ネットショップ担当者フォーラム

Googleマップで嫌がらせの口コミが発生、グーグルに報告しても削除されない。こんな場合の対処方を解説 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

4 years 6ヶ月 ago
Googleマップの口コミにネガティブな情報が書き込まれた場合の対処法として、まず第一に取れる手段である「Googleへの報告」(削除依頼)、それ以外の2つの方法と、削除の対象となる口コミの条件について説明します

Googleマップの口コミは、Googleアカウントがあれば誰でも投稿ができます。実際の体験を口コミ投稿の前提としていますが、口コミの投稿時には、店舗を利用した証明を求められるわけではありません。

このため、ひとたび炎上が起こると、Googleマップ上の店舗情報に批判や非難のメッセージが口コミの形で投稿されることも珍しくなくなってきました。中には嫌がらせや、営業妨害ともとれるようなメッセージが書き込まれるケースもあります。

Googleの口コミは店舗の評価の参考にされることも多くなっており、このような投稿に頭を悩ませる店舗関係者も多いでしょう。

この記事では、Googleマップの口コミにネガティブな情報が書き込まれた場合の対処法として、まず第一に取れる手段である「Googleへの報告」(削除依頼)について解説します。ただし、削除依頼は却下されることもあります。後半ではそれ以外の2つの方法と、削除の対象となる口コミの条件について説明します。

Googleに口コミの削除依頼をする

攻撃的であったり、自社に不都合な口コミが投稿されている場合、Googleにポリシー違反の報告をすることができます。

Googleへの口コミの削除依頼は厳密には、ある口コミがGoogleが禁止・制限している内容であるとしてGoogle報告する形をとります。

Googleが禁止・制限している内容口コミについては後段で整理します。

ここではまず、Googleへ口コミの削除依頼をする3つの方法について解説します。

1. Googleマイビジネスから報告する

Google検索やGoogleマップの検索結果に表示される店舗情報を編集、管理するための公式ツール、Google マイビジネスから口コミの削除申請を行うことができます。

まずGoogle マイビジネスホーム画面の「クチコミ」から口コミの一覧を表示させます。

削除依頼をしたい口コミの右上にある三点リーダーをクリックすると、「不適切なクチコミとして報告」が表示されます。

Googleマイビジネス「クチコミ」
▲Googleマイビジネス「クチコミ」:編集部スクリーンショット

Googleのポリシーにどのように違反しているのかを、選択肢から選びます。

Googleマイビジネス「このクチコミを報告する理由」
▲Googleマイビジネス「このクチコミを報告する理由」:編集部スクリーンショット

いずれかをクリックすると、確認画面が出ます。「送信」のボタンを押します。これで報告が完了し、ポリシー違反が確認されれば口コミは削除されます。

Googleマイビジネス「Googleへのポリシー違反の報告」
▲Googleマイビジネス「Googleへのポリシー違反の報告」:編集部スクリーンショット

処理については3営業日ほどかかると示されていますが、場合によってはもっと長い時間を要するケースもあると考えられます。

2. Google検索から依頼する

Googleマイビジネスで店舗情報を管理していない場合でも、一般ユーザーとして口コミを報告できます。まずはGoogle検索からの

店舗や施設を検索し、右側に表示されるナレッジパネルからのビジネスプロフィールの「Googleのクチコミ」をクリックします。

口コミの一覧が表示されるので、削除したい口コミの右上にある三点リーダーをクリックし「レビューを報告」を選択します。

ナレッジパネルから口コミを表示、「レビューを報告」
▲ナレッジパネルから口コミを表示、「レビューを報告」:編集部スクリーンショット

続く画面で、先程同様に、口コミがどの点に違反しているのかを選択します。

Googleマイビジネス「このクチコミを報告する理由」
▲Googleマイビジネス「このクチコミを報告する理由」:編集部スクリーンショット

3. Google マップから依頼する

Googleマイビジネスで店舗情報を管理していない場合のもう一つの申請方法に、Googleマップ上の店舗情報で口コミを表示させ、報告する方法があります。

スマートフォンやタブレットのGoogleマップアプリからも、同様に口コミの報告の操作ができます。

Googleマップで店舗を検索し、店舗のビジネスプロフィールから削除依頼をしたい口コミを表示します。三点リーダーから、「レビューを報告」を選択します。

Googleマップ「レビューを報告」
▲Googleマップ「レビューを報告」:編集部スクリーンショット

次に表示される画面で、口コミの問題点を一つ選び、報告します。

Googleマップ「このクチコミの問題点」
▲Googleマップ「このクチコミの問題点」:編集部スクリーンショット

削除依頼(レビューの報告)で削除されない口コミへの対処法

Google上の口コミのうち、削除対象となるのはあくまでガイドラインに違反した口コミです。

ある口コミが、店舗に対し悪い評価をつけているからといった理由や、都合の悪い口コミを書いているというだけでは、削除はされない可能性のほうが高いでしょう。

しかし同時に、口コミは顧客の店舗に対する印象に大きな影響を与えるものであり、ネガティブな口コミはどうにか削除したいと考えるビジネスオーナーも多いはずです。

こうした場合、店舗に対する批判的な口コミに対しては、2つの方法が考えられます。

1. 口コミに返信する

悪い口コミを放置しておくと、それを目にしたユーザーの店舗に対する印象は下がってしまいます。ただし、口コミをチェックしたときに、必ずといっていいほど目に入るのが「口コミへの返信」です。

口コミへの返信欄を利用して、ユーザーへの印象を変えることは不可能ではありません。

たとえば、口コミの指摘内容が正しければ受け止め、今後改善をすることを示します。

自身にとって不都合な内容の口コミにも丁寧に返信することで、ユーザーの抱く印象は好転するかもしれません。

口コミへの返信は、Googleマイビジネスでオーナー申請をし、その後届く認証コードで認証することで可能になります。

2. 良い口コミを集める

悪い口コミが目立ってしまうケースのなかには、そもそも口コミの総数が少ないというケースがあります。

良い口コミがたくさん集まることで、悪い口コミの比率が下がり、目立たなくなる場合もあります。

ただし、口コミの並び順はいくつかあり、ユーザーが目にするものが時系列とは限らないため、ファーストビューに残ってしまう可能性もないわけではありません。

3. 法的な措置をとる

日本の法律に基づき、口コミの投稿者を特定することもできます。手続は、この分野に精通した弁護士に依頼してすすめることが一般的です。

この手続がとれるのは口コミが申し立てを行う人に対する誹謗中傷であることが認められる場合で、URLや投稿のスクリーンショットの提出も必要となります。

発信者情報開示仮処分命令申立によりIPアドレスを手に入れ、プロバイダを特定し、契約者情報の開示を求め、裁判を起こすという流れになります。

Googleが禁止・制限している口コミ

Googleでは「マップユーザーの投稿に関するポリシー」を定めています。

このポリシーでは「禁止および制限されているコンテンツ」のカテゴリが複数定められており、このルールは投稿に含まれる写真や動画も対象となっています。

以下に整理して紹介します。

1. スパムと虚偽のコンテンツ・関連のないコンテンツ

店舗や施設と関係のない投稿は「スパムと虚偽のコンテンツ」あるいは「関連のないコンテンツ」です。同じ内容の連続投稿や、明らかな広告目的を含むものがこれにあたります。

評価を不当に上げる、または下げるための虚偽の情報を書き込むことも禁止されています。

たとえば政治的主張を書き込んだり、店舗を貶めることを狙った嫌がらせのようなコメントはこれに該当すると考えられます。口コミの報告では「この場所と無関係です」を選択するとよいでしょう。

2. 危険なコンテンツ

他人に危害を加えることを示している口コミや、差別を助長するような口コミもポリシー違反となります。

攻撃的な内容が投稿されていた場合、その口コミは報告すべきと判断できます。

3. 不適切なコンテンツ・露骨な性的表現を含むコンテンツ

侮辱的な表現、わいせつな表現を含む口コミは禁止されています。

「侮辱的または露骨な性的コンテンツ」であるとして報告できます。

4. なりすまし

ある特定の個人やを語ったり、ある組織を代表する権限がないのにそれを思わせる投稿をする「なりすまし」も禁止されています。

たとえば自分を芸能人と偽ったり、所属していない組織の代表者であるかのような書き込み、または店舗関係者を偽ることも禁止されています。

口コミの報告では「法的問題」を選びます。

5. 利害に関する問題

利害関係に影響するような口コミも規制の対象となります。自分の店舗や事業に対する口コミ投稿は認められていません。

また、評価を操作する目的で、競合他社に口コミを投稿することも禁止されています。

競合他社であることを名乗って、ネガティブな口コミを投稿するケースは多くはないかと考えられますが、もしもこうした投稿があった場合には「利害に関する問題」として報告します。

6. 制限されているコンテンツ

Googleマップでは「アルコール、ギャンブル、タバコ、銃、健康器具や医療機器、規制されている医薬品、成人向けのサービス、金融サービス」を規制の対象とし、商品やサービスの販売を促すフレーズや特典を含めることを禁止しています。

アルコールをメインの被写体とした投稿は削除される可能性もあります。ただし、メニューの画像、アルコール飲料がメインではないコンテンツはポリシー違反となりません。

嫌がらせの口コミが入ってしまったら、冷静に対処

口コミは集客やプロモーションにおいて重要な意味を持っています。売上に影響する可能性もあるでしょう。口コミを適切に管理することは、店舗のイメージを損なうことを防ぎ、それに伴うリスクを低減させます。

明らかに嫌がらせをする意図で投稿された口コミは、Googleへの報告、口コミへの返信による反論、法的手段により応対することができます。

ネガティブな口コミがつかないようにすることも大切ですが、悪い口コミがついてしまった場合にどうするか知っておくことで、悩む時間や従業員の負担も少なくできるでしょう。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ
口コミラボ

【EC調査】年商100億円以上の企業の課題は「売上拡大」。返品率は5-10%未満がボリュームゾーン

4 years 6ヶ月 ago

ECサイトや通販システムの構築・支援を手がけるエルテックスは、EC・通信販売事業関与者の実態調査「通販事業全般の課題」「EC/通販システム導入時の重視点」「年商規模別返品率」などを集計・分析した調査結果の2021年版を発表した。

出荷数に対しての商品返品率のボリュームゾーンは「5-10%未満」。年商10億-100億円未満の事業者では、5-10%の返品率が全体平均より少ないものの、5%以上の返品率では6割を占め、3段階の年商別で高返品率が目立つ数値となった。

年商100億円以上では、5%未満との回答が5割(53.7ポイント)を超えており、1億-10億円未満、10億-100億円未満の事業者に比べて返品を抑え込んでいる。

出荷数に対しての商品返品率
出荷数に対しての商品返品率

EC・通販のビジネス課題について複数回答で聞いたところ、前年調査と比べて目立ってスコアが低下したのが「よく売れる商品の開発」「事故が起きない安全なシステム強化」だった。

ビジネス上重要と思われる項目について(複数回答)
ビジネス上重要と思われる項目について(複数回答)

ビジネス上重要と思われるものについて単一回答で聞いたところ、トップは「売り上げの拡大」で、全体の40.7%を占めた。

同じ質問項目を3段階の年商別で集計したところ、「売り上げの拡大」「事故が起きない安全なシステム」の2項目に関して年商が増えるほどスコアが上昇。逆に「既存のお客様へのサービス向上」は低下した。

ビジネス上重要と思われる項目について(単一回答)

「通販の販売管理システム、ECシステム(パッケージ、クラウド、ASPなど)」導入時の際、システム比較の検討について聞いたところ(3段階の年商別で集計)、「導入や運用のコスト」項目のスコアが上昇している。

システムの比較検討であてはまることについて(複数回答)
システムの比較検討であてはまることについて(複数回答)

ただ、企業規模によって「導入や運用のコスト」への意識の違いが大きい。年商100億円以上の事業者では約半数に迫るが、年商1億-10億円未満では23.4ポイントにとどまっている。

システムの比較検討で重要と思う項目について(単一回答)

調査概要

  • 調査エリア:全国
  • 調査対象者:楽天リサーチ保有の調査パネル(ビジネスパネル)、年商規模1億円以上(1億~10億円未満:111、10億~100億円未満:88、100億円以上:10)の通販事業に携わる1~3の職種の、会社役員、社員、派遣社員、個人事業主
    • 1.マーケティング・広告・宣伝
    • 2.業務(受注、決済、配送、その他の業務)
    • 3.情報システム
  • 調査方法:ネット方式による、アンケート調査
  • 調査期間:2021年6月25日~28日
  • 回収サンプル数:300( 調査対象者、1.マーケ:100、2.業務:100、3.情シス:100)
  • 調査主体:エルテックス
  • 調査実施機関:楽天リサーチ
     
