスタイルの変化、半数超が「ネットで食品を購入する機会が増えた」

    クラダシが実施した「物価高騰の影響によるライフスタイルの変化についての調査」の調査結果によると、インターネットで食品を購入する機会が増えたと回答した人は52.1%にのぼった

    2022/11/11
     
  7. ニーズ拡大の旅行予約サイト、「じゃらん」「楽天トラベル」「一休」「Booking」「JTB」で利用者が多いのはどこ?

    「じゃらんnet」「楽天トラベル」「一休.com」「Booking.com」「JTB」を含めた上位5サービスの2022年4-6月期における利用者数は、前年同期と比べ1.5倍以上に増加

    2022/11/14
     
  8. Amazonが決済手段を拡充する理由とは。後払い、個人間送金サービス、今後は「Apple Pay」「Google Pay」も導入?

    日本マーケットではアマゾンジャパンが2019年11月、「Amazon.co.jp」での買い物客向けに「ペイディ」を使った支払い方法を提供するなど、決済手段の拡充を進めている

    2022/11/17
     
  9. アリナミン製薬が「茶のしずく」石鹸の悠香ホールディングスを買収

    悠香HDの中核子会社である悠香は2003年創業の化粧品通販企業。「茶のしずく」石鹸がヒットし、売上高は2008年に100億円、2009年に200億円、2010年に300億円と急拡大した

    2022/11/16
     
  10. 健康食品の「被害情報公表」は見送りへ。厚労省の方針がトーンダウンした理由とは?

    厚生労働省は「いわゆる健康食品」を対象にした健康被害情報の公表を見送る方針を決めた。今後も議論は継続するとしている

    2022/11/16
     

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

廃棄の客室シートカバーをルームシューズにした、ANAとオンワードのサスティナビリティ起点の共同開発商品とは

3 years ago

全日本空輸(ANA)は11月10日、自社ECサイト「ANA UP-CYCLE PROJECT SHOP」で、客室のシートカバーから作った「ANA特製ルームシューズ」の予約抽選販売を開始した。

「ANA特製ルームシューズ」は、ANAグループのサスティナビリティへの取り組み「ANAアップサイクルプロジェクト」の第1弾としてオンワード商事と共同開発。客室のシートカバーをルームシューズの生地に再利用し、アップサイクルした。

シートカバーをアップサイクルして開発したルームシューズ(画像はANAホールディングスが提供)

廃棄シートカバーをアップサイクル、オンワード商事と協業で

「ANA特製ルームシューズ」は、社内新規事業提案制度による発案。ANAグループの持続可能な社会の実現をめざす「ANA Future Promise」と、オンワード商事の廃棄問題のポジティブな解決をめざす「オンワード商事Re-make-upプロジェクト」が共感し、実現したという。

「ANA特製ルームシューズ」は履くと温かみを感じるような質感で、手触りの良さにも自信があるという。

かかと部分を畳めばスリッパに

航空機部品の1つでもあるシートカバーは、生地の色あせや品質表示タグの印字が読みにくいといった理由により廃棄となったシートカバーは、一定の基準で定期的にクリーニングや交換を行っている。

このシートカバーに着目してアップサイクルし、ルームシューズに再生した。型取り、裁断、縫製まですべて手作業。脱ぎ履きが多い時は、かかと部分を畳んでスリッパとして利用できる。もちろん、かかとを起こしてルームシューズとしても利用可能だ。

かかとをたためばスリッパとしても利用できる
取り外したシートカバー。アップサイクルに向けて型抜きし、縫製した

価格は1足6930円(税込)。初回販売数は50足で、予約抽選販売は11月10日から16日まで受け付けた。

高野 真維

「経済圏を意識してサービス利用する」は56%。意識している経済圏トップは「楽天」

3 years ago

MMDLaboが運営するMMD研究所が実施した「2022年10月経済圏のサービス利用に関する調査」によると、56.2%が「経済圏を意識してサービスを利用している」と回答し、2022年4月の調査から7.7ポイント増加した。