石居 岳
石居 岳

高収益の経営体質を作るには?営業利益率29%の北の達人に学ぶ「利益重視型マーケティング」の実践法

4 years 6ヶ月 ago
北の達人コーポレーションの木下勝寿代表取締役社長、イルグルムの岩田進代表取締役と笹井俊宏企画課長の鼎談(ていだん)から学ぶ、「高収益企業」を作るマーケティング手法
[AD]
※このページには行動トラッキングのタグを設置しています
(広告元事業会社:株式会社イルグルム | プライバシーポリシー
(システム提供事業者:株式会社イルグルム | アドエビス

売上高営業利益率は5期連続で20%台、2020年2月期はなんと29%――。こんな高利益率経営を継続しているEC企業がある。美容・健康食品のネット通販を手がける北の達人コーポレーションだ。高利益率な経営体質を支えるのが、LTV(顧客生涯価値)を元に広告投資判断を行う「利益重視型マーケティング」。高利益率企業を築いたマーケティング、それを他のEC企業が実現するための方法などについて、北の達人コーポレーションの木下勝寿代表取締役社長、イルグルムの岩田進代表取締役と笹井俊宏企画課長に取材した。 写真◎渡 徳博(wit)

新規獲得と投資回収の難易度が増したEC市場では、LTVがカギに

昨今のEC市場は、従前に比べて新規顧客の獲得環境が厳しさを増している。その背景には、競争の激化、少子高齢化による人口減少や消費の多様化、サードパーティーCookieの規制やApple社によるSafariのプライバシー保護機能「ITP(Intelligent Tracking Prevention)」の実装に代表されるような個人のプライバシー保護の観点による世界的な動向、媒体による広告掲載基準の変更など、ECを取り巻く環境の激しい変化が影響しているのだ。

かつては顧客1人あたり1~2回目の購入で広告費を回収できる時代があったものの、市場の変化とともにそれが難しくなり、LTV(顧客生涯価値)の向上で事業成長をめざそうとする事業者が増加。顧客1人ひとりから得られる利益を重視する定期購入通販、D2C、サブスクリプションサービスを手がける企業が増えている。

従来から「メーカー直販」という形でD2C事業を展開している北の達人コーポレーションの木下氏は、昨今のD2C市場について「表面的にまねをした商品などが増えている気がする」と指摘。ただ、新規参入が増えていても、大手企業と中小企業の双方が手を出しにくい規模の領域でニッチな商品を展開し、競合のいない北の達人コーポレーションにとってはほぼ影響がないという。

北の達人コーポレーション 木下勝寿代表取締役社長
北の達人コーポレーション 木下勝寿代表取締役社長

広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」などを通じて、EC・D2C事業者をデータマーケティングテクノロジーで支援するイルグルムの岩田氏は、D2C市場をコロナ禍以前にまで振り返り、次のような見解を示している。

今まではスマートフォンの普及などさまざまな要因で、直近まで国内のインターネット利用人口は右肩上がりの状態が続いていた。そのため、当然ながら新規獲得もしやすく、EC市場も伸長の一途をたどってきた。しかし、インターネット利用人口は頭打ちの状況に転じ、一方で大きな資本を持ったプレイヤーが増えてきた。また、プライバシー保護の観点から行き過ぎたターゲティングを防止するための法整備も進んでおり、新規顧客を獲得する難易度は非常に高くなっている。広告メディアのパフォーマンスより、商品力や訴求力の高さが集客の競争ポイントに変わってきている印象がある。(岩田氏)

イルグルム 岩田進代表取締役
イルグルム 岩田進代表取締役

LTVとCPOを徹底分析し、営業利益率20~30%を維持する北の達人コーポレーション

北の達人コーポレーションは、2000年に北海道の特産品ECで創業。現在は公式通販サイト「北の快適工房」などを展開し、オリゴ糖製品、ハーブティー、スキンケア化粧品といった美容・健康商品を販売している。商品展開や事業拡大を図る上で重きを置いているのは、市場で「競争」するのではなく、「新しい市場を開拓」することだ。

「新しい市場を開拓」するというコンセプトで開発された商品
「新しい市場を開拓」するというコンセプトで開発された商品

現在の売上高は約100億円。これまでは10億~20億円規模のニッチな商品を10個取りそろえ、合計して100億円の売り上げを作る手法を取ってきた。ただ、商品によっては2億~3億円規模のものもあれば、40億~50億円規模の売り上げを作るものもある。

売上高100億円を達した今、次にめざすのは1000億円とし、新規事業の立ち上げや、支援している企業をグループ化することによって、1品/1事業で50億~100億円規模のものを10個そろえるという方針に舵を切っている。

ただし、単に売上高1000億円をめざしているわけではない。2021年6月にダイヤモンド社から上梓した木下氏の著書『売上最小化、利益最大化の法則─利益率29%経営の秘密』のタイトルの通り、売り上げが1000億円であれば、利益は300億円という利益の最大化をめざしている

木下氏の著書『売上最小化、利益最大化の法則─利益率29%経営の秘密』
木下氏の著書『売上最小化、利益最大化の法則─利益率29%経営の秘密

現在まで営業利益率は20~30%の高い水準で推移。売り上げを拡大しながら、常に高い利益率を維持する状態を作り上げている。

北の達人コーポレーションの売上高と営業利益の推移
北の達人コーポレーションの売上高と営業利益の推移

北の達人コーポレーションが高い利益率を維持できている“秘訣”

D2C市場では、市場の成長以上に新規参入事業者の数も多く、そうなれば必然的に顧客獲得の効率悪化が懸念される。このような中で利益を生み出すためには、獲得した顧客のLTVを伸ばすことが重要となる。

かつては際どい広告で攻める通販事業者も多かったが、最近は減ったように思う。その要因の1つは、いくら初回購入につなげてもLTVが伸ばせなければ事業として成り立たない市場になったことがあげられるのではないだろうか。LTVを伸ばす施策に力を入れる事業者が長く残っていくような流れになっていると感じる。(笹井氏)

イルグルム 笹井俊宏企画課長
イルグルム 笹井俊宏企画課長

こうした環境下、北の達人コーポレーションが高い利益率を維持しているのにはどのような秘訣(ひけつ)があるのか。その大きな要因が、自社開発した広告最適化システム「アドマネ」により、常時5000本程度も出稿している広告を効率的に運用していることがあげられる。

日々蓄積するデータからLTVを算出し、商品ごとにかけられる広告費の上限(=上限CPO)を設定。「アドマネ」は広告媒体、広告原稿、キーワード、時間帯、曜日、年代など、さまざまな分類ごとにデイリーでCPO(Cost Per Orde、新規顧客の獲得単価)を算出・管理し、上限CPOを1円でも超える広告は採算が合わないとみなして自動的に配信を停止するようにしているのだ。

北の達人コーポレーションのKPIと広告最適化システム「アドマネ」について
北の達人コーポレーションのKPIと広告最適化システム「アドマネ」について(画像は北の達人コーポレーションのIR資料からキャプチャ)

北の達人コーポレーションが考える「CPOと新規獲得件数の相関性」

CPOを下げれば顧客1人あたりの利益は増えるが新規獲得件数は減り、逆にCPOを上げれば顧客1人あたりの利益は減るが新規獲得件数は増える。この中で最もバランスが良く利益が出るポイントを探ることがECの広告投資では重要となる。

たとえば、下の表のようにLTVが1万円の場合、CPOが3000円であれば1人あたりの利益は7000円と最も高いが、新規獲得件数は100件にとどまるため、利益額は7000円×100件=70万円となる。このように計算していくと、CPOを上げれば利益額も一定までは上がっていくものの、CPOが6000円から7000円に上がった時点で利益額が落ち始める。この現象は「収穫逓減の法則」と言い、下の表の場合では収穫逓減が始まる直前のCPO6000円が、最適な上限CPOとなることがわかる。

最も利益が出る最適上限CPOの算出方法
最も利益が出る最適上限CPOの算出方法(画像は北の達人コーポレーションのIR資料からキャプチャ)

新しい製品・サービスの普及率を表すマーケティング理論に、「新しい製品・サービスを消費者がどの段階で購入するのか」を指標とした「イノベーター理論」というものがある。

イノベーター理論の数値をCPOに置き換えると、下の図のようにターゲット層への普及率がイノベーター2.5%+アーリーアダプター13.5%=16%を超えると、CPOが急激に高くなっている。CPOを上げ続けながら売り上げを拡大すると利益が下がってしまうため、広告媒体や訴求方法を変えながら最適なCPOを維持しなければならないということだ。

CPOと新規獲得件数の相関性を「イノベーター理論」の数値にCPOを置き換えて解説
CPOと新規獲得件数の相関性を「イノベーター理論」の数値にCPOを置き換えて解説(画像は北の達人コーポレーションのIR資料からキャプチャ)

売り上げ最小化、利益最大化の原則

売り上げを高めることに集中しがちな事業者が多い中、北の達人コーポレーションは「売り上げ最小化、利益最大化」を原則として事業を推進している

顧客1人あたりが1年間で平均1万1000円購入してくれる(=1年LTVが1万1000円)商品があるとする。この商品の上限CPOを1万円にした場合、1年間で顧客1人あたり1000円の利益が出るため、利益率は9%になる。この時点でも利益は出ているが、北の達人コーポレーションはこの先の内訳をさらに見て精査することが大事だと訴える

顧客1人あたりの1年LTVが1万1000円、上限CPOが1万円の商品を広告媒体別に利益を精査
顧客1人あたりの1年LTVが1万1000円、上限CPOが1万円の商品を広告媒体別に利益を精査(画像は北の達人コーポレーションのIR資料からキャプチャ)

商品ごとに利益を見るだけでなく、この商品の広告を出稿した媒体別にも精査してみよう。上の表の例では、広告媒体Aは広告費を400万円かけて500件の獲得件数があったため、CPOは8000円、1年間の売り上げは550万円、1年間の利益は150万円となる。

一方、広告媒体Bは広告費を600万円かけて500件の獲得件数があったため、CPOは1万2000円、1年間の売り上げは550万円、1年間の利益は50万円のマイナスとなる。

獲得件数と1年間の売り上げは同じでも、広告媒体Bは上限CPOを超えており、利益はマイナスになっている。

広告媒体Bの出稿を停止し、広告媒体Aだけにすると、1年間の売り上げは550万円、利益は150万円、利益率は27%になる。つまり、売り上げは半減するが、利益は1.5倍、利益率は3倍の状態が作れるのだ。

利益の出ていない広告媒体を停止すると、売り上げは半減しても利益額と利益率は増加する
利益の出ていない広告媒体を停止すると、売り上げは半減しても利益額と利益率は増加する(画像は北の達人コーポレーションのIR資料からキャプチャ)

これは、売り上げの最大化ばかりをめざすと、実は利益と利益率が減少する危険があることを表している。北の達人コーポレーションでは全ての広告を詳細に管理し、デイリーでデータを算出。採算の合っていない広告は停止し、採算が合うようにチューニングして再出稿するという作業を日々実施しているため、高い利益率が実現できているという。

「いつ、いくら利益が出るのか」を明確にしなければ経営は成り立たない

北の達人コーポレーションのように利益を最大化する経営・マーケティングの実現には、まずLTVとCPOを徹底的に見ることが重要となる。

木下氏の著書『売上最小化、利益最大化の法則─利益率29%経営の秘密』の中でも、マネジメント指標としての“最適な上限CPO”と“時系列LTV”について触れており、これらを用いて迅速な投資判断をすべきと訴えている

LTV算出の定義はさまざまあるが、北の達人コーポレーションでは「初期購入から1か月以内のLTV」「2か月以内のLTV」「3か月以内のLTV」……という“時系列LTV”を、顧客1人ひとりに対して算出するようにしている。また、LTVの平均値も「ヤフーから流入した顧客」「Googleから流入した顧客」「初回半額からスタートした顧客」……など、あらゆる条件ごとに絞り込んで算出している。

こうして算出したLTVを月単位で見ると、「何か月で採算が合うか(=CPOの元が取れるか)」がそれぞれの条件で把握できる。

北の達人コーポレーションでは、4か月で損益分岐点に到達し、5か月以降に利益が生まれるように設定。先述の通り、初回購入で回収できる市場ではなくなっている上、目まぐるしく変化が続く中では「1年で採算が合って2年目以降が利益になる」というスパンでは危険が伴うためだ。

4か月目のCPOが1円でも超えていると赤字とみなしてチューニングするほど、「4か月で採算を合わせる」ことを厳守。これをあいまいにしてはならないという。

「上限CPOを超えても、その先に利益が出るじゃないか」と思われるだろうが、5か月目で損益分岐点に到達し、それ以降に利益が出るのであれば、「上限CPOを5か月にしましょう」ということ。要は、「いつ、いくら利益が出るのか」が上限CPOの概念だ。「いつか利益が出てくる」という概念では経営は成り立たない。(木下氏)

北の達人コーポレーション 木下社長

利益を最大化するWeb広告施策は、LTVの把握が大前提

利益を最大化させる体質を作るためには、LTVを把握した上での分析と施策が大前提となる。しかし、北の達人コーポレーションが長年積み重ねてきたように、商品、媒体ごとのデータを毎日取り込み、毎月LTVを算出しようとしても、LTVと最適な上限CPOが把握できるまでには1年以上を要してしまう。

こうした課題を解決するため、イルグルムは広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」のオプションサービスとして、D2C(リピート通販)向けLTV予測機能「LTVForecast」を2021年6月にリリースした

「アドエビス」のオプションサービスに追加したLTV予測機能「LTVForecast」
「アドエビス」のオプションサービスに追加したLTV予測機能「LTVForecast

イルグルムはECサイト構築プラットフォーム「EC-CUBE」を開発した企業として知られ、広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」の導入実績は1万件を超えるなど、マーケティングDX支援で有数の実績を持つ。

「LTVForecast」は、いわば“どの広告が利益最大化に繋がるのかを可視化”できるサービスである。「アドエビス」で計測するWeb広告  データと、自社で使っているカートシステムに蓄積している受注データやコストデータを組み合わせて、各Web広告施策のLTVを予測。通常なら1年以上を要するLTV評価が、「LTVForecast」によってスピーディーに投資効率の良い広告施策が判断できるようになる。

つまり、北の達人コーポレーションのように、広告管理・運用ツールを自社開発して利益を高めているのと同様の効果が期待できるということだ

LTV予測の流れ
LTV予測の流れ

単にLTVの分析と言っても、広告データと受注データを突き合わせてさまざまな条件ごとに集計し、最終意思決定ができる状態にアウトプットする――という業務が発生する。この仕組みをゼロから作ろうとすると大変なハードルがある上、人的に行うとミスも起きかねない。「LTVForecast」は属人化と人的ミスの防止につながり、工数も削減できる。(笹井氏)

「LTVと上限CPOが明確にわかると、誰でも広告運用ができるようになるのでビジネスの難易度が下がる」と木下氏は話し、「LTVForecast」の有効性を評価する。 

売り上げが伸びても利益が出ずに廃業する通販事業者、大手企業でも景気が悪化したときに利益が出ていない通販部門を売却するケースは珍しくない。木下氏は自分たちの会社や部署がしっかり利益を出す状態にして、身を守っていかなければならないと言う。

そして、「LTVForecast」の機能の根底にある考えが、高騰するWeb広告単価の相場を打開することにもつながる、と木下氏は次のように提言する。  

「LTVForecast」の管理画面のイメージ
「LTVForecast」の管理画面のイメージ

ほとんどの事業者が利益を考えずに広告投資し続けるから広告の相場が上がっている。このままではどの事業者も儲からない。しかし、LTVがわかると自社の利益にはならない無駄な広告をやめることができる。皆が利益体質になれば広告費の相場も下がり、業界全体がますます利益体質になれる消費者にとっても、面白くない広告やターゲット外の広告が表示されなくなると広告をちゃんと見る機会も増え、メディアにとってのメリットにもつながる「LTVForecast」は、そういう循環の一助となるのではないだろうか。 (木下氏)

北の達人コーポレーション木下社長

D2C事業経営に手腕を発揮する田岡敬氏と「LTVForecast」を共同開発

「LTVForecast」は、D2C事業経営に10年以上携わり、各社の事業成長に貢献してきた田岡敬氏と共同開発した。田岡氏はJIMOS代表取締役社長、ニトリホールディングス上席執行役員、エトヴォス取締役COO、日立グローバルライフソリューションズ常務取締役CDOなどを歴任し、2021年5月より北の達人コーポレーションの社外取締役、6月よりDINETTEのエグゼクティブアドバイザーを兼任している。

田岡氏とは新卒で入社したリクルートで同期だったという木下氏。北の達人コーポレーションと同規模、同業種にあたるJIMOSやエトヴォスで事業を率いてきた経験や、責任者として歴任してきた各社のEC事業が客観的に見ても強化されてきた様子から、社外取締役を依頼したという。

田岡敬氏
田岡敬氏

一方、イルグルムは田岡氏が前職でアドエビスを活用していたことがきっかけとなり、「LTVForecast」の共同開発に至った。田岡氏の知見とノウハウを多くの事業者に広めたい――そうした岩田氏の考えに田岡氏が賛同したという。

「アドエビス」を活用いただいているときにも先進的な取り組みをされており、さまざまなマーケターがいる中でもまるで違う能力をお持ちだと感じていた。日々のオペレーションを回すだけでなくて、それをロジックにしっかりと落とし込んで日々運用されている。当社が主催するカンファレンスに登壇いただいたこともあるが、田岡氏の知見やノウハウを当社の強みであるデータとテクノロジーを通してより多くの事業者に広めていきたいと強く思った。(岩田氏)

イルグルム 岩田氏

北の達人コーポレーション、イルグルムとも、世界を視野に事業推進

北の達人コーポレーションは、「日本だけでなく、世界に事業を展開していきながら売り上げ1000億円、利益300億円」を目標に据える。これまでの日本発のグローバルブランドはリアルの流通からスタートしたものがほとんどだったが、今後はデジタルネイティブの日本発グローバルブランドが出てくるべき時代だと捉えている。現在は男性向け化粧品の開発にも力を入れ始めるなど、国内外で新たな市場を創造すべく事業を推進しているところだ。

そしてイルグルムは、「データとテクノロジーによって、世界中の企業によるマーケティング活動を支援し、売り手と買い手の幸せをつくる企業になる。」をビジョンに掲げ、より幅広いマーケティングDX支援をグローバルに展開していくことをめざしている。「アドエビス」が国内シェアトップを誇り、広告効果測定領域ではナンバーワン企業に位置するが、これは最大の目標に向かう上での最も重要な通過点に過ぎないという。

これまでに培ってきたテクノロジーを生かすとともに、クリエイティブ力やコミュニケーション力も掛け合わせ、より核心をついたデータドリブンマーケティング支援を実現するために、直近では編集に強いWeb制作会社をグループ化して領域の拡大に踏み出している。今後も複数の周辺サービスをラインアップしていく計画だ。

[AD]
朝比美帆
朝比美帆

食品の通販・ECで表示に関する自主基準、「通信販売広告における食品の表示に関する方針」をJADMAが策定

4 years 6ヶ月 ago

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は8月26日、食品の通信販売広告に関する方針「通信販売広告における食品の表示に関する方針」を策定し、公表した。

方針では、生鮮食品や加工食品などの食品を通販・ECサイトで販売する際の広告作成における基本的な考え方を示した。食品を取り扱うJADMA会員社をはじめ、会員以外の企業においても広く活用を呼び掛ける。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)は8月26日、食品の通信販売広告に関する方針「通信販売広告における食品の表示に関する方針」を策定
「通信販売広告における食品の表示に関する方針」について

方針は、食品の通販広告に関する業界団体の自主的な基準として作成。食品の容器包装に関する表示事項を定める食品表示法および食品表示基準の内容を参考に、消費者ニーズや通販事業としての実現可能性を考慮した。

また、事業者として対応可能な範囲で正確な情報提供を行うことにより、消費者ニーズに応えることや食品事故を防止することを目的としている。

加工食品を通信販売する際の広告表示においては、下記の事項を表示すると規定している。

  • (1)名称
  • (2)原材料名
  • (3)内容量
  • (4)消費期限または賞味期限
  • (5)保存方法
  • (6)製造所等の所在地および製造者等の氏名または名称
  • (7)(アスパルテームを含む場合)L-フェニルアラニン化合物を含む旨
  • (8)(輸入品の場合)原産国名
  • (9)(食品表示基準において特定原材料に指定される食品を原材料とする場合および特定原材料に由来する添加物を含む場合)アレルゲン
  • (10)(食品表示基準において原料原産地名の表示が求められている場合)原料原産地名
  • (11)(食品表示基準において遺伝子組換え食品に関する事項の表示が求められている場合)遺伝子組換え食品に関する事項

また、生鮮食品を通信販売する際の広告表示においては、下記の事項を表示すると定めている。

  • (1)名称
  • (2)原産地(玄米および精米については、原料玄米の産地および品種等)
  • (3)(特定商品として内容量の表示が求められている場合)内容量
  • (4)(食品表示基準においてアレルゲンの表示が求められている場合)アレルゲン

近年、食品の通信販売がインターネット通販を中心に拡大、消費者の商品選択の機会を確保するため、食品に関する情報提供を行うなどの販売事業者や事業者団体による自主的な取り組みが求められている。

これを受けJADMAでは、食品の通信販売広告に表示するべき事項等について通信販売業界としての自主的な方針を策定するため、ワーキンググループを設置し検討を重ねてきた。

石居 岳
石居 岳

JR東日本のECモール「JRE MALL」にサイト内検索「ZETA SEARCH」導入。検索結果の精度&表示速度向上を実現

4 years 6ヶ月 ago

東日本旅客鉄道(JR東日本)は、運営するECモール「JRE MALL(ジェイアールイーモール)」にZETAが提供するEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を導入した。

検索結果の制度と表示速度を向上

「JRE MALL」には、キーワード検索時の表示結果に関連度が低い商品が表示される課題があった。「ZETA SEARCH」導入によって、知見に基づく独自ロジックによるおすすめ順の並び替えを実装、課題解決を実現した。

多数ある商品ラインナップから快適な商品検索ができるよう、新着順・価格の安い順・価格の高い順・ポイント倍率順での並び替えを実装。多様なユーザー層のニーズに応える利便性向上にも取り組んでいる。

また、ユーザーの離脱防止策として表示速度の高速化にも取り組んでおり、検索結果表示だけでなく、各ページ遷移の高速化も実現したという。

「ZETA SEARCH」とは

ECサイト内の検索における「絞り込み」「並び替え」の設定の自由度・柔軟性を追求したEC商品検索・サイト内検索エンジン。

キーワード入力時のサジェスト機能や、もしかして検索、ドリルダウン式の絞り込み、事前に検索結果の該当数を表示するファセットカウントなど、多数の検索機能を有している。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「ZETA SEARCH」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)

「JRE MALL」とは

「JRE MALL」は、JR東日本グループ共通ポイントの「JRE POINT」が貯まる・使えるオンラインショッピングモール。鉄道グッズやSuicaのペンギングッズ、各地の地産品などを販売している。

ネット通販だけでなく、エキュートやグランスタなどエキナカ店舗の商品を事前にインターネットで予約し、店舗で受け取れる機能や、ふるさと納税も行える。

JRE MALL ZETA SEARCH サイト内検索 EC商品検索
「JRE MALL」トップページ(画像は編集部が「JRE MALL」からキャプチャ)
藤田遥
藤田遥

アドブレイブのCRM「アクションリンク」とネットショップ支援室の定期通販特化型カートシステム「楽楽リピート」が連携

4 years 6ヶ月 ago

アドブレイブは、EC・通販専門のCRM自動化ツール「アクションリンク」と、ネットショップ支援室の定期通販特化型カートシステム「楽楽リピート」が連携したと発表した。

「楽楽リピート」でECサイトを構築したEC事業者は、「アクションリンク」を利用して顧客属性や購買履歴、Web閲覧履歴などのデータを活用したシナリオ配信、機械学習を用いたレコメンド生成、メッセージへの自動差し込みを行うことができるようになる。

また、過去数千回のPDCAから開発したリピーター対策の「鉄板シナリオ」をボタン1つで実装できるとしている。

アドブレイブによると、EC市場の拡大に伴うEC事業者の増加、新規獲得のCPA高騰などで、既存顧客のLTV(顧客生涯価値)向上につなげるCRMの重要性が高まっている。

瀧川 正実
瀧川 正実

指名系キーワード広告のメリット/休業支援金の申請対象期間、11月末まで延長【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

4 years 6ヶ月 ago
2021年8月20日~26日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?
  1. え? 無駄じゃないの? 「社名」「商品名」「サービス名」で広告を出すメリットとは【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年8月16日〜22日のニュース

    2021/8/24
  2. 休業した労働者が生活資金を直接申請できる「休業支援金」、申請対象期間を11月末まで延長と厚生労働省が公表

    9月末までだった「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」(休業支援金)の申請対象期間を、11月末まで延長する

    2021/8/23
  3. コロナ禍でアジアや米国の消費者は日本製品を越境ECで購入している? その頻度は?