予備調査は18歳~69歳の男女2万5000人、本調査は5つの経済圏(ドコモ、au、PayPay、楽天、イオン)のメイン利用者2500人が対象。期間は2022年10月14日~10月18日。

最も活用しているポイント上位は「楽天ポイント」「dポイント」「PayPayポイント」

予備調査対象者に現在活用しているポイントと、そのなかで最も活用しているポイントを聞いた。その結果、現在活用しているポイントでは「楽天ポイント」が60.3%で最も多く、次いで「Tポイント」が52.7%、「Pontaポイント」が42.0%だった。

最も活用しているポイントでは「楽天ポイント」が34.7%で最多、次いで「dポイント」が12.9%、「PayPayポイント」が9.9%だった。

MMD研究所 経済圏に関する調査 経済圏に対する意識 現在活用しているポイントと最も活用しているポイント
現在活用しているポイントと、そのなかで最も活用しているポイント
(活用しているポイントの上位10位抜粋/n=25000、出典:MMD研究所)

56.2%が経済圏を意識、2022年4月から7.7ポイント増加

予備調査対象者に5つの経済圏いずれかを意識しているか聞いたところ、56.2%が「意識している」と回答し、2022年4月の調査結果と比べて7.7ポイント増加した。

MMD研究所 経済圏に関する調査 経済圏に対する意識
経済圏に対する意識(出典:MMD研究所)

最も意識している経済圏トップは「楽天経済圏」

5つの経済圏いずれかを意識している人に、最も意識している経済圏を聞いたところ、トップは「楽天経済圏」(47.8%)、次いで「ドコモ経済圏」(16.9%)「PayPay経済圏」(16.0%)だった。

MMD研究所 経済圏に関する調査 最も意識している経済圏(2022年4月との比較)
最も意識している経済圏(2022年4月との比較)(出典:MMD研究所)

意識のきっかけ、PayPayは「QR・バーコード決済」

5つの経済圏のメイン利用者に最も意識している経済圏を意識し始めるきっかけになったサービスをいた。経済圏別に結果をみたところ、各経済圏のトップは「ドコモ経済圏」「au経済圏」は「通信会社」、「PayPay経済圏」は「QR・バーコード決済」、「楽天経済圏」「イオン経済圏」は「買い物する場所」だった。

MMD研究所 経済圏に関する調査 最も意識している経済圏を意識し始めるきっかけになったサービス
最も意識している経済圏を意識し始めるきっかけになったサービス
(経済圏別、上位3位抜粋/出典:MMD研究所)

ポイントを貯める場所と使う場所、PayPayと楽天は「ECサイト、アプリ」がトップ

5つの経済圏のメイン利用者に、メイン利用している経済圏のポイントを溜めている場所と使っている場所について聞いたところ、「ドコモ経済圏」「au経済圏」は「コンビニエンスストア」、「PayPay経済圏」「楽天経済圏」は「ECサイト、アプリ」、「イオン経済圏」は「スーパーマーケット」がトップだった。

MMD研究所 経済圏に関する調査 ポイントを貯めている場所・サービス
メイン利用している経済圏のポイントを貯めている場所・サービス
(経済圏別、上位3位抜粋、複数回答可/出典:MMD研究所)
MMD研究所 経済圏に関する調査 ポイントを使っている場所・サービス
メイン利用している経済圏のポイントを使っている場所・サービス
(経済圏別、上位3位抜粋、複数回答可/出典:MMD研究所)

経済圏意識後、「買い物する場所」「クレカ」「QR・バーコード決済」をより利用するようになった

経済圏を意識するきっかけとなったサービスがあると回答した人に経済圏を意識した後に行動したことを聞いた。

経済圏別に結果を見ると、「ドコモ経済圏」「イオン経済圏」は「クレジットカードをもっと利用するようになった」、「au経済圏」「PayPay経済圏」は「QR・バーコード決済をもっと利用するようになった」、「楽天経済圏」は「買い物する場所をもっと利用するようになった」がそれぞれトップだった。