    中国・台湾・香港・韓国・タイ・アメリカの消費者に対して行った越境EC利用に関する調査

    2021/8/23
  4. 「Amazon Pay」決済でAmazonギフト券支払い金額の0.5%を還元、拡充されたAmazonの消費者還元施策

    「Amazon Pay」を導入している自社ECサイトでの買い物の際、Amazonアカウントに登録されたAmazonギフト券の残高を使い「Amazon Pay」で支払うと、ギフト券での支払い金額0.5%分がギフト券で還元される

    2021/8/24
  5. お客さまが買いやすいECサイトってどんなサイトなんですか? 教えて! Eコマース先生![マンガでさらにわかるAmazon Pay]

    EC担当者を応援する「Eコマース先生」こと川添隆氏が、悩めるECサイト担当者に徹底解説。小島サトシは壁を打破できるのか!?

    2021/8/24
  6. コロナ禍の越境ECトレンドは?「進撃の巨人」最終話掲載の漫画などが好調、大谷翔平選手のカードが急成長【2021年4-6月】

    イーベイ・ジャパンが、2021年4-6月期(第2四半期)に日本のセラー(出品者)が出品したアイテムの販売動向を発表

    2021/8/20
  7. 世界4.5億人が使う「Pinterest」をビジネスで活用するメリット&ソーシャルメディアと違う特徴とは

    世界で毎月4億5000万人以上が利用する「Pinterest」。ビジネスシーンでの活用方法、SNSとの違いを解説していきます

    2021/8/23
  8. 大規模ECサイトでやるべき広告施策② 「動的検索広告」の活用と指標の考え方

    「SEO」「広告」、2つの視点から語る、EC事業者のためのデジタルマーケティング講座。業態別広告施策解説「DB型大規模ECサイト編」後編【連載第7回】

    2021/8/25
  9. コロナ禍の通販・EC市場は20%増の10.6兆円に拡大【JADMAの2020年度売上高調査】

    公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表した2020年度(2020年4月-2021年3月)の通販市場売上高調査(速報値)。2020年度通販の売上高は前年比20.1%増の10兆6300億円

    2021/8/24
  10. コロナ禍(4-6月)の自社EC利用はどうだった? 注文はスマホ経由が増、PC経由は減【フューチャーショップ調査】

    フューチャーショップは「futureshop」の導入店舗を対象に、2021年4-6月の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査を実施した

    2021/8/26

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    コロナ禍(4-6月)の自社EC利用はどうだった? 注文はスマホ経由が増、PC経由は減【フューチャーショップ調査】

    4 years 6ヶ月 ago

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップは、2021年4-6月期の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果を公表した。

    4-6月期の流通総額は465億円で前年同期比6.52%増。前年同期はコロナ禍でEC化が急伸、2021年も堅調にEC利用が進んでいる。

    「futureshop」シリーズを利用している店舗数は2800店以上。業種別の流通総額は1年以上継続利用している店舗に限定して調査。注文件数の変化などは、調査対象に、2020年と2021年4-6月の期間中、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出して調査した。

    業種別の伸び率について

    業種別の流通総額の変化について、「ゲーム・おもちゃ・ホビー」「医薬品・コンタクト・介護」「水・ソフトドリンク」など前回調査でもEC利用が多いジャンルはEC購入が継続。「ゴルフ用品」「ギフト」などEC利用が加速しているジャンルもあるという。

    4-6月期の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果
    流通総額上位5業種の前年同期比

    注文件数の変化

    2021年4-6月の月平均の注文件数は、前年同期比で4.17%増。デバイス全体、スマートフォン経由での注文数は期間を通して前年同月よりも増加した。一方、PC経由は5月と6月の注文数が減少している。

    スマートフォン利用は増加傾向で、ECサイトへの流入手段の検討、ECサイト内の導線設計がより重要になってくるとしている。

    4-6月期の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果
    注文件数の変化

    購入単価の変化

    パソコンはスマートフォンより2割程度、購入単価が高い傾向が続いている。

    4-6月期の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果
    購入単価の変化

    新規顧客利用状況

    自社ECの新規利用は堅調に拡大した。前年同期では2~3倍といった伸び率で新規顧客が増えていたが、コロナ禍のEC特需は一巡したものの、堅調に新規顧客は増えている。

    4-6月期の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果
    新規顧客利用状況

    決済手段の変化

    決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済(Amazon Pay、楽天ペイ(オンライン決済)、Apple Pay、PayPay)」「現金・その他決済(店頭払いや後払い、銀行振込やコンビニ払いなど)」の3つにわけ、各月の総注文件数の割合を調べた。

    「ID・QR決済」の利用は増加、「クレジットカード」「現金・その他」の利用は前年同期と同水準もしくは減少している。

    4-6月期の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果
    各月決済手段の割合/件数(調査対象店舗全体)

    決済方法を3つとも提供している店舗に限定して(n=327)調査結果では、「クレジットカード」の利用状況は変化なし。「現金・その他」の利用者がわずかだが、「ID・QR決済」に流れている状況となっている。

    4-6月期の消費者による自社ECサイトの利用状況に関する調査結果
    各月決済手段の割合/件数(3種類の決済手段提供店舗のみ)

     

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    ルームクリップが買収した石川森生社長のインテリアD2C「Kanademono」とは? 買収目的は?

    4 years 6ヶ月 ago

    住生活の領域に特化したソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」を運営するルームクリップは、インテリアD2Cブランド「Kanademono(カナデモノ)」などを展開するbydesign(バイデザイン)を子会社化した。これに伴いbydesignの石川森生社長がルームクリップの経営に参画する。

    住生活の領域に特化したソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」を運営するルームクリップは、インテリアD2Cブランド「Kanademono(カナデモノ)」などを展開するbydesign(バイデザイン)を子会社化
    写真右がbydesignの石川森生社長

    買収に先立ち、ルームクリップは既存投資家であるBonds Investment GroupをリードとしたシリーズEラウンドを組成。EC支援の、いつもの100%子会社であるいつもキャピタル、NOWが運営するVCファンド、MS-Japanとハヤテインベストメントが共同運営するVCファンド、個人投資家の永見世央氏(ラクスル取締役CFO)らを引受先とした第三者割当増資を実施し、金融機関からの融資も合わせた資金調達を実施した。

    石川氏はファッション通販サイトのマガシークにてマーケティング部門の責任者、製菓製パン向けECサイトcottaを運営するTUKURU代表取締役社長を歴任。現在はbydesign 取締役社長のほか、DINOS CORPORATIONのCECO、トレンダーズの社外取締役を兼任している。

    Bydesignは2016年、「空間から豊かな人生をデザインする」を企業理念として設立。「Kanademono(カナデモノ)」「Gemone(ジモーネ)」「Favrica(ファブリカ)」の3ブランドを展開している。自社プロダクトを製造しながら、他社商材の仕入れ販売も行う。サイズオーダー家具をリーズナブルな価格帯で提供している。

    ルームクリップは今後、bydesignが持つD2Cブランドの構築やECサイト運営のノウハウ活用。ECに深い知見を持つ石川氏の経営参画でソーシャルコマースプラットフォーム「RoomClipショッピング」、D2Cクラウドサービス「RoomClipビジネス」の開発と顧客獲得のためのマーケティングをより強化していく。

    ルームクリップは2021年3月、マーケットプレイス「RoomClip ショッピング」を開始した。「RoomClip」はインテリアや家具、家電、雑貨、ペット用品など、住まいや暮らしに関わる写真を投稿したり、「いいね!」やコメントで交流したりするSNS。月間ユーザー数は600万人。

    「RoomClip ショッピング」は、「RoomClip」の製品・商品軸でのファンコミュニティを通じ、「RoomClip」内で購買までできるユーザー体験を提供。購入の参考になった実例写真を投稿したユーザーには、貢献度に応じてインセンティブを付与する。

    「RoomClip ショッピング」の出品には、D2Cクラウドサービス「RoomClip ビジネス」の利用が必要になる。「RoomClip ショッピング」への出品管理・決済管理のほか、ユーザーの行動データや属性データなどの分析機能などを搭載している。

    石居 岳
    石居 岳

    クラウドECプラットフォーム「メルカート」と「STAFF START」が標準連携。導入費約5分の1、最短1か月で導入可能に

    4 years 6ヶ月 ago

    バニッシュ・スタンダードは、DXアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」とエートゥージェイのクラウドECプラットフォーム「メルカート」が8月25日から連携を始めたと発表した。

    「STAFF START」導入時のコストや手間を削減

    バニッシュ・スタンダードは「メルカート」と標準連携化の独占契約を締結(ecbeingグループ内で独自開発するデジタル接客ソリューションを除く)。「メルカート」の導入企業は「STAFF START」導入時のコストや手間を削減できる。

    ①導入コストが約5分の1に

    企業が「メルカート」で構築した自社ECサイトに「STAFF START」を導入する際、連携以前と比べると、コストを従来の約5分の1に削減できる。

    「メルカート」側に発生する「STAFF START」の導入費用も従来と比較して約10分の1に抑えられ、ランニングにかかる最低コストも約3分の1になるという。

    ②導入期間が最短1か月に

    UIテンプレートが用意されているため、ECサイトの運営担当者にオンライン接客に関する特別な知識やノウハウがなくても簡単に導入できる。また、導入までの期間が従来の約3分の1に短縮でき、最短1か月で導入可能。

    ③コーディネート投稿機能などを利用できる

    「STAFF START」の以下の機能が標準利用できる。

    • コーディネート投稿機能:店舗スタッフが撮影したコーディネート写真に商品情報を紐づけ、自社ECサイトやSNSに投稿できる
    バニッシュ・スタンダード STAFF START メルカート 標準連携 コーディネート投稿機能
    コーディネート投稿機能
    • まとめ機能:店舗スタッフが店舗でショーウインドウを作るように、自社ECサイト上でテーマ設定から記事などのコンテンツを作成できる
    バニッシュ・スタンダード STAFF START メルカート 標準連携 まとめ投稿機能
    まとめ投稿機能

    「STAFF START」は、店舗スタッフなどが自社ECサイトやSNS上でのオンライン接客を可能にするサービス。利用ブランド数はアパレル・化粧品を中心に1600を超える。2020年7月から2021年6月の間に「STAFF START」で作成したコンテンツを経由した流通総額は1200億円を達成した。

    藤田遥
    藤田遥

    中国、米国の小売・EC市場データから見る、日本のEC市場の未来 | 『EC通販で勝つBPO活用術』ダイジェスト

    4 years 6ヶ月 ago
    『EC通販で勝つBPO活用術』(高山隆司/佐藤俊幸 著 ダイヤモンド社 刊)ダイジェスト(第17回)

    この20年間、日本のEC市場は一貫して拡大してきており、今回のコロナショックにより、さらにそのスピードが加速していく。

    そこで気になるのは、今後、どれくらいの規模まで拡大していくのか、そのペースはどれくらいなのか、市場構造や事業者の競争関係、顧客の意識などにどのような変化が起こるのか、といったことだ。

    消費者を対象とするBtoC-EC市場の規模についていえば、消費市場のEC化率が1つの目安となるだろう。日本では2019年時点で6.76%(物販分野)である。中国のEC化率は日本の5倍ほど、アメリカは2倍以上となっており、日本でもおそらく、同水準までEC通販市場の拡大するだろう。

    日本のEC通販市場の未来と可能性を、まずは中国とアメリカの状況から考えてみよう。

    市場規模とEC化率で世界の最先頭をいく中国

    経済産業省の2021年7月のレポート(電子商取引に関する市場調査)によると、中国国内でのBtoC-EC取引の市場規模は2020年時点で2兆2,970億ドル。米国(7,945億ドル)がこれに次ぎ、さらに英国(1,804億ドル)、日本(1,413億ドル)、韓国(1.106億ドル)と続くが、こうして見ると改めて中国のECの巨大さが実感される。

    国別EC市場規模(2019年、2020年)
    国別EC市場規模(旅行やイベントのチケット、料金支払い関連、税金、送金、 フードサービス、ギャンブル等を含まない。また中国は香港を含んだ数字ではない)
    『令和2年度 産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)』を元に編集部で作成

    また、同レポートの令和元年版では、中国における2019年のEC化率を36.6%としている。しかも、中国では農村部でのEC利用がこれから本格化すると見られており、2023年には63.9%に達するという。ちなみに、これらの数値は米国の市場調査会社eマーケターのデータを元にしている。

    中国のBtoC-EC市場規模とEC化率の拡大予測
    中国のBtoC-EC市場規模とEC化率の拡大予測
    『令和元年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)』を元に編集部で作成

    一方、野村総合研究所がアリババグループの天猫イノベーションセンターと共同で作成した『中国EC市場白書2019』によれば、中国の消費市場に占めるEC市場のシェアは、2016年に12.6%だったものが、2017年に15.0%、2018年には18.4%になったという。

    ベースとなるデータが異なるようなので一概には言えないが、中国のEC通販市場はすでに世界全体の半分以上を占めるとともに、中国国内の消費市場の少なくとも20%程度を占めていると見て良いだろう。しかも、その勢いはまだ衰えていない。

    ちなみに、中国国内の小売業の取引高ランキングでは、2020年時点で上位3社は天猫(T-Mall)、京東、拼多多(pinduoduo)とEC事業者が占めている

    順位企業名2020年販売額
    (単位:億元)
    対前年比
    1天猫32,02023%
    2京東26,00025%
    3拼多多16,67666%
    4蘇寧易購集団4,16310%
    5大商集団3,2890%
    6唯品会1,65077%
    7国美零售1,40810%
    8永輝超市1,04512%
    9高鑫零售(注)955△6%
    10華潤万家878△8%
    図表51 中国小売業の取引高ランキング(2020年)
    出所:中国商業聯合会などの発表を基にジェトロ作成

    アマゾンとウォルマートの真っ向勝負が続くアメリカ

    同じく経済産業省のレポートによると、アメリカのBtoC-EC市場は2020年で7,879億米ドルであり、EC化率は14.0%だ。

    ちなみに、2020年のNRF(全米小売業協会)による全米小売業ランキングは下記のとおりである。

    順位企業名販売額
    (単位:10億ドル)
    1位ウォルマート430.82
    2位アマゾン187.27
    3位クローガー131.57
    4位ザ・ホームデポ121.26
    5位コストコ121.22
    6位ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス104.70
    7位ターゲット92.40
    8位CVSヘルスコーポレーション89.53
    9位ロウズ82.88
    10位アルバートソンズ69.73
    図表52 全米小売業売上高ランキング(2020年)
    出所:NRF(全米小売業協会)

    注目は2位に入っているアマゾンだ。同社は2017年7位、2018年3位、そして2019年2位と着実に順位を上げてきた。1位のウォルマートとはまだ差があるが、アメリカの小売業界に「アマゾン・エフェクト」と呼ばれる旋風を巻き起こしている。アマゾンは2017年にスーパーマーケット大手のホールフーズを買収し、ネットからリアルへの展開でも注目されている。

    ウォルマートもこれに対抗し、年々EC部門を強化中だ。自社の強みである全米最大規模の実店舗網とのオムニチャネル化などを進め、いまでは全米のEC市場でアマゾン、イーベイにつぐ3番手にまで浮上している。

    このようにアメリカではアマゾンとウォルマートの真っ向勝負が目立つが、他にもペットフードの「Chewy」、歯科用品の「Smile Direct Club」、アパレルの「Stich Fix」など、DtoCなどの新興勢力が続々と参入し、消費者の支持を得ていることを見過ごすことはできない。

    なお、アメリカの小売業界では消費者のネット通販シフトによって、2017年に「トイザラス」(玩具)、2018年に「シアーズ」(総合小売)、2019年に「バーニーズ・ニューヨーク」「Jクルー」(衣料品)がそれぞれ経営破綻している。

    さらに2020年に入ると、新型コロナの影響が加わり、「Jクルー」「ブルックス・ブラザース」(衣料品)、また「ニーマン・マーカス」「JCペニー」(百貨店)も経営破綻に追い込まれている。アメリカのこうした動向は、今後の日本の小売業の行方を考えう上で大きな示唆を与えていると思われる。

    日本も市場の拡大と競争激化へ

    日本では小売業の売上トップ10は図表の通りでEC通販事業者は入っていない。イオンやセブン&アイなどの総合小売業、三越伊勢丹をはじめ百貨店のほか、ファーストリテイリング、パンパシフィックHD(ドン・キホーテ)、ヤマダ電機、ビッグカメラなど専門小売業が並んでいるのが特徴だ。

    順位企業名売上高
    1位イオン8.6兆円
    2位セブン&アイ・ホールディングス6.6兆円
    3位ファーストリテイリング2兆円
    4位パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス1.6兆円
    5位ヤマダホールディングス1.6兆円
    6位三越伊勢丹ホールディングス1.1兆円
    7位髙島屋9,190億円
    8位エイチ・ツー・オー リテイリング8,972億円
    9位ウエルシアホールディングス8,682億円
    10位ビックカメラ8,479億円
    日本の小売業の売上高ランキング
    出所:日本経済新聞(021年4月9日)

    ただし、ネット通販の売上高ランキングを合わせてみると、アマゾン(日本事業)のEC売上高は約1兆7,443億円で、小売業の中では第4位に相当する

    日本はアメリカと同じように、アマゾンと既存の小売大手が競い合う状況と言えるだろう。アマゾンは都市部を中心に生鮮食料品の販売に乗り出しており、一方の小売各社もオムニチャネル戦略などでEC対応を積極的に進めている。今後、双方がリアルとバーチャル(ネット)の両面で競い合っていくことになるだろう。

    日本のEC通販市場の今後を考えた場合、もう1つ注目されるのはアマゾン、楽天、ヤフーというモール同士の競争だ。年間流通総額では、楽天とアマゾンが多く、ヤフーがこれを追撃する構造が伺える。

    ここにいま、新たな動きが加わっている。それは、携帯キャリアがECモールとの関係強化を強めていることだ。

    もともとYahoo!ショッピングやPayPayモールはソフトバンクグループの傘下であり、auはau PAYマーケット(旧Wowma!)を運営しており、楽天は第4の携帯キャリアになった。ここに2019年11月、ドコモがアマゾンとの提携を発表した。

    スマホの保有率が頭打ちになってきたいま、キャリア各社が重視しているのは契約者の囲い込みと利用額の引き上げである。そのためには決済サービスが鍵を握っており、ポイント制度の充実とともにECモールとの連携に力を入れているのだ。

    この動きが今後、どのように展開していくのかはわからないが、EC通販市場に大きな影響を与えることは間違いない。

     

    この記事は『EC通販で勝つBPO活用術』(ダイヤモンド社刊)の一部を編集し、公開しているものです。

    EC通販で勝つBPO活用術 ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

    EC通販で勝つBPO活用術
    ─最強のバックヤードが最高の顧客体験を生み出す

    高山 隆司 /佐藤 俊幸 著
    ダイヤモンド社 刊
    価格 1,650円+税

    活況のEC・通販業界において、アフターコロナを勝ち抜くために必要なことは何か。ネット通販の事業戦略設計やプロモーション、フルフィルメントなど、ネット通販の実践から得たノウハウを紹介し、物流、受注といったフルフィルメントのアウトソーシングの活用の仕方や成功事例を解説する。デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する中、「BPO」(Business Process Outsourcing)を最大限有効活用したシステム構築に必携の1冊。

    この本をAmazonで購入
    高山 隆司
    佐藤 俊幸
    高山 隆司, 佐藤 俊幸

    原理原則思考がイノベーションを生みあなたのECビジネスを成長させる理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    4 years 6ヶ月 ago
    原理原則思考は、ビジネスのさまざまな部分に影響を与えます。消費者の行動が、商品の見つけやすさなどの要素をもとに常に変化している現代においては、なおさら影響が大きいでしょう

    原理原則を念頭に、物事を分解し、仮定を検証したりすることでイノベーションの扉が開きます。

    イーロン・マスクも倣う原理原則思考2>

    変化の速いeコマース業界で、スピーディーにかつ効率的に行動を起こそうとする小売事業者には、陥りやすい思考パターンが2つあります

    1つ目は、「思い込み」です。「売れば売るほど儲かる」「消費者の需要は増え続ける」「デジタルマーケティングはコストセンターではない」といった思い込みが見られます。

    もう1つは、「類推」です。他の人がやっていていることを真似して、同じ結果を得たい、同じレベルの成功を収めたいと考え、類推で物事を進めてしまいます。

    原理原則の思考法では、物事を最も基本的な要素までそぎ落とし、そこから推論していきます。電気自動車企業テスラの共同創設者であるイーロン・マスク氏は、アリストテレスのように第一原理を発明したわけではありませんが、イノベーションの手法として原理原則の考え方を広めました。彼は、状況や問題をコアとなる部分(たとえば、ロケットの原材料)に分解し、より効果的な方法で再構築します。まずは物事を分解してから、再構築しているのです

    eコマースの世界では、何かを分解することはおろか、仮定を疑ったり検証したりする時間を取ることはほとんどありません。しかし、それはとても恐ろしいことです。そして、本当に危険なのはこれまでのやり方にとらわれてしまうことです。

    時代の変化に適応するためにイノベーションを起こさない企業がどうなるか、私たちは知っています。米国の百貨店SearsはWalmartの台頭を予想していませんでしたし、WalmartもAmazonの躍進を想像していませんでした(現在Walmartは、Amazonに追いつこうと必死で頑張っています)。

    イノベーションを生む原理原則思考

    原理原則思考がeコマースビジネスに与える影響を3つ紹介します。

    1. 先行者利益の神話を覆す

    最初に検索エンジンを発明したのはGoogleではありません。Webのクロールとインデックスの技術を最初に使用したのもGoogleではありません。また、iPhoneは最初のスマートフォンではありませんでした。単に他のスマートフォンより優れていただけです。デジタルチャネルを最大限に活用したいと考えているブランドのためのツールを構築した最初の企業は、Tradeswellではありません。

    パイオニアとして先行者利益がない場合、市場への参入が早かった他社の構造的な問題を客観的に理解し、自社のソリューションで解決できるメリットがあります。一旦、急成長が始まると、その成長が新たな価値創造によるものではなく、オーガニックな成長であったとしても、方向性を変えることは難しくなります。

    2. 小売業におけるバリューチェーンの大きな変化に対応する

    今日の消費財(CPG)企業が時代の変化によって直面している重大な問題は、小売のバリューチェーンが完全に変わってしまったことです。研究開発と製造はまだ変化の初期段階にありますが、今や小売、マーケティング、最終的なフルフィルメントは直線的なものではありません。

    しかし、多くのCPG企業は、いまだにパレットで小売店に出荷することを前提に商品を製造しています。CPG企業は、リバースエンジニアリングの手法を使って、商品製造工程とパッケージングを根本的に変更し、消費者が直接購入できるような正しい商品サイズを実現しなければなりません

    3. eコマースにおけるスーパーチームの新しい定義

    従来のやり方は、機能ごとに明確な線引きがありました。マーケティング、財務、サプライチェーン、在庫管理など、それぞれに役割があったのです。しかしそれは、マーケティング部門が大手メディアを相手に活動することを前提としており、アフィリエイトやスポンサードサーチなど、需要を直接左右するクローズドなマーケティング活動は想定していませんでした。

    原理原則思考では、ビジネス全体の目標は何か、コアコンピタンスを維持し、専門的なスキルを活用しながら、目標に集中するチームをどうやって作るかを考えます。そうすることで、統制の取れたeコマースを実現し、主要な成果に単独で責任を持つリーダーと、そのリーダーをサポートする他の役割の人達、という構図が生まれるかもしれません。

    ◇◇◇

    原理原則思考は、ビジネスのさまざまな部分に影響を与えます。消費者の行動が、商品の見つけやすさなどの要素をもとに常に変化している現代においては、なおさら影響が大きいでしょう。

    たとえば、古い考え方に固執し、仮定に縛られているeコマースチームは、スポンサードサーチからインフルエンサーへの移行、グローバルな規模でニッチ市場を見つけることの大切さを予測できないかもしれません。

    「バッグメーカーの落とし穴」にはまらないでください。何百年もの間、「イノベーター」たちは同じ商品を繰り返し作ってきました。バッグの形は同じでも、ジッパーを付けたり(1938年)、ナイロンなどの新素材を加えたり(1967年)、学校やハイキング、旅行用にアレンジしたりしてきました。

    1970年に初めてスーツケースが登場したのは、既存の形を改良するのではなく、バッグの機能を向上させようと考えた人がいたからでした。

    今までの「形」にマイナーチェンジを加えるのではなく、あなたのeコマースビジネスの「機能」をまず考え、より良い結果を生み出すための新しい方法を見つけてください

    この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

    Digital Commerce 360
    Digital Commerce 360

    顧客体験の価値を高めるAR活用のデジタルとアナログ融合のコンテンツ展開をコクヨが実証実験

    4 years 6ヶ月 ago

    コクヨは働き方の実験場「THE CAMPUS」内の「THE CAMPUS SHOP」で、AR(拡張現実)技術を活用したデジタルとアナログを融合したコンテンツの実証実験を開始した。