MMD研究所 経済圏を意識した後に行動したこと
最経済圏を意識した後に行動したこと(経済圏別、上位3位抜粋/出典:MMD研究所)
調査実施概要
  • 調査タイトル「2022年10月経済圏のサービス利用に関する調査」
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2022年10月14日~10月18日
  • 調査対象:【予備調査】18歳~69歳の男女、【本調査】5つの経済圏のメイン利用者
    ドコモ経済圏(n=500)、au経済圏(n=500)、PayPay経済圏(n=500)、楽天経済圏(n=500)、イオン経済圏(n=500)
  • 有効回答:【予備調査】25000人、【本調査】2500人
  • 設問数:【予備調査】13問、【本調査】14問
藤田遥

Amazonが決済手段を拡充する理由とは。後払い、個人間送金サービス、今後は「Apple Pay」「Google Pay」も導入? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

3 years ago
日本マーケットではアマゾンジャパンが2019年11月、「Amazon.co.jp」での買い物客向けに「ペイディ」を使った支払い方法を提供するなど、決済手段の拡充を進めている

Amazonは、P2Pの個人間送金ができるモバイル決済サービス「Venmo(ベンモー)」(編注:PayPal傘下の企業が提供)で買い物料金を支払うことができるようにしました。

決済手段を拡充するAmazon

Amazonは現在、一部の顧客を対象に、チェックアウト時に「Venmo」で支払えるようにしていますが、ブラックフライデーからすべての利用者がチェックアウト時に「Venmo」を使えるようにする予定です。「Venmo」の親会社であるPayPal Holdingsのダニエル・シュルマンCEOは、「ホリデーショッピングの繁忙期に間に合わせる」と説明。次のようにコメントしています。

(Amazonの「Venmo」導入は)特に若い層における「Venmo」の広がりを反映したものです。この新しい決済方法の提供について、Amazonと密接に協力し、成果を上げることを楽しみにしています。

「Venmo」は2009年にサービスを開始し、2013年にPayPal Holdingsが買収しました。「Venmo」のユーザーは、自分の銀行口座をアプリにリンクさせ、「Venmo」の口座を持っている他のユーザーに支払いをすることが可能。そのお金は、後で使うために「Venmo」に残しておくか、預金口座に振り込むことができます。

「Venmo」を使うオンライン通販事業者は、1取引あたり0.49ドルのトランザクション費用、3.49%の手数料が必要です。オンライン通販事業者がクレジットカード会社に支払う平均約2.5%の手数料よりも高いと、比較サービス「Bankrate.com」とクレジットカードのマーケットプライス「creditcards.com」のシニアアナリストであるテッド・ロスマン氏は言います。

消費者はAmazonの支払い方法として「Venmo」アカウントを連携すると、チェックアウトの際に選択することができます。「Venmo」は約9000万件のアクティブアカウント(うち月間アクティブユーザートは5700万件)を抱えています。 

現在、Amazonではクレジットカード、デビットカード、ストアカード、医療貯蓄口座(HSA)、フレキシブル支出口座(FSA)、電子給付金(EBT)口座などを使って支払いすることが可能。2021年後半には後払い(Buy Now, Pay Later)サービス「Affirm」を追加し、決済手段を増やしています。

米国の大手EC専門誌『Digital Commerce 360』の「北米EC事業 トップ1000社データベース」で、チェックアウト時に「Venmo」を提供しているのはわずか5.2%。上位1000社の小売事業者の決済手段では、Mastercard、Visa、American Express、Discover Bank、PayPalが上位にランクインしています。

上位1000社の小売事業者が提供する決済方法トップ10(2021年) (出典:Digital Commerce 360)
上位1000社の小売事業者が提供する決済方法トップ10(2021年、出典:Digital Commerce 360)


『Digital Commerce 360』のトップ1000社(オンライン売上高で北米をリードする小売事業者)の45.7%が2021年にBNPLオプションを提供、2020年の28.2%から大きく増えています。2つ以上のBNPLオプションを提供しているのは7.4%で、2020年の1%から増加しました。