    「THE CAMPUS SHOP」は、東京品川オフィスおよび東京ショールームの自社ビルをリニューアルしてオープンした働き方の実験場。創造性を刺激するコクヨ製品を、新しいテーマや切り口で届けている。

    実証実験は、ソニーセミコンダクタソリューションズ提供の高性能なAR体験を実現する「AR MAP ソリューション」を、国内で初めて活用。「THE CAMPUS SHOP」内で、タブレット画面にARコンテンツを表示することにより、顧客体験価値の拡張を提供する。

    書き心地の没入体感やコーディネート例の表示など、商品の感性的・機能的な価値を通常の売り場よりもリッチに伝える。商品スペック情報の表示や店頭在庫のない商品のEC誘導などにより、顧客の購買サポートと店舗オペレーションの軽減も図る。

    コクヨは働き方の実験場「THE CAMPUS」内の「THE CAMPUS SHOP」で、AR(拡張現実)技術を活用したデジタルとアナログを融合したコンテンツの実証実験を開始
    ARを活用した取り組みのイメージ

    8月23日から実験運用を開始し、秋以降には「THE CAMPUS SHOP」来訪の一般顧客にも体験してもらう予定。中長期的には、店舗内におけるコンテンツの拡充や、さらにデジタルアナログ融合コンテンツとして、ファニチャー事業や新規事業領域への活用についても検証していく。

    「THE CAMPUS」は、コクヨが「NEXT EXPERIENCE」(長期的視点で社会課題解決に取り組んでいくこと)の活動を通じて、未来につながる価値を探求するため、さまざまな専門性や経験を持つ人々と全館通して実験・実践する場所として設立した。

    創造性を刺激するコクヨ製品を取り扱ったショップ、多様な交流や発見をもたらすイベント、心身を満たす食の提供、感性に訴求するアートや緑を通して、働くことや暮らすことをより豊かにする学びや気づきを提案していく。

    石居 岳
    石居 岳

    【読者プレゼント】ヤッホーブルーイングの『18年連続増収を導いた ヤッホーとファンたちとの全仕事』を10名様にプレゼント!

    4 years 6ヶ月 ago

    よなよなピースラボ(CRM設計・CXデザインユニット)ラボ長の佐藤 潤氏が執筆した『18年連続増収を導いた ヤッホーとファンたちとの全仕事』を10名様にプレゼントします。ご希望の方は下記のフォームにご記入の上、お申し込みください。締め切りは9月10日(金)です!

    『18年連続増収を導いた ヤッホーとファンたちとの全仕事』のご紹介

    表紙
    『18年連続増収を導いた
    ヤッホーとファンたちとの全仕事』

    著者: 佐藤 潤
    発行: 日経BP
    発売: 日経BPマーケティング
    出版日: 2021年7月5日
    この本をAmazonで購入

    ヤッホーブルーイングがファンと共に歩んできた約20年の軌跡を佐藤氏の視点で紹介。

    • なぜヤッホーブルーイングはファンを大切にするのか?
    • ファンに助けを求めた「僕ビール君ビール」発売プロモーション「かえる捕獲大作戦」
    • ファンイベント「醸造所見学ツアー」「宴」「超宴」の設計と狙い
    • ファンによるファンのイベント「ファン宴」が企画された舞台裏
    • ファンとのエンゲージメント効果を計測する「NPSと熱狂度」を徹底解説

    など、ヤッホーブルーイングが考えるファンづくりを大公開しています。

    contents

    1章 なぜヤッホーブルーイングは、ファンをこれほど大切にしているのか
    2章 ローソンと共同開発「僕ビール君ビール」に見るファンづくりの神髄
    3章 醸造所見学は、愛されるための入り口。総出でファンの知りたいに応える
    4章 ファンが自信を深める場所、公式レストランの本当の価値
    5章 なぜ5000人が「超宴」に夢中になるのか。ヤッホー流イベント企画術
    6章 「ヤッホーが大変そうなら私たちがやります」。自ら動き出すファンたち
    7章 ファンとのエンゲージメント効果は「NPS+熱狂度」で検証する
    8章 全員が「知的な変わり者」を目指す。フラットな組織文化が人を育む
    9章 「よなよなエール」がファンに愛されるまで。 長くて厳しい歴史と道のり

    [個人情報の取り扱いについて]

    • メールアドレスには株式会社インプレスからのお知らせを送らせていただくことがあります。
    • 賞品の当選は発送をもって代えさせていただきます。抽選結果のお問い合わせにはお答えしかねます。
    • 当社の詳しいプライバシーポリシーについてはこちら(http://www.impress.co.jp/privacy_policy/)をご覧下さい。
    内山 美枝子

    大規模ECサイトでやるべき広告施策② 「動的検索広告」の活用と指標の考え方 | EC事業者のための「SEO」と「広告」の話

    4 years 6ヶ月 ago
    「SEO」「広告」、2つの視点から語る、EC事業者のためのデジタルマーケティング講座。業態別広告施策解説「DB型大規模ECサイト編」後編【連載第7回】

    前回は、大規模ECサイトととても親和性の高い広告プロダクト「Googleショッピング広告」の重要性と、導入や設定のポイントについてお伝えしました。

    今回は、より売り上げを拡大するためには何をするべきかについて、3つのポイントをわかりやすくまとめました。

    前編(前回)

    ポイント① データベースを活用した広告プロダクト「スマートショッピングキャンペーン」

    ポイント② 「スマートショッピングキャンペーン」の導入方法

    ポイント③ 売り上げを拡大するために必須な設定条件

    後編(今回)

    ポイント④ 整頓されたサイト構成=カテゴリが重要な理由

    ポイント⑤ カテゴリに沿ったサイト構成を活用できる、もう1つの広告プロダクト

    ポイント⑥ 大規模ECサイトで採用したい目標指標とその理由

    ポイント④ 整頓されたサイト構成=カテゴリが重要な理由

    商品点数が数千以上ある大規模ECサイトの場合、商品の構成や価格帯の混在が想定されます。たとえば、1つのサイト内にファッションから日用品、家具まで取りそろえている場合、大カテゴリの配下に中カテゴリ、小カテゴリがいくつも並ぶことになり、膨大な数になるでしょう。

    仮に、ファッションのように1つのテーマに特化したECサイトであっても、中カテゴリ、小カテゴリは存在し、その数も少なくないはずです。

    前回、Googleショッピングキャンペーンについて説明するなかで、カテゴリが重要だとお伝えしましたが、それには2つの理由があります。

    理由1:ターゲット設定は整頓されたカテゴリなしで実現しないから

    ショッピングキャンペーンのターゲット設定については、キーワードではなく商品のフィード情報をもとに行います。マーチャントセンターに格納されているフィードには、商品属性を示す「カテゴリ」という項目が用意されており、Google広告につなぎ込まれる際、そのカテゴリ情報が「商品グループ」として組み込まれます。

    Google広告の管理画面より
    Google広告の管理画面より

    厳密には、自社サイトのカテゴリと実際にターゲットとして使われるGoogleが定めたカテゴリはすべてが同一ではなく、異なるケースもあります。しかし、多くはブレることなく置換されますので、重要なのは自社サイトのカテゴリを商品属性に合わせて最適に分類することだと言えます。

    大規模ECサイトにおけるファッション分野のカテゴリ例(一部)
    大規模ECサイトにおけるファッション分野のカテゴリ例(一部)

    上の図は、いろいろな商材を扱う大規模ECサイトで、ファッションを大カテゴリに仮定したカテゴリ構造の例です。

    今までの広告は、「レディースファッション」「フレアスカート」「ロングスカート 麻」といったキーワードをターゲットとして設定していましたが、サイトのカテゴリ構成が整っていなくてもキーワードの設定はできるので、「いかに売れるキーワードを見つけるか」「設定したいキーワードに合ったページが無い場合、どこをランディングページに設定するか」といったことに注力していたでしょう。

    しかし、ショッピングキャンペーンの場合、サイトのカテゴリ情報=Google広告の商品グループ=ターゲット設定になるため、カテゴリは整えられている必要があるのです。

    Google広告管理画面の商品グループ確認ページの例
    Google広告管理画面の商品グループ確認ページの例

    上の図の一番左にある「商品グループ」は、Googleマーチャントセンターから取り込まれたカテゴリ情報が記載されています。ここではカテゴリ階層の小カテゴリまで実績を確認でき、この商品グループの情報を使って、広告を出す/出さないの設定をすることも可能です。

    個別の商品については別タブで確認できますが、この商品グループのページでは、カテゴリ別の実績を確認できます。現状の売れ筋や各カテゴリの効率を確認することで、効率的な商品グループ群に予算を割り当てるなど、売上最大化に向けたプランが立てられます

    しかし、カテゴリが適切に設定されていないと、商品グループも適切に分けられず、適切な配信や売上最大化を妨げる要因になりかねないため、サイトのカテゴリを整頓する必要があるのです。

    理由2:カテゴリごとに価格帯が異なるから

    たとえば、ファッションから家具まで取りそろえている総合通販の場合、

    • ファッション商品……平均商品価格:4,000円 / 平均客単価:5000円
    • インテリア商品……平均商品価格:8,000円 / 平均客単価:12,000円

    というように、カテゴリによって商品の価格帯や客単価は異なるのではないでしょうか。そして、売り上げが違えば予算や目標値が変わり、同一キャンペーンでの効率化が厳しくなることが予想できます。

    ショッピングキャンペーンでは「コンバージョン値の最大化」という自動入札がデフォルト設定となっており、その時、機械学習で使われる指標は「ROAS」(Return On Advertising Spend/広告の費用対効果)です。

    ROASの考え方
    ROASの考え方

    多くの場合、商品価格帯が異なると、同じ広告費をかけたとしてもコンバージョンの頻度や売上高が異なります。同じような商品価格帯、同じようなコンバージョン頻度の商品グループを同一キャンペーンで運用することが、効率的な広告運用のカギです。

    平均単価が異なる商品とROASの例
    平均単価が異なる商品とROASの例

    商品価格帯が異なる商品グループを同一キャンペーン内で運用すると、コンバージョン値(売上高)の最大化を目的とした自動入札では、機械学習の期間が長くなったり、価格帯の高いグループに広告配信が寄ってしまうことが考えられます。そうなると、価格帯の低い商品グループに配信抑制がかかり、広告する機会が減りかねません

    これは一例に過ぎませんが、ショッピングキャンペーンにおいて売上最大化をねらう上で、広告したい商品群を適切に分けることは必須であり、そのためには、カテゴリを整えることが必要なのです。

    ポイント⑤ カテゴリに沿ったサイト構成を活用できる、もう1つの広告プロダクト

    ここまでショッピングキャンペーンのお話をしてきましたが、もう1つ、大規模ECサイトの広告に最適な広告プロダクトがあります。それは、「動的検索広告」です。動的検索広告もキーワードをターゲットとせず、サイトのカテゴリやページURL、ページタイトルなどをターゲットとして広告を配信するプロダクトです。

    動的検索広告の場合は、マーチャントセンターと直接つなぎ込みを行いません。また、このプロダクトはGoogleだけではなく、Yahoo!の検索広告にも実装されています。

    両媒体とも動的検索広告のターゲット設定の方法は似ており、広告文のタイトルを設定する必要もありません。広告の説明文を複数(3本程度)作成・設定すれば、広告の配信をスタートできます

    広告のタイトルは、検索語句とマッチした商品ページのタイトルがそのまま掲載されるケースが多く、そのためクリック率も総じて高い、とても優秀な広告プロダクトだと筆者は考えます。

    たとえば、新商品が発売されるなど商品情報がプラスされた時、新しいURLを同一カテゴリのグループ内に設定すれば、審査等のタイムラグは発生しますが、迅速に広告が開始できます。また商品の欠品など、そのページを広告したくない場合も、ターゲットをオフにしたり、除外キーワード設定を行うといった簡単な設定で、すぐに広告を停止できます

    Googleの場合

    Google広告ではグループレベルで設定でき、WebページのカテゴリやURL情報を用いて細かく設定できます。マーチャントセンターと接続していたり、サイト内のカテゴリの構造化をGoogleがクロールできたりすれば、「おすすめのカテゴリ」という項目も表示され、設定に活用できます。

    それとは別に、独自のフィードをアップロードすることもできます。そのフィード上で商品にラベルを設定しておけば、マーチャントセンターに設定されているカテゴリとは異なる商品ページ群をカテゴライズすることも可能です。

    Google広告管理画面の動的広告グループの設定画面
    動的広告グループの設定画面(Google広告管理画面より)

    Yahoo!の場合

    Yahoo!検索広告の場合、設定はキャンペーンレベルで、商品情報のフィードをアップロードする必要があります。フィードの必須情報は「URL」とそれに対する「カスタムラベル」だけ。アップロードが成功すれば、広告グループでカスタムラベルをターゲットとして使えるようになります。

    オーガニック検索にも効果

    商品ページのタイトルはオーガニック検索でも重要な役割を担っています。動的検索広告は広告としてページタイトルを配信できるので、クリック率を見ながら、ページタイトルそのものを改善していくことにも役立つのではないでしょうか。

    整えられたカテゴリを活用した広告を配信し、その結果をページの改善に役立てる、まさに、「ダブルループ学習」を実践できるプロダクトだと言えます。

    ポイント⑥ 大規模ECサイトで採用したい目標指標とその理由

    広告は何かしらの目標をもって運用を行います。大規模ECサイトの場合、広告経由での売上金額を最大化することが目標になるのがほとんどではないでしょうか。

    もちろん、会員登録数や売上個数を目標とする場合もあるでしょう。その場合、コンバージョン数の最大化を目標とし、広告の指標はCPA(Cost par Acquisition / Action)にして、効果を見ていくのが良いでしょう。

    しかし売り上げを目標とした場合、目標指標はコンバージョン値の最大化、目標ROASを設定し、そこを目指すことが妥当だと考えます。

    平均商品単価が異なる2つの広告実績の例
    平均商品単価が異なる2つの広告実績の例

    上の表は平均商品単価が異なる2つの広告実績だと考えてください。平均商品単価が4,000円の方はコンバージョン数が多く、CPA(顧客獲得単価)は安いが、売上高とROASも低いという結果。平均商品単価が8,000円の方は、コンバージョン数が低くCPAも高いが、売上高とROASは高い、という結果です。

    広告でよく用いられるCPAを目標指標にすると、平均商品単価が4,000円の方がCPAは低くコンバージョンの獲得効率が高い。一方で平均商品単価が8,000円の方は、CPAが高くコンバージョンの獲得効率が低い、という評価になります。しかし、実際に売り上げが高いのは平均商品単価8,000円の方であり、ROASも高く、「効率良く売り上げにつながっている広告」という評価ができます

    先ほども述べましたが、大規模ECサイトの場合は、カテゴリによって商品単価に幅があり、コンバージョン数よりコンバージョンによる売上高を伸ばすことに注力するべきだと考えますので、用いる目標指標はROASが適切なのです。

    また、Googleのショッピングキャンペーンは、デフォルトの自動入札設定が「コンバージョン値の最大化」です。効率が安定してきたら目標ROASを設定し、さらに目標に近づけるような運用を行うことも可能です。その際、カテゴリ×商品単価を意識してキャンペーンやグループを構成することが、売上最大化へのカギになります。

    売上最大化のためにやるべきことまとめ

    ここまで、大規模ECサイトの広告についてお話をしてきましたが、売り上げの最大化を目指すためにやるべき事をまとめると、下記のようになります。

    • サイトカテゴリの整頓
    • スマートショッピングキャンペーンの導入
    • 広告に利用するフィードの充実
    • 画像やタイトルの整備
    • 動的検索広告の導入
    • ダブルループ学習でページタイトルを改善
    • 目標指標はROASを採用

    しかし広告は、上記をすべて実行すれば、手放しで効率良く売り上げが立つ販売ルートではありません。商材の種類にもよりますし、ニーズのトレンドや競合の広告配信状況にも左右されます。予算の増減によって安定稼働までに時間がかかる、一筋縄ではいかない面倒な一面のある販売ルートです。

    それを十分に理解した上で試行錯誤を繰り返し、成果を積み重ねることで、安定した販売ルートに進化させられるものですので、根気よく取り組み、成功パターンを見出していってください。

    河野 芽久美
    河野 芽久美

    「Amazon Pay」決済でAmazonギフト券支払い金額の0.5%を還元、拡充されたAmazonの消費者還元施策

    4 years 6ヶ月 ago

    Amazonは8月24日から、Amazonギフト券の残高を使ってID決済サービス「Amazon Pay」で商品・サービス代金を支払った場合、ギフト券での支払い金額の0.5%をギフト券で還元する取り組みをスタートした。0.5%分の還元はAmazonが負担する。

    対象店舗は「Amazon Pay」を導入している自社ECサイト。定期購入など一部、対象外となる場合がある。「Amazon Pay」の導入企業数は1万数千社、導入ECサイト数は10万サイトを超えている。

    消費者は、「Amazon Pay」を導入している自社ECサイトでの買い物の際、Amazonアカウントに登録されたAmazonギフト券の残高を使い「Amazon Pay」で支払うと、ギフト券での支払い金額0.5%分がギフト券で還元される。還元分は原則、「Amazon Pay」で支払いをした月の翌々月下旬に、AmazonアカウントのAmazonギフト券残高に自動反映される。

    アマゾンジャパンは8月24日から、Amazonギフト券の残高を使ってID決済サービス「Amazon Pay」で商品代金を支払った場合、支払い金額の0.5%をギフト券で還元する取り組みをスタート
    Amazonギフト券を使い「Amazon Pay」で決済する場合のイメージ

    Amazonギフト券を軸に拡充される消費者への還元施策

    Amazonギフト券での支払いに関しAmazonは、Amazonギフト券残高にあらかじめ現金でチャージすると、1回のチャージ金額(最低金額は5000円以上)に応じてAmazonポイントを付与する取り組みを実施している(名称はAmazonチャージ)。

    ポイント付与率は、Amazonプライム会員で最大2.5%、Amazonプライム会員以外は最大2%。

    アマゾンジャパンは8月24日から、Amazonギフト券の残高を使ってID決済サービス「Amazon Pay」で商品代金を支払った場合、支払い金額の0.5%をギフト券で還元する取り組みをスタート
    「Amazonチャージ」について(画像はAmazon.co.jpからキャプチャ)

    消費者は、Amazonギフト券の残高を増やす場合は現金でチャージするとAmazonポイントの付与を受け、Amazonギフト券残高を使い「Amazon Pay」で商品・サービス代金を支払えば0.5%分のギフト券の還元を受けることができる――。Amazonギフト券を軸に、Amazonは消費者への還元施策を拡充している。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    コロナ禍の通販・EC市場は20%増の10.6兆円に拡大【JADMAの2020年度売上高調査】

    4 years 6ヶ月 ago

    公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表した2020年度(2020年4月-2021年3月)の通販市場売上高調査(速報値)によると、2020年度通販の売上高は前年比20.1%増の10兆6300億円となった。

    金額ベースでは前年比で1兆7800億円の増加。コロナ禍の購入手段として通信販売が活用されたこともあり、調査を開始した1982年度以来、初めて前年度比20%以上の伸び率となった。直近10年の平均成長率は8.7%。マイナス成長を記録した1998年度以来、22年連続で増加傾向が続いている。

    公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が発表した2020年度(2020年4月-2021年3月)の通販市場売上高調査(速報値)によると、2020年度通販の売上高は前年比20.1%増の10兆6300億円
    通販市場規模の推移

    通販市場の傾向としては、モール系が堅調で、商材では家電系や家具、食品系など、在宅時間を充実させる目的の商品が好調であることをあげている。

    通販市場の売上高調査は、会員情報に加えて、JADMA会員434社(調査時点)を対象に実施した「第39回通信販売企業実態調査」から得た回答の売上部分を先行集計した結果と、各種調査から推計できる有力非会員386社の売り上げを加えて算出した。

    調査期間は2021年6月24日~8月13日。推計値は、衣料品や雑貨、化粧品、健康食品などの物販が中心となっている。

    経済産業省が7月30日に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、BtoC-EC市場規模は19兆2779億円で前年比0.43%減。BtoC-EC市場のうち、物販系分野は同21.71%増の12兆2333億円だった。

    経済産業省が7月30日に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」 物販系分野のBtoC-EC市場規模、EC化率の経年推移
    物販系分野のBtoC-EC市場規模、EC化率の経年推移

    「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆3489億円)「衣類・服装雑貨等」(2兆2203億円)「食品、飲料、酒類」(2兆2086億円)「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆1322億円)の上位4カテゴリー合計で、物販系分野の73%を占める。EC化率が高いジャンルは、「書籍、映像・音楽ソフト」(42.97%)「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」(37.45%)「生活雑貨、家具、インテリア」(26.03%)。

    経済産業省が7月30日に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」 物販系分野のBtoC-EC市場規模
    物販系分野のBtoC-EC市場規模
    経済産業省が7月30日に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」 物販系分野内での各カテゴリーの構成比率
    物販系分野内での各カテゴリーの構成比率
    石居 岳
    石居 岳

    BeeCruiseがアメリカ国内Shopifyセラー専用の配送系アプリ「BEEYOND」をリリース

    4 years 6ヶ月 ago

    BEENOSの連結子会社であるBeeCruiseは、アメリカ国内のShopifyセラーを対象とした、越境ECの配送課題を解決するアプリ「BEEYOND」を8月23日にリリースした。

    海外配送の煩雑さや配送費の課題解決につながる「BEEYOND」

    「BEEYOND」は海外配送の煩雑さとコスト両方の課題解決につながるアメリカ国内Shopifyセラー専用のアプリ。

    BEENOS BeeCruise BEEYOND 越境EC Shopify アメリカ国内Shopifyセラー向けアプリ
    アメリカ国内Shopifyセラー専用アプリ「BEEYOND」

    従来の海外配送では、輸出手続きや対象国ごとに対応可能な配送業者の選定が必要となる。また、海外配送料は高額となるため、ユーザーの購入機会損失にもつながりかねない。

    BEENOS BeeCruise BEEYOND 越境EC Shopify アメリカ国内Shopifyセラー向けアプリ 従来の海外配送
    従来の海外配送

    既存の配送系Shopifyアプリは、専用のラベルを荷物に貼って配送することで配送費が安くなるメリットがあるが、発送に関する煩雑さは解消されておらず、小規模セラーを中心に大きな負担になっているという。

    BEENOS BeeCruise BEEYOND 越境EC Shopify アメリカ国内Shopifyセラー向けアプリ 既存の配送系アプリ利用時
    既存の配送系Shopifyアプリを利用した海外配送

    「BEEYOND」を利用した場合、アメリカのShopifyセラーは、専用のステッカーを貼った商品をロサンゼルスの専用倉庫に発送するだけで211の国と地域に配送が可能となる。アメリカ国内の配送と同様の処理だけで海外発送が可能となるため、輸出に伴う手続きや配送業者の選定が不要になる。

    また、海外配送料金は他社配送サービスやアプリと比べて最大70%安くなる試算が出ており、高額な送料がネックになっていたユーザーの購買拡大が期待できる。

    BEENOS BeeCruise BEEYOND 越境EC Shopify アメリカ国内Shopifyセラー向けアプリ BEEYONDを利用した配送
    「BEEYOND」を利用した海外配送

    導入費用・月額利用料は無料で、配送ごとに配送料+手数料のみ請求となる。

    BEENOS BeeCruise 越境EC Shopify アメリカ国内Shopifyセラー向けアプリ 日本へ配送した場合の料金比較表
    日本へ配送した場合の料金比較表

    米国内でECシェア2位を誇るShopify

    Shopifyの2020年流通総額は前年比96%増、約12兆5600億ドルとなっており、ECシェアは米国内で2位の規模。2020年の越境EC売り上げは約75%増加し、200億ドル以上を達成している。

    また、Shopifyは非英語圏におけるローカライズ施策など国際展開の強化を2021年の集中投資分野としており、アメリカのShopifyセラーにとって、越境EC対応に伴う海外配送課題の解決は重要度を増すと予想されている。

    藤田遥
    藤田遥

    え? 無駄じゃないの? 「社名」「商品名」「サービス名」で広告を出すメリットとは【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    4 years 6ヶ月 ago
    ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年8月16日〜22日のニュース
    ネッ担まとめ

    企業名や商品、ブランド名といったいわゆる「指名系キーワード」は、企業固有のキーワードなので自然検索で1位になりやすいですが、「検索結果の最上位に出るなら広告は無駄じゃないか?」と言われることも多いです。この指名キーワードの考え方についての記事がありましたので紹介します。

    最大のメリットはGoogleに影響されずに安定した売上を生み出せること

    機会損失を防ぐ指名キーワードでの広告配信。入札すべき4つの理由とポイントを紹介 | キーワードマーケティング
    https://www.kwm.co.jp/blog/brand-keywords-ads-/