中小規模の小売企業もBNPLの提供を始めており、『Digital Commerce 360』の「Next 1000データベース」(オンライン売上高ランキング1,001位から2,000位までの小売事業者をリストアップしたもの)にランクインしている企業の32.9%が少なくとも1つのBNPLオプションを実装しています。

トップ1000社の47.5%、Next 1000社の32.9%が後払いサービスを提供 している(出典:Digital Commerce 360)
トップ1000社の47.5%、Next 1000社の32.9%が後払いサービスを提供
している(出典:Digital Commerce 360)

支払い方法の選択肢を増やして多くの消費者にアピールするAmazon

「Amazonは、消費者が購入を完了するために、さまざまな機会をできるだけ多く提供すべきだという従来の常識に従っている」。コンサルティング会社Brooks Bellのグレゴリー・ウンCEOはこう言います。

2021年10月にBrooks Bellが米国の消費者1000人を対象に行った調査によると、Amazonのチェックアウト・支払いプロセスを「優れている」と評価した消費者は半数(50%)にとどまりました。しかし、Amazonのチェックアウト・支払いプロセスを改善する必要があると答えたのはわずか9%。 

ユーザーの大半は、スマホ(アプリ)が取引の手段であることに慣れてきています。「Venmo」はすでに決済手段のスタンダードになっており、このことは「Venmo」のようなブランドにとって大きな利点です。しかも、消費者の根本的な考え方は変わりません。消費者は、自分にとって便利な方法で買い物をしたいのです。そのことを踏まえ、経験豊富な小売事業者は、消費者のその要望を把握しているのです。(ウン氏)

「Apple Pay」「Google Pay」も導入する?決済のトレンドとアマゾン

決済処理ベンダーNMIのCEOであるヴィジェイ・ソンディ氏は、Amazonのチェックアウトに「Venmo」が加わることにどのような影響が出るか、「様子を見る」つもりだと言います。

そして、Amazonが今後、「Apple Pay」「Google Pay」を決済手段として導入するかどうかに注目しているそうです。 ただ、Amazonが「Apple Pay」「Google Pay」を導入するには、Appleへの手数料支払いを避けなければなりません。

AmazonはAppleに手数料率30%を払いたくないのです。それがAppleとAndroidの力です。彼らは、様々な決済手段を集約するゲート機能を果たしているのです。(ソンディ氏)

ソンディ氏は、Amazonが「Apple Pay」「Google Pay」をすぐに提供するとは考えていません。

「彼らはデジタル商品の販売で競い合っています。Amazonは、iOSデバイスのアプリを通じた販売において手数料を払わずに商品を売ることができない状況に腹を立てているのです。」(ソンディ氏)

「Venmo」支払いのリスク

消費者は「Venmo」で支払いをする際、銀行口座とアプリをリンクさせて資金の引き出しや預け入れを行うため、リスクがあるとソンディ氏は言います。消費者が取引を取り消したい場合、それを実行するのが困難なためです。

クレジットカードの場合、消費者はカードの紛失や盗難を報告することができます。そのため、消費者は不正な取引から保護され、その責任を問われることはありません。また、クレジットカードは与信審査と承認が必要となります。

一方、Venmoアプリは、消費者がデビットカードまたは預金口座をリンクする必要がありますが、信用調査は必要ありません。

Amazonが「Venmo」を提供していることを知ったソンディ氏は、潜在的なリスクを強調して説明していないことをこう言います。「Amazonは、デビットカードや預金口座の資金源である「Venmo」で支払う方がはるかにリスクが高いことをあまり指摘していません。」(ソンディ氏)

Amazonによると、「Venmo」の取引はAmazon独自のバックエンド技術によって保護。消費者が第三者の販売者に連絡し、その販売者が最初のメッセージから48時間以内に許容できる解決策を見出す必要があるというAmazonのA-to-z Guarantee(編注:日本で提供されているAmazonマーケットプレイス保障)に言及しています。

Amazonはまた、トラブルが発生した際の対処法として、多くのシナリオと行動指針を提示しています。販売事業者は少額の取引手数料を支払えば、「Venmo」独自の購入保護を、対象商品に対して適用することができるようです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

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