    (広告出稿するのは)指名キーワードで検索広告を出さないことで機会損失が発生する可能性があるからです。

    考えられる機会損失は以下の4つです。それぞれ詳しく説明していきます。

    1.競合へユーザーが流れてしまうから
    2.意図したページに遷移させられないから
    3.自然検索とは違い、見出しや説明文をコントロールできるから
    4.SEOトラブル時にも流入数を担保できるから

    言い換えると指名キーワードに出稿するメリットは下記のようになります。

    1. 競合へユーザーが流れてしまうのを防ぐ
    2. 意図したページに誘導できる
    3. 見出しや説明文をコントロールできる
    4. Googleのアルゴリズム変動に影響されない

    1、3、4について具体的に説明します。

    1.競合へユーザーが流れてしまうのを防ぐ

    「売れ筋商品の売上が落ちたと思ったら商品名で他社が広告を出していた」「自社名で検索したら他社の広告が最上位にあった」という経験はないでしょうか。これらのキーワードで検索する人は間違いなく自社のことを知っていますし、興味がある可能性も高いです。そのユーザーを他社に奪われるのは大きなリスクです。ユーザーが競合の広告をクリックしてその先のページで購入してしまったら、自社に戻って来る可能性はほぼありません。

    「自分がチェックしたときは表示されなかったから大丈夫」と安心していると、それ以外の時間帯で出稿されていたり特定のエリアだけ表示されている可能性もあります。すべてをチェックすることは不可能なので、出稿した方が良いですよね。

    3.見出しや説明文をコントロールできる

    「ネットショップ担当者フォーラム」の検索結果

    こちらは「ネットショップ担当者フォーラム」で検索したある日の検索結果です。「イベント・セミナー・講座」「ニュース記事」は意味がわかるものの、「IKEA、Instagram、上島珈琲」「現在地」は何のことかわからないですよね。仮に「イベント・セミナー・講座」であれば「最新イベント」で「無料セミナー一覧」などと書いてあればクリックされる可能性が上がるはずです。

    このように自然検索の結果はGoogleが決めてしまうので、ねらったページにユーザーを誘導したいのであれば広告を出すメリットがあります。

    見出しや説明文はコントロールできますが、コロコロ変えるとユーザーにとって見慣れない見出しが表示されることになり、クリックされなくなることもあります。「変えることはできるけど変えてはいけないものもある」と覚えておきましょう。

    4.Googleのアルゴリズム変動に影響されない

    広告は上手くやれば上位に出し続けることができますが、自然検索の場合はこちらでコントロールできるようでできないので売上が不安定になりますよね。獲得単価が見合っている限りは出稿することで売上が安定するはずです。そこで獲得した顧客にはメールやLINEなので再訪してもらえれば、広告費はそんなに高いものではないですよね。

    特にスマホでは広告とマップが表示された後に自然検索の結果が来ることもあるので、自然検索1位の意味がなくなることもあります。Googleは広告の会社です。広告がクリックされないと収入が増えないので……ということですね。

    様々な機会損失を踏まえたうえで、それでも指名キーワードでの広告出稿は控えたいと思うのであれば、一部の時間帯だけ配信したり、特定のユーザーを除いて配信したりするという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか?

    出すか出さないかの二元論ではなく、一部だけでも配信して、少しでも機会損失を減らすのはどうでしょう。

    「年収」や「求人」などのキーワードを除外する、ログインページの訪問者をリスト化して除外する、商圏だけの地域ターゲティングの設定などの方法が書かれています。これだけでもかなりのスリム化になるはずです。「出稿した方が良いとは思うけど無駄が多い」と感じるのであれば、その無駄を省く方法を考えた方が良いですよね。

    このように指名キーワードは考え方や出稿方法に工夫の余地があります。漠然と獲得単価だけを見たり自然検索と比較するのではなく、確実に売上を作る手段として磨いていきましょう。

    EC全般

    創業305年目のチャレンジ。コロナ禍のピンチをチャンスに変えた老舗和菓子屋のネット通販奮闘記 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8964

    最初は否定的な人がいても続けていればメリットを感じてくれます。信念を持ってショップの運営を。

    2021年下半期以降の通販市場「拡大する」が約8割。消費者の行動変化に合わせた対応が必要【主要通販企業への景況感調査】 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8968

    なかなか先が見えない状況で消費全体の冷え込みもありますが、必需品もあるので拡大傾向かなと思っています。

    フューチャーショップ、2021年4月~6月の流通額は昨対比106%の465億円 | futureshop
    https://www.future-shop.jp/news/2021/08/17.html

    こちらのデータを見ても通販市場は拡大しそうですよね。ただし、先週の記事の通りで伸びるのは物販がメインとなりますが。

    メルカリの国内流通総額は25%増の7845億円【2021年6月期】 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/8988

    不用品を売って儲ける人、安く買いたい人も増えています。

    国内最大級のラーメン通販サイト「宅麺.com」会員数が30万人を突破 | ECのミカタ
    https://ecnomikata.com/ecnews/31466/

    グラフを見てわかるように急増です。食べたいものは何としても食べたいというユーザーは多いですよね。

    購入後チェックアウト拡張機能:ベータアクセスで利用可能に | shopifyブログ
    https://www.shopify.jp/blog/partner-post-purchase-app

    アップセル、アンケート、プロモーションの提供などいろいろな施策ができそうです。

    今週の名言

    今の状況は無様という言葉がしっくりくるものだと思います。でも、良くなりたいから、何とかその無様さを見せてでも進みたいし、進むしかないんです。

    「ヤキまわってんじゃねぇか…」。古舘伊知郎が吐露する「時代遅れ」への苦悩と迷い | Yahoo!ニュース(個人)
    https://news.yahoo.co.jp/byline/nakanishimasao/20210813-00251917

    結果を出したいのであればカッコいいプロセスは必要ないですよね。カッコ悪い姿に共感してくれる人もいるはずです。

    森野 誠之
    森野 誠之

    お客さまが買いやすいECサイトってどんなサイトなんですか? 教えて! Eコマース先生![マンガでさらにわかるAmazon Pay]

    4 years 6ヶ月 ago
    EC担当者を応援する「Eコマース先生」こと川添隆氏が、悩めるECサイト担当者に徹底解説。小島サトシは壁を打破できるのか!?
    [AD]

    3年前に自社ECサイトにAmazon Payを導入し、お客様が簡単・安心に決済できるECサイト作りを果たした小島サトシ。しかし、上層部は現状に満足しているわけではないようで……。
    ※マンガをクリックすると次のページに移動します

    ここからスタート
    次にECサイトの運用ですが 小島さん、調子はどうですか
はい 引き続き好調です!(小島サトシ ECサイト責任者)
3年前に我が社のECサイトに導入した「Amazon Pay」
今や1.5万社以上の企業(サイト数10万以上)が導入しているECのID決済サービス
お客さまが手間いらずの簡単・安心な決済をできるようになったおかげでコンバージョン率も大きく改善した!
しかし 『引き続き』ですか……?
    登場人物
    小島サトシ

    小島サトシ
    ECサイト担当者。Amazon Payを導入し て効果を 実感している一方、これからさらに売り上げを伸ばしたいと考えている。

    川添 隆

    川添 隆
    全国のEC担当者を応援し、ECビジネスの可能性を伝えるEコマースの先生。ECに関わるツールにも造詣が深く、EC関連事業者から厚い信頼を集めている。

    ここからスタート
    Amazon Payを導入したばかりの頃と今では環境も違います。近年では音声を活用したショッピング方法が出てくるなどトレンドやテクノロジーも変わってきていますし 海外からのニーズも高まっています。我が社でも時代に合わせた更なる発展を目指しています。 小島さん、あなたにはその点も期待していますよ。
確かに今のままじゃだめなんだよな…… 更なる発展か……一体何から手を付ければ…… ん……?『Eコマース先生のオンラインセミナー』……? ええい この際なんでも聞いてみろだ!申し込み……と…!
    ここからスタート
    はいはーい 呼びました?
え!? え!? もももしかしてこの写真の!?
EC担当者を応援する通称「Eコマース先生」川添隆です 話は聞かせてもらいました EC事業で壁を感じているんですね?
は…はい… Amazon Payのおかげで使いやすいサイトにはなってきてると思うのですが更にECを発展させるには何から手を付けたらいいのかと
なるほど ところで小島さん お客さまはECサイトに何を期待しているかわかります?
え?
    ここからスタート
    それは欲しいものが見つかること そして見つかったらさっさと注文ができること!
まず重要なこととして「そもそも欲しいと思われる商品・サービスを提供できているか」ということがあり お客さまは 買うものが決まったらその後はさっさと注文をすませたい!
そのためには買いたいものをすぐに注文できる「手間のかからない購入体験」を提供することが重要! そしてそれは… Amazon Pay
を「さらに」 活用することで実現できます!
さ…さらに!?
    ここからスタート
    まずはお客さまに手間なく会員になっていただく方法です
Amazon Payならオプトイン機能&ログイン機能を活用した会員登録が可能! 注文と同時に自社ECサイトへの会員登録やメールマガジン購読手続きを完了できるので登録のハードルがぐっと下がります! ※お客さまの同意がある場合に限ります
お客さまの情報はそのまま自社ECサイトで管理しマーケティングに活用可能!
お客さまに合ったキャンペーンやイベントなどをご案内して自社ECサイトのリピーターを増やしていくことができます
なるほど! これならより安定した売り上げも築ける! ただ新規のお客さまの中には支払い方法のところでAmazon Payを選ばない人もいるみたいで そうすると結局カゴ落ちしちゃうんですよね
    ここからスタート
    そんなこともあろうかとゲスト購入用入力フォームに「Web接客型
Amazon Pay」を実装! 別の支払い方法を選んでカゴ落ちしそうなお客さまに対してもポップアップで「Amazon Pay」での購入を提案してくれるんです
これならフォームからの離脱やカゴ落ちも防げるな!
ちなみにトレンドの「音声ショッピング」とかって対応してるんですかね?
もちろん!
Amazon Payに対応したAlexaスキルを開発すればお客さまはAmazon Echoシリーズに話しかけながら商品を選んだり決済することができます!
また自社ECサイトで購入した商品の配送状況もお客さまに通知することができますよ
おすすめを教えてくれて声だけで購入が完了!
購入した配送状況を声で教えてくれる!
    ここからスタート
    そしてもうひとつ小島さんは「Amazonギフト券」って持ってますか?
あはい! アンケートに答えるともらえたりして
実はそのギフト券Amazon以外の自社ECサイトでも使えるんです!
え!
Amazon Payはクレジットカード決済だけでなくAmazonギフト券を使った支払いにも対応しています!
それに伴いAmazon Payが利用できるECサイトでも支払方法としてAmazonギフト券を選択できます!
そうか… 学生やクレジットカードを持ってないお客さまはギフト券で買い物したりしますもんね…!
それにECサイトへクレジットカード情報を入力することに不安を感じているお客さまにも購入いただきやすい!
Amazonギフト券でもお買い物できることをTOPページで告知すれば顧客層をさらに広げられそうだ!
    ここからスタート
    新規のお客さまといえばもしかして海外対応とかもできたり!?
もちろん! Amazon Payは越境EC・ウェブインバウンド対応サービスWorld Shopping BIZと機能連携しています!
これを導入すればウェブサイトにタグを1行設定するだけで 開発や運営オペレーションの変更を行わず越境ECによる買い物環境を提供できるんです!
さらにWorld Shopping BIZの場合は北米・欧州のAmazonアカウントで簡単に決済ができる仕組みになっていて 事業者は海外のAmazonを利用するお客さまの需要獲得が期待できるんです!
すごい! これなら今の延長線だけじゃなく更なる効果も期待できる!
    ここからスタート
    お客さまの視点に即したECか…! 色々分かった気がする!
早速Amazon Payをフル活用だ!
数か月後
川添さーん この記事見てください!
ECサイトで獲大得成に功! 新規顧客の獲得にも成功した秘訣とは――
成長したね小島さん! なあ、次のイベントのパネルディスカッション彼に出てもらおうか

    このマンガのエピソード1をPDFでご覧いただけます

    マンガでわかるAmazon Pay

    主人公・小島サトシはなぜAmazon Payに出会ったのか? キーパーソンは謎のスーツの紳士だった……。このマンガの前日譚『マンガでわかるAmazon Pay ~なぜあのECサイトで買ってしまうのか? 人気繁盛店「ozie」が支持される理由~』のPDF版は、こちらからダウンロードできます。

    Amazon Payについての詳細・お問い合わせ・お申し込みはこちらから

    制作:トレンド・プロ

    [AD]
    匿名ユーザー
    確認済み
    6 分 23 秒 ago
    ネットショップ担当者フォーラム フィード を購読

    人気記事トップ10

    人気記事ランキングをもっと見る